パレートの法則を図と例で解説!経営や営業、勉強で使うには

パレートの法則を図と例で解説!経営や営業、勉強で使うには

あなたは、パレートの法則(あるいは、2:8の法則、ニハチの法則とも)という言葉を聞いたことがありますか? この法則は、「すべての富の8割を、人口のトップ2割だけで所有している」など、原因の2割が結果の8割になっていることを表す経験則です。

……とは言っても、難しいですよね。そこで、この記事では図や例を使って分かりやすく解説しました。このパレートの法則、経営や営業、勉強でそのまま使える部分と、使えない例外と両方あります。

とくにビジネスの現場だと、よく理解せずにこの法則を使ってしまうと、売上を大きく下げてしまう場合もあります。ぜひこの記事を読んで、正しい意味と使い方を理解してください。

目次 〜パレートの法則を図と例で解説!〜

1.パレートの法則とはなにか? 図と例で解説

2.パレートの法則の使用例

3.パレートの法則には例外もある!

4.パレートの法則と似ている法則まとめ

5.パレートの法則を有効に使おう!

1.パレートの法則とはなにか? 図と例で解説

パレートの法則とはなにか? 図と例で解説

パレートの法則とは、原因の2割が結果の8割になっていることを表す経験則です。たとえば、「上位2割の顧客が、売上の8割を作り出す」とか、「教科書の重要なところ2割を覚えれば、テストで80点がとれる」といったように、原因のごく小さな割合が、結果の大きな割合になっていることを意味しています。

パレートの法則

引用元:Weblio辞書

もちろん、厳密に2:8になるわけではありません。1:9になる場合もあれば、3:7になる場合もあります。ビジネスでは、「口コミしてくれる人は全体の1%だけで、その人が99%の紹介客を連れてくる」と言われますから、これにいたっては1:99というわけです。

つまり、2:8の数字が重要なのではなくて、パレートの法則というのは、原因と結果にかたよりがあるということなのです。ちなみに、パレートの法則は、英語では「Pareto law」とそのままです。

1-1.パレートの法則は経営でも使える!

パレートの法則は、もともとはイギリスの経済学者であるヴィルフレド・パレートが発見した経験則です。彼は最初に、「すべての富の8割を、人口のトップ2割だけで所有している」という経済学のデータに気づいたのです。

しかし、彼はその後、この経験則が経済学だけでなく、自然現象や経営などにも当てはまることも発見しました。

「ホームページのうち、2割のページで8割のアクセスを集めている」とか、「2割の営業マンが全体の8割の売上をあげている」などです。

このことが分かると、経営資源をどこに投下するのかが分かります。くわしくは後述します。

1-2.パレート最適やパーキンソンの法則とは違います

パレートの法則と似ている言葉で「パレート最適」という概念があります。これはパレートの法則とは全く別モノなので要注意。

パレート最適というのは、「誰かを不幸にしない限り、他の人をハッピーにすることができない状態」のことで、経済学で理想とされます。言い換えると「みんながこれ以上ハッピーにはなれない状態」のことです。

また、パーキンソンの法則とも別モノです。パーキンソンの法則とは、イギリスの政治学者パーキンソンが提唱した法則です。「仕事は決められた期限ギリギリまでかかる」、「支出は、収入の額ギリギリまで増える」という内容です。

それぞれ、かん違いしないように気をつけましょう。

2.パレートの法則の使用例

パレートの法則の使用例

「パレートの法則のことは分かったけど……実際にどう使えばいいんだ?」と思っていませんか? そこで、この章ではパレートの法則の使用例をいくつか見ていきましょう。

2-1.パレートの法則を仕事で使うには

まず、パレートの法則を仕事で使うにはどうすればいいのでしょうか? 私の経験談をお伝えします。私は何かのプロジェクトにとりかかるとき、いきなり始めたりはしません。

まず、そのプロジェクトにくわしい人に「何が重要な2割なのか」と「何が重要ではない8割なのか」を聞くようにしています。

もし、それでも分からない場合、インターネットで検索したり、本を読んだりして、アタリをつけるようにします。そのときのポイントは、色々な情報に共通して出てくる要素にフォーカスすることです。

たとえば、あなたが広告を作成するプロジェクトにたずさわっていたとします。そして、あなたがインターネットで広告のポイントを調べたときに、色々なホームページで「広告では、見出しの文章がとくに重要」と共通して書かれていたとしましょう。その場合、「見出しの文章」が「重要な2割の原因」である可能性が高いです。

ですから、広告の見出しには特に時間とエネルギーをかけて作っていく必要がある、ということですね。2割の原因が8割の結果になるわけですから、ちょっと広告の見出しが悪いだけで、結果がガクンと落ちることが予想できるからです。

2-2.パレートの法則を勉強で使うには

パレートの法則を勉強で使う方法も、仕事で使う方法と同じです。経験者や先輩などに、「何が重要な2割ですか?」とか、「どこを集中して学べばいいでしょうか?」と聞くのが早いですね。

もし、それができない場合、複数の参考書や教科書などを比べてみてください。やはり、共通して書かれていることが「重要な2割の原因」である可能性が高いです。

もし、「重要な2割の原因」を見つけたら、そこだけは繰り返し、繰り返し勉強するようにしましょう。エビングハウスという心理学者が発見したのですが、人間の脳は「間をおいた反復」をすると記憶しやすいことが分かっています。

1回だけ勉強するのではなく、短時間でいいので毎日復習をするようにしましょう。重要な2割を記憶するには、これが一番ですので。

2-3.パレートの法則を営業(営業戦略)で使うには

パレートの法則を営業で使う方法はカンタンです。

  • 売上上位2割の顧客は誰か?
  • 売上上位2割の商品は何か?

