株式投資とは、株を買って、会社の共同オーナーになることです。一般的に株式投資は、いわゆる資産運用、資産を増やすための方法の一つとして、注目されるケースが多いようです。
もしかすると、あなたも、老後の年金もあてにならないし、株式投資なんてどうだろう、なんて考えていませんか?
この記事では、株式投資の成功率や実際のやり方、株式投資セミナーの体験談など、できる限り客観的に、わかりやすく書くことを心がけました。ぜひ、しっかり読んでいただいて、株式投資の正しい知識を増やしてくださいね。
くれぐれも、この記事の中で紹介した私の父親のように、お金を増やすつもりが、株式投資に失敗して269万円を失う、なんてことがないよう、ご注意くださいね。
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ビジネス心理学とは?目次 〜株式投資のはじめ方から儲けるコツや体験談まで〜
- 3-1.短期(デイトレード)と長期株式投資はどっちが良い?
- 3-2.株の神様ウォーレン・バフェットの株式投資方法とは?
- 3-3.プロが教える株式投資セミナーや学校の効果は?
- 3-4.会社員が数十万円を10年で6000万円にした例
1.株式投資とは? 初めてでもわかる株式投資
この章では、そもそも「株式投資って何なのか」や、「株の値段は誰がどうやって決めているの?」
「株式投資とギャンブルの違い」などについて、考えてみたいと思います。
1-1.そもそも株って何? 株式投資って何?
株式投資のイメージとしては、資産運用いわゆる資産を増やすための方法といった印象を受けるかもしれません。もちろん、そういった狙いもありますが、株式投資とは、株を買って、会社の共同オーナーになることをあらわします。
株 | 会社がお金を集めるために発行するもの |
株式会社 | 株を発行して集めたお金を、新規事業などの仕事に活かす会社 |
実際に、株を買い株主になることで、その会社の株主総会に出席し、会社の経営方針について質問したり意見したりすることができます。
このように、株式投資とは、あなたが応援したいと思う会社の株を買うことで、その会社の活躍を金銭的に手助けするためのものです。
1-2.株の値段は、誰がどうやって決めるの?
では、株の値段は、誰がどうやって決めるのでしょうか? 最初の株の値段は、新たに上場する企業と、証券会社とが協議して決めます。その後は、オークション方式です(これ以外にマーケットメーク方式もあります)。
オークション方式をくわしく説明しましょう。まず、株を売りたい人が、自分の売りたい値段で、証券取引所に株を出品します。買いたい人は、買いたい値段で入札。うまく値段があえば売買成立です。株の所有者は売った人から、買った人へ移動します。
このとき、1000円で買いたい人と、1200円で買いたい人がいた場合はどうなるのでしょうか? 実はこの場合、高い値段をつけた人、1200円の人が買うことになります。まさにオークションですね。
このような感じで、人気がある会社の株の値段は上がり、逆に人気がなければ下がります。そして、その会社の価値に適正と思われる株価に落ち着きます。
また、それ以外では、政治や経済情勢の変化、テロや異常気象の影響をうけ、株価が大きく変動することがあるため、注意が必要です。
1-3.株で儲かる確率は? ギャンブルとの違いは?
株で儲かる確率は、ほぼ50%。買った株が上がれば儲かるし、下がれば損をします。ちなみに、後から買うという約束で、先に株を売る(=空売り)こともできます。この場合は株が下がることで儲かります。
儲かる確率50%というと、なんだか、ギャンブルっぽいですね。では、株式投資とギャンブルの違いは何でしょうか?
