フロントエンドとはマーケティング用語で、見込み客を集める商品を指します。無料サンプルなどの、フロントエンド商品で見込み客を集め、商品のリピート販売につなげる、もしくは、高額なバックエンド商品を販売する。この流れをうまく作ることができれば、とても安定したビジネスになりそうですよね?
実際に、広告をうてばどの程度の売上が見込めるのか、事前にある程度予測できるようになると、ビジネスに安心して取り組めます。
ここでは、このようなフロントエンド商品とバックエンド商品を用いたマーケティング手法について、ピアノ教室のマッチングサイトで起業し、その後、英語学習教材の販売なども手がけた私が、そのメリットやデメリット、どうやって導入するのかなど、できるかぎりわかりやすく解説します。
ぜひ、この記事を、あなたのビジネスに役立ててくださいね。
初めて当サイトに訪れた方へ
ビジネス心理学とは?目次 〜フロントエンド・バックエンド商品とは〜
- 2-1.フロントエンド・バックエンドの基本的な流れ
- 2-2.フロントエンド商品で見込客を集める3つのポイント
- 2-3.集めた見込み客は、しっかりとしたフォローアップを
- 2-4.バックエンド商品の販売につなげるには?
1.フロントエンド・バックエンドについて正しく理解しよう
この章では、フロントエンド・バックエンドの意味から導入のメリットやデメリット、どういった人が導入すると良いのかについて紹介します。
1-1.そもそもフロントエンド・バックエンドとは?
フロントエンド商品を使った集客は、TVショッピングなどでよく見かけます。たとえば、次のような感じです。
フロントエンド・バックエンドの例
販売者 | フロントエンド商品 | バックエンド商品 |
---|---|---|
化粧品メーカー | お試し化粧品 | 化粧品の定期販売 |
ピアノ教室 | 体験レッスン | 定期レッスン |
司法書士 | 相続の無料相談会 | 有料契約 |
建築会社 | 住宅見学会 | 住宅の建築販売 |
情報販売者 | 無料の情報 | 有料情報の販売 |
このようにフロントエンド・バックエンドは、TV通販はもちろん、住宅の建築販売から、情報販売まで、色々なところで目にするマーケティング手法です。フロントエンド商品で見込み客を集め、バックエンド商品を売るという、2つのステップで行われることから、別名2ステップ・マーケティングともよばれます。
1-2.導入するメリット・デメリット
フロントエンド・バックエンド導入するメリットとデメリットを以下に紹介します。
- 高額商品や高額なサービスの販売や、リピート販売につなげやすい
- 売りづらい商品、知られていないサービスが売りやすくなる
- LTV(顧客生涯価値)を高めやすい
- 導入に手間や時間がかかる
フロントエンド・バックエンド導入のメリットとして大きいものは、高価なものの販売やリピート販売が狙えることです。また、この手法は売りづらい商品やサービスにも有効です。では、売りづらい商品とは、どのようなものでしょうか? たとえば、ピアノ教室への入会などがそうです。
なぜなら、ピアノ教室には、大切な子供を長い期間通わせることになりますよね? そのため、親はピアノ教室選びに慎重になります。これに対して、フロントエンド商品に体験レッスンを用意することで、安心して入会してもらえるようにするわけです。
1-3.このマーケティング手法が役立つ人、役立たない人
フロントエンド・バックエンドのマーケティング手法が役立つ人は、先ほどのメリットと同じで、高額商品や高額なサービスを売りたい人や、リピート販売をしたい人です。
- 高額商品や高額なサービスを売りたい人
- リピート販売をしたい人
- 知られていない商品、未知のサービスを売りたい人
- 売上を最大化したい人
- 小売店などの店舗販売が中心の人
- 悩まずパッと買えるような商品を扱っている人
このように、小売店などの店舗販売向きではありませんが、店舗販売とあわせてネットでも商品販売をしている場合は有効です。
なぜなら、ネットで広告をクリックして、いきなり商品を買うことって少ないですよね? しかし、無料サンプルなどの広告から申し込むことはありますよね。ぜひ、ネットでの商品販売をする場合は、導入を検討してみると良いでしょう。
初めて当サイトに訪れた方へ
ビジネス心理学とは?2.フロントエンド・バックエンドの導入方法を紹介します
この章では、実際にフロントエンド・バックエンドの導入方法を紹介します。
2-1.フロントエンド・バックエンドの基本的な流れ
フロントエンド・バックエンドの基本的な流れは次のような感じです。
(1)フロントエンド商品で見込み客を集める |
(2)しっかりとしたフォローアップを行う |
(3)バックエンド商品の販売、リピート販売につなげる |
フロントエンド商品の販売から、最後のバックエンド商品の販売まで、すべてがうまく流れるように、ビジネスを組み立てる必要があります。中でも、見落としがちなのが(2)のフォローアップ。特に、高額なバックエンドを売りたい場合は、しっかりしたフォローアップが重要になってきます。
