人生脚本とは 

人生脚本とは

人生脚本とは、エリック・バーンが提唱した心理学理論です。幼少期に自分自身の人生脚本を描き、その通りになるとされています。人生脚本の大部分は親からのメッセージにより決定されます。無意識のうちに生き方を決め、それに従い行動するということです。

1.人生脚本と交流分析・エリック・バーンについて

アメリカの精神科医エリック・バーンは、人間の性格分析を行ううえでのフレームワークとして交流分析を提唱しました。これは、構造論・発達論・力動論をベースに分かりやすい言葉でまとめたもので、客観的にパーソナリティを分析するために有効な手法とされています。

交流分析は、自己理解を深めること・対人関係トラブルの原因特定と改善を目的としたものです。構造分析・交流パターン分析・ゲーム分析・脚本分析などを通し、対象者のパーソナリティを探ります。交流分析の中で「性格に大きな影響を与えるもの」として重要視されるのが「人生脚本」です。

2.人生脚本の禁止令とドライバーとは

禁止令とは「○○するな」と主に言語的に伝えられるメッセージのことです(表情や態度などで非言語的に伝えられる場合もあります)。存在するな・言う通りにしなさい・近づくな・何もするな・感じるな、などがあげられます。

禁止令に近いあり方として「やりなさい」と言い聞かせることもあります。完璧であれ・努力しなさい・急ぎなさい・喜ばせなさい、などが例示できます。このようなメッセージは「ドライバー」と呼ばれ、禁止令とともに人格形成に影響します。

小さな子供は、禁止令とドライバーをあわせて「がんばらないと自分は存在価値がない」「両親の言うことは絶対で喜ばせることが自分の役割」と感じます。大きなプレッシャーになってしまうと常に心が休まらず、不安な生活を強いられます。

3.人生脚本の書き換え方

無意識に形成される人生脚本を書き換えるのは、容易なことではありません。セラピスト・精神科医がよく用いる手法のひとつに、過去に退行して脚本を書き換える手法があります。負の感情を伴う人生脚本は、トラウマ体験がもとになっていることがあります。

トラウマの原因となった事象にアクセスして経験ごと消してしまえば、それ以上苦しむことがなくなります。トラウマとなった部分がはっきりと分からないなら、考えうる問題を一つずつ消していきます。禁止令が足かせとなっているケースでは「○○してもいい」と許可を与えて改善します。

4.人生脚本のセミナーやカウンセリング

人生脚本セミナーは、民間団体や企業によって運営されます。コンサルタント・カウンセラー・医師など担当する講師によって教える内容が異なるため、自分にあったものを検討します。悩みを抱えている本人を対象にしたセミナーの他、心理学を学びたい人・企業のメンタルヘルス担当者に対するものもあります。

自分自身の悩みを解決したいのか、他者がより良く生きるサポートをしたいのかで、適切な内容が変わってきます。なお、セミナーで手法を学んだからと言ってすぐにセルフカウンセリングできるわけではないところに注意します。

人生脚本が原因で生きにくさがあると自己判断する場合には、個別カウンセリングも検討されます。精神疾患を扱う医療機関や専門団体に問い合わせをして相談の予約をします。継続的な通院が必要かどうか判断をあおぎ、納得してケアを進めましょう。

5.まとめ|人は人生脚本の通りに人生を歩む

意識している・いないにかかわらず、どんな人にも人生脚本があって、その通りに人生を歩みます。今の人生に歩みづらさを感じているようなら、自分の持っている人生脚本とはどんなものか考えてみましょう。道筋を適切なあり方に変えていくと、人生が充実したものになります。自分のあり方を見つめ直し、より良い生き方を構成するチャンスとしてください。

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