影響力の武器とは
『影響力の武器』とは、社会心理学者のロバート・B・チャルディーニ氏による著書のことを指し、心理学を基礎とした他者に対するアプローチ方法を総括しています。
ついつい買ってしまった、ついつい食べてしまった、などといった行動……それは、自発的に起こした行動だと自分では思っていても、実は人から何かしらの影響を受けているものです。
『影響力の武器』では、「人は、他人からどのように影響され、他人の望む行動をとるようになるのか」ということを社会心理学のさまざまな角度から分析し解説しています。また、分析の結果から、自分の望んでいる行動を人に起こさせる方法を教えてくれます。つまり、『影響力の武器』を読むことで、影響力は自分の武器となるのです。
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ビジネス心理学とは?『影響力の武器』の目次と要約・まとめ
『影響力の武器』は8つの章に分かれています。
第1章:影響力の武器
第2章:返報性
第3章:コミットメントと一貫性
第4章:社会的証明
第5章:好意
第6章:権威
第7章:希少性
第8章:手っとり早い影響力
この8つの章をさらに大きく分けると、返報性、希少性、権威、コミットメント一貫性、好意、社会的証明となります。
返報性……
相手にしてもらったことに対して自分も返したいと思う気持ちのこと。友人から誕生日プレゼントをもらったのであれば、その友達に対してプレゼントを渡そうと思う気持ちです。そのため、好きな人に対して好意を見せるわけです。
希少性……
人というのは珍しいものを好む傾向があります。珍しいものだからこそ価値があり、そのものを手に入れたいと考えるようになります。
権威……
肩書き、経験といったものを持つ人に、人は動かされやすいというものです。皇室の関係者であるという肩書きの詐欺師が逮捕される事件がありましたが、人というのは権威性を誇示された場合、簡単に心を動かされるものなのです。
コミットメントと一貫性……
人は約束を守ろうとする性質があります。待ち合わせをして会う約束をすると、どれだけ面倒でも行こうとするのが人間であり一貫性です。信頼を得るために必要不可欠な本能だといえます。
好意……
人というのは好きな人に対して従う傾向にあります。好きな上司や先輩の言うことは聞いても、嫌いな人に対しては反抗してしまった、という方も多いのではないでしょうか。
社会的証明……
人はみんなと同じ行動をし、同調して行動を合せます。人がしていることをついマネしてしまうのも、この社会的証明によるものです。
このように、それぞれの言葉の意味とそれが日々の生活にどのように影響をしているのかを解説しています。
『影響力の武器』の書評や感想
セールスだけでなく接客業など、さまざまな仕事に役立つ本だという前評判を信じで購入する人が多く、心理的影響力について小分けで紹介されているので、とてもわかりやすいという感想が多いようです。
ベストセラーにしてロングセラー本であり、セールスを仕事にしている人間であれば、もし『影響力の武器』を知らないなどと漏らせば、無知な人と思われてしまうほどの必読の本でもあります。ある意味、セールスパーソンたちのバイブル的な本といえるでしょう。
意思決定のしくみや、生きていくうえでとても大切な交渉の仕方なども学べます。読んだ内容をしっかりと確認したうえで、自分の身の回りのことを冷静に考えると、周囲のこともまた違って見えることでしょう。
『影響力の武器』 第三版の要約と違いとは
『影響力の武器』は第二版と三版とではまずページ数が異なります。大見出しについても同じです。巻末で文献がいくつも紹介されているのですが、この文献数は大幅に増加されており、読者からのレポートなども第二版とは異なる内容になっています。
『影響力の武器』はセールスマンの必読書
『影響力の武器』は、さまざまな人が活用できますが、特にセールスマンにおすすめです。人を納得させたい、物をたくさん売りたい、会社経営をしている人であれば、この『影響力の武器』は、まさに大きな武器となります。
人間がどうして影響されるのか、どうすれば影響させることができるのか、ということをくわしく知ることができます。人間の本能的な部分から精神的な部分まで、深くえぐるような内容になっています。