フットインザドアとは

フットインザドアとは

フットインザドアとは、段階的要請法とも呼ばれており、まずは小さな頼みごとを承諾させてから、徐々に大きな頼みごとを承諾させていくといった手法です。

”フットインザドア”には、「一貫性の原理」が大きく関わっています。「一貫性の原理」とは、人間には一度決心した行動や発言、信念などを貫き通したいと思う心理的な作用のことです。

フットインザドアのテクニックは、人間の持つ心理「一貫性の原理」を巧みに利用しています。特に我々日本人は、まじめで義理堅い人種といわれているだけに、このフットインザドアの手法はなおさら有効でしょう。

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フットインザドア(技法)の具体例

フットインザドアは、意外にも日常的に使えるテクニックです。

たとえば、家庭内で、親が子供に食事の後片づけをさせようとするとき、いきなり「食器を洗いなさい」と言っても、なかなか言うことを聞いてくれません。しかし、このフットインザドアの手法を使えば、子供に食器を洗わせることが可能になるのです。

まず、「食器を台所まで運ぶのを手伝って」とお願いします。そこで子供が「うん」とうなずけば、台所に向かうでしょう。次に、「水につけておいて」とお願いします。すると、今度は水道の蛇口をひねることになりますよね。最後に、「ついでに食器を洗って」と頼めば、ごく自然な流れで本来の目的を果たすことができるのです。

フットインザドアとドアインザフェイスの違い

フットインザドアとは対照的な手法として、「ドアインザフェイス」があります。

たとえば気になる相手がいたとします。全く初対面の関係で、いきなり「デートに行きましょう!」と誘えば、まず断られます。しかし、断られた後に「それでは連絡先を教えてください」と言えば、「デートに誘ってもらったのに、断って悪かったな……」という罪悪感から、OKをもらえる可能性は高くなるでしょう。

フットインザドアは要求を小さいものから大きいものに変えていくテクニックで、ドアインザフェイスでは、要求を大きいものから小さいものに変えていくというテクニックです。

フットインザドアを営業に使う方法

お客さんの前に営業マンがいきなり現れて「この商品買ってください」と言っても、うまくいくケースはほとんどありません。しかし、ここでフットインザドアが有効になります。

とりあえず、「まずは話だけでも聞いてもらえませんか……」というところからスタートさせます。話を聞いてもらえたら、今度は「一度試しに使ってみませんか?」と次の段階に移るのです。最終的に、「断れない!」と思わせたら勝ち、商品を買ってもらうことに成功するわけです。

フットインザドアという言葉は、客先を回る営業マンが”まず、足をドアに入れる”動作が由来といわれています。

フットインザドアを恋愛に応用するには

フットインザドアを恋愛に応用することも可能です。

ドアインザフェイスでは「デートに行きましょう!」が先にきますが、フットインザドアは逆の方法ですから、「デートに行きましょう!」が最後になります。たとえばこんな感じになります。

まず最初に「その本貸してくれない?」と相手に頼みます。たとえば相手の読んでいる本が歴史モノだったとして、今度は「歴史に興味があるんだけど、どこか面白い歴史スポットがないか教えてくれない?」と聞きます。最後に、「そこは行ったことがないから場所を案内してくれないかな?」といった流れでデートに誘います。

フットインザドアは最終的に大きな目的を果たすのに最適

このように、フットインザドアは小さな頼みごとを積み重ねていくことによって、最終的に”大きな目的”を果たすことを可能にしてくれます。

本来の目的を叶えるためにさまざまな要求を相手に突き付けるわけですから、いきなりハードルをあげたり無理難題を押し付けたりして本末転倒とならないように注意してください。

あくまでも自然の流れを意識して、大きな目的を果たすために、じっくりと時間をかけてじっと耐えることが大切な手法です。

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