あなたは「心も体も健康なのに、やる気がでない……」とか、「やらなければいけない仕事があるのに、やる気がでない……」と悩んでいませんか?
時間はどんどん過ぎていくのに、いつまで経ってもやる気がでない。
仕事や用事が片付かないままなので、気が重くなるという、そんな経験。
私自身、「やる気がでないから」ということで、仕事を溜め込んでしまったり、家の掃除をサボったりして、取引先や家族に迷惑をかけてきました。そんなときは「もっとカンタンにやる気がでてくれればいいのに」と思っていました。
そこで、この記事では、あなたのやる気がでない原因5つと、その解決法をカンタンな順にご紹介します。この解決法を実践すれば、やる気がでないときでも悩むことが少なくなるでしょう。
なお、心や体が疲れていてやる気がでないと感じる人は、こちらの記事を活用してください。現役の心理カウンセラーが解決方法について、わかりやすく解説をしています。
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ビジネス心理学とは?目次 ~やる気がでない原因5つとその解決法~
4.やる気がでない原因4|「やる気がでない理由」が分からない
1.やる気がでない原因1|なにも行動していない
実は、「やる気がでてから作業をしよう」と考えているうちは、一向にやる気はでないことをごぞんじですか? 人間の脳は逆で、「作業をするから、やる気がでる」というしくみになっています。
あなたもこんな経験がありませんか? たとえば、全然気がのらなかった家の掃除でも、いざやり始めてみたら、意外とやる気が出たという経験が。この「やり始めた後に出てくるやる気」のことを、心理学では作業興奮と言います。
この作業興奮について、脳科学者の池谷裕二さんは著書『海馬 脳は疲れない』の中で、以下のように解説しています。
「やる気」を生み出す脳の場所があるんですよ。側座核(そくざかく)と言いまして、脳のほぼ真ん中に左右ひとつずつある。
(中略)ところが、側座核の神経細胞はやっかいなことに、なかなか活動してくれないのです。どうすれば活動をはじめるかというと、ある程度の刺激が来た時だけです。つまり、「刺激が与えられるとさらに活動してくれる」ということでして。
やる気がない場合でもやりはじめるしかない、ということなんですね。そのかわり、一度はじめると、やっているうちに側座核が自己興奮してきて、集中力が高まって気分が乗ってくる。だから「やる気がないなあと思っても、実際にやりはじめてみるしかない」のです。
引用元:『海馬 脳は疲れない』
まずは、やる気がでていなくても、3分だけ作業をしてみましょう。作業を始めると、作業興奮が起こって、やる気が出るのです。
意外と思うかもしれませんが、試してみてください。
2.やる気がでない原因2|締め切りがずっと先にある
夏休みに入ったばかりの小学生を思い出してください。「1カ月以上も休みがあるんだから、まだ宿題しなくていいや」と考えてしまっていて、宿題を7月中に終わらせることができないですよね?
イギリスの歴史学者パーキンソンも以下のような法則を出しています。
パーキンソンの法則
パーキンソンの法則とは「仕事量は与えられた時間を使い切るまで膨張する」というものです。
引用元:「EX-IT」仕事量は与えられた時間を使い切るまで膨張する?パーキンソンの法則?
つまり、作業をするときに人は与えられた時間を全部使おうとするわけです。
この解決法はカンタンです。みじかいスパンの締め切りを作ればいいのです。有名なところで、ポモドーロ・テクニックを使ってみましょう。このやり方は以下の通り、とてもカンタンです。
ポモドーロ・テクニック
ステップ1:達成したい作業を選ぶ。
ステップ2:タイマーを25分間に設定する。
ステップ3:タイマーが鳴るまで(25分間)は作業に集中する。
ステップ4:終わったら、5分間の休憩をする
ステップ5:ステップ2~4を4回繰り返したら、15〜30分間の休憩する。引用元:「life hacker」今日から始める生産性アップ術。ポモドーロ・テクニック再入門ガイド
「2時間集中して一気に宿題を終わらせるぞ」と思っても、普通の人は2時間も集中力がもちません。でも、25分間なら集中できそうですよね?
