ベンチャー起業、社内ベンチャー、若くして会社を上場……なんだかカッコいいイメージがありませんか? しかしながら、そもそもベンチャーってなんなのか、よくわからないという声も時折届きます。
この記事では、ベンチャー企業の社長さんたちとも交流の深かったわたしが、ベンチャーについてのあれこれを、簡単にわかりやすく解説します。記事を読めば、ベンチャーについてくわしくなれるだけでなく、「オレはベンチャーに向いているのか?」とか、「ベンチャー企業への転職はどうすればできるの?」という疑問もクリアにしていただけます。
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ビジネス心理学とは?目次 〜ベンチャー企業とは? 意味や転職法をやさしく解説〜
1.ベンチャー企業とは? 意味や定義を簡単に說明します
この章を読むだけで、ベンチャー企業の意味を正しく理解できるように書きました。
1-1.ベンチャー企業とは?
“ベンチャー(venture)”のもともとの意味は「冒険的な」ということ。そこから転じて、大企業では手を出しにくい、冒険的で創造的な事業を立ち上げる中小企業や、事業そのものを意味するようになりました。その歴史をヒモ解くと、日本国内では過去に三度のベンチャーブームが起きています。
一度目は1970年代前半。中小企業の株式を引き受けたり、コンサルティングなどの支援をおこなう中小企業投資育成会社の設立や、日本証券業協会が企業の発行する株式の情報を公開する制度を設けたために、ベンチャーの創業が活発になったり、株式公開を果たしたりする中小企業が出てきました。
二度目は、1980年代前半。テクノロジーが発達したり、流通業、サービス業が活発になったりしたことにより、ソフトバンクやエイチ・アイ・エス、TSUTAYAで有名なカルチュア・コンビニエンス・クラブなどの企業が、この時期に創業しています。
三度目は、1990年代中頃から。政府主導で、さまざまなベンチャー企業を支援する制度が作られました。これにより、起業をこころざす人が増えてきたのです。
1-2.社内ベンチャーとの違い
社内ベンチャーとは、すでに事業を持っている企業が、新しい事業をつくり出すために、社内に独立した事業部隊をつくることです。法人登記をするわけではないので、会社ではありません。
社内ベンチャーのメリットは、起業家精神をもっている社員が、会社のバックアップを受けながら起業できるということ。逆にデメリットは、事業の実施には会社の承認が必要であり、最終的な決済権をもっていないということ。つまり、会社にとって利益がないと判断されれば、事業を実行できないことがあるということです。
1-3.似たような言葉にベンチャーキャピタルがある
ベンチャーキャピタルとは、未上場の企業に対して投資をおこない、経営コンサルティングなどの支援もしながら、ハイリターンをねらう投資会社のことです。ベンチャーキャピタルといえば、元マイクロソフトの日本支社長である、成毛眞(なるけ まこと)さんが経営している投資会社などが有名です。
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ビジネス心理学とは?2.有名なベンチャー企業一覧をランキングで公開!
転職や就職を考えたとき、投資を考えた場合でも、ベンチャー企業と関わる時の基準があったほうが安心できますよね?ひとつご紹介できるとすれば、以下のサイト。
創刊14年目になる『ベンチャー通信』を発行、公開しているイシン株式会社が毎回、 「ビジョン」、「成長理由」、「売上高」、「営業利益」の4つの視点を中心に評価して、最終的に100社のベンチャー企業を掲載しています。もちろん、このサイトの評価がすべてではありませんが、「一定の基準の中で評価される企業がどのような会社なのか?」ということについてのひとつ参考にはなるでしょう。
3.ベンチャー企業への就職への向き/不向きを判断!
あなたは、ここまで読んできて、「ベンチャー企業で働くのもいいかも!」と感じたかもしれません。しかしながら、少し待ってください。魅力的で自由なイメージが先行しがちなベンチャー企業にも、実は向き/不向きがあります。この章では、あなたがベンチャー企業で働くことに向いているのか、そうでないのか、白黒ハッキリつけてさし上げましょう!
3-1.ベンチャー企業への就職が向いている人
成長意欲が高い人。加えて、将来起業するプランをもっていたり、決められた仕事だけでなく、みずから仕事を生み出したりしていける人は向いています。ある程度マニュアルがそろっている大企業に比べて、ベンチャー企業では仕事のやり方に正解はありません。それが、ベンチャー企業のメリットでもあります。自由度が高いということですね。
ですので、「会社に成長させてもらう」のではなくて、「会社の環境を利用して、みずから勝手に成長してやる!」くらいの気持ちを持っている人でないと、充実した仕事をすることはムズカシイでしょう。
3-2.ベンチャー企業への就職が向いていない人
指示待ち人間。「マニュアルがないのでわかりません」「ルールをちゃんと決めてくれないとできません」「定時ピッタリに帰らせてもらえないとイヤです……」こういったメンタルだと、ベンチャー企業ではたらくのは厳しいでしょう。ベンチャー企業は「新しい産業を生み出す」という風土があります。そもそも、「仕事が趣味」くらいにのめり込めるようでないと、楽しんで毎日を送ることはできません。
最近「ブラック企業」という言葉をよく聞きますが、そもそもこの言葉は「はたらくことは大変なこと、ツライこと」という前提を含んでいます。仕事がココロの底から充実して楽しければ、働き過ぎということはないですから。そういうわけで、定時に出社して定時に帰社という風土の会社がベンチャーには少ないので、捉え方によっては、ベンチャー企業のデメリットと感じるかもしれませんね。
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ビジネス心理学とは?4.ベンチャーに就職、転職する方法|求人を探す秘訣
前章までの情報を読んでいただき、それでも「ベンチャー企業ではたらきたい!」と燃えてきたあなたのために、実際にベンチャー企業に転職や就職する方法をお伝えします。
4-1.ベンチャー企業専門の求人サイトにアクセス!
