独立開業とは、元いたお店やサラリーマンを辞めて、あらたに自分で商売や事業を始めることです。独立開業は、自分のお店を持つといった夢を叶える手段で、収入アップが望めますが、失敗した場合は全て自己責任となり、相応のリスクがともないます。
あなたは、なんとなく今の仕事に行き詰まりを感じ「独立開業すれば、自分らしい人生が歩めるかも…」と感じていませんか? とは言うものの、さすがに会社員と違ってリスクはありそうだし、カンタンには踏み出せませんよね。
そこで、まず独立開業のメリットと、失敗したときのリスクについて考えてみませんか。私自身、独立開業をして、色々と遠回りをしてきました。この記事が、なにかしらあなたのお役にたてば幸いです。
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ビジネス心理学とは?目次 〜独立開業成功のポイントや助成金、資格などを解説〜
1.独立開業とは? 独立開業する3つのメリット
1-1.独立開業とは? 起業との違い
独立開業とは、自分が経営者となって自分ひとりの力で事業を始めることですが、「『独立開業』と『起業』は何が違うか?」と疑問を抱く方もいるかもしれませんね。
ゼロから事業を始めるという点では「独立開業」も「起業」も同じ意味です。しいていえば、開業という言葉は「個人事業主の開業・廃業等届出書」という書類を役所に提出する場合に使われます。ですから、個人でお店を開くときは開業という言葉が多く使われます。
1-2. 独立開業|おさえておきたいメリット3つ
独立開業の一番のメリットは、やっぱり収入の上限がないことでしょう。給料をもらうのとは違って、あなたがガンバればガンバるほどいくらでも収入は増えます。きっと、あなたはやりがいを感じるでしょう。
1.収入の上限がない
2.あなたの好きなように自由に働ける
3.スキルアップや成長につながる
また、独立開業すると、会社員のときのように、あなたに指示や命令をする上司はいません。あなたの好きなように、のびのびと自由に働くことができるでしょう。
2.独立開業に失敗した場合の2つの大きなリスク
では、独立開業のリスクについてはどうでしょうか? 次の2つが大きなリスクとして考えられます。
1.金銭的なリスク
2.家族や仲間に迷惑をかけるリスク
まずは金銭面です。もしあなたが、お金を借りて独立開業していれば、それが借金として残ります。当然ですよね。この金銭的なリスクが、誰もが感じる最も大きなリスクではないでしょうか?
2つ目のリスクは家族や仲間に迷惑をかける可能性です。最悪の場合は、あなたの家族や仲間の生活を危険にさらしてしまうかもしれません。
以上の2つのリスクが最も大きなリスクで、それ以外はあまりたいしたことがないように思えます。つまり、大きな借金をせず、他人にも迷惑をかけないカタチで独立開業できれば、すばらしいですね。次章では、そのためにどんなビジネスを選べばいいかについて考えます。
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ビジネス心理学とは?3.独立開業するビジネス、職種の選び方
この章では、独立開業するときの、ビジネスや職種の選び方について解説します。しっかり読んで、慎重に独立開業するビジネスを選んでくださいね。
3-1.独立開業に失敗しやすいビジネス、3つの条件
まずは、独立開業に失敗しやすいビジネスからです。いきなりですが、あなたに質問です。あなたは独立開業で失敗しやすいビジネスをご存じですか? ぜひ、パッと2つくらい、失敗しやすいビジネスを思い浮かべてみてください。
では、正解をいいますね。独立開業で失敗しやすいビジネスは、カフェと雑貨です。もちろん、これ以外にも失敗しやすいものはありますが、ここでのポイントは失敗しやすい理由です。もし、あなたが、その理由をスラスラと説明できるなら、すでにビジネスについてかなり勉強しているのだと思います。
カフェと雑貨が失敗しやすい理由は次の3つです。
(1)店舗など初期費用が高い
(2)利益率が低い
(3)リピートしにくい
独立開業にお金がかかり、利益が少なく(たくさん売る必要がある)、同じ人が何度も同じものを買わない。失敗しやすい理由としてはこれで十分ではないでしょうか?