(1)株式投資は損切りができ、その分リスクを減らせる
(2)ギャンブルは胴元(=運営会社)が一番儲かる仕組みになっている
まず一つ目は、株式投資の場合は、損切りができます。損切りとは、たとえば株価が10%下がったら、これ以上下がって損失が大きくならないよう、株を売ることです。
株式投資の場合は、損切りによりリスクを減らせるのです。
二つ目ですが、たとえば、宝くじの場合、宝くじを売って集めたお金の55%を、胴元である国にとられています。
名称 |
控除率(胴元の取分) |
10000円賭けて損する平均額 |
日本の地方公共団体が運営する宝くじ |
55% |
5500円 |
スポーツ振興くじ(toto) |
50% |
5000円 |
日本の公営競技(競馬など) |
20%〜30%前後 |
2500円 |
パチンコ、パチスロ |
平均10%〜15% |
1250円 |
株式投資 |
1%以下 |
100円 |
「ウィキペディア 控除率」 を元に作成
たまに、競馬で万馬券がきたらJRA(日本中央競馬会)が損をする、と勘違いしている人がいますが、JRAは絶対に損をすることはありません。
JRAの取り分は一定で20%~30%前後。このように、ギャンブルの場合、胴元が一番儲かる仕組みになっているのです。
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ビジネス心理学とは?2.株式投資のメリット・デメリットや、向き不向きなど
この章では株式投資のメリットやデメリット、株式投資に向く人向かない人について考えてみたいと思います。
2-1.株式投資の3つのメリット
株式投資というと売買ばかり注目されますが、次の3つのメリットがあります。
(1)株をタイミングよく売ることで儲かる(キャピタルゲイン)
うまく株価が上がったときに、売ることができれば、買った金額との差額があなたの儲けとなる |
(2)配当金をもらえる(インカムゲイン)
会社が儲かれば、持っている株の数に応じて、分前として配当金がもらえる |
(3)株主優待
上場企業のおよそ3割が、年に1度、割引券や自社商品などを株主にプレゼントしている |
ちなみに、株主優待がもらえる時期になると株価は上下します。株主優待前は高くなり、株主優待後は安くなる感じです。
2-2.株式投資のデメリット
逆に株式投資のデメリットは次のとおりです。
(1)株価が下がった場合、下がった差額分お金を失うことに
例、TDKの株価が半分に下落、30万円分の株が15万円に |
(2)業績が悪ければ、配当金や株主優待がもらえない |
やはり、何よりも株価が下がるのが一番怖いですね。これが株式投資の最大のリスクなわけですが、メリットの裏返しなので、絶対に避けられません。このリスクを減らし、儲かる確率50%以上に引き上げることがポイントと言えそうですね。
2-3.株式投資に向く人、向かない人
次は株式投資に向く人、向かない人です。以下をご覧ください。
■株式投資に向くタイプ
|
■株式投資に向かないタイプ
|
あなたが株を買おうと思っている企業や業界について、くわしい方がリスクが減ります。そのため、会社の情報を調べるのが苦にならない人や、政治や経済が好きな人の方が、株式投資に向いています。
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ビジネス心理学とは?3.株式投資どうやって儲ける? 本当に儲かる?
ここでは、実際に株式投資で儲ける方法を公開します。個人投資家は市場全体のおよそ2割、残りの8割は機関投資家などのプロ。
プロはそれぞれの方法で、株式市場を分析し、上がりそうな株を見極めているようです。
3-1.短期(デイトレード)と長期株式投資はどっちが良い?
まずは、短期(デイトレード)と長期株式投資についてです。短期と長期の株式投資では、どちらが良いのでしょうか?
これは、長期投資の方が良いです。なぜなら、短期で儲かった=損をした人がいる、ということ。つまり、短期の場合、損をした人から、儲かった人へお金が動いただけなのです。
これに対して長期投資の場合は、投資した会社の事業の成功により「株価が上がる=株主も儲かる」といったことが期待できます。そのため、短期よりも長期投資の方が、儲かる確率が高くなります。
ちなみに、ご存知かもしれませんが、会社の株価に重要な影響を与える情報を、関係者などから聞いた上で株の取引をすると、インサイダー取引という違法行為で罰せられるため、くれぐれもご注意くださいね。
3-2.株の神様ウォーレン・バフェットの株式投資方法とは?
