フランチャイズの意味やメリットを日本一わかりやすく解説

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フランチャイズとは、フランチャイズ本部と契約を結んで開業する、いわゆるビジネスモデルをあらわす言葉です。たとえば、マクドナルドやセブン-イレブンといったチェーン店は、全てが本社の直営ではなく、フランチャイズ本部と契約をした個人事業主(または企業)が運営している店舗がほとんどです。

こういった、フランチャイズを利用した開業は、個人で開業するより成功率が高いことから、「成功のパッケージ」などとよばれたりもしますが、逆に、「フランチャイズは契約に縛られた奴隷」などという人もいて、その意見も大きく分かれるようです。

ここでは、できる限り中立的に、フランチャイズの実態やその意味、メリットやデメリットなどを日本で一番わかりやすい解説をめざしてお伝えしていきます。

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目次 〜フランチャイズとは|仕組みや代表例を簡単に解説〜

1.フランチャイズとは? 意味を図解でわかりやすく解説

2.フランチャイズの良い評判vs悪い評判

3.フランチャイズ開業までの流れや費用について

4.上手なフランチャイズの選び方

5.フランチャイズの事例紹介

6.フランチャイズ契約前に読むと役立つ本の紹介

7.おわりに|フランチャイズはあくまで起業の手段

1.フランチャイズとは? 意味を図解でわかりやすく解説

1.フランチャイズとは? 意味を図解でわかりやすく解説

フランチャイズは、一般的に、フランチャイズ本部と契約を結んで開業する、いわゆる開業方法をあらわす言葉としてよく使われます。フランチャイズのそもそもの意味は、「専売権をあたえる」です。では、フランチャイズでの開業とはどのようなものなのでしょうか? まずは、次の図をご覧ください。

フランチャイズとは

引用元:フランチャイズとは – 牛繁

フランチャイズ契約を結ぶことで、加盟店は、フランチャイズ本部が用意したフランチャイズパッケージを受け取ることができます。フランチャイズパッケージとは次のようなものです。

■フランチャイズパッケージの例

  • ブランド(商号・商標)を使用する権利
  • 提供される商品やサービスを受け取る(購入する)権利
  • 経営指導や従業員教育を受けることができる
  • 物件調査や立地調査をしてくれる
  • 売上予測や経費予測をしてくれる

加盟店は、こういった特典を受け取る代わりに、その対価として、加盟金やロイヤリティを支払う必要があります。このような仕組みでの開業がフランチャイズです。

次章では、さらに掘り下げて、フランチャイズのメリットやデメリットについて解説します。フランチャイズを正しく理解するには、加盟店(あなた)側のメリット・デメリットだけでなく、本部から見たメリット・デメリットについても知るとよいでしょう。

1-1.フランチャイズ加盟店側のメリット・デメリット

まずは加盟店側のメリットとデメリットについてです。次の表をご覧ください。

■フランチャイズのメリット

  • マクドナルドやセブン-イレブンといった有名なお店を開業できる
  • 個人で開業するよりも成功率が高い
  • 商品の仕入先や品質、サービスの質が保証される
  • 資金融資を受けやすい
■フランチャイズのデメリット

  • 加盟金や月々のロイヤリティを支払う必要があり、お金がかかる
  • フランチャイズ本部の意向に逆らえず、自由な経営ができない
  • 本部の経営状態や、担当者の良し悪しに左右される
  • 契約終了後も一定期間、同じ業種での営業が禁止されることが多い

このように、有名店の名前やノウハウを借りて開業できるかわりに、その対価として、お金を支払う必要があり、また本部の意向には逆らえません。仮にあなたのお店にとても効果的な、宣伝方法や新商品があったとてしても、本部の許可なしでは、それらを勝手に経営に取り入れることができないのです。

1-2.フランチャイズ本部側のメリット・デメリット

次はフランチャイズ本部側のメリット・デメリットです。次の表をご覧ください。

■フランチャイズ本部側のメリット

  • 他人のお金を利用できるので、よりたくさん店舗を増やせる
  • やる気のあるオーナーを集めやすい
  • 加盟店から長期的に安定した利益を得られる
■フランチャイズ本部側のデメリット