3-2.独立開業しやすい職種とは?
成功しやすいビジネスは、先程の条件と逆。つまり、初期費用がかからず、利益率が高く、たくさんリピートするビジネスということになります。たとえば、次のような職種が、この条件に当てはまります。
■独立開業しやすい職種の例 |
(1)コンサルタント系 コンサルタント、弁護士、会計士、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、コーチ、セラピスト、カウンセラー、FP(ファイナンシャル・プランナー) |
(2)技術職系 整体師、ネイリスト、アロマセラピスト、マッサージ師、鍼灸師、パーソナルトレーナー、英会話講師、ヨガトレーナー、ボイストレーナー、デザイナー、HP制作業 |
(3)販売支援業 コピーライター、プロデューサー、保険代理店、広告代理業、販売代理店 |
どうでしょうか? もちろん、これ以外にも独立開業しやすい職種は、ほかにも色々あります。もし、さらにくわしく知りたければ、次の記事を読んでみてください。
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ビジネス心理学とは?4.独立開業できる資格は? 資格以上に大切なこと
資格が必要なビジネスとは、弁護士や税理士などの、いわゆる士業がよく知られていると思います。もし、あなたが、このようなビジネスで独立開業するつもりなら、当然資格を取ってから独立開業する必要があります。
逆に、このようなビジネス以外をやるのであれば、無理に資格を取る必要はありません。ほかにもっと大切なことがあるからです。資格よりも重要なのは次の2つです。
(1)多忙でも苦にならない仕事選ぶ
(2)集客や営業スキルをみがく
では、それぞれについて説明しましょう。
4-1.大切なのは忙しくても苦にならない仕事を選ぶこと
独立開業するのであればぜひ、「めちゃくちゃ忙しくても苦にならない仕事」を選んでくださいね。独立開業し、その事業が軌道に乗るまでのおよそ3年間は、休むヒマもないくらい忙しいことが多いです。
なぜなら、こまかな雑用から実際の業務、集客・営業から資金繰りに関することなど、色々なことがふりかかってきて、社長であるあなたは、なかなか落ち着いていられないからです。なので、できることなら忙しくても苦にならない仕事で開業してくださいね。
4-2.必ず集客や営業スキルをみがいてから開業すること
さて次は、独立開業成功の2つ目のポイントについて、弁護士さんを例にあげて説明しますね。国税庁のデータでは、弁護士さんの平均年収は1189万円。
もちろん、資格で稼げる職業としてはダントツのNo.1です。しかし、不思議なことに独立・起業している弁護士さんの22%の所得が100万円以下という国税庁のデータもあるのです。
弁護士さんが100人いたら、そのうち27人は1000万円以上の高年収。さらに、そのうちの3人は1億円以上稼ぎます。しかし、逆に100万円以下しか稼げない人も22人いるのです。
この差はなんでしょうか? おそらく、あなたはすでにお気づきですよね。この差は集客や営業スキルの差です。いくら弁護士さんが稼げるといっても、それはお客様がたくさんいた場合です。ですので、あなたが独立開業するのであれば、事前にしっかりと集客や営業力を身につけてください。
集客や営業は、もちろん実践をつむのが一番ですが、まだ独立開業までに時間があるのなら、最初は本を読んで勉強するのもよいでしょう。ビジネスは、お客様さえ集められれば、他のことはなんとかなることも多いので、ぜひしっかりと勉強してくださいね。
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ビジネス心理学とは?5.フランチャイズ開業|5つのメリットと3つのデメリット
最近はフランチャイズを利用した独立開業も人気です。有名なのは、マクドナルドやローソンなどのお店の開業でしょうか。最近は業種もどんどん増えて、ラーメン屋、学習塾、ハウスクリーニング、治療院など、ほとんどの業種のフランチャイズがあるようです。
