プロモーションとは何か?意味や事例をコンサルタントが説明

プロモーションとは何か? 意味や事例をコンサルタントが説明

マーケティングをかじったことがある人だと「プロモーション」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。ですが、単にプロモーションと言われても、意味がよく分かりませんよね? 

「プロモーションとは、いったい何?」とか「マーケティングと、プロモーションの違いは?」といった疑問を持つ人も多いと思います。

この記事では、分かるようで分からないプロモーションについて、マーケティング・コンサルタントの私が分かりやすく解説しました。プロモーションの意味はもちろん、事例もたっぷりと。

プロモーションで失敗した事例や、逆にプロモーションを使わなくても成功した事例など、興味深い事例をいくつもご紹介します。ぜひ、最後までお読みください。

目次 〜プロモーションとは何か? 意味や事例を説明〜

1.プロモーションとは何か? 意味を解説

2.プロモーションのメリット、おすすめの人など

3.プロモーションの成功事例と失敗事例

4.プロモーションについてオススメの本3選

5.プロモーションだけでは成功しない!

1.プロモーションとは何か? 意味を解説

プロモーションとは何か? 意味を解説

まず、「プロモーションとは何か?」ですが……もっとも一般的な答えとしては、「マーケティングの一部分。一言でいえば、製品を広めること」と言えるでしょう。

マーケティングには、「4P」と呼ばれる概念があります(ちなみに、この概念をマーケティング・ミックスと言います)。

マーケティングの4P

1.製品(Product):売る製品は何か?
2.価格(Price):価格はいくらか?
3.流通(Place):どこに流通させるのか?
4.プロモーション(Promotion):どうやって広めるのか?

この4つの単語の頭文字をとって、4Pと呼ばれるわけです。

つまり、マーケティング・ミックスとは、どんな製品(Product)を、価格(Price)をいくらにして、流通(Place)させる場所を決め、プロモーション(Promotion)をかけること、と言えます。

この場合のプロモーション(Promotion)とは、上に書いたとおり、有料・無料をとわず、「製品を広める行為すべて」を指します。

テレビ広告を打ったり、チラシをまいたり、有名なブログを書いている人に記事にしてもらったり……こういったことは全てプロモーションとよばれる行為ですね。

製品というのは、作っただけで、口コミで爆発的に売れていくことはまずありません。何らかの方法で「良い製品がここにありますよー!」と広めないと売れないのです。

たとえば、あなたが飲食店を経営しているなら、店員が路上で客引きをするのも、ビール半額券を配るのも、ブログに書くのも、YouTubeでお店の映像を公開するのも、ホットペッパーにクーポンを載せるのも、全部プロモーションです。

なんとなくイメージがわきましたか? とにかく、製品を広めることは何から何まで全てプロモーションだと思ってください。

1-1.マーケティングとプロモーションの違いは?

前章をよく読んでいただければ、マーケティングとプロモーションの違いが分かりますよね? プロモーションというのは、「広めること」だけ。以上。

それに加えて、マーケティングには、下記の3要素も加わります。

プロモーション以外の3要素

1.売る製品(Product)を決める。
2.価格(Price)をいくらにするのか決める。
3.どこに流通(Place)させるのか決める

これは狭義のマーケティング(正確にはマーケティング・ミックス)ですが、広義の場合、こんな要素もマーケティングに加わります。

マーケティングの他の要素

  • 誰に売るのかを決める
  • 参入する分野や市場を決める
  • 実際に4Pの実施をおこなう

こう考えてみるとわかりますが、商品を売ることに関する要素なら何でもマーケティングです。一方で、プロモーションはマーケティングの要素のひとつで、「どうやって広めるのか」ということ「だけ」ですね。

1-2.プロモーションの手法や戦略をカンタンに解説

プロモーションの手法は、結局のところ、お金をかけるか、時間をかけるかになります。

たとえば、ブログを書いて宣伝するのは、無料でできるプロモーションです。ですが、アクセスが集まるブログになるまでコツコツと何十記事も書く必要があって、それなりに時間はかかりますよね?