最低限、この2つを「数字で」調べてください。実際に調べてみると、あなたの予想とはちがって、意外な結果になる場合もあります。

「あのお客さん、いろいろと要望を出してくるのに、実は全然買ってくれていないんだな……」といったことが分かります。あるいは、会社のみんなが「売れている」と思っている商品が案外売れていなかったり(笑)。

大事なことは、上位2割の顧客を特に大事にすることであり、上位2割の商品をトコトン売ることですね。

3.パレートの法則には例外もある!

パレートの法則には例外もある!

ここまで読むと、「パレートの法則ってすごい!」と思っているかもしれません。しかし、気をつけてください。

とくに気をつけて欲しいのは、「上位2割に集中すればいいんだ! 下位8割は切り捨てればいいんだ!」という間違いです。なにも調べずに下位8割を切り捨ててしまうと、結果から遠ざかってしまう場合があります。

この章では、いろいろな失敗談をお伝えしましょう。

3-1.パレートの法則を組織に使うのは間違い?

例えば、あなたが経営者だったとします。あなたの会社の営業マンの営業成績を分析してみて、やはりパレートの法則のとおり、上位2割の営業マンが8割の売上を作っていたとしましょう。

そのとき、あなたは下位8割の営業マンをどうしますか? まさかクビにはしないですよね?

これは実際の例なのですが、下位8割の営業マンが、上位2割の営業マンを献身的にサポートしているような場合があります。この場合、下位8割の営業マンがいなくなってしまうと、上位2割の営業マンの成績も下がります。なぜならサポートがなくなるからです。

上位2割に集中するために、下位8割が要らないということでもないのです。上位2割と下位8割の関係が強い場合、下位8割がなくなると、上位2割のパフォーマンスも落ちるのです。

3-2.パレートの法則をマーケティングで使って失敗した例

これは、私が会社員時代、上司から教えてもらった話です。その上司は、百貨店の婦人服を担当していました。さて、想像してみてください。女性の冬物のコートで、「赤」・「茶」・「黒」の3色展開だったとします。

このときに、もっとも売れたのが「茶」のコートだったとしましょう。では、「赤」と「黒」のコートは、まったく仕入れなくていいのでしょうか? 「茶」だけをたくさん仕入れればいいのでしょうか? それは違います。

「赤」のコートは、ショーウィンドウなど、店頭におきます。すると赤い色なので、目立ち、お客さんを引きよせることができます。そして、お客さんは店内に入り、コート売り場に行くわけです。

そこで、「赤」・「茶」・「黒」のコートを見比べます。「赤は、ちょっとハデだな。でも、黒はちょっと重い色だな。じゃあ、定番だけど、やっぱり茶かな」と考えて、茶のコートを買うわけです。

わかりますか? 売上にはなっていませんが、「赤」のコートはお客さんを引きよせるため、「黒」のコートは引き立て役として、しっかりと役立っているのです。

このときも、ポイントになるのは、上位2割と下位8割の間に関係がないか、です。下位8割のおかげで上位2割になっているのであれば、下位8割の商品をラインナップから減らしてはいけません。

4.パレートの法則と似ている法則まとめ

パレートの法則と似ている法則まとめ

最後に、豆知識として、パレートの法則と似ている法則、概念をご紹介します。あまり重要ではないので、興味がなければドンドン読み飛ばしてください。

4-1.ABC分析

ABC分析とは、カンタンに言うと「重要度分析」のことです。パレートの法則は、上位2割と下位8割で判断しますが、ABC分析はAとBとCの三段階で判断します。

例えば、A(トップ10%)、B(トップ11〜30%)、C(トップ30〜100%)といった具合です。そして、割合は少ないけれども、結果に対しておおきな割合をしめるAを重要視するというものです。

在庫管理のときに使われますが、見てのとおり、パレートの法則とよく似ていますね。

4-2.「2 6 2」の法則

「2 6 2」の法則とは、パレートの法則から派生した法則で、上位層2割・中間層6割・下位層2割になるという経験則です。たとえば組織があったとしたら、

  • 上位2割は非常に優秀
  • 真ん中の6割の生産性は普通
  • 下位2割は生産性がとても低い

といった分布になるという法則ですね。

あるいは、アリの話は有名かもしれません。2003年に北海道大学大学院の長谷川英祐助手は「カドフシアリは、よく働くアリ2割、普通のアリ6割、ほどんど働かないアリ2割にわかれる」ということを突き止めました。

5.パレートの法則を有効に使おう!

前述したとおり、パレートの法則は例外もあります。すべてが綺麗に2:8になるわけではありません。

しかしながら、世の中のほとんどのものには、かたよりがあります。サイコロの目のように、全て同じ1/6の確率というような世界はまずありません。

あなたも、何かに取り組むときに、大きな結果につながる小さな原因にフォーカスしてみてはいかがでしょうか。「何が重要な2割ですか?」と経験者に聞く習慣をつけるだけでも、人生が変わることはお約束します!

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