ポジショニングの活用方法|自分の商品を効果的に売り出す!

ポジショニングの活用方法|自分の商品を効果的に売り出す!

「自分の商品を売るためには、ポジショニングが大切と聞くけど、どんな効果があるのかわからない」という人は多いのではないでしょうか? そこで、この記事では、知っているようで知らないポジショニングについて、コンサルタントの立場から解説をしていきます。

あなたの商品が正しいポジショニングを行えば、あなたの業界のライバルに差をつけて、長期的に売上を大きく伸ばすことができます。逆に言えば、ポジショニングを行っていなければ、大きく売上を逃すことになるでしょう。

さらに、あなたの業界のライバルが、正しいポジショニングをとったとします。すると、お客様のほとんどがライバルの商品やサービスに集中するかもしれません。なんだか、ゾッとしませんか? 「自分の事業も正しくポジショニングをして長期的に安定した売上を確保したい」という人は、ぜひ参考にしてください。

目次 〜ポジショニングの意味や成功事例、効果を徹底解説〜

1.そもそもポジショニングとは何か?

2.ポジショニングの成功事例3選

3.ポジショニングを実践する前のチェックリスト

4.ポジショニングについて、オススメの本

5.まずはお山の大将を目指そう

1.そもそもポジショニングとは何か?

そもそもポジショニングとは何か?

そもそもポジショニングとは何なのでしょうか? ポジショニングの理論を世界で最初に提唱したアル・ライズとジャック・スラウトは「ポジショニングとは、自社の商品をお客様の頭の中に位置づけることだ」と説明しています。

要するに、「〇〇はこういう商品」「〇〇はこういう商品」というイメージをお客様の頭の中に作り上げるのです。例をあげれば、「トヨタは品質」「ボルボは安全性」というイメージです。

2.ポジショニングの成功事例3選

ポジショニングの成功事例3選

それでは、現実で成功したポジショニングの例をご紹介します。いずれの事例も、あなたが自分の商品を正しくポジショニングをするヒントになります。中には、「あれってそういうカラクリだったの?」と驚くものもあるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

2-1.販売先を絞ったハーゲンダッツ

突然ですが、あなたはアイスクリームのハーゲンダッツを駄菓子屋で買った経験はありますか? おそらくそんな経験をした人はいないと思います。これは、アイスクリームのハーゲンダッツが「最高級のアイスクリーム」というポジショニングを築くために、ある工夫をしたからです。

「値段の高さ」という要素に加えて、「販売先を絞る(デパート、高級スーパー、直営店でしか販売しない)」という要素でポジショニングをしたのです。実は、ハーゲンダッツが市場に出た時に、レディーボーデンという高級アイスクリームがすでに存在していました。

しかし、レディーボーデンは販売先を絞っていなかったので、駄菓子屋でも買えました。そのため、最高級アイスのポジション争いに敗れました。ライバルのハーゲンダッツが「値段の高さ」に加えて、「販売先を絞る」という戦略をとったからです。これにより、最高級アイスのポジションニング争いはハーゲンダッツの勝利となりました。

2-2.家族をターゲットにしたすき家

あなたは、「牛丼屋さん」と聞いて、どんな光景を思い浮かべますか? ほとんどの人が、中年の男性が並んで、牛丼を食べている光景を思い浮かべるのではないでしょうか?

しかし、吉野家、松屋、すき家という大手の中で、すき家だけは違う光景があります。小学生くらいの子どもを連れて牛丼を食べに来る家族連れを見ることができるのです。これは、すき家が小さな子どもがいる家族をターゲットにしたからです。

吉野家や松屋はカウンター席だけでテーブルの席がほとんどないのに対して、すき家だけは家族が並んで食べられるようにテーブルの席が他の2社に比べて多く設置してあります。また、お子様セットのような小さな子ども用のメニューも用意してあります。

そのため、他の2社は男性が一人でしか利用しないのに対して、すき家には家族全員で食事をしにくるようになったのです。飲食店の場合、お客様がひとりで食べにくるか、家族を連れて食べにくるかによって、売上は軽く2倍以上変わります。そのため、非常に良いポジショニング戦略と言えます。

私は以前、すき家でアルバイトをしていました。今思えば、店内にお子様用の椅子が用意してあったのも、家族で食事をしやすいようにという会社の判断だったわけですね。

ただ、私が勤務していた当時は、「ワンオペ(ワンオペレーション)」という従業員一人で店を切り盛りする状態でした。そのため、他のお客様の対応をしながら、家族連れのお客様の料理を準備しなければいけなかったので、店内を走り回っていました。その努力もむなしく、お子様ランチのおまけのシールを付け忘れてクレームをもらいました(笑)。

2-3.弱い吸引力で客を吸い付けたダイソン

「ダイソン吸引力の変わらないただ一つの掃除機」というCMを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか? しかし、ダイソンの吸引力が日本国内の掃除機より弱かったということをご存知でしたか?

