ジョン・グリンダーとは
ジョン・グリンダー博士は1940年生まれのアメリカ人の言語学者です。またある時は作家でもあり、ある時は経営コンサルタントでもあるという、多面的な顔を持つ人物です。博士としてワークショップなどの講師もしています。
1960年初頭にサンフランシスコ大学を卒業し、その後米国陸軍に入隊、特殊部隊の大尉の階級を得たのちに米国情報局へ入局したといわれています。
1960年代の終わりにようやく大学へ戻った同氏は、言語学を学び、博士号を取得することができました。その時の論文『英語における削除現象』は1976年に出版化されています。
1970年代には、Suzette Elginと共同で言語学の教科書も出版しています。
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ビジネス心理学とは?リチャード・バンドラーとともにNLP創始者
ジョン・グリンダー博士は「神経言語プログラミング」、通称”NLP”を形成したことで名を馳せており、リチャード・バンドラーとともに創始者とされています。
共同開発者であるロバート・ディルツとジュディス・ディロージャの4人を合わせて「NLP 四天王」とも呼ばれています。
NLPは心理療法のひとつであり、医療や教育、政治などの他分野で活用されています。別名”脳の取り扱い説明書”ともいわれているコミュニケーション手法です。
セラピーの分野で有名なミルトン・エリクソン、フリッツ・パールズ、バージニア・サティアの3人を分析したジョン・グリンダー博士が、それぞれのスキルパターンを体系化したのが始まりです。
リチャード・バンドラーと関係解消
ジョン・グリンダー博士とNLPの共同創始者であるリチャード・バンドラーは、同氏に対して訴訟を起こしています。それは1996年のことでした。
また、リチャード・バンドラーは1997年にはNLP共同体に属する他のメンバーに対しても訴訟を起こしています。
その内容は商標権侵害をはじめ、NLPの知的財産所有権、グリンダー博士による和解契約の共謀的不正干渉と不履行、永久差し止め命令を訴えたというものです。2000年終わり頃までには、ジョン・グリンダー博士とリチャード・バンドラーは和解しましたが、結局それ以降共同開発は行っておらず、二人の関係は解消されたことに変わりはありません。
ジョン・グリンダーのオススメ本
ジョン・グリンダー博士の本に『リフレーミング―心理的枠組の変換をもたらすもの』があります。これは、同氏の著書を日本語訳した内容になっています。また、NLPの方法に基づいた心理臨床においての実践書として知られています。
この本の中には、リフレーミング――意味を変えるために、その人がもっている枠組みを変えることについて多く書かれています。リフレーミングはその人の言動を変化させるために意味を変えること、固定観念を変えるための働きだと語られています。
たとえば、「今日は雪が降っているから出かけるのが大変だ」というネガティブな思考を、「今日は雪が降っているから温かい飲み物がおいしく飲める」と肯定的なものの見方に変えるようなものです。
ものごとを否定的に捉えがちな人は、一度読んでみると良いかもしれません。
まとめ|ジョン・グリンダーはNLPの功労者
リチャード・バンドラーの訴訟事件などいざこざはあったものの、ジョン・グリンダー博士がNLPの創始者であり、功労者であることには変わりはありません。
実際、NLPは心理療法の世界で効力を示しており、アメリカ中のセラピストたちに広まっていっています。
コミュニケーションスキルやビジネスにおいても活用されているのも事実です。テニスプレイヤーとして有名なアンドレ・アガシ選手も、世界ランキングで順位を下げた後、再びトップへと上り詰めることができたのは、NLPを用いたコーチングを受けていたからだともいわれています。
対人において優れた効果を得ることができるというNLPは、これからの時代、さらに注目を浴びる可能性があります。