学生起業の方法|多くの成功・失敗例を知る著者が実態を解説

学生起業の方法|多くの成功・失敗例を知る著者が実態を解説

「自分の好きなことを仕事にしたい」「会社に就職することにあまり魅力を感じない」「学生のうちから、大きなことをしたい」と考えたことはありませんか?

私は起業をしている・もしくはこれから起業をしようと思っている学生に向けて、よく講義やアドバイスをしています。そのため、たくさんの学生起業の成功と失敗を見てきました。

この記事では、起業を成功させたい学生に向けて、現代の学生起業の実態を紹介していきます。また、学生起業を成功させるための方法も解説します。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

目次 〜学生起業の方法を事例をもとに詳しく解説します!〜

1.学生起業で成功した人の実例

2.学生起業のメリットとデメリット

3.学生起業の支援の実態を公開

4.学生起業の5ステップ

5.将来の起業のために準備した方がよい2つのこと

6.おわりに

1.学生起業で成功した人の実例

学生起業で成功した人の実例

そもそも、学生起業とは読んで字のごとく、学生のときに起業することです。それぞれの言葉を調べてみると、以下のようになっています。

【学生】
( 名 ) スル
学校で勉強すること。特に大学生のことをいう

【起業】
( 名 ) スル
新しく事業を始めること。

引用:三省堂 大辞林

ここでは【学生起業】を、特に大学生が新しい事業を始めることと定義しましょう。つまり、大学生のうちに、自分で考えた新しい商品・サービスを提供するということです。

また、学生起業をしている人のことを学生起業家と呼びます。まず最初に、学生起業で成功した人たちの例を紹介していきましょう。

1−1.ソフトバンクグループ 孫正義

学生起業で成功した例としては、日本ではソフトバンクグループの孫正義さんが有名ですね。孫さんは学生のときに、毎日、5分間、特許が取れそうな発明を考えると決めました。特許を取って大金を稼ごうとしていたのです。

発明を考えるうちに、一つのアイディアを思いつきました。それは、自動翻訳機です。そのアイディアをシャープに売って学生の身分で、億単位のお金を稼いだそうです。元手はなくても、自分の決めたことをコツコツとやり続けて、成功した事例です。

1−2.Facebook マーク・ザッカーバーグ

Facebookの創業者のマーク・ザッカーバーグも学生起業で成功した例です。彼は6歳からプログラミングを学んでいました。

そして、19歳で、聴く人の好みを予測して曲を再生してくれる「Synapse Media Player」というソフトを作りました。このソフトはあのマイクロソフトが「1億円で買いたい」というほどの出来だったそうです。その後、ハーバード大学に在学しているときに、Facebookを開発しました。

プログラミングという自分の強みで成功した事例です。彼の大学時代の話は、「ソーシャル・ネットワーク」という映画にもなっているので、一度見てもいいですね。

1−3.株式会社リブセンス 村上太一

史上最年少で東証一部上場を達成して話題になった、株式会社リブセンスの村上さんも学生起業家です。アルバイト情報の掲載サイトの「ジョブセンス」を立ち上げ25歳で上場させました。

東証一部上場ついての詳しい説明は、話が複雑になるので省略します。ただ、日本国内のすべての企業約430万社のうち、東証一部上場企業は約1700社だけです。ですので、全体の0.04%しかない選ばれた企業ということになります。「ジョブセンス」を立ち上げたきっかけは、身近にあるはずのいいアルバイトに出会えるサイトがなかったからだそうです。

ちなみに、村上さんの学生時代の労働時間は1週間あたり126時間だったそうです。フルタイムで普通に働いている人の労働時間が、8時間×5日=1週間あたり40時間なので、なんとその人の3倍以上働いていたのです。通常の3倍という長時間の労働が成功へと繋がったのでしょう。

1−4.株式会社ウツワ ハヤカワ五味

最後に、現役の学生起業家を紹介します。デザイナーのハヤカワさんです。

ハヤカワさんは、ご自身の胸が小さく下着の選択肢が少ないという悩みをかかえていました。そこで、Aカップ以下の胸の小さい人向けの「feast」という下着ブランドを立ち上げました。

最初は投資を受けたわけではなく、小学校からためていたお年玉や服を売ったお金を使って、下着の制作費に当てられたそうです。この「feast」の商品は、発売から即日で売り切れるほど反響がありました。そのことが話題となり、雑誌やメディアでも取り上げられました。

