ゼロサムゲームとは
ゼロサムゲームとは、複数の参加者が存在する中で、それぞれの得点と失点の総和(=サム)が、常にゼロであるというゲームのことをいいます。「ゲーム理論」と呼ばれる経済理論の一種です。“ゼロ和”と呼ばれることもあります。
例えば参加者が二人いたとして、プレイヤー1が現在+100点であるならばプレイヤー2は-100点という状況が挙げられます。
また、競馬やパチスロといった賭博も、主催者の取り分を除いて考えれば、元々は敗者から収集した資金を勝者で分配する仕組みであるため、ゼロサムゲームの一種だといわれています。さらにいえば、外国為替取引も同様です。
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ビジネス心理学とは?ゼロサムゲームとゲーム理論、株式市場の関係
ゼロサムゲームは「ゲーム理論」の一種であると述べましたが、ゲーム理論は、経済学でよく用いられる用語でもあります。
ゲーム理論とは、単なるゲームだけに限らず、複数の参加者が相互的に影響し合っている経済や経営、政治、社会学、外交をはじめ、様々な分野においても応用できるような理論を意味しています。
株式市場では、基本的に非ゼロサムゲームであるといわれています。ある株価が上昇すれば、同時に、その株価を持つ企業の価値も上がります。しかし、企業の価値が下がり、株を売りたいと思う人が増えれば、今度は株価の価値が減少します。
このように、株式市場においては、それ全体の大きさに変動があるため、非ゼロサムゲームだということになります。
ゼロサムゲームと将棋や競馬との関係
ゼロサムゲームというものは、参加者が2名のみだった場合、どちらか一方が必ず勝者となり、もう一方が必ず敗者となります。そういった意味で、将棋は典型的なゼロサムゲームであるといえるでしょう。ただし、「先手必勝」という言葉があるくらいですから、順番による有利・不利などが生じることが多いゲームになります。
競馬も同じです。勝った馬がいれば必ず負けた馬が存在します。しかし、競馬の場合は、ゲームをスタートする時点で、主催する側が参加者から費用を徴収するシステムになっているため、厳密には「マイナスサムゲーム」だといわれています。また、結果的に参加者の勝ち負けを総合して考えたとき、ゼロにならない場合も多々あります。
ゼロサムゲームの勝ち方
ゼロサムゲームで勝つということは、非常に困難であることが分かります。では、どうやったらゼロサムゲームで勝つことが可能になるのでしょうか?
その答えは、「ゼロサムゲームを辞める」ことです。最初からやらない、のではなく、“引き際”が肝心だということです。勝ったらゼロサムゲームを辞める。これは、ゼロサムゲームの中でも、特に競馬などの賭け事「マイナスサムゲーム」に当てはまることです。「勝つ」ことよりも、「負けない」ことを意識してゲームに臨むことが重要なのかもしれません。
ゼロサムゲームで勝ちたいのであれば、「プラスサムゲーム」を狙うのが良いでしょう。プラスサムゲームとは、はじめに投資した金額よりも、勝った場合に還ってくる金額の方が多いゲームを指します。例を挙げれば、懸賞やポイントサイトなどです。考え方によっては、“勤労”もプラスサムゲームに当たるといえます。
ゼロサムゲームを気にしない
ゼロサムゲームの一番の勝者は、「ゼロサムゲームを気にしない人」なのかもしれません。
ゼロサムゲームにおいて得をした場合は大いに喜んでも構わないと思います。しかし、それは一時的なものと考える方が得策。「これはいけるかも」などと次々と投資してしまうと、結果的に損をすることになるからです。
また、ゼロサムゲームで損をした場合は、はじめから「損をした」などと落ち込まないことが大切です。負の感情にずるずると引きずられていては、次のゼロサムゲームで勝つための「運」も逃げて行ってしまいます。勝利というものは、案外「ゼロサムゲームを気にしない人」の所に舞い込んでいくように思えます。