新規事業のアイデアを出す方法と、失敗しない立ち上げ方

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「そろそろ、既存事業も安定してきたし、新規事業を立ち上げようか……」このように考える経営者は多いです。が、実際のところ、新規事業を立ち上げることは簡単なことではありません。

しかし、今までの成功例や失敗例から多くのことを学ぶことで、新規事業で失敗する確率を下げることはできるでしょう。

今回は、新規事業の立ち上げにも関わってきた、私のコンサルティング経験もふまえながら、新規事業のアイデア出しの方法と、その立ち上げ方をご紹介します。

目次 〜新規事業のアイデアを出す方法と立ち上げ方を解説〜

1.新規事業の3つのパターン

2.新規事業のアイデア|3つの成功事例

3.成功するための3条件「ハリネズミの概念」とは?

4.新規事業のためのアイデア発想法 3つ

5.新規事業の3つの失敗例

6.新規事業の3つの落とし穴

7.新規事業のアイデアはあなたの情熱から見つかる

1.新規事業の3つのパターン

新規事業の3つのパターン

新規事業と一言でいっても、色々なパターンがありますが、代表的なのは次の3つのパターンでしょう。

新規事業の3つのパターン

(1)本業とは、まったく関係がない分野の事業
(2)本業を、少し違った形で活かす事業
(3)市場全体にまだ存在していない事業

この記事では、(1)本業とは、まったく関係がない分野の事業 と、 (2)本業を、少し違った形で活かす事業 の2つについて取り扱います。

※なお、 (3)市場全体にまだ存在していない事業 については、「ビジネスアイデアの6つの例|発想法から実現までを解説」 の記事にくわしく書いていますので、そちらをご覧ください。

1−1.5社に1社が新規事業に取り組んでいる!

下のグラフは、2012年に日本政策金融公庫が行った、新規事業についての調査結果です。これによれば、製造業であろうと、なかろうと、中小企業の2割強が新規事業に取り組んでいることがわかります。

中小企業の、新規事業への取り組み状況

中小企業の新事業への取り組みに関する調査結果最近5年の間に新事業(これまで自社ではまったく扱っていなかった分野の製品やサービスを開発・提供することで、経営の多角化や事業転換を図ること)に取り組んでいる企業の割合は22.8%となった。

業種別にみると、製造業が23.5%、非製造業が22.2%となっている。

引用:中小企業の新事業への取り組みに関する調査結果(日本政策金融公庫)

2割強ということは、5社に1社が新規事業へ取り組んでいるということなります。これは意外と多いと感じるのではないでしょうか?

時代の変化が激しい昨今、既存事業に頼り続けるのは危険、ということかもしれませんね。

2.新規事業のアイデア|3つの成功事例

新規事業の3つの成功事例

それではさっそく、新規事業の具体的な成功事例を紹介します。有名な大企業の例を2つと、私の知り合いの例を1つ、合計3つです。

そして、「なぜ数ある新規事業の中で、これらが成功したのか」ということも合わせてお伝えします。

2−1.新規事業のアイデア 1|社内リソースで化粧品を作った富士フイルム

写真のフィルムのメーカーとして有名な、富士フイルムはご存知ですよね? この富士フイルム、今から10年ほど前に、「危機」にさらされていました。デジカメが主流となり、フィルムを使ったカメラが売れなくなったのです。そのせいで、フィルムも売れなくなりました。

写真のフィルムの市場は、2000年をピークに、小さくなっていきました。その勢いはどんどん加速。なんと、年率20〜30%の勢いで、市場が消滅していったのです。そして、たった10年で、市場がかつての1/10にまで小さくなってしまいました。これは恐ろしい数字です。

2000年当時、富士フイルムの売上の60%、利益の66%は、写真フイルム関連の事業によるものでした。それが、10年で1/10に減るという異常事態だったのです……。

そこで、富士フイルムの古森重隆(こもり・しげたか)社長は、新規事業を絶対に成功させなければいけなくなりました。そのため、新規事業へつながるものを見つけるべく、社内のリソース(資源)を洗い出しました。