一方で、広告というプロモーションはお金がかかりますが、かわりに時間をショートカットできます。なぜなら、他人がコツコツと作ってくれた媒体に、あなたの広告を載せるわけですから。

ですから、ビジネスの最初の段階でお金がないうちは無料の手法で、ある程度お金に余裕が出てきたら有料の手法で、ということになります。

1-3.プロモーションの戦略を立てるときの優先順位

いくらお金があっても、テレビ広告をバンバン打ったら一瞬でお金はなくなります。プロモーションには優先順位があるのです。その順番がこれです。

プロモーションの戦略をたてるときの優先順位

1.既存顧客(何度も買ってくれている人)
2.新規客(1回だけ買ってくれた人)
3.見込み客(まだ買っていないが、将来買う見込みがある人)

この順番は、「製品の買ってくれやすさ」の順です。

例えば、飲食店の場合、常連さん(=既存顧客)は、また来店してくれる可能性がとても高いですよね。その次に来店してくれる可能性が高いのは、1回だけ来てくれたお客さん(=新規客)。もっとも来店をしてくれる可能性が低いのはお店の外にいる、まだ1回も来店してくれたことがない人(=見込み客)です。

お金も時間も有限なので、買ってくれやすい順にアプローチをするのです。つまり、お金や時間をかけるのは、既存顧客から、ということです。

ですので、(1)常連さんにメールを送ったり、チラシを渡したりする、(2)新規のお客さんにチラシを渡したり、連絡先などを聞く、(3)ブログを書いたりして、見込み客に来店してもらう、という順です。

このように、1.既存顧客→2.新規客→3.見込み客の順でプロモーションをしていくのです。

これを間違って、もっとも買ってくれにくい、見込み客を集めるためにお金や時間をかけてしてしまうと、ビジネスは倒産します(笑)。

……なのですが、多くの経営者は「新規のお客さんが欲しい! なんとかして集客したい!」と言って、既存のお客さんを大事にしないんですよね、なぜか。見込み客に良い顔をする。

先日私が行った美容院は、リピーターのお客さんよりも、ホットペッパーのクーポンを使っている新規のお客さんの方が安い価格になっていて、唖然としました。そんなプロモーションをしていたら、いつまで経ってもご新規さんが常連さんになってくれません。

私はその美容院のリピーターにはなりませんでした。もっとも大事にすべきは既存顧客です。

2.プロモーションのメリット、おすすめの人など

プロモーションのメリット、おすすめの人など

さて、プロモーションについて、なんとなくご理解いただいたところで、今度はプロモーションのメリットやデメリットを見ていきましょう。また、おすすめの人や、おすすめしない人についてもご説明します。

2-1.プロモーションのメリット/デメリット

プロモーションのデメリットはほとんどありません。誇大広告をしない限り、すればするだけ売れます。メリットだらけですね。

プロモーションが下手な会社が世の中には多いので、あなたには正しいやり方を学んで、ぜひプロモーションをしてもらいたいと思います。

ただ、プロモーションをして、お客さんが来すぎてしまったときは問題です。昔、ある飲食店がテレビに取り上げられて、新規客が殺到したために潰れてしまったというケースがありました。

新規客で店内があふれてしまって、今までの常連さんがお店に入れなくなり、はなれてしまったからです。1か月も経ち、テレビの効果がなくなったら、新規客がいなくなって、カンコドリが鳴いてしまったと。

繰り返しになりますが、プロモーションの戦略をたてるときの優先順位は、前述したとおりです。

ビジネスで大切にする優先順位

1.既存顧客(何度も買ってくれている人)
2.新規客(1回だけ買ってくれた人)
3.見込み客(まだ買っていないが、将来買う見込みがある人)

新規客を増やしすぎて、既存顧客の人が不快に感じるくらいなら、プロモーションはやめましょう。本当に大切なお客さんは、まだ見ぬお客さんではなく、目の前にいる常連さんなのです。

2-2.プロモーションがおすすめの人/そうでない人

続いて、プロモーションがおすすめの人と、おすすめしない人について。これは業界によって決まります。

結論から言うと、原価率が低い業種は広告を打ってガンガンプロモーションをかけた方がいいでしょう。原価率というのは、売上高にしめる原価の割合のことです。一方で、原価率が高い業種はあまりハデにプロモーションをかけるお金もないと思います(笑)。

決算書を見てみると、資生堂やコーセーのような化粧品業界の原価率は20%前後なのに対し、トヨタやホンダなどの自動車業界の原価率は70%〜80%。ですので、化粧品業界は広告を打ちまくれるのです。

たとえば、化粧品業界の場合、売上のうち70%程度を販管費(販売費及び一般管理費/広告費や販売などにたずさわる従業員の給与など)に当てているのです。こんなことは、自動車業界にはマネできません。

他の例だと、飲食業の場合も利益率が低いので、あまり大きなお金をかけてプロモーションをする余裕がない業種と言えます。

3.プロモーションの成功事例と失敗事例

プロモーションの成功事例と失敗事例

この章では、プロモーションの具体例を見ていきたいと思います。企業が商品を広めるためにすることは全てプロモーションと言えるので、星の数ほどのケースがあるのですが、その中でも分かりやすい例をご紹介しましょう。