5-1.フランチャイズ開業|資金0円でも独立可能
最近は働き方が多様化してきていて、資金0円でもフランチャイズ開業できる事業が多くあります。ここでは、資金0円でも始められるフランチャイズ開業の一例をご紹介します。
・自動販売機の管理業
普通免許さえあればすぐに始めらます。担当する自動販売機の売上が上がれば、報酬も上がるというのが収入モデルです。
・窓ガラスフィルムの施工
フランチャイズ加盟店が主催している研修に、数日間参加すればすぐに業務を始められます。個人宅やオフィスなどに断熱や防犯などの効果がある窓ガラス用フィルムを施工するのが主な業務です。
・ビジネスホテル支配人
約2か月の研修を受ければ、始められます。業務内容はズバリ「ホテルの運営」です。予算管理からスタッフの採用、イベントの考案など様々な業務があります。将来的にホテルや飲食店などを開業しようと考えている人は、調べてみてもいいかもしれませんね。
5-2.フランチャイズ開業|5つのメリットと3つのデメリット
フランチャイズを利用することで、あなたがあまり経験がない分野のビジネスでも、成功率を格段にアップさせることができます。ここでは、そのメリットとデメリットについて簡単に説明しますね。
フランチャイズのメリットは次のとおりです。
(1)成功する確率が格段に高まる
(2)従業員研修に悩まなくてよい
(3)難しい立地条件の調査などに悩まなくてよい
(4)商品の仕入れ先や品質、サービスの質が保証される
(5)資金融資を受けやすい
フランチャイズのデメリットは次のとおりです。
(1)加盟金や月々のロイヤリティを支払う必要がある
(2)基本的にフランチャイズ本部の意向に逆らえない
(3)契約終了後も同業種では開業できなくなる
インターネットの普及で減ったようですが、悪質なフランチャイズ業者もあるので注意してくださいね。
やはり、フランチャイズで一番気になるのは、加盟金や月々のロイヤリティとしてお金がかかることだと思います。ついで、フランチャイズ本部からの指示や、その意向に逆らえないことでしょうか? 自由を求めて独立開業したのに、思ったよりも自由がなかった…、そんなことがないよう、じっくり検討してくださいね。
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ビジネス心理学とは?6.独立開業にタダでもらえるお金、助成金を活用しよう
最近の日本は、景気回復のため、企業の支援に力を入れています。
たとえば、創業・第二創業促進補助金として、あなたの開業費用の2/3を国が負担してくれます。しかも、最大200万円を助成金というかたちでタダで貰えるのです。
実際に私の地元の福井県でも、平成26年度の実績で、約200社が、総額で3億5000万円もの補助金の獲得に成功しています。1社あたり、175万円ほどの助成金です。せっかく国が用意してくれた制度ですので、ぜひうまく活用したいですよね。
6-1.助成金で事業資金を得るために必要な手続きは?
もちろん、助成金を得るためには、それなりの手続きをする必要があります。具体的には、事業計画書として次のようなことを書いて提出する必要があります。
(1)開業実体 ・・・従業員の人数や資本金の額など
(2)事業内容 ・・・具体的な事業内容や、その動機、将来の展望など
(3)資金計画 ・・・設備資金、運転資金、資金の調達方法や調達先など
(4)事業スケジュール ・・・例/5月に店舗改装し、8月にPR活動、9月オープン など
(5)売上・利益計画 ・・・売上高、売上原価、経費とその根拠
(6)経費明細 ・・・人件費、設備費、原材料費、広報費など
結構めんどうに感じるかもしれませんね。こういった手続きをスムーズに進める方法もあります。次の章で解説します。
6-2.助成金をカンタンに獲得する秘訣とは?
