LTVとは?|LTVの意味と計測方法を超初心者向けに解説

LTVとは?|LTVの意味と計測方法を超初心者向けに解説

おそらく、あなたはマーケティングについて学ばれ、そしてLTVという言葉に興味をもたれたのではないでしょうか? ここではLTVの意味から、その計測方法までを超初心者向けにわかりやすく解説していきますね。

この記事の内容を活かせば、さらなる売上アップにつながるでしょう。

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目次 〜LTVの意味とは|計算方法や分析のしかたを解説〜

1.LTVとは何か?|意味を解説

2.LTVと同じくらい重要なCPOとは?

3.マーケティングで重要な方程式「LTV – CPO」

4.LTVとCPOで注意すること 3つ

5.LTVとCPOは常に計測しよう

1.LTVとは何か?|意味を解説

LTVとは何か?|意味を解説

そもそもLTVとは何でしょうか? LTVとはライフ・タイム・バリューの略で、日本語では「顧客生涯価値」とよばれます。顧客生涯価値……なんだかピンときませんよね? 私も最初わかりにくく感じましたので、具体例を挙げて説明していきますね。

1-1.LTVとはリピート購入を見込んだ顧客生涯価値

あなたは、やずやという通販会社をご存知ですか? やずやは、“やずやの香醋”といった色々な健康食品を販売しています。なんと、この会社では、およそ2,000円の商品を1個売るのに約10,000円もの広告費を使っているそうです。つまり1個売ると8,000円の赤字ですよね。これは、どういうことでしょうか?

あなたも、なんとなくお気づきかもしれませんね。1回の購入で終わればもちろん赤字です。しかし、健康食品ですので、気に入ってもらえれば、リピート購入してくれますよね。リピート購入が見込めるので、高い広告費をかけてもそれ以上に儲けることができるというわけです。

このリピート購入も含めた金額、つまり、それぞれお客様一人一人が、生涯にわたって払ってくれる金額がLTVなのです。実際にビジネスでは、お客様一人あたりの平均のLTVを求めて活用します。LTVを正確に求めようとするとかなり大変なのですが、通常の場合、次の計算式で求められる、おおよその数値でも十分活用できます。

LTV = 粗利益 ÷ 新規購入者数
※粗利益 = 売上高 - 売上原価

なお、この記事の中では、2,000円の商品の利益をそのまま2,000円としていますが、実際には原価がかかります。分かりやすく解説をするためだとご理解ください。

1-2.LTVを計測するメリットとは?

LTVを計測することで、平均的なお客様の一人あたりの購入額がわかります。この購入額が増えるように、次の3つの工夫をして、さらなる売上アップをねらいます。

売り上げアップの工夫

(1)何度も買ってくれるように工夫する
(2)よりたくさん買ってくれるように工夫する
(3)より高い商品を買ってくれるように工夫する

たとえば、やずやでは、LTVを計測しながら、そのお客様にあわせてDMを送ったり、年に1回程度増量キャンペーンなどを行っているそうです。

1-3.LTVを取り入れるべき企業とそうでない企業

先ほど説明したようにLTVはリピート購入を見込んだものです。ですから、生涯に一回購入すればいいような商品を販売している企業は取り入れるべきではありません。たとえば、マイホーム(不動産)や結婚指輪などはリピート購入してもらえる商品ではないですよね。

逆に生涯にわたって何度も購入するもの、たとえば食品や化粧品などを販売している企業であればLTVを算出することは大きなメリットになるでしょう。

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2.LTVと同じくらい重要なCPOとは?

LTVと同じくらい重要なCPOとは?

実は、より利益を最大化するために、重要なポイントがもうひとつあります。あなたはCPOをご存じですか? この章ではLTVと同じくらい重要なCPOについて解説します。CPOとLTVを組み合わせることで、さらなる利益アップを望めますので、ぜひしっかりと学んでみてくださいね。

2-1.CPOとは顧客獲得単価、主に広告費のこと

CPOとはコスト・パー・オーダーの略で「顧客獲得単価」とよばれます。先ほどのやずやの例では、およそ2,000円の商品を1個売るのに、だいたい10,000円の広告費を使っていました。この広告費の10,000円がCPOです。

つまりCPOとは、お客様を一人獲得するのにかかるコストのことです。一般的には広告費などがこれにあたり、次の計算式で求められます。

CPO = 広告費 ÷ 新規購入者数

2-2.CPOを計測するメリットとは?

ではCPOを計測することで、どのようなメリットがあるのでしょうか? CPOと実際に販売している商品の値段を対比すればどれくらいの利益が望めるか、黒字になるか赤字になるかの判断材料になります。また、利益アップのためにはCPOを下げる、つまり広告費を安くすることも大切なのはおわかりいただけると思います。

次章では、このLTVとCPOを使った広告戦略、売上を最大化するためのLTVとCPOの考え方についてくわしく解説していきます。

3.マーケティングで重要な方程式「LTV – CPO」

マーケティングで重要な方程式「LTV - CPO」

売上を最大化していくためには、LTVとCPOの関係を見ていく必要があります。次のカンタンな引き算の結果をもとに、次の広告戦略を決めていくことができます。

LTV(顧客生涯価値) - CPO(顧客獲得単価)