その洗い出しをして、「ある事業」を開始することが決まりました。その、「ある事業」とは、なんと、写真とは畑違いの化粧品業界。単なる苦しまぎれのような化粧品業界への参入ですが、古森社長には勝算がありました。

富士フイルムは、70年以上にわたってコラーゲンを使ったフィルムの製作をしてきた会社でした。その結果、化粧品にとって重要な、コラーゲンを限界まで小さくする技術は世界トップだったのです。その結果、生まれたのが、「アスタリフト」という赤い色をした化粧品です。

化粧品は製造原価がとても低いうえ、1度買ったら終わりではありません。フィルムと同様に、繰り返し繰り返し購入されるのです。そのため、今後もますます成長が期待される事業となりました。

この富士フイルムは、製造技術という社内のリソースを有効に活用した例です。あなたも自社の技術が他の産業に活用できないか考えてみてください。

2−2.新規事業のアイデア 2|居酒屋のサービスを介護に活かしたワタミ

居酒屋でおなじみのワタミは、介護サービスもしていることをご存知でしょうか? 病院の経営もしていた渡邉美樹(わたなべ・みき)社長が、退院後もお年寄りに幸せに暮らしてもらいたいと始めたサービスです。

かつて、ていねいな接待の文化を居酒屋業界に広めたワタミでしたが、その接待の技術をそのまま介護に活かしたのです。とはいえ、新規事業を始めた直後は意思疎通が足りなくて、従業員が離職するなど問題も多かったのです。

そこで、飲食業界の優秀な人材を、介護サービスの現場に移動させることで、事業を改善しました。

  • 居酒屋の店長のように、各施設の運営と経営をまかせる
  • 食にこだわり、作り置きの冷たい食事を止める
  • 栄養価が高くて、やわらかい食材を使った料理を出す

このように、本業のノウハウを活かすことで、みごとに新規事業を軌道に乗せたのです。

2−3.新規事業のアイデア 3|ラジオ番組をはじめた編集プロダクション

私の知り合いの編集プロダクションの、新規事業の例をご紹介します。その方は、取引先を接待するために、最初は居酒屋を始めようと思ったそうです。「うちの店に、一度飲みにきませんか?」という具合です。しかし、それでは新鮮味がない。

そこで、その方は思い切った行動にでます。なんと、ラジオの放送権を買って、ラジオ番組を始めたのです。

あなたが成功している経営者だったとして、「うちの店に、一度飲みにきませんか?」と口説かれるのと、「私のラジオ番組に、一度出ませんか?」と口説かれるのでは、どちらが魅力的ですか? もちろん、後者ですよね。その結果、多くの方が宣伝もかねて、ラジオの収録現場(となった自社)に足をはこんでくれるようになったそうです。

興味深いことに、ラジオのパーソナリティは、新入社員や、就職を希望している学生だそうです。これによって、編集プロダクションとして必要なスキルである、インタビュー能力を身に付けさせる人材教育の場にもなったそうです。

私も一度放送を聞いてみましたが、インタビューを受けていた成功者の方は、とても楽しそうに話をしていました。

3.成功するための3条件「ハリネズミの概念」とは?

成功するための3条件「ハリネズミの概念」とは?

新規事業を成功させるために、ぜひあなたに知ってもらいたいことがあります。それは、名著『ビジョナリー・カンパニー2』で紹介されている、ハリネズミの概念です。

ビジョナリー・カンパニー2

ビジョナリー・カンパニー2
ジム・コリンズ (著) 山岡 洋一 (翻訳) 

キツネがハリネズミを獲物にしようとして、襲ったとします。しかし、そのとき、ハリネズミは体を丸めて針を立てて防ぎます。その結果、キツネはハリネズミを襲いたくても歯が立たない、という寓話を元に作られた概念です。

このハリネズミの概念とは、以下の3条件を「すべて」満たした事業をするのが望ましい、というものです。

成功するための3条件「ハリネズミの概念」

条件1:情熱を持って取り組める事業
条件2:自分が世界一になれる事業
条件3:経済的原動力になる事業

それでは、解説していきましょう。

3−1.条件1:情熱を持って取り組める事業

新規事業の内容が良かったとしても、その事業がすぐに収益になることはまれです。

あのTwitterでさえ、黒字になるまでに2年以上かかりました。その、精神的に辛い2年間を支えてくれるものは、情熱以外にありません。

2014年に東証マザーズに上場した弁護士ドットコムも、8年もの間赤字が続いた事業でした。しかし、「弁護士のサービスをより多くの方に届けたい」という思いから、代表の元榮太一郎(もとえ・たいちろう)さんはサービスを続け、ついには上場を果たしました。

