ウィンウィン(Win-Win)の関係とは 意味を解説
ウィンウィン(Win-Win)とは、経済用語のひとつ。ビジネス(取引)の場において、両者が利益を得る関係のことです。言葉を直訳してみればわかるとおり「勝ちと勝ち」となり、意味としては、「自分も勝つ。相手も勝つ」となります。
ウィンウィン(Win-Win)は、世界的なベストセラー書である『7つの習慣』等の自己啓発書の中で取り上げられたことで、広く知られることになりました。現在では、ビジネスの場だけでなく、交渉の場やコミュニケーションの場においても、使われる言葉となりました。
ウィンウィン(Win-Win)の具体例
最も身近なウィンウィン(Win-Win)な関係の例としては、商品を購入した人とお店の関係が挙げられます。そもそもウィンウィン(Win-Win)とは「取引をした双方にとって利益が出ている状態」を指します。
ここで言う利益とは、単にお金にとどまらず、欲しいものを手に入れられたという満足感、心情も指しています。対価として金銭を支払ったとしても手元に残った品物に満足していて、損はしていないと感じていることがウィンウィンの実現に必要な条件となります。
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ビジネス心理学とは?さきほどの例で表現するのであれば、お店とお客さんの心理状態は以下の通りとなります。
例:「商品を購入したお客さんとお店の関係」
お店:商品が売れ、お金を得たことによって利益が出て満足している
お客さん:金額にふさわしい商品を手に入れられたので満足している
ウィンウィンな関係を築くために必要なのは満足感で、両者が取引によって心理的に見て損をしていないことが大前提になります。
仮にお店側が「在庫処分のために赤字になるが大安売りをした」という条件を付け加えると、お店側が不満を持ってしまうことになるため、ウィンウィンな関係は築かれなくなります。
お店:1000円で仕入れた商品だったが、売れなかったので在庫処分セールとして500円で販売し、全て売れたが赤字が出てしまって不満足だった
お客さん:1000円出して購入できるものが半額の500円で購入できたので満足
条件が1つ加えられるだけで、ウィンウィンな関係だったものが、Lose-Winな関係になってしまいます。
また「商品の販売価格を高く設定したけれども、売れた」という条件が付け加えられたら、今度はお店が得をして(Win)お客さんは損をする(Lose)というWin-Loseの関係ができ上がってしまいます。
ウィンウィン(Win-Win)の関係を言い換えると
ウィンウィンという言葉はしばしばビジネスシーンの中で使われることになりますが、これは言い換えれば顧客満足度とも呼ぶことができます。
顧客満足度(Customer Satisfaction)は、消費者が満足すれば商品やサービスを継続的に購入してくれるという前提で、消費者の満足度を高めることがビジネスを成功させるカギになるという考え方です。ウィンウィンな関係は、顧客満足度が高い場合に成り立っているケースが多いという特徴があります。
顧客満足度という考え方の延長線上にウィンウィンな関係が存在しており、良い商品を提供する企業とそれを満足して購入する消費者の関係は顧客満足度が高い状態で、かつお店(企業)側にとっても商売が繁盛して満足している状態と酷似しています。顧客満足度は商品やサービスの質とも深い関係性があり、消費者が求める商品を的確に適正価格で販売できるかどうかが満足度を向上させるためのカギとなっています。
つまり、ウィンウィンの関係(企業と消費者がどちらも満足している状態)を築くためには顧客満足度を向上させる必要があり、そのためには、企業は消費者が欲している商品やサービスを的確に提供していかなければならないのです。
ウィンウィン(Win-Win)は経済用語
ウィンウィンは経済、経営においてよく使用される言葉ですが、近年ではトータルウィンという考え方も持ち出されるようになっています。
実際の現場では企業と消費者の間の取引だけではなく、卸売業者から小売店への仕入れの取引もあるため、お店とお客さんの二者間でウィンウィンな関係を築けたとしても、お店と卸売業者の間では同様に良い関係を築けていない可能性があり、この部分についても関係を良好なものにしていこうという考え方がトータルウィンという考え方となります。
ウィンウィンの考え方を拡張しマクロな視点から見たものがトータルウィンという考え方で、企業の活動をより健全に、より効率的なものに仕上げるために掲げられている理想形と言えるでしょう。