3-1.成功事例|コカ・コーラの弱点をついたペプシコーラ

アメリカでは、ペプシコーラは安物であり、コカ・コーラの偽物だと思われていました。まあ、コーラという商品を初めて世の中に出したのはコカ・コーラなので、それもしょうがないですが。

そこで、ペプシコーラ側は、市場調査をしてみることにしたのです。その結果わかったのは、「ペプシコーラを飲んでいるのは20代前半までが多い」という事実でした。

そこでペプシコーラ側は、コカ・コーラの弱点をついたテレビ広告を打ちます。「コカ・コーラは年老いた世代の飲み物だ! 若者にはペプシコーラだ!」。

わかりますよね? コカ・コーラというのは、最も伝統があるコーラ飲料ですが、それをペプシコーラは逆手にとって、「年老いた世代の飲み物」と表現したのです。

これによって、ペプシコーラは「クールで最先端のイメージ」を作りだすことができ、スーパーマーケットで売上を大きく伸ばしたのです。

もちろん、コカ・コーラはペプシコーラに対して何もできません。コカ・コーラは「最も伝統があるコーラ」というウリを捨てるわけにはいきませんから。

3-2.失敗事例|iPhoneによって駆逐されたガラケー

2007年1月、携帯電話の業界で、ひとつの革命が起こりました。そうです、iPhoneが世の中に出たのです。これ以降、日本のガラケーはiPhoneをはじめとするスマートフォンに駆逐されてしまいました。

さて、なぜガラケーは駆逐されたのでしょうか? プロモーションが悪かったから? 違います。ガラケーを作っていた日本のメーカーが、悪いプロモーションをしていたのではありません。

ガラケーが駆逐された理由は、Appleがとても良い製品を世の中に出したからですよね? プロモーションを過大評価する人は、「プロモーションをすれば、どんな製品でも売れる」と信じている人もいます。そんなバカな(笑)。

前述したとおり、プロモーションはマーケティングの一部分でしかありません。良い製品を世の中に出すのもマーケティングです。

同じレベルの製品なら、プロモーションが良いものが大きく売れるということはあるでしょう。が、競合の製品があまりにも強い場合、プロモーションでひっくり返すのは不可能なのです。プロモーションを過大評価しないでください。

3-3.番外|プロモーションをせずに成功した「俺のフレンチ」

あなたは、行列ができる格安フレンチ店「俺のフレンチ」というお店をご存知でしょうか? 第一号店は銀座にあり、私も行ったことがあります。なんと、開店1時間前から行列ができていました。

行列ができる理由は原価率の高さ。普通の飲食店は原価率30%のところ、原価率60%超といわれています。実際に食べてみたとき、「この値段で、この美味しさで、この量か!」と私も驚きました。「おそらく、他のお店でこれだけの料理を出すためには、2倍のお金を出さないといけないだろうな」というのが正直な印象です。

では、なぜ銀座という一等地で、格安で高級フレンチを提供できているのか? その秘密は「立ち飲みにすることによって回転率を上げているから」なのです。高級レストランは2時間くらいかけてコースをゆっくりと食べますが、俺のフレンチは立ち飲みなので食べたお客さんはすぐに出ていって、次のお客さんが入ってくるからです。

つまり、原価率の高さを、回転率の高さでカバーしているのです。この「俺のフレンチ」の特徴は、広告などのプロモーションをしていないことです。広告を打つかわりに、原価率を上げているとのこと。なかには原価割れの料理もあるそうです。

それによって口コミが起きて、プロモーションの代わりになっている、というわけですね。

4.プロモーションについてオススメの本3選

プロモーションについてオススメの本3選

この章では、プロモーションについて、初心者におすすめの本を3冊選んでみました。どれも、プロモーションという枠を超えて、マーケティングの話もしていますが、かなりの良書です。

内容がカンタンな順に紹介しているので、マーケティングの初心者はこの順に読んでみてください。

4-1.『あなたの会社が90日で儲かる!』

あなたの会社が90日で儲かる!(感情マーケティングでお客をつかむ)

あなたの会社が90日で儲かる!(感情マーケティングでお客をつかむ)
 神田昌典(著)

この本は経営コンサルタントの神田昌典(かんだ・まさのり)さんの代表作のひとつです。読むと中小企業がどうやってプロモーションをするのかというイメージがわくと思います(逆に、すでにそのプロモーションのイメージがある人は読まなくていい本です)。

