中村天風とは
思想家であり実業家としても活躍した中村天風は、1876年(明治9年)東京生まれ、本名は中村三郎(なかむらさぶろう)と言います。
彼の人生が大きく動いたのは、彼が30歳の時のこと。日露戦争の軍事探偵として活躍していました。当時は不治の病とされていた肺結核を発症したことをきっかけに、人生のこと、そして心を強くすることを考え始めました。
その答えを求めてアメリカへ渡るものの、結局、帰国途中で出会ったインドのヨガ聖者の弟子となり、ヨガ哲学を学び、病を克服しました。その後、 天風会を創始し、心身統一法を広め各界に影響を与えました。主な著書に「研心抄」「真人生の探究」「成功の実現」などがあります。
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ビジネス心理学とは?中村天風の心身統一法やクンバハカと瞑想の方法
中村天風はアメリカからの帰国後に「心身統一法」を説きました。
心身統一法は、「天風哲学」と呼ばれる宇宙観、生命観、人生観が背景となった“いのちの力”を充分に発揮するための理論、そして実践論です。
瞑想法には、就寝前に行う“連想暗示法”や、鏡に映る自分に向かって理想の精神状態を命令する“命令暗示法”などがあり、消極的な心を更生する効果があると言われています。
また、天風氏の教えの中でも有名な、ヨガの秘法・クンバハカは、お尻(肛門)を締めることにより精神的・肉体的ダメージによる自律神経の動揺を抑制して、自身の感情をコントロールできるようになると言われています。
中村天風の成功の実現の要約
中村天風の著書「成功の実現」は、感情のコントロールをすることにより、人生のコントロールも行えるようになる――そんな「人生成功の哲学」が愉快にまとめられた一冊として、全国の経営者・社長から絶賛されています。
感情に振り回されないようになるためには、まず物質心、植物心、本能心、理性心、霊性心といった心の構造を知ることから始めると同氏は説いています。学校では決して習うことのない、しかし人生に必要な知識がこの本には詰め込まれています。また、クンバハカの訓練と呼吸方法についての解説も分かりやすくなされています。
中村天風の名言と語録
”たとえ身に病があっても、心まで病ますまい。たとえ運命に非なるものがあっても、心まで悩ますまい。”これは、中村天風の名言のひとつ。肺結核を患った経験のある自分自身に言い聞かせているような、そんな言葉ではないでしょうか。
他にも、”広大無辺の大宇宙よりもさらに心は大きい”など、宇宙と精神世界を絡めた言葉も残しています。
「中村天風一日一話」という書籍には、一日一話形式で同氏の哲学が収録されており、366もの短編文章で語られています。
中村天風と松岡修造との関係
中村天風に強く影響を受けた人物はたくさんいます。その中でも有名なのが、元テニスプレイヤーの松岡修造氏。現在はスポーツキャスターなどで活躍していますが、非常にポジティブでエネルギッシュなイメージが強く「日本で一番熱い男」とも言われています。しかし、彼は自身の現役時代を「とてもネガティブだった」と語っています。
そのネガティブな心を変えたのは、他でもない中村天風の書著でした。もちろん、メンタルを鍛えるトレーニングを怠らなかった彼自身の芯の強さもありますが、それを後押ししたのが中村天風の言葉です。
”今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に生きよ。”松岡修造氏がよく口にしている一句こそ、中村天風の残した言葉です。現在の松岡修造は、中村天風によって生まれた、といっても過言ではありません。
中村天風はヨガ行者でメンタルトレーナー
中村天風は日本初となるヨーガ行者としても知られています。日本にヨガを広めた一人者でもあります。
そして、なんといってもメンタルトレーニングの先駆者です。その教えは同氏が亡くなった今でも語り継がれており、その教えと効果は半永久的に、後世に受け継がれていくものと思われます。中村天風は現代においても「メンタルトレーナー」と呼んでふさわしい人物なのです。