ミラーニューロンとは 

ミラーニューロンとは

ミラーニューロンとは、鏡を見ているかのように、他の個体の行動を見て、自分自身までも同じ行動をとっているかのように反応をする、高等動物の脳内の神経細胞を指します。

ミラーニューロンの発見には、サルの脳が実験に使われており、サル以外には、鳥類や人間にも存在しているのではないかと推測されている段階で、人間の脳内にミラーニューロンが存在するという確証はまだありません。

ミラーニューロンの働きと鍛え方

ミラーニューロンとは脳内にある神経細胞のひとつです。この細胞は自分がなにか行動をするときだけでなく、他者がする行動を見たときにも活性化することが分かっています。たとえば、相手が泣いているのを見て自分も涙が出たり、スポーツなどを見て興奮したりするのはミラーニューロンの働きによるものです。

自分が体験していなくても、相手の行動を見ただけでミラーニューロンが活性化され、脳内で再現します。目でみるだけでなく、耳から入ってきた情報でも活性化するとされます。見たり聞いたりしたものを脳内で再現することを、鏡に映し出すことにたとえて、“ミラー”という名がつけられています。

スポーツなどで、上手な人のお手本を参考にして練習して効果が出るのも同じ理屈です。相手の動きをじっくりと観察することで、脳内では自分が相手の動きをしているときと同じように細胞が活性化します。

その上で模倣することで、練習の効果が身に付きやすくなるのです。周りに影響されるとか、ヘタな人といると自分もヘタになるなどと言いますが、これもミラーニューロンの働きといえます。

ミラーニューロンを鍛えるためには、多くの経験をすると良いと考えられます。ミラーニューロンは日常さまざまなことから刺激されるからです。より良く鍛えたいのであれば、自分が良いと思えるものに触れたり、自分が真似をしたいと思う人と接したりすることも大切です。

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ミラーニューロンと共感の関係は

ミラーニューロンは共感をつかさどる神経細胞といわれます。相手の行動や言葉などから、自分の脳内で再現するのがミラーニューロンです。脳内で再現し、自分が体験したように感じることで、自分の脳内で再現することで相手に共感することができます。

怖い体験を相手から聞いただけで自分も同じように恐怖を抱く、楽しかった旅行の話を聞いて自分も行きたくなるなど、ミラーニューロンによって自分も体験したように感じることでこのような共感ができます。

ミラーニューロンが活発に活動している人ほど相手に共感しやすく、相手の立場に立って物事を受け止め行動することができます。

ミラーニューロンと自閉症の関係は

自閉症は相手とのコミュニケーションが苦手だったり、他人からみて理解が得られない行動を繰り返す、他人と比べ興味の範囲が狭い、同じ行動を繰り返すなどの症状が特徴的です。自閉症の人は模倣が苦手で、そのために相手の行動を理解することができず、社会性を学習することが難しくなっています。

相手の行動を見て共感する、相手の行動の意図を理解し学習するなど、自閉症の人が苦手とすることは、ミラーニューロンの働きとされるものです。このことからミラーニューロンになんらかの欠如があることで、相手の行動を模倣できなかったり理解することができなかったりすると考えられます。

自閉症の原因自体がまだまだ研究段階であり、ミラーニューロンとの関係も仮説のひとつにすぎません。しかし自閉症とミラーニューロンの関係は、今後の研究に期待が持てるところです。

ミラーニューロンはまだ解明途中

ミラーニューロンについて、現段階ではそのすべては解明されていません。元もとミラーニューロンはサルの脳から発見された細胞です。サルの脳を使っての研究は進んでおり、細胞単位で研究されていて脳の下前頭回と下頭頂葉に存在することが分かっています。

しかし人間の脳の場合、細胞単位での研究は難しく、人間の脳にミラーニューロンが存在するという証明はされていません。しかし脳の活動を測定するfMRIを使い研究したところ、人間の脳にも他人の言動で活動する部位があることが分かっています。

このことから人間の脳内にもミラーニューロンが存在すると考えられていますが、解明されていないこともまだまだ多いのです。

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