あなたはビジネスモデルをうまく説明できますか? なんとなくはわかるけど、自信をもって説明できない……。そんな感じではないでしょうか? ここでは、意外と説明しづらいビジネスモデルを、パターンと事例をもちいて、できる限りわかりやすく徹底解説していきます。ぜひ、あなたのビジネスにお役立てください。
初めて当サイトに訪れた方へ
ビジネス心理学とは?目次 〜ビジネスモデルとは|パターンと事例で理解できる〜
- 2-1.一番シンプル! 作って売るだけ!|物販モデル
- 2-2.商品がなくても仲介をするだけ!|卸売モデル
- 2-3.プリンターはインクで儲ける!|消耗品モデル
- 2-4.人を集めて広告で稼ぐテレビ局|広告モデル
- 2-5.生命保険で毎月コツコツ課金する|継続課金モデル
1.ビジネスモデルとはなにか? 意味を解説
実はビジネスモデルは専門家の間でも、その定義はさまざまで、もともとの語源はビジネスの原型という言葉です。現在は利益を追求の意味合いが強く、もしビジネスモデルをあえてわかりやすく言うなら「儲けるための仕組み」という言葉が一番しっくりくると思います。
1-1.ビジネスモデルのメリットや、おすすめの人とは?
つまり、ビジネスモデルを学ぶということは、儲けるための仕組みを知ることです。ですので、ビジネスに興味がある人、中でも起業や新規事業を考えている人に役立ちます。
ビジネスモデルを学ぶことで次のようなメリットが得られます。
(1)売り上げをあげるためのポイントが明確になる |
(2)ビジネスの仕組み化や自動化のヒントになる |
(3)今の事業の限界がわかる(=ビジネスモデルの変更を視野にいれる) |
もしあなたが、すでに何らかの事業を行っていて、その事業に行き詰まりを感じているのであれば、その打開策として、ビジネスモデルについて学んでみると良いでしょう。
2.ビジネスモデルの主なパターン5つ
ここでは、ビジネスモデルのパターンを5つを紹介します。もっとも基本となる、ビジネスモデルに絞ってお伝えしますので、しっかり読んであなたのものにしてくださいね。
初めて当サイトに訪れた方へ
ビジネス心理学とは?2-1.一番シンプル! 作って売るだけ!|物販モデル
一番シンプルなビジネスモデルが、物販モデルです。これは、単純に商品を作ってそれを売るだけです。小さな例だと農家。農家は米や野菜を作ってJAなどに卸売りしていますよね。
大きな例ではアップル。スティーブ・ジョブズは、世界中の人が欲しがる商品を、時代を先取りして生み出し、世の中に大きなインパクトを与えました。このように、同じ物販モデルであっても、その規模には大きな差があり、世の中に広く取り入れられているビジネスモデルです。
2-2.商品がなくても仲介をするだけ!|卸売モデル
世の中に最も多いビジネスモデルが、卸売りモデルです。ビジネスモデル的には、商品開発を自社で行わない点を除けば、物販モデルと同じです。
自社で商品開発を行わないことにより、次の3つの利点が得られます。
(1)売れない商品を抱えずに済むので、リスクが低い |
(2)商品開発コストがかからない |
(3)売れる商品にしぼるなど、品揃えの変更が容易 |
逆に次の3つの欠点があげられます。
(1)自社商品に比べ、得られる利益が少ない |
(2)基本的に商品提供元の意向には逆らえない |
(3)独占契約を結ばない限りは、ライバル店との競争になりやすい |
何よりも、リスクが低いというメリットが大きいので、比較的気軽に取り組めるビジネスモデルと言えるでしょう。
2-3.プリンターはインクで儲ける!|消耗品モデル
ご存じでしたか? 実は、PCのプリンターは、プリンター本体を売って儲けているわけではなく、定期的にインクを売ることで、儲けています。最初はプリンター本体で儲けていたのですが、価格競争が激化する中、苦肉の策としてビジネスモデルを変更したのです。
ビジネスモデルを物販モデルから、消耗品モデルに変更し、プリンター本体を比較的安くして、必ず必要となるインク(=消耗品)を売って儲けています。
また他の例では、コーヒーの定期お届けサービスも消耗品モデルです。レギュラーコーヒーからカフェオレまで、色々な種類が用意された専用のカプセルを、最低60個買うという条件で、家庭用コーヒーマシンがタダでもらえるサービスなどをしています。
おわかりですよね? コーヒーマシン本体ではなく、専用のカプセル(=消耗品)を定期的に買ってもらうことで、長期的に安定した利益を狙っているのです。
2-4.人を集めて広告で稼ぐテレビ局|広告モデル
あなたは、1996年から続いている人気番組「めちゃイケ」の番組制作費がいくらかご存知ですか? レギュラー番組でおよそ3000万円、年末などのスペシャル番組だと、なんと1億円を超えるそうです。