上記の「ジョブセンス」と同じく、自分が抱えている不満を解決する事業を展開して成功した事例ですね。

2.学生起業のメリットとデメリット

学生起業のメリットとデメリット

2−1.学生起業のメリット

学生起業には、学生ならではのメリットがいくつかあります。

2−1−1.学生ということで年上の経営者から応援してもらいやすい

学生起業家の年齢は10代後半から20代前半となります。そのため、年上の経営者の方が相談に乗ってくれたり、取引先を紹介してくれたりと応援をしてくれる場合が多いです。

2−1−2.生活費の心配が少なくて済む。

社会人になってから起業をすれば、最低でも生活費を稼がなければ生活をしていけません。これに対して、学生起業の場合は生活費を稼がなくても、両親が生活を支えてくれます。そのため、社会人で起業をした人に比べて、生活費を心配する必要が少なくて済みます。

2−1−3.10代または20代なので体力面で有利

10代または20代で起業しているので、体力面でも有利になりやすいです。40代で起業した人に比べて体力があるので、休みが取れないようなスケジュールでも耐えられたりします。

2−2.学生起業のデメリット

反対に、学生の立場で起業しているからこそ、発生するデメリットがあります。

2−2−1.お金がない

起業当初の学生起業家の資金は、アルバイトで稼いだお金か親からもらったお小遣いしかありません。そのために、学生起業の最初のうちは、交通費の支払いだけでも、大きな課題になったりします。

重要な用事以外は、メールや電話で対応する癖をつけて交通費をおさえましょう。

2−2−2.学業と起業を両立させるのが大変

事業をしているからといって、学校のテストが免除されるわけではありません。逆に、テストがあるからといって、取引先が待ってくれるとはかぎりません。学業と起業の両方に時間を使うことになるので、自然と自由時間は減ってしまいます。

学業では自分で勉強するしかありません。しかし、事業ではできるかぎり、一緒に作業を手伝ってくる仲間を見つけてみましょう。

2−2−3.学生だからといって、一方的に値切られてしまうことがある

取引をする相手にもよりますが、「君は学生だからこのくらいの値段でいいだろう」と一方的に値切られてしまうこともあります。知り合いの学生起業家は、「次は契約してやるから、しばらくは無料でやってくれ」と言われ続け、いつまで経っても報酬がもらえていませんでした。

ですので、仕事をする前に相手と契約書をきちんと交わしましょう。

3.学生起業の支援の実態を公開

学生起業で成功した人の実例

学生起業をするにあたって、あなたは誰かに支援してもらいたいと考えていませんか。これからお伝えすることは、普段はあまり話さない内容です。なので、ショックを受けるかもしれませんし、落ち込ませてしまうかもしれません。ですが、重要なことですので、ぜひ心に留めておいてください。

3−1.もしも、学生起業で失敗した場合

たまに「学生起業で失敗しても就職できますか?」という質問を受けます。それに対する私の回答はこうです。

「就職はできますが、就職先の選択肢が少なくなる場合もあります」

就職活動(大学生であれば3年生の12月〜4年生の9月)が始まる前に、学生起業に失敗したのであれば、何の問題もありません。まわりの人と同じように就職活動をすれば、同じ数の選択肢の中から選べます。

しかし、就職活動の期間を過ぎた後に学生起業に失敗した場合は別です。「学生起業に失敗したので、就職したい」と思って就職活動をしても、大手企業の求人募集はほとんど終わっています。ですので、就職活動の期間を過ぎてしまうと、大手企業以外のあまり儲かっていない会社へ就職をすることになります。

また、下図のように、2016年度の卒業生から、就職活動のスケジュールが変更になりました。これにより、就職活動の期間は今までより短くなりました。ですから、大手企業に就職したい場合は、企業へのエントリーが始まる大学3年生の3月までに学生起業を続けるか、辞めるかの判断が必要となってきます。

2016年度卒以降の就職活動スケジュール

データの引用元:マイナビ

3−2.起業コンテストの実態

起業コンテストとは、出題された課題に対して学生がビジネスアイディアを発表し、その完成度を競うものです。例としては、「リコー製品を使った新しいビジネスを考えよ」などがあります。

現在、いろいろな団体が学生向けの起業コンテストを開催しています。

  • 千葉銀行などの金融機関が主催するもの。
  • イオンやサイバーエージェントなどの企業が主催するもの。
  • 早稲田大学などの大学が主催するもの。

その中には、優勝したら50万円以上の賞金がもらえるという豪華なものまであります。私はこれまでに、起業コンテストの優勝者に会ってきました。その中で感じたことがあります。