株の神様ともよばれるウォーレン・バフェットは、1万ドルを元手に株式投資だけで、なんと6兆5000億円のもの資産を生み出しました。一体どのように株式投資をしていたのでしょうか? ここではその方法を紹介します。
- 将来性があり事業内容が単純で、安定した業績を見込める会社の株をねらって買う
- わからない点があれば買わない(ハイテク産業は将来が読めないからダメなど)
- 買う前にその会社について徹底的に調べる、経営者の資質もチェックする
- 一時的な業績悪化など、株価が下がりすぎたときに買う、場合によっては何年も待つ
- 買った株は長期間保有する
「なぜ自分は現在の価格でこの会社を買収するのか」という題で、1本の小論文を書けないようなら、100株買うのもやめた方がいいでしょう
ウォーレン・バフェットのマネをする場合、まず条件に当てはまりそうな企業をできるだけたくさんピックアップします。次にその会社について徹底的に調べます。その上で、定期的に株価をチェック。株価が不当に下がったタイミングを狙って買う感じです。まぁ実際にマネをするのは、なかなか大変そうですね。
参考文献:
『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』
メアリー・バフェット (著), デビッド・クラーク (著), 井手 正介 (翻訳), 中熊 靖和 (翻訳)
『1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則』
桑原 晃弥 (著)
3-3.プロが教える株式投資セミナーや学校の効果は?
では、プロが教える株式投資セミナーなどの効果はどうでしょうか? 実は私自身30万くらいする、プロ主催の株式投資スクールに参加したことがあります。
その方は、投資の年収が13億円超えというすごい実績をお持ちでした。その投資手法は、以下のようなものでした。
(1)人脈を活かし誰よりも早く情報を入手、その情報を元に株を買う
(2)新聞やTVなどの情報は、株購入の参考にしない(情報的に古い)
(3)同じ経済ニュースを色々な国の報道から多角的に分析し、市場の動きを予測
たとえば、政治家から、東京オリッピックに向けて、カジノ解禁の可能性があるといった情報を、かなり早い段階で入手していました。もちろん、その情報を元に、カジノ関連企業の株を買うわけですね。
また、プロの投資家どうしの横のつながりからも、最新の情報がバンバン入ってくる感じでした。
この講座の申込ページには、全3回の勉強会で「投資の帝王学」を学べば、翌日から銘柄が選べるようになります、と書かれていましたが、勉強会では一般的な話ばかり。プロと同じような銘柄選びは、明らかに無理だと感じました。
そもそも、弟子(その会社の社員)ですら、その方の足元にもおよばない印象。まぁ参加して学んだことも多く、とても良い講座でしたが、実際に株式投資で安定して稼ぐのは難しく感じました。
3-4.会社員が数十万円を10年で6000万円にした例
次は株式投資雑誌で紹介されていた、個人が儲けた例を紹介します。会社員のまつのすけさんは「公募増資を発表した株の空売り」などの手法で、数十万円を10年で6000万円にしたそうです。(※空売りとは、後から買う約束で、先に株を売ることです)
■ 数十万円を10年で6000万円にした、まつのすけさんの株式投資術
「長期で上がる株をかぎ分けるのは難しいし、企業の財務諸表をじっくり読み込んで業績のいい株を長期で保有するのも苦手。でも、数多くのデータを集めて、いろいろな角度から物事を分析するのは得意です」
一般的に公募増資を発表した株は、値下がりしやすい。過去5年分以上のデータを分析し、ダラダラと値下がりを続けるものを予測し、それを空売り。
1回につき最大1000万円の資金を使って、公募増資や売り出しする株の、株価の様子を確認し注文。短いときには数時間、長くても2~3週間で取引は終了。
「予想が外れたら最大10%の下落で迷わず損切り。1回の失敗にこだわりません。この手法で年5~10%の利益を出せています」
参考文献:ダイヤモンド・ザイ ZAi 2015年12月号 ダイヤモンド社48p より一部抜粋
安定して株式投資で儲けるには、まつのすけさんのように、自分にあった投資のやり方を身に付ける必要がありそうですね。
後から気付きましたが、実はまつのすけさん、お勤め先が機関投資会社なので、会社員とは言えプロの投資家と言えそうです。
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ビジネス心理学とは?4.株式投資の始め方、今はネットでカンタンに始められます
ここでは、株式投資の始め方について、カンタンに説明します。もし、あなたが、まだ株式投資をやったことがなければ、ぜひ参考にしてください。