実際、平成18年に国民生活センターが、日立や三菱などの国内メーカーの掃除機とダイソンのサイクロン掃除機DC-12 を比較した調査を行いました。その結果は以下のグラフの通りでした。グラフのNo.4がダイソンの掃除機です。

モデルごみの吸い込みに伴う吸込仕事率の低下

国民生活センター』サイクロン方式の掃除機(概要)

なんと、国産メーカーの約半分の吸引力しかなかったのです。すでにお気付きの方もいるかもしれませんが、ダイソンの掃除機は、「吸引力が変わらない掃除機」であって、「吸引力が強い掃除機」ではなかったのです。とはいえ、「吸引力で有名な掃除機メーカーといえば、ダイソン」というポジションを築くことに成功しました。

3.ポジショニングを実践する前のチェックリスト

ポジショニングを実践する前のチェックリスト

ポジショニングを行うためには、自分の商品を市場のお客様に知ってもらう必要があるため、多額の広告費がかかることが多いです。とは言え、自分の商品のポジショニングを間違ってしまうと、お客様の頭の中に自分の商品を位置づけることができません。そうなれば、いくら広告費をかけても、そのほとんどが無駄となってしまいます。

よって、この章では、あなたがポジショニングを実践する前に確認しておくべき3つのポイントをお伝えします。

3-1.ターゲットが絞られているか?

「価格も品質も性能もすべてにおいて最高です」という広告を打っても、お客様の心を射止めることはできません。今思うと恥ずかしいのですが、私もコンサルタントを始めた頃は、欲張って「なんでも解決するコンサルタントです」という宣伝をしたことがあります。

その結果は無残なもので、なんでも解決するコンサルタントを名乗っていた時期には、1件のお問い合わせもありませんでした。

自分の商品をよく見せようとして、ついつい「うちの商品はあれも良いです。ここも良いです」と宣伝してしまいがちです。しかし、そういう宣伝は安っぽさが出てしまうため、結局どこにもポジショニングもできないまま、宣伝をして終わりになってしまうでしょう。

そのため、自分の商品のポジショニングを考えるときに、ターゲットが絞られているかをチェックしてみましょう。

3-2.業界のライバルの弱点を突いているか?

ライバルの弱点を突いているか?という点もポジショニング戦略の重要な鍵を握ります。上記で紹介したすき家では、家族で入れる牛丼屋というポジショニングで成功しました。これは、「吉野家と松屋は家族連れで入ることがむずかしい」というライバルの弱点を的確についていたからです。

よって、業界のライバルの弱点を突いているか?ということもチェックしてみましょう。

3-3.そもそもお客様のニーズがあるか?

周りと違うことをすれば、必ずポジショニングが成功するわけではありません。たとえば、2000円札は国家レベルで広告費をかけて宣伝したにもかかわらず、ポジショニングに失敗しました。これは、そもそも2000円札が欲しいという国民のニーズがなかったからでしょう。

衣料品でおなじみのユニクロが2002年から野菜の販売事業をしていた時期がありました。しかし、当初の予定の半分も売れずに、わずか1年半で撤退をすることになりました。この失敗も2000円札と同じく、お客様からのニーズがなかったことが原因だと思います。

そもそも、お客様のニーズがあるか?ということも、知人や既存のお客様にアンケートを取って、チェックしておきたいですね。

4.ポジショニングについて、オススメの本

ポジショニングについて、オススメの本

ポジショニングについてさらにくわしく学びたいという人のためにオススメの本を紹介します。

ポジショニングの方法は多数あります。しかし、「方法が複雑すぎて自分の事業には当てはめるのが難しい」となれば無意味です。そこで、ポジショニングについて、わかりやすく書かれた以下の2冊をオススメします。

4-1.ポジショニング戦略

ポジショニング戦略[新版]

ポジショニング戦略[新版]
 アル・ライズ (著), ジャック・トラウト (著), フィリップ・コトラー(序文) (著), 川上純子 (翻訳)

ポジショニングという考え方を世界で最初に提唱したアル・ライズとジャック・トラウトの共著です。世界中で30年以上読まれてきたポジショニングの教科書というべき本です。

実例が豊富なので、ポジショニングについてわかりやすく学ぶことができます。難点として、実例として紹介している企業が日本人にはあまりなじみのないアメリカの企業なので、その部分は読みづらさを感じるかもしれません。

ただ、全体としてはポジショニングについて体系的にまとまっているので、オススメの1冊です。

4-2.ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略

競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略

競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略
 フレッド・クロフォード (著), ライアン・マシューズ (著), 星野 佳路 (監修), 長澤 あかね (翻訳), 仲田 由美子 (翻訳)

ポジショニングについて、「価格、サービス、アクセス、商品、経験価値」という5つに焦点をしぼって解説している本です。「この5つのうち1つでも突き抜ければ残りの項目は業界水準でも問題ない」など、独自の理論が書いてあります。また、星野リゾートが監修に入っているので、日本の風土にもあっているような印象を受けます。

5.まずはお山の大将を目指そう

ポジショニングの提唱者のアル・ライズとジャック・トラウトは「お山の大将でも大将の方がいい」という言葉を残しています。市場の大きさにかかわらず、お客様というのはその市場で一番優秀または有名な商品を買うからです。

つまり、いきなり大きな市場でトップにならなくても良いので、まずは小さな市場で大将になり、そこで力を蓄えたらより大きな市場で大将になればいいということです。まずは、小さな市場でも大将、つまり1位になることを目指してみましょう。

そのためには、以下の記事が役に立ちます。この記事では、ポジショニングの方法の中でも特に有名なブルー・オーシャン戦略についてわかりやすく解説してあります。ぜひ活用してみてください。

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また、以下の記事では、ビジネスで儲けるための仕組みであるビジネスモデルについて解説しています。ビジネスで成功するためにはポジショニングとともにビジネスモデルも非常に重要です。パターンと事例をもちいて、できる限りわかりやすく徹底解説していますのでぜひお読み下さい。

ビジネスモデルを3分で理解!|パターンと事例で徹底解説
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