  • 加盟店とのトラブルなどで、評判を落としたり裁判になったりするリスクがある
  • そもそも加盟店が儲からないとダメで、素人を儲けさせるのは大変
  • フランチャイズの仕組みづくり・マニュアル化にも、かなりの手間や時間がかかる

上の表のとおり、他人のお金を利用するので、低いリスクで店舗を増やすことができ、やる気のあるオーナーを集めやすいというメリットがあります。とはいえ、決してカンタンではなく、お店の建築に2000万円以上かかり、カンタンに店舗を増やせない飲食業の経営者が「これだ!」とフランチャイズでお店を増やそうとするそうです。

しかし、素人に商売を教えるのは大変で、何かあるとすぐに「何とかしろ!」とどやされ、2~3年で撤退する本部も多いようです。

1-3.フランチャイズが向く人・向かない人

次はフランチャイズが向く人、向かない人です。

■フランチャイズが向く人

  • 本部からの指示どおりに、素直に実践できるタイプ
  • フランチャイズでの失敗を、本部のせいにしない人
  • もし、あまり儲からなくても、その仕事が好きでガンバれる人
■フランチャイズが向かない人

  • 自由な経営がしたい人、人に縛られるのが嫌なタイプ
  • 安定を求める人(フランチャイズにリスクはつきもの)
  • サラリーマンへの不満から始める人(たいてい後悔し、やる気が続かない)

最もよく言われるのが、本部の指示に素直にしたがうタイプかどうかです。加盟店が成功するように、やり方やルールなども含めてパッケージ化しているので、何よりそれを素直に実践できるタイプが、フランチャイズに一番向いています。逆に、自由な経営がしたい人は、フランチャイズには向きません。

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2.フランチャイズの良い評判vs悪い評判

2.フランチャイズの良い評判vs悪い評判

冒頭でも触れましたが、フランチャイズを「成功のパッケージだ」と言う人もいれば、「契約に縛られた奴隷だ」なんて言う人もいます。なぜ、このように意見が食い違うのでしょうか? ぜひ、答えを予想しながら読み進めてくださいね。

2-1.フランチャイズは本当に成功のパッケージ?

フランチャイズはなぜ成功のパッケージと言われることがあるのでしょうか? それは次の理由からです。

■フランチャイズが成功のパッケージと言われる理由

  • 成功したビジネスモデルを、そのままパッケージ化したもの
  • そのパッケージを活かすことで、高い成功率で起業できる

フランチャイズは、フランチャイズ本部が、自社で成功したビジネスモデルを、そのままパッケージ化して加盟店に提供します。例として、求人方法やアルバイトの指導方法、仕入先の確保、資金繰りなど、フランチャイズ本部により内容は異なりますが、あらゆるノウハウが提供されます。

また、それ以外にも、もし経営で悩んだときは、スーパーバイザーと呼ばれる専門のアドバイザーから、直接アドバイスをもらえます。加盟店はこれら提供されたものを、十分に活かしさえすれば、高確率で開業を成功させることができる、それが「フランチャイズを成功のパッケージだ」という人の言い分です。

2-2.フランチャイズは契約に縛られた奴隷?

今度は逆に、フランチャイズが契約に縛られた奴隷と言う人の意見はどうでしょうか? 次の表をご覧ください。

■フランチャイズが契約に縛られた奴隷と言われる理由

  • 本部には逆らえず「上司が変わっただけで、サラリーマンと同じ……」と言う人も
  • 仕事が大変で、ガンバって儲けても、フランチャイズ本部にお金を持っていかれる
  • 事業をやめるにも違約金が高く(1000万円以上も珍しくない)やめられない

もちろん、このような言い分が、全てのフランチャイズに当てはまるわけではありません。とはいえ、セブン-イレブンといった誰もが知っているお店にも、フランチャイズ被害者の会があり、裁判でセブン-イレブン側が負けたことがあります。

このように、有名店だからといって、必ずしも安心とは言えないようです。特に日本のメディアは、スポンサーの悪口を報道しないため、しっかりとした下調べが必要です。

ちなみに、セブン-イレブン・ジャパンが2015年度のブラック企業大賞を受賞しました。パワハラや長時間労働など、本部の社員さんも結構大変そうです。もし、フランチャイズの裏話に興味があれば、次の本をお読みください。

セブンイレブンの罠

セブンイレブンの罠
渡辺 仁 (著)

2-3.フランチャイズ|どちらの言い分が正しいのか?