元榮さんは、かつて法律トラブルに巻き込まれたときに、自分を救ってくれた弁護士のサービスに感動したそうです。そのときの、「このサービスを、もっと手軽に受けられるようにしたい」という情熱のおかげで事業を続けられました。

新規事業を成功させるためには情熱が必要なのです。「もし、2年間、1円のお金にもならなかったとしても、やりたいことはなんですか?」……この質問の答えを考えてみてください。あなたが情熱を持って取り組める事業を見つける手助けになるでしょう。

3−2.条件2:自分が世界一になれる事業

どんなにマニアックだったとしても、ある分野で1位になることはとても大切です。日本で1番高い山が富士山ということは、日本人なら誰でも知っていますよね。しかし、2番目に高い山を知っている人は少ない。1位のものは覚えてもらえますが、2番目以降はその他のものに埋もれてしまうのです。

富士フイルムは、コラーゲンの加工技術については、化粧品業界を含めても世界一の技術を持っていたため、事業を軌道に乗せることができました。

別の例では、コンビニエンスストア業界です。1位のセブンイレブンは3390億円に対し、2位のローソンは688億円、3位のファミリーマートは473億円と、大差があります。このように、業界1位と2位以下では経常利益に大きな差があります。規模が大きくなると、一括で安く仕入れられるなど、スケールメリットがあるからです。

3−3.条件3:経済的原動力になる事業

めずらしい分野で新規事業を立ち上げるのも一つの手。ですが、あまりにも極端な事業の場合は儲かりません。つまり、経済的原動力にならないのです。

たとえば、畳の節目を数えるサービスという新規事業を立ち上げても儲からないですよね(笑)。そんなサービス、誰も必要としていないからです(笑)。

経済的原動力になるというのは、言い換えると、「欲しくて欲しくてたまらない人がいて、お金を出したいほどの悩みがあること」と言えます。

あなたの友人に「これ、●●円だけど買う?」と聞いて、実際にお金を払ってくれれば儲かる可能性があるといえるでしょう。実際にやってみると、自分ではいいなと思っても、友人が理解してくれない場合が多いことに気づくと思います。このハードルを乗り越えないと、売れる事業としては成立しないのです。

4.新規事業のためのアイデア発想法 3つ

新規事業のためのアイデア発想法 3つ

ここまでは、新規事業の成功例と、パターンをご紹介してきました。なんとなく、新規事業についてはご理解いただけたと思います。

そこでいよいよ、この章では、「どうやって、新規事業のアイデアを出せばいいの?」という疑問に対する答えをご紹介します。

4−1.社内のリソース(資源)から考える

富士フイルムは、社内にあったコラーゲンの加工技術を使って、新規事業を立ち上げました。このように社内のリソース(資源)を使うことで、開発費などの経費を大きく節約できるのです。

ポイントは、以下の3つの質問の答えを考えてみることです。

社内のリソースを洗い出すための3つの質問

  • 私たちが今まで「時間」をかけて、やってきたことは何だろう?
  • 私たちが今まで「お金」をかけて、やってきたことは何だろう?
  • 私たちが今まで「情熱」をそそいで、やってきたことは何だろう?