もっとも、ポピュラーな方法でしょう。インターネットをつかうメリットは、自宅にいながら出先で少し時間があるときなど、スキマ時間をつかって転職活動をすすめることができるところでしょう。ひとつひとつ企業をチェックしていき、あなたの好みや目的にあう企業を絞り込んでいきましょう。
ここで大切なことは、あなたの転職や就職の条件をはっきりさせておくこと。日本国内だけでも、中小企業は420万社近く存在します。すべてをチェックすることは不可能に近い数字ですね。ですので、あらかじめあなたのビジョンや価値観、目的を明確にして、ベンチャー企業選びの軸を決めておくことは、何より重要です。あなたの中の軸がはっきりしていると、企業を見分ける時だけでなく、最終的に決断するときや、最悪入社してから「やっぱり違うかも……」と感じた時に、早めに手を打つこともできます。
4-2.ベンチャー企業に就職の希望を直接アピール!
わざわざ求人サイトをつかわなくても、ある程度志望業種がしぼられているなら、会社のHPなどに直接アクセスして、求人情報を調べて問い合わせをしてしまうのもひとつの手。さらに、どうしても働いてみたいベンチャー企業が見つかったなら、「求人がなくてもまずは会ってもらう」という押しの強さも時には有効です。
わたし自身、かつてベンチャー企業ではたらいていました。働きはじめたきっかけは、「この会社で働いてみたいな」と思ったので、その会社の社長が開催する交流会におもむいたことです。そして、それとなく会社の採用条件や一緒に働いてみたいと思う人物像を社長から聞き出し、自分がその人物像になるように努力しました。
結果数カ月後に、その社長から就職のオファーをいただき、働くことになったという経験があります。就職もまずは、相手のニーズをとらえることが大切ですね。
4-3.交友を広く!飲み会にベンチャーへの転職機会が!?
意外と多いのがコネ。コネといっても、「親が大会社の重役と同級生で、その会社に根まわしをしてくれて……」という古きよき昭和の時代の光景ではございません(笑)。飲み好きな仲間が集って、気ごころが知れてくるうちに「相手が実はベンチャー企業の社長さんだった」なんてこともあります。
わたしの友人も、はじめは社会人仲間で、定期的にイベントや飲み会をひらく仲間としてつきあっていたベンチャー企業の社長から「オマエ、ウチ来ない?」と声をかけられ、ベンチャーで働きはじめました。今では会社の業績も伸びて、会社員ながら比較的自由なライフスタイルを送っているようです。
仕事抜きではじまる関係も、大切にしたい理由はこんなこところにもあるというわけです。
5.ベンチャーに新卒入社する方法|インターンという選択
規模が小さなベンチャー企業は、経験が少ない学生を採用することはまれです。即戦力がほしいからですね。しかしながら、社員数が50人以上など、ある程度以上の規模があるベンチャー企業なら、学生をインターンとして受け入れている会社も少なくありません。
インターン中に社員と仲よくなったり、「コイツ見込みあるな……」と感じてもらえれば、そのまま卒業後に本採用となるケースもあります。若さがもたらす勢いを大切にするベンチャー企業も多いのです。
また、政府が毎年学生の就活開始時期を調整することもあって、企業は優秀な社員をとることに必死です。ベンチャー企業の数は無数にあるのですから、学生のあなたにも門戸は開かれているというわけですね。
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ビジネス心理学とは?6.ベンチャー企業の未来は明るいか?
日本の開業率はアメリカの5分の1程度。先進諸国の中でも、日本の起業率は圧倒的に低いのが現状です。そういうわけで、政府が主導でベンチャー起業を支援する施策が、積極的に行なわれています。
また、戦後の高度経済成長期は、一部のカリスマ(経営者)と、その手となり足となる大量の労働力、というカタチが日本経済のモデルでした。しかしながら、高度経済成長期も終わりをむかえた日本では、新しい産業を生み出すチカラが求められています。あなたに意欲と努力を継続するチカラがあれば、ベンチャー企業にかかわることは、きっとプラスに働くことでしょう。この記事がその一助になれば幸いです。
もし、ベンチャー企業の先に起業をみすえていたり、自分がどういうベンチャー企業の社長さんと働きたいのかを判断する基準がほしいなら、以下の記事を読んでください。成功できる起業家と、できない起業家のポイントをわかりやすく解説しています。