あなたも、すでにお気づきですよね? 成功のパッケージは、加盟店を増やしたい、フランチャイズ本部の言い分です。それに対して、フランチャイズが契約に縛られた奴隷というのは、加盟店側の言い分です。

もちろん、フランチャイズ本部もダマそうとしているわけではありません。本部の人は、あくまでサラリーマン。加盟店を増やそうと、必死に目標に向かってガンバっているのです。また、加盟店の成功のために、とても協力的なスーパーバイザーもいます。

ただ、加盟店を増やしたいフランチャイズ本部は、基本的に良い事ばかり伝えようとします。それに対し、実際のフランチャイズはあくまで起業の手段のひとつ、決して甘いものではありません。

事業が軌道に乗るまでの約3年は、ブラック企業並みに忙しいことが多く、ガンバって事業を軌道にのせたとしても、借金の返済や、ロイヤリティの支払いが重くのしかかり、思ったほどお金が残らない、そういった現状が、このような言い分の違いを引き起こしているようです。

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3.フランチャイズ開業までの流れや費用について

3.フランチャイズ開業までの流れや費用について

この章では、フランチャイズ開業まので流れや、かかる費用について解説します。

3-1.フランチャイズ開業までの流れ

フランチャイズ開業までの流れは次のような感じです。

(1)資料請求、情報収集
(2)集団説明会、個別面談、実店舗視察
(3)立地・商圏調査、事業計画、資金計画
(4)フランチャイズ契約
(5)開業準備、資金調達
(6)店舗建築・改装、研修受講
(7)フランチャイズ開業

※あくまで一例、フランチャイズによって順序や実施内容は変わります

ともかく、あせらないことが大切です。フランチャイズの場合、契約したら最後、失敗は許されません。なぜなら、たいていは借金や違約金の支払いが残り、あなたはもちろん、家族までが犠牲になる可能性があるからです。あせらずに、最低1年くらいは時間をかけ、じっくり検討しながら準備をすすめることをおすすめします。

3-2.フランチャイズで起業するのにかかる費用

あくまで一例ですが、コンビニのフランチャイズで起業するのに必要な費用をご覧ください。次のような費用がかかります。

コンビニのミニストップの例

(1)加盟に必要な資金

■店舗設備

  • 建設費 約3000万円
  • 内外装 約1000万円
  • 開店諸経費 約30万円
■加盟金

  • 保証金 150万円
  • 開店準備費 105万円
■運転資金

  • 商品代金 約380万円
  • その他・消耗品・釣り銭など 約150万円
合計 4815万円

(2)加盟後に必要な資金

ロイヤリティ率 売上総利益の30%(契約タイプS,Lの例、タイプにより変わる)
その他、家賃、水道光熱費など

(雑誌アントレ 2015年新春号より抜粋)

これら以外に、忘れてならないのが、自分自身の生活費や、従業員やアルバイトを雇う際の給料です。特に、従業員やアルバイトの給料を、安く見積もりすぎて、後から後悔するケースが多いようなので、ぜひ注意してくださいね。

3-3.フランチャイズ開業時によくある悩みやトラブル

最近は、加盟金0円とかロイヤリティなし、といったフランチャイズ募集も見かけます。しかし、これにはトリックがあり、研修費や店舗改装費に含まれていたり、商品の仕入れが高かったりなど、わかりにくい形で、ロイヤリティが上乗せされている場合があるので、注意が必要です。

■フランチャイズによくある悩みやトラブル

  • 契約前に申込金を支払ったが、返還に応じてくれない
  • 契約前の売上予測と、オープン後の実際の売上が違う
  • 本部やスーパーバイザーが十分な指導をしてくれず、マニュアルも使いづらい
  • ロイヤリティや月々の経費負担が大きく、思ったよりも生活が苦しい
  • 近くに新たな加盟店ができるが、どうしたらよいか?