例を挙げて説明しますね。

3-1.LTV – CPO > 0のとき

たとえば、お客様一人獲得すると、2,000円の健康食品を10回購入してくれて、20,000円(=LTV)の売上になるとします。このときに、お客様一人獲得するのに、10,000円(=CPO)の広告費がかかったとします。これを式で表すと次のようになりますよね。

20,000円(LTV)-10,000円(CPO)=10,000円

この場合、売上を最大化していくには、どういった戦略を取るべきでしょうか? お金に余裕があれば、さらに広告を増やしていくわけですが、たとえば次のような戦略になります。

利用する広告 1分あたりの広告費の試算
(1)インターネット広告 18銭前後
(2)テレビコマーシャル 20銭前後
(3)新聞広告 1円を超える

※勝間和代(著)「利益の方程式」より一部抜粋

表のような色々な広告を利用して売上を拡大していくわけですが、最終的に目指すべきは、もっともコストが高い媒体である新聞広告を出しても、しっかりと利益が出せるようになることです。新聞広告で「LTV-CPO>0」になるようなら、かなり利益が最大化してきたと言えるでしょう。

3-2.LTV – CPO = 0のとき

では、TVの広告費が値上がりして、2,0000円になったらどうでしょうか。LTVとCPOの関係が次のような場合です。

20,000円(LTV)-20,000円(CPO)=0円

この場合は、利益がなくトントンの状態です。ただ、この状況でもギリギリ広告を打つことができます。ですので、売上が増えるような対策・改善を行いながら、引き続きTV広告を打っていくことになります。

3-3.LTV – CPO < 0のとき

さらに、TVの広告費が値上がりし続けて、30000円になったらどうでしょう。LTVとCPOの関係が次のような場合です。

20,000円(LTV)-30,000円(CPO)=-10,000円

もうおわかりですよね? この場合は、広告を打ち続けると赤字が増えていくため、TV広告を打つことができなくなります。インターネット広告などの、よりコストが安いものを利用しながら、ビジネスのしくみを改善していく必要があります。

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4.LTVとCPOで注意すること 3つ

LTVとCPOで注意すること 3つ

ここまでの説明で、LTVとCPOの関係についてはご理解いただけたと思います。ここでは、LTVとCPOを活用していくうえで、注意していただきたい3つのポイントについて解説していきます。

4-1.最初の商品でLTV – CPO > 0を狙わない

まず特に重要なのは、お客様に最初に買ってもらう商品についてです。最初に買ってもらう商品では、「LVT-CPO>0」を狙わない、つまり最初の商品では利益を求めずに、お客様のリピート購入を見込んで、販売戦略を立てるということですね。

実際に色々な企業が、初回購入増量キャンペーンや送料無料、初回特典の追加といった色々な工夫をしています。初回販売の時点では赤字でも、リピート購入を考慮して儲かることがハッキリわかっているからこそ可能な販売戦略ですね。

4-2.LTVは3ヶ月の価値で判断する

次に注意していただきたいポイントは、LTVは3ヶ月といった少し短めの期間で判断していくということです。実は儲かる計算結果が出たからといって、ガンガン販売するとお金が足りなることがあるのです。これはどういうことでしょうか?

LTVはお客様の生涯価値、これからの販売額を見込んだ数字でしたよね。つまり、今すぐお金が入ってくるわけではないので、ガンガン販売していくと広告費が増えすぎて、最悪の場合は倒産です。いわいる、儲かっているハズなのに倒産する、黒字倒産というやつですね。

ですので、LTVを3ヶ月くらいで判断して、早めに広告費を回収できるように、販売戦略を調整する必要があるのです。

4-3.CPOを下げるのではなく、LTVを上げにいく

最後に注意していただきたいのは、最初はCPOを下げる、つまり広告を減らす方向では考えないということです。ではどうすればいいのでしょうか? 最初の段階ではできるかぎりLTVを上げる、つまりいかにして、リピートしてもらうかを工夫するのです。

そのために、たとえばやずやでは、お客様向けの読み物・季刊誌を定期的に発行したり、年間100万円以上買ってくれる優良なお客様に対しては、特別に音楽の演奏イベントへ招待したりするなど、かなりしっかりとしたお客様フォローを行っています。

また、年商100億円に達するまでは、お客様それぞれの担当者が、手書きのお礼状を送るなどの地道な努力でファンを増やしたそうです。

参考文献: Big interviews“やずや”通販ビジネス成功の秘密 Visionet

5.LTVとCPOは常に計測しよう

いかがだったでしょうか? LTVそしてCPOについて解説してきました。あなたもおそらく、TVショッピングのやり方を思い浮かべられたのではないでしょうか? 実際にTVショッピングの販売戦略はとても参考になると思います。

なぜならば、TVコマーシャルや新聞広告は高額なので、しっかりとLTVを考慮した戦略を立てないと、すぐに赤字になってしまいます。ですので、あなたもぜひ、これからは色々な広告に注目して、TVや新聞をながめてくださいね。きっと色々なヒントが得られるハズです。

最後にあなたにお伝えしたいのは、LTVとCPOは常に計測し続けて、少しずつ確実に改善して売上アップにつなげていくということです。大きなミスをすると取り返しがつかないことがあるので、必ず小さくテストを繰り返しながら、少しずつ広告を増やすなどして、着実に売上・会社を拡大してくださいね。

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