初心者が、「プロモーションに興味を持つための取っ掛かり」としては良い本ですね。ただし、当時の神田昌典さんは、性格的にすごく荒削りな部分も多く、人間的に好きになれないという人もいるでしょう。

「稼ぐことが正義だ」というような極端な思想や、「他人の感情をあおって、商品を売る」というような価値観など、受け入れられないという人もいるのは分かります。

ただ、それを差し引いても、「プロモーションに興味を持つための取っ掛かり」としては良い本です。そこはご理解ください。

なお、神田昌典さんについては、私が記事を書いたので、ぜひ合わせて読んでみてください。彼のセミナーや本の選び方など、落とし穴にひっかからないように解説しています。また、彼の本を読んで、本当に年収が上がるのかも解説しています。

神田昌典氏を全力で解説!本の内容からセミナーの評判まで神田昌典氏を全力で解説!本の内容からセミナーの評判まで
あなたは経営コンサルタントの神田昌典(かんだ・まさのり)氏をご存じでしょうか? 「神田昌典のアドバイスどおりにビジネスをすれば、売上が上がる!」と、2000年頃には経営者の間でカルト的な人気を誇りました。それを裏付けるかのように、のべ2万人におよぶ経営...

4-2.『究極のマーケティングプラン』

究極のマーケティングプラン シンプルだけど、一生役に立つ!お客様をトリコにするためのバイブル

究極のマーケティングプラン シンプルだけど、一生役に立つ!お客様をトリコにするためのバイブル
 ダン・ケネディ (著), 神田 昌典 (監修), 齋藤 慎子 (翻訳)

この本は、『あなたの会社が90日で儲かる!』よりむずかしい、でも実践的な1冊。中小企業向けに、実践的なマーケティングのノウハウを伝えているダン・ケネディの本です。たとえば、季節の行事を使って、どうプロモーションするのかなど、私もとても参考になりました。

ただし、ダン・ケネディも神田昌典さんと同様、非常にアクが強いコンサルタントです。「お金を稼げない人を見下したダン・ケネディの態度が気にいらない」という人がたくさんいることも私は知っています。

ですが、あえてその異物を呑みこんでもらいたいな、と思ってご紹介しています。人生の一時期でいいので、商売人は売ることの素晴らしさに気づいてもらいたいからです。

なお、ダン・ケネディについても、私は記事を書きました。くわしくはこちら。

ダン・ケネディとは? 彼の方法は日本でも通用するのか解説ダン・ケネディとは? 彼の方法は日本でも通用するのか解説
マーケティング・コンサルタントのダン・ケネディ。マーケティングを勉強している人なら一度は耳にする人物でしょう。ただ、「ダン・ケネディの方法って日本でも通用するの?」とか「ダン・ケネディって、なんか怪しい」と思っている人も多いようです。そこでこの記...

4-3.『ハイパワー・マーケティング』

ハイパワー・マーケティング

ハイパワー・マーケティング
 ジェイ・エイブラハム (著), 金森 重樹 (翻訳)

最後に紹介するのは、ジェイ・エイブラハムというマーケティング・コンサルタントの本です。これは、マーケティングのテクニックについて、とても多くの事例とともに説明されています。

書いてあるものは、どれも小手先のテクニックとは言え、知らないと話にもならないことばかり。マーケティングの初心者は、一度は読んで欲しい本です。

ただ、Amazonのレビューを読んでいただければわかるとおり、監訳者が意味不明なことを書いています(笑)。「ジェイ・エイブラハムを、多くの日本のマーケターがマネをした」といった具合に、ジェイ・エイブラハムを神格化して、自分のブランドを高めようとしているとしか思えません。

マーケティングをする人というのは、自己中心的な性格の人が多いのかもしれませんね(笑)。監訳者の言葉は読まなくていいと私は思います。

5.プロモーションだけでは成功しない!

ここまで読んでいただければ分かると思いますが、プロモーションというのはマーケティングのごく一部分です。そして、マーケティングもビジネスの一部分にすぎません。

にわかマーケターは、「プロモーションは、スゴイ!」と喧伝していることが多いのですが、それはウソです。これは「プロモーションをすれば人に何でも売りつけられる」という、自己中心的な欲望のトリコになっているのが原因です。相手が欲しくもないものを売りつけてしまったら、ビジネスは長期的にみたら破綻します(笑)。

あなたには、もっと高い視点でビジネスを見て、ぜひ長期的な成功を手に入れて欲しいと思います。

以下の記事は、商品開発のプロセスから企画書まで、多くの事例をまじえて解説しています。商品開発で重要なことは良い商品を作ることではありません。その理由がこの記事に書かれていますので、ぜひお読みください。

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