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4.上手なフランチャイズの選び方

4.上手なフランチャイズの選び方

おそらくあなたは、儲かりやすく、成功しやすいフランチャイズを選ぶ方法を、知りたいのではありませんか? この章では、上手なフランチャイズの選び方を解説します。

4-1.儲かるフランチャイズの見つけ方

当然、リスクをとって開業する以上、儲かることは必須条件です。しかし、ホントに儲かるかどうかは、立地条件や競合他社などもからむので、なかなか判断し辛いですよね?

実は、実績のある大手のフランチャイズの場合、かなり正確な売上予測ができるそうです。ただ、正確な売上予測には、時間や手間がかかるため、カンタンな売上予測で済ませてしまうことも多いとのこと。では、どうすれば、正確な売上予測をしてくれるでしょうか?

これは、あなた次第です。つまり、本部から見て、あなたが魅力的な加盟店に見え、真剣に契約を考えているよう感じられれば、その気持ちにこたえ、真剣に対応してくれる可能性が高まります。

■本部から見て魅力的な加盟店とは?

  • 本部のルールにしたがい、素直に実践するタイプ
  • 資金力があること
  • フランチャイズでの成功や失敗を自分の責任だと認識していること

とはいえ、契約欲しさに、わざと多額の売上を提示してくる本部もあるので、注意が必要です。基本的にフランチャイズは、事業に失敗した場合も含め、ほとんどのリスクを加盟店側が負います。もし何かトラブルがあっても、本部は損をしない契約になっているため、信用できるかどうかの見極めはとても重要です。

4-2.あなたにあったフランチャイズの選び方

では、儲かること以外に、フランチャイズを選ぶ上で大切なことは何でしょうか? ぜひ、次の質問に答えてみてください。

■あなたにあったフランチャイズを見つける質問

  • もしあなたが、あと3年しか生きられないなら、どんな仕事をしますか?
  • あなたの夢や、子供の頃あこがれていた仕事は何ですか?
  • フランチャイズに加盟することで、何を達成したい、どんな夢を叶えたいですか?

フランチャイズの説明会などで「このビジネスは成功しますか?」といった質問をする人を時々見かけますが、これは典型的なダメな質問です。フランチャイズは、たとえ未経験でも、本当にやりたい仕事ができることが大きなメリットです。

ぜひ、フランチャイズを、あなたの人生の目的や夢を叶えるための手段だと、考えてみてくださいね。そのためにはまず始めに、あなたの人生の目的や夢をハッキリさせましょう。

もし、あなたがこれまで人生の目的や夢について考えてこなかったのなら、以下の記事が参考になるかもしれません。儲けのことばかりに目を奪われ、大切な人生を無駄にしないためにも一読することをおすすめします。

私は、天職さえ見つかれば、朝起きた瞬間から「今日も大好きな仕事、めいっぱいガンバルゾー!」といった感じになり、毎日やる気マンマンで人生もうまくいくのになぁ…、とずっと思っていました。そして、天職を見つけたくて、瞑想をしたり、自己啓発セミナーに参加し...

4-3.フランチャイズ契約前に確認したい7つのポイント

ここでは、契約後に後悔しないように、フランチャイズ契約前に確認したいポイントについて解説します。次の表をご覧ください。

フランチャイズ契約前のチェックポイント7つ

1.実績のある本部ですか? 被害者の会などはあったりしませんか?
2.加盟金やロイヤリティについての理解は十分ですか? 納得できる金額ですか?
3.研修費や店舗改装費用、商品の仕入れなどが不当に高いことはありませんか?
4.やめる場合の違約金や借金はいくらですか? リスクを背負うだけの価値がありますか?
5.近くに似たお店がオープンする可能性は? もし後からオープンしたらどうなりますか?
6.家族の了解を得ましたか? 家族は協力してくれますか?
7.十分な生活費をまかなえますか? 特に子供の養育費や学費には注意が必要です

この表は、忘れがちなポイント、見落としがちなポイントに絞ってあります。誰もが気になること、たとえば、開業資金調達についての確認などは、あえてあげていないので、ご注意ください。

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5.フランチャイズの事例紹介

5.フランチャイズの事例紹介

ここでは、実際のフランチャイズの事例を紹介します。コンビニの3店舗経営に成功されたKさんに、色々と話を聞かせて頂きました。また、失敗例も紹介しますので、参考にしてくださいね。