簡単に助成金を得るために、ぜひあなたの地元の商工会を活用するとよいでしょう。
私自身、地元の商工会をうまく活用することで、一発で小規模事業者向けの助成金の申請が通りました。実際に体験したことを紹介します。
最初のきっかけは、商工会からの助成金セミナーの案内メールでした。ちょうど新規事業を考えていたので、さっそく約2時間のセミナーに出席。そこでは、助成金に関する説明と、具体的な手続きについてていねいに説明してくれました。
さっそくセミナーで教わったとおり、新規事業の計画書を作成。私が書きあげたものを、提出前に地元の商工会の担当者がチェックしてくれました。助成金は毎年のことなので、担当者がかなり慣れていて、的確なアドバイスをしてくれました。
そのアドバイスに通りに加筆し、再提出したところ一発で審査を通過し、広告費約75万円のうち2/3の約50万円の補助を受けることになりました。
正直なところ、自分ひとりで作成していたら、絶対ダメだったと思います。手続きになれた、商工会の協力があったからこそですね。ありがたいことです。あなたも、ぜひ地元の商工会を活用してくださいね。助成金以外でも、経営の相談や、確定申告などの相談にも乗ってくれますので。
7.独立開業に失敗しないために自分のパターンを知る
あなたの性格により、うまくいくパターンが大きく2つのタイプにわかれます。これは、作家の本田健さんから教えていただいたことで、目標設定型と目標展開型の2つになります。
(1)目標設定型 ・・・ 目標を持ち、その目標達成の計画を立てるタイプ
(2)目標展開型 ・・・ 目標は持たず、目の前のことを一生懸命やるタイプ
それぞれについて説明します。
7-1.目標設定型タイプの人が成功するまでの流れ
目標設定型は目標に向かってガンバるタイプです。あなたはどうでしょうか? 目標や計画がないと、動けないタイプですか? それとも目標がなくても、どんどん行動できるタイプですか?
もし、あなたが目標や計画がないと行動に移せないのであれば、目標設定型です。それなら、まず目標を明確にしましょう。そして、ビジネスの全体像を把握して、入念な計画を立ててください。そうすることで、自然と行動できるようになるはずです。
もちろん、独立開業の場合は、すべて計画通りに順調にいくことはないと思いますので、常に軌道修正しながら、しっかりと目標に向かって行動し続けてくださいね。
7-2.目標展開型タイプの人が成功するまでの流れ
目標展開型は目標を持つことが苦手。極端な人になると、目標を持ちたくないという人もいます。また、念入りに計画を立てても、そのときの気持ちや感情でやりたいことがどんどん移り変わるので、計画も役に立たなかったりします。このタイプは、今この瞬間を一生懸命生きるタイプといえます。
あなたがもし、このタイプであれば、今、目の前のやりたいことに集中しましょう。少し不思議なのですが、このタイプはうまく流れにのると、話がトントン拍子で進み、いつのまにか独立開業していた、そういう感じになります。
とはいえ、ビジネスの場合は、やりたいことだけをやったのでは、なかなかうまくいきません。ぜひ、あなたがやりたいことと、人に喜んでもらえることのバランスを取ってください。あなたが楽しんで行動でき、そして人に喜んでもらえて、お金を払ってくれる。そういった方向をぜひめざしてくださいね。
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ビジネス心理学とは?8.会社員を続けるか独立開業するか? 準備は慎重に
いかがだったでしょうか? おそらくこのような記事を読まれるあなたは、ご自分の将来について、しっかりと考えているのだと思います。
今の時代、会社員として働いていれば将来ずっと安泰か? というとなかなか微妙ですよね。時代の変化も早く景気の先行きなどにも不安がありますし、あなた自身のスキルアップも含めて、独立開業を検討してみるのはとてもすばらしいことだと思います。
といっても、私自身も自分の事業をしっかりと軌道にのせるまでは、それなりに苦労しましたし、なかなかスムーズにいかないことも多いと思います。そこで、最後にあなたに確認したいのは、独立開業するその理由です。
あなたは、なぜ独立開業したいのですか? 理由は人それぞれでかまわないので、ぜひ独立開業したい理由をじっくりと考えてみてください。
すでにお話したとおり、独立開業にはリスクがともないます。無理に独立開業しなくても、良い職場に恵まれ、仕事にやりがいを感じることができれば、十分に充実した人生をおくることは可能です。ですので、まずはぜひ、独立開業に踏み切る前に、その理由をはっきりさせてみてくださいね。