マーケティング・コンサルタントのダン・ケネディ。マーケティングを勉強している人なら一度は耳にする人物でしょう。
ただ、「ダン・ケネディの方法って日本でも通用するの?」とか「ダン・ケネディって、なんか怪しい」と思っている人も多いようです。
そこでこの記事では、経営コンサルタントの私が、ダン・ケネディについて解説します。上記のような内容についてバッサリと斬っていきますので、最後まで楽しんでお読みください。
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ビジネス心理学とは?目次 〜ダン・ケネディとは? 日本でも通用するのか?〜
1.ダン・ケネディとは? Wikipediaよりも分かりやすく解説
1.ダン・ケネディとは? Wikipediaよりも分かりやすく解説
引用元:ダン・ケネディ日本公式サイト
ダン・ケネディは、きわめて具体的なマーケティングのノウハウを伝えているマーケティング・コンサルタント。私がおすすめするコンサルタントのうちの1人で、本や教材セミナーも販売しています。
フィリップ・コトラーやマイケル・ポーターなど、抽象的なマーケティング戦略を教えている人物もいますが、ダン・ケネディは彼らとは正反対です。
ダン・ケネディの専門はダイレクト・レスポンス・マーケティングとよばれるマーケティング手法。テレビ通販などのように、卸を通さず企業から個人に商品を直接売るマーケティング手法ですね。
また、コピーライティングの分野でも世界トップクラスで、ひとつのセールスレターから1億円の売上をあげることもザラ。2007年は9通のセールスレターを書いて、それぞれが1億円以上の売上をあげたと言われています。
※ダイレクト・レスポンス・マーケティングやコピーライティングについて、さらにくわしく知りたい場合はこちらの記事をお読みください。
1-1.ダン・ケネディから学ぶメリット/デメリット
ダン・ケネディはとても具体的なマーケティングの方法を教えています。私をふくめ多くのコンサルタントは、多かれ少なかれ彼から影響を受けているでしょう。
彼から学ぶメリットとしては、売上が上がることや、収入が上がることでしょう。それがダン・ケネディの専門ですから。
一方で、彼から学ぶデメリットとしては、従業員や顧客との人間関係に亀裂が入る可能性がある、ということです。
ダン・ケネディはとても態度が尊大、つまり偉そうです。私の周りでも、ダン・ケネディから影響を受けた人が、急に偉ぶるようになったのを何回も見たことがあります(笑)。
このことは後述しますが、ダン・ケネディはおそらく共感性が低いサイコパスという精神病質だと思われます。影響を受けすぎると共感性が下がる可能性があります。
その結果、従業員や顧客、取引先との人間関係が悪くなるのです。
1-2.ダン・ケネディがおすすめの人/おすすめでない人
まず、ダン・ケネディがとくにおすすめなのは経営者や自営業者です。また、副業をしている人にもいいでしょう。その理由は、彼が得意とする「すぐに結果が出るマーケティングのノウハウ」を実践しやすいからです。
また会社員でも、マーケティングやコピーライティングの仕事にたずさわっている人にはおすすめできるでしょう。
逆におすすめできないのは、上記以外の人です。ダン・ケネディは自己啓発の本や教材も販売していますが、その対象は「マーケティングをしている人」が前提になっています。もしあなたが上記に該当しないなら、他の人から学ぶといいでしょう。
ただし、自己啓発を学びたいなら、私が書いたこの記事を読んでみてください。なぜ、自己啓発の本やセミナーにお金を投資しても結果が出ないのか、その理由が書いてあります。
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ビジネス心理学とは?2.ダン・ケネディの評判|彼は共感性が低いサイコパスか?
少し前述しましたが、ダン・ケネディはサイコパスの可能性が高いと思われます。
サイコパス(精神病質者)とは?
- 口達者/表面的な魅力
- 誇大的な自己価値観
- 良心の呵責・罪悪感の欠如
- 偽り騙す傾向/操作的(人を操る)
- 冷淡で共感性の欠如
『Wikipedia 精神病質』より一部引用
ダン・ケネディはこんなダイレクトメールを送ったことがあるのを知っていますか? ダイレクトメールの封筒の中に「ナッツの小袋」を入れて、その中にはこんな見出しが書かれていました。
※ナッツ(nuts)には英語でバカという意味もある
いやいや、顧客をバカにするダン・ケネディ自身がどうかしているとあなたは思いませんか?(笑) 頭の良い人であれば、こんなダイレクトメールがコンサルタントから送られてきたら、眉をひそめるのではないでしょうか?