5-1.フランチャイズ成功例 コンビニ3店舗の経営者

  • わたし「本日はお忙しい中、ありがとうございます。早速ですが、フランチャイズを始めたきっかけを教えてください。」
  • Kさん「もともと、お酒のおろし業をやっていたのですが、それをやめた直後にフランチャイズの話を持ちかけられました。それで2日ほど悩んで、やることに決めました。」
  • わたし「そうだったんですね、開業資金はどうされました?」
  • Kさん「お金は全て自己資本です。Aタイプではじめました。」(Aタイプ:オーナーが土地・建物を全て用意するタイプで、その分ロイヤリティも安い)
  • わたし「全て自己資本だったとは、凄いですね。では、オープン後の売上はどうでしたか?」
  • Kさん売上は予想よりだいぶ多くて、開業して14年間は1度も前年割れしていません。とても順調だったので、敦賀と西田中(地名)と順にお店を増やしました。」

(1)フランチャイズ成功のコツは?

  • わたし「いやー凄いですね、そこまで順調だったとは。コンビニの経営はなかなか大変と聞くので、正直ビックリしました。ぜひ、コツを教えてください。」
  • Kさん「えーっと、コツなんてないです…(少し考え込む)。しいて言うなら、お客様によく話しかけています。すると、話にのってくれて、お客様と仲良くなる、そんな感じですね(笑)」
  • わたし「なるほど。では、フランチャイズ成功、といった意味でのコツは?」
  • Kさん「フランチャイズとは言っても、ごく普通の商売ですよね? フランチャイズだからといって、何も特別な事はありません。ちゃんとした商売をするだけです。」
  • わたし「うーん、なるほど……。確かに、ご商売がお上手そうですよね。じゃあ、逆に失敗したことや、うまくいかなかった事は何ですか?」

(2)失敗したことや、うまくいかなかったことは?

  • Kさん「実は、ここ3~4年は売上が落ちていて、このお店以外は手放しました。うまく次のオーナーに引き継げたので、違約金もかからず、逆に100万円ほどお金が残りました。」
  • わたし「えっ、お店を手放されたんですか? てっきり、今も3店舗経営されているとばかり思っていました。では、売上が落ちた理由は何ですか?」
  • Kさんやっぱり、ライバル店ですね。近くに他のコンビニができたせいです。」
  • わたし「あー、やっぱりそうでしたか。コンビニもどんどん増える一方ですよね。」
  • Kさん「そうなんですよね。まぁなんとか、このお店はだけは今も無事です。」
  • わたし「それは何よりです。では、最後の質問ですが、これからフランチャイズを始めたいと思っている人に、ぜひアドバイスをお願いします。」
  • Kさん「今はやらない方がいいです。」
  • わたし「えっ? えっと、それはなぜですか?」
  • Kさん「私が始めた17年前は良かったのですが、今はものすごく競争が激しいので、絶対やめた方がいいです。
  • わたし「ああ、なるほど、そうですか……。色々、率直にお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。」

5-2.フランチャイズでコンビニを開業。悲惨な例

フランチャイズで聞くのは、良い話ばかりではありません。フランチャイズの中で、特にコンビニなどでは、普通ではありえないような悲惨な例があります。ここでは少し衝撃的ですが、ファミリーマート加盟店オーナーが焼身自殺した話を紹介します。

バス運転手だったSさんは、退職金を元手に、奥さんと共にファミリーマートの経営を始めます。しかし、本部の話どおりにはいかず、全然儲からなかったそうです。そんな状況を乗り切ろうと、夫婦で手を取り合いながら、寝食を忘れ必死に働きます。

4年ほどがんばったそうですが、経営は軌道に乗るどころか、逆に借金が1000万円以上に増えていました。必死に働いても借金が増えるなら、普通は廃業しますよね? しかし、フランチャイズの場合、契約期間中にやめようとすると、契約違反となり莫大な違約金(1000万円以上も珍しくない)が発生します。やめるにやめられないのです。