テレビ局では、このような高額な制作費をどうやって稼いでいるのでしょうか? ご存知のとおり、この費用は各スポンサー企業からいただく広告費でまかなっています。
TV局は何よりも人気番組を作ろうとします。うまく人気番組ができれば、大企業が商品の宣伝や、ポジショニング・ブランディングのために、高額な広告費を払ってくれるからです。逆に、番組が不人気なら「こんな番組にお金は出せない」とスポンサーも逃げてしまい、即打ち切りです。
このように、広告モデルは、多くの人が集まる仕組み、宣伝の場を作り上げることで、広告費を稼ぐビジネスモデルです。
なお、長期的に売り上げを伸ばすことができるポジショニングについて、くわしく知りたい方は以下の記事も参照してみてください。知っているようで知らないポジショニング戦略を正しく理解できます。
2-5.生命保険で毎月コツコツ課金する|継続課金モデル
最も安定したビジネスモデル、それが継続課金モデルです。代表的な例としては生命保険や、携帯電話など。このビジネスモデルの特徴は、お客様をひとり獲得すると、それが継続的な利益につながるので、お客様が増えるだけで、どんどん利益も増えビジネスも安定していきます。
これ以外にも、インターネットを利用した継続課金モデルも多く、お料理レシピで有名なクックパッドは、検索機能などを強化した月額280円のプレミアムサービスで儲けていますし、またスマホアプリに継続課金モデルを採用する企業も多いようです。
初めて当サイトに訪れた方へ
ビジネス心理学とは?3.ビジネスモデルの事例
この章では、大成功したビジネスモデルの事例3つを紹介します。それぞれビジネスが大成功にした理由なども、あわせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
3-1.GoogleやFacebookのビジネスモデル|広告モデル
Googleの総売上高は、6600億ドル(日本円で780兆円)とすさまじく、このビジネスモデルを分類すると広告モデルとなります。実はFacebookも同じく、広告モデルを採用しています。
これらの企業の成功の要因はなんでしょうか? もちろん、色々な見方がありますが、何よりも利用者が多く、ユーザーが喜ぶサービスを心がけ、現在もなお利用者を増やしていることです。利用者が増える=広告を見てくれる人が増える=利益が増えるという流れです。
例えばFacebookの場合、2004年にそのサービスを開始しましたが、2008年までの4年間は一切利益を求めていません。つまり、投資家からお金を集め、ひたすらサービスの質の向上・利用者の拡大につとめたのです。そして、2008年に登録者が1億人を突破したことで、初めて広告サービスを開始し、投資家に莫大な利益をもたらしました。
このように、広告モデルで成功を目指す場合、たくさんの人の喜びそうなサービスを考え、そして、いかに早く利用者を増やすかが、成功のカギと言えるでしょう。
3-2.LINEのビジネスモデル|物販モデル
LINEって聞くと、上記で紹介したGoogleやFacebookのように、広告モデルのイメージですが、実はLINEのビジネスモデルは、物販モデルなのです。では、実際にLINEはどのように儲けているのでしょうか? 実はLINEの売上の約60%はゲーム課金で、スタンプ課金が約20%です。
つまりLINEはゲームを売ったり(ゲーム内で課金させたり)スタンプを売って稼いでいる、というわけです。LINEも広告で儲けようとはしているのですが、「広告表示がウザイ」と非表示にする人が多く、あまり上手くいっていないようです。
ちなみに、LINEはSkypeなどの通話サービスより随分後発ですが、ユーザー登録の必要もなく、アプリをインストールするだけで、すぐ友達とチャットや通話が楽しめるという手軽さが、爆発的な人気につながったようです。
3-3.楽天のビジネスモデル|継続課金モデル
楽天の平成14年度の経常利益は1,042億円、この莫大な利益を安定的にもたらしているのが、継続課金モデルです。楽天では1店舗あたり、月2~10万円の出店手数料と、実際に売れた商品代金の2%~7%を徴収しています。
楽天の創業は1997年、当時すでにショッピングモールはいくつもありました。楽天の成功は、何よりも先に市場を制覇できたこと。当時、ショッピングモールの出店手数料の相場は月数十万円、それに対して楽天は月5万円と格安でした。
この安さから、たった月5万円でネット上にお店がもてると話題になり、お店の数が1998年の320店舗から、2002年には10,000店舗と、どんどん増えます。しかし実は、この2002年当時、楽天は赤字でした。これを解決するため、売れた商品代金の一部を徴収しはじめたのです。
当時、三木谷社長は「従量制への移行は、もっと早い段階で実施するつもりだった。だが店舗からの離反を恐れ、決断が遅れているうちに、売れば売るほど赤字になるという不健康な状態になっていた。たとえ店が10店舗に減ってしまっても構わない、そんな不退転の決意で従量制移行を決断した」と語っています。