短時間で集中する脳の訓練になりますので、続けていくと集中力が身につきます。
私の経験談ですが、スマートフォンをタイマーに使うのは避けましょう。スマートフォンの他のアプリが気になって、作業に集中できなくなります。
タイマーは余計な機能の付いていないシンプルなキッチンタイマーを使いましょう。キッチンタイマーは100円ショップでも買うことができます。
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ビジネス心理学とは?3.やる気がでない原因3|作業の手順がわからない
なにから手をつけたらいいのかわからない場合もやる気はでません。
人間は迷ったり、やり方がわからなかったりすると、行動をしようとはしないのです。そういった場合は、作業の手順表を作りましょう。
(1)発音を覚える
(2)単語を覚える
(3)英会話教室に通う
このようにすれば、「単語も覚えなきゃ」「発音も覚えなきゃ、でも英会話教室にもいかないと」と混乱することとがなくなります。
「いっぺんに色々やった方が早いのでは?」と思う人もいるかもしれませんね。しかし、人間の脳はパソコンと違って、2つの作業を同時にこなすことがニガテです。
たとえば、参考書の左側のページを覚えながら、右側のページを覚えることはできませんよね?(笑) 手順表を作っておけば、目の前のひとつ作業に集中できるので、効率よく作業を終わらせることができます。
4.やる気がでない原因4|「やる気がでない理由」が分からない
頭の中がモヤモヤしていると、やる気って出ないですよね。それは、本当の「やりたくない理由」に気づいていないからです。
言いかえると、やりたくない理由に気づくだけで、やる気が出ることもよくあります。
ですので、頭がモヤモヤしている場合は、やりたくない理由を紙に書き出してみましょう。自分が不安に感じているところや、嫌なところを明確にしてみるのです。
やってみると、いろいろと出てくると思います。
- 「やり方がわからない」
- 「一人でやるのがつらい」
- 「めんどくさい」
そして、本当の「やりたくない理由」がわかったら、その対策を書きましょう
- 「やり方がわからない」 → やり方をインターネットで調べる
- 「一人でやるのがつらい」 → 「誰かに手伝って」と声をかける
- 「めんどくさい」 → 小さい作業に分解してみる
私たちは、紙の上で考えると自分の思考を整理しやすいものです。
頭の中で思考をするのは、紙を使わずに、暗算で「2桁×2桁」を計算するようなもの。ほとんどの人には無理なのです。
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ビジネス心理学とは?5.やる気がでない原因5|未来への不安がある
たとえば、ダイエットをしようとしているとき。「ダイエットをすると体調が崩れるかな……」とか、「ランニングで足を痛めるかも……」と考えていると、怖くてダイエットをやる気が起きないですよね。
未来への不安がある場合、「それならいっそ、やらないでおこう」と自分を守ろうとするのです。
この場合、それが終わったあとにどんないいことがあるか紙に書き出してみましょう。書くのはタダなので(笑)、少しオーバーでもワクワクするほど書いてみましょう。
- 「かっこいい」とか「かわいい」と言われる
- 好きな人から好かれる
- 着たかった服が着られる
「それでも、悪いことが起こったらどうするの?」という人もいるでしょう。心配な場合は、途中で起こるかもしれない問題と、その対策も書いておきましょう。
- 体調が悪くなるかも → 気分が悪くなったら、中止する
- ランニングで足を痛めるかも → ランニングのコーチをつけて、正しいフォームを身につける
何が起こるかわからない真っ暗な場所を明かりもなしに進むのは怖いですよね。よって、先に危険予知をして、転ばないようにしておくのです。
6.要注意!自分を追い詰めてやる気をだすと……
ここまで、やる気をだす方法を紹介してきました。これで、あなたは、「やる気がでない……」と悩むことは少なくなるでしょう。しかし、ひとつだけ注意が必要なことがあります。それは、自分を追い詰めて、やる気をだすのは危険ということです。
参考までに、私の経験をお話しします。
私は小学生の頃から父親に「お前は弁護士になれ」と言われていました。そのため、大学も法学部に進み、学生時代は司法試験の勉強をしていました。しかし、自分が弁護士になりたかったわけではなかったので、やる気がでませんでした。
しかし、「大学には行かせてもらったので、親の期待には応えなければ」と勉強を続けました。
その結果以下の2つのようなことが起こりました。
6-1.精神的に休むことができない
「やる気が無くても、親のために勉強しなければ」というプレッシャーから休むことができませんでした。大学受験が終わって遊びたいと思いつつも、大学の講義が終わると司法試験の対策の予備校に通っていました。
しかし、別に法律が好きなわけでもないため、思うように勉強も進みませんでした。そして、勉強が進んでいないからなにをしていても、「勉強をしなければ」とうなされて、休むことができませんでした。
6-2.燃え尽きてしまう
やる気がでないにもかかわらず、無理やり勉強を続けていたので、大学に入ってから、半年ほど経ったところで、燃え尽きてしまいました。
具体的には、大学にも行かずに、1日13時間以上寝るという日々が1か月ほど続きました。そんな私を見て、親も「そんなにボロボロならやめていいぞ」と言ってくれたので、なんとか快復はしました。
「やる気がでない」というのは、「休みなさい」とか「そっちは自分の行きたい方向ではないでしょう」というサインだったのです。
それにもかかわらず、「勉強しなければならない」というプレッシャーからむりやり行動していたので、本当に苦しかったです。
そのときに学んだ法律の知識は、今でも仕事で役に立っているので、無駄にはなりませんでした。が、「なんとしても司法試験には受からなければ、生きる資格などない」という考えは、思い詰め過ぎだったようです。
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ビジネス心理学とは?7.最後に|やる気がでないからといって落ち込まないで!
やる気がでないからといって、「自分はなんてダメな奴なんだ……」と落ち込まないでください。だれでもやる気のでないときというのはあります。
そういうときは、この記事で紹介した方法を実践して、少しずつでも作業をしていけばいいのです。「やる気はやっているうちにでてくる」ということを思いだして、まずは目の前のひとつの作業からはじめてみませんか?
なお、やる気をだす方法をさらに知りたい人には、こちらの記事もおすすめです。カンタンに実行できるやる気をだす方法が紹介させています。あわせて、活用してみてください。