心身共に疲れ果てたSさん、きっと正常な判断を失ってしまったのだと思います。なんと、かつて勤めていた常磐交通バスターミナル無線塔の近くで焼身自殺。真相は定かではありませんが、深夜に度々ファミリーマート本部の社員がSさんの元を訪ね、何か話し合いをしていたそうです。

参考記事:焼身自殺した加盟店オーナー妻が、ファミリーマート社長に出した内容証明郵便 – Access Journal

5-3.コンビニの7割前後は苦しい経営状態

こういったコンビニの問題について、弁護士の中野和子さんは、次のような指摘をしています。

コンビニは全国で4万数千店舗あるといわれています。契約時には平均日販(売り上げ)50万円などと説明していますが、目標に達しているコンビニは半分もないでしょう。7割前後は苦しい経営です。

売り上げを伸ばすには人件費を切り詰めるしかありません。オーナーが休みもなく働くしかない。葬式にもいけない。借金もかさむ。05年に福島のコンビニ店オーナーが焼身自殺したのもそこまで追いつめられたからです。

参考記事:コンビニ問題の現状・中野和子弁護士に聞く 解消されぬ「奴隷」状況 – 全商連・全国商工新聞

いかがでしたか? 少し衝撃を受けたかもしれませんね。もちろん、加盟店と良好な関係を保っている、ちゃんとしたフランチャイズもあります。

ただ、ここで紹介した以外にも、ローソンのオーナーが株主総会の会場で、抗議のために自らの命を絶った例もあり、個人的にはどうしても、フランチャイズ契約の性質上、加盟店側が弱い立場になってしまうことが気になります。くれぐれも、フランチャイズへの加盟は、慎重に検討してくださいね。

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6.フランチャイズ契約前に読むと役立つ本の紹介

6.フランチャイズ契約前に読むと役立つ本の紹介

この章では、フランチャイズ契約前にぜひ読んでおきたい本を2冊紹介します。よりフランチャイズの理解を深めるためにも、ぜひ読んでみてくださいね。

こうすれば成功する! フランチャイズ起業

こうすれば成功する! フランチャイズ起業
中川 強 (著)

フランチャイズ開業までの具体的な方法が書かれた、とても実践的な本です。フランチャイズについて学ぶだけでなく、ぜひ、実際にこの本の手順通りに、ワークシートを作成しながら、1つ1つ順番にワークをやってみてください。フランチャイズでの開業が、よりスムーズに進められます。

ザ・フランチャイズ

ザ・フランチャイズ
民谷 昌弘 (著)

フランチャイズの成功に大切なことを、読みやすく物語形式で書いた本です。本部視点で書かれているため、どちらかと言うと本部を立ちあげたい人向きですが、フランチャイズ加盟を考えている人にも役立ちます。理想的な本部と加盟店の関係や、加盟店の契約違反に対処する物語など、読みながら考えさせられる本です。

7.おわりに|フランチャイズはあくまで起業の手段

いかがでしたか? フランチャイズはあくまで起業方法のひとつです。先ほども書きましたが、フランチャイズを、あなたの人生の目標や夢の実現の手段のひとつと考え、じっくり検討してから進めてくださいね。

ちなみに、どうすれば信頼できるフランチャイズかどうか、見分けられると思いますか? 個人的におすすめなのは、本部の息のかかってない、ごく普通のフランチャイズ加盟店のオーナーから、直接話を聞かせてもらうことです。

基本的に、加盟店を増やしたいフランチャイズ本部は、良いことしか言いません。本部の息がかかった加盟店も同様です。全ての話を、そのまま信用していいかどうかは、少し微妙ですよね?

ですので、気になる加盟店のオーナーに「ぜひ先輩経営者として、話を聞かせていただけませんか?」と、お願いしてみるのです。きっと、本部の実態はもちろん、この事業があなたに合いそうかどうかなど、色々と参考になる話が聞けると思います。ぜひ、1店舗といわず数店舗に足を運んで、実際の生の声を聞いてみてくださいね。

最後になりますが、フランチャイズだけが起業の方法ではありません。自分で会社を設立したり、まずは個人事業主から始めたりするなど、色んな起業の方法があります。また、起業の際、国から助成金などが得られるケースもあります。ぜひ色んな方法を知って、さまざまな可能性を検討してみてください。

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