こういった共感性の低さはサイコパスの特徴であり、ダン・ケネディのノウハウにはこの特徴が色濃くあります。
2-1.ダン・ケネディが怪しいと言われる理由
ここまで読めば、ダン・ケネディが怪しいと言われる理由もわかると思います。彼のノウハウに、サイコパスによくある「他人をバカにしたり、操ったりするような方法」が見られるからです。
ただ、ダン・ケネディのことを好きだという経営者が多いのも事実です。なぜなら、色々な職業の中でサイコパスが最も多いのが経営者だからです。
※サイコパスについてくわしく知りたい場合は、オックスフォード大学の実験心理学部教授であるケヴィン・ダットンが書いた『サイコパス 秘められた能力』を読んでみてください。
サイコパスの経営者にとっては、ダン・ケネディのサイコパスなノウハウには何も違和感をおぼえないのです。むしろ、「ダン・ケネディってクール!」と感じる、同じ穴のムジナというわけです。だから、顧客や従業員に対して、容赦なく尊大な態度がとれるのですね。
私のまわりでも、「ダン・ケネディが大好き!」という経営者がいますが、そういう人ほどサイコパスの傾向が高いです。こういう発言をしている経営者を見たら、距離を置きましょう(笑)。
2-2.ダン・ケネディの名言について解説
この章では、ダン・ケネディの名言をいくつか引用してみましょう。
- 「お客様は神様です」という格言を無批判に金科玉条のごとく信奉するのは賢明と言えない。
- 大半の「成功本」はネガティブな感情を捨て、すべての人を許し、ポジティブで楽しいことだけを考えよと説く。こうした教えは一見すると正しいように聞こえるが、現実を見る限りそれは大嘘だ。
- 従業員は熟考し精査し、ゆっくり雇うこと。解雇する時はためらわず、素早くクビにすること。
- セールスによって成功した人たちを、もっとも激しく批判する人たちがいる。それは、自分ではセールスをしようとしない人たちである。
『Twitter ダンケネディ 名言集』より引用
ただ、私としては、名言というのは前後の文脈がない状態で引用されているため、あまり役に立たないと思っています。さらに深くダン・ケネディのノウハウを学びたい場合は、彼の本を読むといいでしょう。
2-3.ダン・ケネディとダイレクト出版の関係は?
ダン・ケネディはアメリカのコンサルタントですので、本や教材、セミナーを販売しているのも当然アメリカの会社です。
そして、その本や教材を、日本で翻訳して販売している会社がダイレクト出版株式会社というわけです。また、この日本の会社の経営者が小川忠洋さんです。
ダイレクト出版について知りたい場合、過去に記事に書いたのでこちらをご覧ください。
※2007年頃は、ラーニングエッジ株式会社や株式会社レブドラという会社も、ダン・ケネディの教材『ザ・ベスト・オブ・ダンケネディ』を販売していました。今は、この教材の販売権をダイレクト出版が買収したようです。
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ビジネス心理学とは?3.ダン・ケネディの本、教材、セミナーについて
前述したとおり、ダン・ケネディの本や教材のほとんどは、ダイレクト出版が翻訳して販売しています。ダン・ケネディの教材は数万円〜数十万円と高いので、買うとしてもまずは本を一通り読んでからにしましょう。
本を読んでみて、「ダン・ケネディは自分に合っているな」と確認してから、教材を買うのが吉。
ダン・ケネディは10冊以上の本を出しています。その中でも初心者向けなものを下記におすすめ順に並べました。
ジャンル | 本のタイトル |
---|---|
自己啓発 | 億万長者のお金を生み出す26の行動原則 |
時間管理 | 屁理屈無し 社長のための時間の使い方 |
マーケティング | 究極のマーケティングプラン シンプルだけど、一生役に立つ!お客様をトリコにするためのバイブル |
セールス | 億万長者の不況に強いセールス戦略 |
コピーライティング | 究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル |
ダン・ケネディの教材は、前述のダイレクト出版が販売しています。ただし、そのほとんどを期間限定のキャンペーンで販売しているため、教材の販売ページが見つかりませんでした。
販売ページが見つかったのは下記の2つだけです(この2つもいつまで公開されているか分かりません)。
ジャンル | 教材のタイトル |
---|---|
自己啓発 | ダン・ケネディの8つのビッグ・アイディア |
マーケティング | マーケティング・ブレイクスルー |
また、ダン・ケネディのセミナーは日本では開催されていません。アメリカでは開催されていますが、セミナーに参加するのは最後でいいでしょう。
まずは翻訳されたダン・ケネディの本や教材を勉強したあとに、海外のテレビ番組を字幕なしでも理解できるくらいの英語力を身につけて、それから参加してください。そうしないとほとんど内容を理解できないでしょう。
私も海外のセミナーに通訳なしで参加したことがあります。が、前提となる専門知識と、かなりの英語力(TOEICで最低900点以上)がないとむずかしいと感じました。
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ビジネス心理学とは?4.ダン・ケネディのノウハウには要注意
ダン・ケネディは世界トップクラスのマーケティング・コンサルタントです。それはまちがいありません。ですので、私もダン・ケネディはおすすめしています。
ただ、そのノウハウをそっくりそのまま実践するのは注意が必要です。サイコパスの人のノウハウは、普通の人が実践すると罪悪感や嫌悪感をおぼえる部分もあるからです。場合によっては、人間関係がこわれるかもしれません。
「ダン・ケネディのノウハウは日本でも通用するか?」の前に、そもそもアメリカ人でもそのまま使うのが大変なところがあるのです(笑)。どうしても実践がむずかしそうに感じたら、ムリに実践をしない方がいいでしょう。
実践できるところだけ実践したとしても、十分に売上や収入が増えると思いますので、そこはご安心ください。
以下の記事は、ダン・ケネディの書籍の翻訳・監修にもたずさわり、当時、「マーケティングの鬼才」と呼ばれた金森重樹氏についての記事です。氏の経歴やインターネット上ではあまり書かれていない、氏のビジネスの秘密にせまります。
アメリカにはダン・ケネディと比べられやすいマーケティング・コンサルタントで、ジェイ・エイブラハムという人物がいます。ジェイ・エイブラハムもダン・ケネディと同様に実践的なマーケティング理論を話していますので、ぜひ以下の記事もあわせて学んでみてください。