それは、起業コンテストで優勝した内容でも事業に成功するとはかぎらないということです。起業コンテストで評価を受けても、失敗するケースはたくさんあります。

何年か前に米粉で作ったパンのアイディアで、起業コンテストに出場された方がいました。その当時は小麦粉の値段がとても高くなっていて、代わりにお米から作った米粉が注目されていました。そのため米粉を使ったパンは、その社会性を評価されて見事優勝をすることができました。

ところが、しばらくすると小麦粉の値段が元どおりになってしまいました。その結果、米粉を使ったパンのお店は潰れてしまいました。

このように、起業コンテストで評価されたからといって、そのビジネスアイディアがうまくいくとはかぎらないのです。ただし、自分の事業をアピールするいい練習になりますので、腕試しに参加してみるのもいいでしょう。

3−3.エンジェル投資家はやさしい天使とはかぎらない

エンジェル投資家とは、起業して間もない時期でも、お金を投資をしてくれる個人の投資家のことをいいます。こうした投資家が、学生起業家にお金を投資してくれる場合があります。ところが、その名前のとおり、あなたにとってやさしい存在とはかぎりません。

起業当初は、少しでも活動資金がほしいでしょう。とは言っても、事業が軌道に乗っていないうちから投資を受けると、あとあと金銭トラブルになりやすいです。

投資を受けること自体は決して、悪いことではないです。しかし、起業当初は、経験を積むために、自分のお金だけで、事業を進めてみましょう。エンジェル投資家の方が「投資をしてあげる」と持ちかけてきても、信頼できる第三者に相談し、じっくりと検討した上で返事をしましょう。

4.学生起業の5ステップ

学生起業の5ステップ

ここまで読んできてなんとなく、学生起業に興味が湧いてきたかもしれません。そこで私が経営コンサルタントとして、成功確率が高いと感じる学生起業の例を紹介します。

4−1.妥協をしない自分の理想の人生設計を立てる

起業をする前に、自分が将来どんな生活をしたいのかを書き出してみましょう。

  • 一週間あたり何時間くらい働くのか
  • 収入はいくらほしいのか
  • どんな休日をすごしたいのか

「書き出したからといって人生が変わるわけない」とあなたは思うかもしれません。かくいう、私も昔は同じように思っていました。

しかし、社会人になって最初に受けた研修で、講師の人からこんなことを言われました。「紙の上で考えなさい」つまり、暗算で解くのがむずしい計算でも、紙に書いて筆算で計算すればカンタンに解けるということです。

実際に紙に書き出してみると、頭の中だけで考えていただけでは気付かなかった発見があったりします。ぜひ、自分の将来への投資と思って一度試してみましょう。

4−2.学校側に学生起業の許可をとる

これは、実際にあったことです。とある学生起業家がNHKのニュースで紹介されました。

ところが、その放送がされたあとに、その学生起業家は通っていた学校から退学させられることになりました。それは、その学生起業家が通っていた学校は、学生起業が禁止だったからです。

ですので、起業する前に自分の通っている学校に「学生起業は可能ですか?」と確認して許可を取りましょう。学校側に許可を取りに行くことは、面倒かと思われるかもしれません。しかし、通っている学校とのトラブルを避けるためにも許可をとっておきましょう。

もしも、学生起業が禁止されていた場合はどうすればいいのでしょうか。その場合は、学校側に許可を出してもらえるように交渉してみましょう。学校によっては、アルバイトは禁止。ただし、学生起業は可能という学校もあります。

4−3.自分がする事業について調べてみよう

0からすべて自分が考えた事業は、失敗する確率が高いです。それではどうすればいいのでしょうか。もちろんAmazonで本を買って調べてもいいのですが、実はもっといい方法があります。自分が事業にしたいと思っていることを、すでにしている人にインタビューするのです。

例:アプリ開発の事業がしたい場合は、アプリ開発をしている会社にインタビューをお願いする。

Googleで調べれば、インタビューしたいと思った会社のメールアドレスや住所がわかりますので、「突然ご連絡を差し上げる失礼をお許しください。私は□□の学生の◯◯と申します。学生起業を考えていますので、恐れ入りますが、30分だけインタビューをさせてくれませんか?」とメールや手紙を出してみましょう。

会ったこともない人にメールをするのは、少し気が重いかもしれませんが、これも経験だと思って挑戦してみましょう。また、インタビューの際に「何か手伝える仕事はないですか」と聞いてみましょう。思わぬ仕事をもらえるかもしれません。

また、学生起業はしたいけど、事業のアイディアが思いつかないという場合は、以下の記事を参考にしてみてください。失敗しないビジネスの条件などを挙げ、事業のアイディアを考える上で大切なことを紹介しています。

失敗しない、資金ゼロからの起業アイデア 5つの例
「起業のアイデア」についてGoogleで検索をしてみると、それこそ50も100もアイデアが出てきます。しかし、どう見ても玉石混交で、「結局どれがいいの?」と悩んでしまいますよね。そこで、この記事では量ではなく、質を重視して、起業アイデアについてアドバイスをし...

