ミラーリングとは

ミラーリングとは

ミラーリングとは、相手の言動やしぐさなどをミラー(鏡)のようにマネることにより、相手に親近感を持たせたり好感を抱かせる心理テクニックです。「ミラーリング効果」とも呼ばれています。

ミラーリングには、”類似性の法則”というものが深く関係しています。類似性の法則とは、人間が自分と似た人、または似たものに対して好感を抱きやすい心理のことをいいます。

ただ行動や言葉づかいをマネるというよりも、価値観や共通点、趣味や生活サイクルなどといった、”偶然性”の高いものが似ていることが、ミラーリングにとって重要といえるでしょう。

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ミラーリング効果で恋愛

ミラーリングは恋愛のテクニックとしても効果を発揮します。相手との共通点が多ければ多いほど、人はより親近感を抱きます。好意を寄せている相手との共通点がはじめから多い場合はそれを活用しない手はありません。

出身地、住んでいる場所、趣味、食べ物の嗜好などが似ていれば、それをアピールすることによりミラーリング効果が得られるでしょう。

しかし、いつも都合よく共通点があるとは限りません。その場合でもミラーリングは可能です。たとえば相手の趣味を事前に調査しておき、それについて、ある程度調べたり勉強して知識を蓄えます。これで共通の趣味を持つことができます。恋愛において、偶然を装うことも、ひとつのテクニックです。

ミラーリング効果で営業を

ミラーリングはビジネスシーン、特にセールスの場面で大きな効果を与えることができます。優秀な営業マンは、ミラーリングを上手に活用していると言われています。たとえばこのような動作がそれにあたります。

相手が楽しそうに笑ったら、同じように笑う。相手が悲しそうな表情をしたら、同じように悲しい表情をする。顧客に同調することで、好印象を与えることができるのです。

”会話”がキーを握るセールスの場面では、相手の言い回しや話すテンポをマネるのも有効だといえます。また、あえて相手と逆のしぐさを混ぜることで、効果を高めることも可能です。(相手が腕を組んだら、こちらは腕を机に置くなど)これを「相補的ミラーリング」といいます。

ミラーリング効果の研究

ミラーリングについて、理化学研究所が研究を行った結果があります。驚くことに、二人の間の発話リズムが揃うと同時に、脳波リズムまでも揃うことが発見されたのです。

理研脳科学総合研究センター、脳リズム情報処理連携ユニットの川崎真弘研究員や神経情報基盤センターの山口陽子センター長らによる研究チームが実験を行いました。

その実験内容とは、発話内容に意味を持たないアルファベットを二名が交互に発話するというもの。「交互発話課題」と命名されています。これを日本人の20ペアに行い、本来異なるはずの両者の発音リズムが、交互に発話することで同調することを発見し、同時に脳波リズムまで同調することがわかりました。

ミラーリングは親密な人間関係作りに効果的

ミラーリングを日常生活にうまく取り入れることで、人間関係を円滑にすることができます。ミラーリングのためには相手をよく観察し、理解することが必要です。相手のクセや行動パターンが分かるようになってくると、よりミラーリングを活用しやすくなり、親密な関係を築くことが可能になるでしょう。

ミラーリングのテクニックで忘れてならないのは、「あくまでも自然体であること」。あまりにも露骨なマネ方をすると、”からかっている”ように思われて、相手に不快な思いを抱かせてしまいますし、”わざとらしい”と思われてしまい逆効果になることもあります。

普段から”ミラーリング”のことを少し意識するだけで、相手との距離感を変えることは可能です。もしかすると、いつの間にか当たり前に同調するようになっていることが、ミラーリングの真の効果なのかもしれません。

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