実際には、恐れていたほどの離反はおきず、その後も順調に市場を制覇できたことが、楽天成功の秘密と言えるでしょう。
(参考記事 『TOSHINAO SASAKI JOB(佐々木俊尚HP)』)
初めて当サイトに訪れた方へ
ビジネス心理学とは?4.ビジネスモデルのチェックポイント
ビジネスの成功のためには、そのビジネスの最終形、つまり理想的なビジネスモデルが見えている方がいいですよね。ここでは、あなたがビジネスモデルを採用する上で、重要となる3つのポイントについて解説します。ビジネスで失敗しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
4-1.自分の情熱がある
もっとも大切なポイントは、自分の情熱が持てるビジネスモデルを選ぶことです。たまに聞くのは、情熱がもてるかどうかは考えず、ビジネスの安定が欲しくて、会員制ビジネスを目指す話です。
もちろん、そういった狙いは決して悪くないのですが、実際にビジネスを軌道にのせるには、そうとうな情熱が必要です。私もサラリーマン時代、社長命令で楽天をマネたビジネスを北陸でやろうという企画があり、そのメンバーのひとりに選ばれたのですが、結果的にダメになりました。
理由はおわかりですよね? 私を含めたメンバーの情熱不足です。もし、このメンバーに社長が入っていれば結果は違っていたかもしれません。しかし、社長はたまにきて叱咤激励するだけ。そんな状態でビジネスがうまくいくはずもなく、結局中途半端に終わってしまいました。
4-2.大きくて安定した利益をもたらしてくれる
ビジネスの規模は、ビジネスモデルによって決まってきます。たとえば、最初にマクドナルド兄弟が開いていたお店は、ごく小さなドライブイン・レストランでした。ただ、普通のレストランと違い、人気のハンバーガーやポテトをスピーディーに出すことで、お客様の入れ替わりが早い、いわゆる客席の回転率が良いレストランでした。
ここに目をつけたのが、セールスマンであり企業家のレイ・クロックです。レイ・クロックは、マクドナルド兄弟に、このレストランをフランチャイズ形式にして、この回転率の良い仕組みそのものを売ってはどうか? と持ちかけます。
つまり、これが大きなビジネスモデルの変更であり、マクドナルドの大成功の要因です。このように、ビジネスモデルによって、得られる利益には限界があります。ごく普通のレストランでは、いくらがんばっても利益は知れてますよね?
あなたも、できれば最初の段階で、大きな安定した利益をもたらすような、ビジネスモデルを考え、ぜひそこを目指してビジネスを進めていってくださいね。
4-3.続ければ続けるほど参入障壁が高まる
あなたは参入障壁をご存知ですか? 参入障壁とは、他の人がそのビジネスを簡単にマネできない仕組みのことです。たとえば、私の知り合いは、質の高いメルマガを365日休むことなく、何年も発行し続けています。それにより、どんどん読者が増え安定した利益を得ています。
あなたは、365日休まず質の高いメルマガを発行できますか? 正直、私には無理です。たまに発行することはできても、毎日はさすがに厳しいですね。つまり、カンタンにはマネできません。これが参入障壁です。
このように、ビジネスモデルの選び方次第では、そのビジネスを続けるだけで、自然と参入障壁が高まります。ぜひ、ビジネスモデルを選ぶ時に参入障壁についても、しっかり考えてみてくださいね。
初めて当サイトに訪れた方へ
ビジネス心理学とは?5.ビジネスモデルだけでは絵に描いた餅
いかがだったでしょうか? 成功している企業のビジネスモデルから学べることは多く、ビジネスをする上でもかなり役に立ちます。もしあなたが、よりビジネスモデルについて深く学びたいと思うのであれば、次の本が参考になります。
『図解 カール教授と学ぶ成功企業31社のビジネスモデル超入門!』
平野敦士カール (著)
この本では、誰でも知っている企業を例にあげて、ビジネスモデルをこの記事よりもさらに細かく19種類にわけ、わかりやすく解説しています。なにかしらあなたのビジネスのヒントが得られると思いますので、もし興味があれば読まれると良いでしょう。
最後になりますが、どんなに素晴らしいビジネスモデルであっても、それだけでは所詮、絵に描いた餅です。言うまでもなく、あなたが情熱を注いで、実現していくことが何より大切です。ぜひ、あなたのビジネスにこの記事を活かしてくださいね。
以下は商品開発についての記事です。商品開発のプロセスから企画書まで、多くの事例をまじえて解説しています。商品開発で重要なことは良い商品を作ることではありません。その理由がこの記事に書かれていますので、ぜひ続けてお読みください。