4-1.ネット証券なら口座開設はカンタン
最近はネット証券が大人気で、手数料も安く口座開設もカンタンです。口座の開設手順については、次の図をご覧ください。
「SBI証券」より引用
このような感じで、ネットで申し込み後は、送られてくる書類に記入捺印し、本人確認書類を送って完了です。だいたい1週間程度で口座が開設できます。
4-2.株式投資の税金対策なら、非課税でお得なNISA
NISA(ニーサ)は国民の貯金を、投資に使ってもらう目的で、国が始めた制度です。次のような特徴があります。
- 株式投資や投資信託などで得た利益(配当金や売却益)の税金が無料
- 期間は最大5年間、株などの購入金額は1年あたり120万円まで
- 範囲内であれば、確定申告なども不要
- NISA用の口座を開く必要があり1人1口座まで
- NISA以外の口座との併用では、次年度への損失の繰り越しや、利益と損の相殺ができない
このように、とてもお得な制度なので、もし新たに株式投資を始めるつもりならば、NISAを利用した方が絶対にお得です。
証券会社に普通に口座を開設するのと同じ感じで、あなたの好きな証券会社に、NISAの口座を開設できます。ぜひ、利用すると良いでしょう。
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ビジネス心理学とは?5.初めての株式投資をするときにオススメの本
ここでは、株式投資をする上でオススメの本を紹介します。
『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ZAiが作った「株」入門 改訂第2版』
ダイヤモンド・ザイ編集部 (著)
あなたが、株式投資のまったくの初心者なら、こちらの本が参考になります。とても図が多い本で、具体的な株式投資のやり方を図解入りで説明しています。初心者向けの本なので、すでに株式投資をされている方には、物足りないかもしれません。
『ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理』
バートン・マルキール (著), 井手 正介 (翻訳)
証券取引所の理事の経験をもつ、ブリンストン大学の名誉教授が、様々な投資方法(テクニカル分析、ファンダメンタルズ分析、金融工学など)の有効性を検証しています。
たとえば、テクニカル分析は、実質的な価値はまったくなく、頻繁に取引をさせて、証券会社を肥えさせるだけだ、といった感じで一刀両断しているなど、おもしろく読め、色々と考えさせられる本です。
6.体験談、株で269万円損した私の父親
私の父親は、証券会社からのすすめで、2001年ごろ株式投資を始めました。2006年以降の資料があったので、少し恥ずかしいのですが、思い切って公開します(父親も、他の人のために役立つならと、しぶしぶ了解してくれました)。
株式銘柄 |
株数 |
2006年 |
2011年 |
2014年 |
キリンホールディングス |
1,000株 |
1,538,000円 |
1,119,000円 |
1,463,000円 |
東芝 |
1,000株 |
666,000円 |
422,000円 |
473,000円 |
TDK |
100株 |
816,000円 |
441,000円 |
475,000円 |
ANA(全日本空輸) |
2,000株 |
852,000円 |
524,000円 |
478,000円 |
JAL(日本航空) |
3,000株 |
933,000円 |
0円 |
0円 |
北陸電力 |
612株 |
1,606,500円 |
938,808円 |
821,916円 |
評価額合計 |
6,411,500円 |
3,444,808円 |
3,710,916円 |
|
損益 |
0円 |
-2,959,304円 |
-2,693,194円 |
みごとに2014年の時点で、269万円の損失です。とくに2010年にJALが経営破綻したのが最悪でした。まさかJALが経営破綻するは思わなかったので、多くの人が損をしたようですね。
基本的に私の父親は、証券会社にすすめられるまま、有名な大企業なら安心だろうと考え、株を買い足していったようです。しかし、残念ながら買った株は下がるばかり。もう2006年の時点で株の売買をやめています。
ここまで損失がふくらんだ一番の原因は何でしょうか? それは損切りをしなかったことです。株が10%下がったときに売っていれば、損失は10%ですみますよね? 損切りをしなかったために、お金をむやみに失ってしまいました。
株式投資にはリスクがつきもの。ぜひ、十分にリスクを考えた上で、株式投資をしてくださいね。お金を増やしたいだけなら、他にも色々な方法がありますので。