2-2.フロントエンド商品で見込客を集める3つのポイント
フロントエンド商品は、バックエンドに関連したもの、バックエンド商品が売りやすいものを選びます。
- 専用のランディングページを用意する
- 広告を試しながら、申込率が高くなるよう常に広告文やページを改善し続ける
- 見込み客の獲得にかかるコストをちゃんと計算すること
見込み客を集めるために、専用のランディングページを作成します。ランディングページとは、キャッチコピーや商品写真、申込ボタンなどが入った、見込み客集め専用のホームページです(またはチラシなど)。
広告をうちながら、ランディングページのキャッチコピーを見なおしたり、写真やページ構成を変えたりしながら、申込率が高くなるよう改善し続けます。
2-3.集めた見込み客は、しっかりとしたフォローアップを
次はフォローアップについてです。お客様に対して、「ちゃんと商品は到着しましたか?」や、「商品をお使いになられて、どのような変化がありましたか?」「何かご不満な点はございませんか?」といった感じで、フォローアップします。
- 普通のメルマガは送らない、たいてい読まずにゴミ箱行き
- フォローアップにメールを使う場合は、送信者を個人名にし内容も工夫する
- ハガキや手紙を送ったり、小冊子などをプレゼントしたりするとより効果的
- フォローアップコール(電話)でフォローする手もあります
たとえば、やずやでは、お客様向けの読み物・季刊誌を定期的に発行したり、年間100万円以上買ってくれる優良なお客様に対しては、特別な音楽の演奏イベントへ招待したりするなど、かなりしっかりとしたお客様フォローを行っています。
また、年商100億に達するまでは、お客様それぞれの担当者が手描きでお礼状を書くなど、地道な努力でファンを増やしたそうです。
2-4.バックエンド商品の販売につなげるには?
バックエンドが売れるよう、CPO(顧客獲得単価)とLTV(顧客生涯価値)を常に計測し続けて、少しずつ販売の流れを改善しながら、売上アップをめざします。
- CPOやLTVを測定しながら、売上がアップするよう改善し続ける
- フォローメールからワンクリックで申込できると購入率やリピート率が格段にあがる
- お試し品の場合は、なくなるタイミングで案内をすると、購入率が高くなる
LTVとはライフ・タイム・バリューの略で、日本語では「顧客生涯価値」とよばれ、CPOはコスト・パー・オーダーの略で「顧客獲得単価」です。LTVとCPOについては以下の記事でくわしく解説しています。この記事と合わせて読むことで、どうやって売上を伸ばしていけばいいかが、イメージできるようになります。
LTVやCPOの意味から計算方法、分析のやり方などを超初心者にもわかりやすく解説しています。利益の最大化には、CPOとLTVを組み合わせた販売戦略が重要です。利益の最大化を目指すなら、ぜひお読みください。
初めて当サイトに訪れた方へ
ビジネス心理学とは?3.実際にどのくらい効果があるのか? 事例を紹介します
次の表は普通に商品を売っていた企業が、フロントエンド・バックエンドを導入して、どのようにCPO(顧客獲得単価)が改善されたかをあらわしています。
ジャンル 商品単価 導入前CPO 導入後CPO 効果 某健康食品通販 2,000円 15,200円 5,333円 1/3 某化粧品通販 4,000円 30,600円 5,500円 1/6 某食品通販 2,000円 28,000円 7,143円 1/4 某化粧品通販 3,000円 22,500円 6,250円 1/4 ※加藤公一 レオ (著)『100%確実に売上がアップする最強の仕組み』より一部抜粋
このように、お客様の獲得にかかるコストが1/3から1/6に減っています。これらの事例は、以下の本でくわしく紹介されています。
『 <ネット広告&通販の第一人者が明かす> 100%確実に売上がアップする最強の仕組み』
加藤公一レオ(著)
やずや、味の素、エーザイ、花王といった有名企業をコンサルしてきた著者の本です。特にネットで商品を販売考えている方にとって、とても役に立つでしょう。
4.重要なのは、効果を測定し、少しずつ改善し続けること
フロントエンド商品で見込み客を集め、フォローアップし、そしてバックエンド商品を販売、またはリピート販売につなげる。この流れをうまく組み立てることができれば、とても安定したビジネスになります。広告を打つと、どの程度の売上が見込めるのか、ある程度事前に予測できると安心してビジネスができそうですよね?
そのためには、ぜひLTVとCPOを計測し、少しずつ販売の流れを改善しながら、確実に売上を増やしていってくださいね。
次の記事では、LTVやCPOの意味から計算方法、分析のやり方などを超初心者にもわかりやすく解説しています。利益の最大化には、CPOとLTVを組み合わせた販売戦略が重要です。利益の最大化を目指すなら、ぜひお読みください。