4−4.まずは個人事業主になろう

学生起業には、大きく分けて2つのパターンがあります。

1つ目は、会社を作らずに事業を始めるパターン。この場合、あなたは個人事業主という立場になります。

2つ目は、会社を作って事業を始めるパターン。この場合、あなたは代表取締役という立場になります。

2つ目の代表取締役の方が、会社を作っている分だけ信用力があったり、税金が少なくなったりといいことがあります。しかし、この場合、会社を作るために30万円ほどかかったり、維持費が毎年7万円かかったりと費用が発生します。

そこで、まずは開業資金なしで手軽に事業が始められる個人事業主になりましょう。個人事業主のなり方は、Googleで「個人事業主 開業」と検索して調べてみましょう。

4−5.利益が500万円を超えたら、会社を作ろう!

個人事業主になって事業をしていくうちに、事業の利益(売上から経費を引いたもの)が500万円を超えるかもしれません。利益が500万円を超えたら会社を作りましょう。利益が500万円以上あるなら会社を作った方が税金は安くなります。

会社の作り方は、Googleで「会社の作り方」と検索すれば出てきます。もしわからなければ、会社を作る手続きを自分の代わりにやってくる設立代行サービスを利用してもいいでしょう。

5.将来の起業のために準備した方がよい2つのこと

学生起業で成功した人の実例

ここまで読んで、難しいそうだから自分は学生起業に向いていないと感じたかもしれませんね。そこで、ここからは、学生起業でなく20代で起業したい人に向けに、今のうちから準備しておいた方がよいことを2つ紹介します。

5−1.セールス力を身につける

事業を成功させたいのなら、必ず身につけなければいけない技術があります。それは商品やサービスを売ること。つまりセールスです。自分の商品やサービスを売ることができれば、お金を稼ぐことができます。逆に、売ることができないとお金を稼ぐことができません。いくら作業をしてもお金は入ってきません。

私も起業当初は自分の商品を売ることができなかったため、ほとんど収入がなく、1日の食費が200円以下でした。今思い出してもゾッとするような生活です。

とはいえ、セールスをすることに対して苦手意識を持っている人は多いです。しかし、厳しいようですが、セールスをしたくないなら事業の成功は諦めたほうがいいです。

「セールスはイヤだけど、事業に成功したい」というのは、「水に入るのはイヤだけど、世界水泳選手権で金メダルを取りたい」と言っているくらい無茶な話だからです。それくらい、セールスというものは、事業を成功させるために必要なものなのです。今のうちから販売やアルバイトをして、セールスすることに慣れておきましょう。

5−2.お金持ちの経営者とたくさん接する

日本で110万部以上売れた本『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者のロバート・キヨサキが、次のような趣旨のことを言っていました。

「あなたがよく付き合う5人を思い浮かべてください。その5人は知人でも家族でもいいです。次に、その5人の平均月収を思い浮かべてください。思い浮かべましたか? そうしたら、その5人の平均月収があなたの将来の月収になるのです」

私自身、最初は、「人を収入で見ているのか」と嫌悪感をいだきました。ところが、社会に出てみると、確かに誰と付き合うかによって、その人の収入は決まるなと実感しました。それは、私たちは無意識に周りの人と同じ考え方や行動をするからです。自分でも気がつかないうちに周りからの影響をうけているのです。

私はあなたが将来どんな人になりたいのかわかりません。しかし、お金持ちの経営者になりたいと思うなら、お金持ちの経営者とたくさん接することが大切です。

6.おわりに

孫正義やビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズなど、学生起業で大成功をした人はいます。しかし、彼らは本当にまれな成功例です。学生起業にかぎらず起業というものは、私の感覚値ではほとんどの場合うまくいきません。頑張っても売上が上がらず、途中でイヤになってやめてしまいます。

また、学生起業に本気で打ち込むのであれば、当然遊びの時間も減りますし、責任を背負う場面も多くなります。テレビや雑誌で取り上げられている学生起業家でも、実はほとんど儲かっていない場合も多いです。それでもやりたいことがあるのであれば、思い切って挑戦してみてもいいでしょう。

学生起業をしなかったら、まず体験しないようなつらい経験もするでしょう。しかし、学生起業をしなかったら、味わえなかった貴重な経験もたくさんできるはずです。

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