具体的に、どんなリソースがあるのか、社員を集めて紙に書き出してみましょう。どんなに小さなものでもいいので、まずは書き出すことが大切です。

2012年、「ザクとうふ」という、豆腐がヒットしました。アニメ『機動戦士ガンダム』に出てくるロボットの形をした豆腐です。これは、社長の「ガンダムが好き」というリソースから生まれた新規事業です。このように、意外なものが社内のリソースになったりします。

以前、私のクライアントは、既存の事業の売上がほとんど上がっておらず、事業をたたもうかと考えていました。しかし、話を聞いてみると、活用されていないリソースがあったのです。その経営者は、いろいろな経営者の方と親交があったのです。

そこで私は「ご自身の人脈を使って、経営者と経営者をつなぐ、紹介ビジネスを始めてみては?」と提案しました。すると、新規事業は右肩上がりに成長。今では数ヶ月間、海外に遊びに行く余裕ができるようになりました。

4−2.利益率から考える

新規事業を考える場合、利益率の高さに気をつけることは、とても大切です。

私の知り合いの税理士は、こう言っていました。「売上に大きく関係するのは、経営者の能力ではなく、参入している業種ですよ。利益率の高い業種で事業をすれば、優秀でない経営者でも儲けられます。逆に、利益率が低い業種で事業をしてしまったら、優秀な経営者でもなかなか儲けられません。」

たとえば、テレビ通販で売られている商品の原価率は、高くても3割ほどと言われています。つまり、1万円の商品なら、原価は3千円です。それくらい原価率が低いからこそ、広告費がとても高い、テレビという媒体で広告が打てるのです。

私がしているコンサルティングというビジネスモデルも、原価がほとんどゼロなので、とても利益率が高いビジネスです。こうした、利益率が高い業種はおすすめです。

利益率を調べる方法は簡単です。「Yahoo!ファイナンス」で、業種や会社名を検索するだけです。これで、上場企業の利益率が一発で調べられます。

例として、「Yahoo!ファイナンス」で、「武田薬品工業」と検索してください。次に、「企業情報」→「単独決算推移」とクリックします。すると、2015年3月期の決算が、8千億円の売上に対し、経常利益が2千億円ということがわかります。

ここから、薬品メーカーは非常に利益率が高いことがわかります。上場企業の場合、経常利益が売上の2割以上であれば優秀です。

4−3.ある分野の市場をリサーチする

新規事業を成功させるには、全く新しい、今までない業種に参入してはいけません。全く新しい分野に参入すると、お客さんに認知してもらうために大きなコストがかかってしまうからです。

それよりも、既に市場が存在するところに参入する方がおすすめです。その市場の中で、まだ解決されていない悩みを解決するような商品を提供する事業をすればいいのです。

これは、Googleで検索すると、その市場が世の中に存在するのか、しないのかが分かります。このときのポイントは、「社会保険料を下げるビジネス」とか、「歯科医の経営コンサルをするビジネス」というように、単語ではなくて、文章をそのまま検索してみることです。こうすると、見つかる可能性が高くなります。

5.新規事業の3つの失敗例

新規事業の3つの失敗例

5−1.Amazonのマネをして、物流で失敗した楽天

インターネットのショッピングモールで有名な、楽天。その楽天が、物流を新規事業として立ち上げたことがあるのをご存知でしょうか? 「当日配送」などのサービスを行うAmazonに対抗をしようとしたのです。

しかし、大きな問題が発生しました。物流に大きく投資をしてしまったために、債務超過におちいってしまった。その結果、労働力への投資に消極的にならざるを得なかったのです。十分な人材を確保することができず、人手不足になってしまいました。

残念ながら、この事業を行っていた楽天物流株式会社は、2014年に撤退することとなりました。Amazonは、日本に上陸して以来、ずっと物流に投資していましたから、ちょっと真似をしたくらいでは、コスト差は埋められなかったのです。「世界一になれない分野には参入してはいけない」という条件を守らなかったからです。

5−2.野菜で失敗したユニクロ

ユニクロが、安い値段で野菜を売る事業に参入したことは覚えていますか? 今から10年以上前のことです。

しかし、ここには大きな問題がありました。服とは違って、野菜を安定して仕入れることができなかったのです。そのため、大きな赤字を残したまま、わずか1年半で撤退することになりました。

新規事業は、既存事業との相乗効果があった方が良い、ということですね。

5−3.自分の趣味で稼ごうとした社長

事業がうまくいくと、自分の趣味を新規事業として立ち上げる経営者の方がいます。好きなことで稼ごう、というわけですが、うまくいかないことも多いです。

私の知り合いの経営者は、ゴルフ好きがこうじて、ゴルフの用品店を始めました。もともと卸売業で成功していた方だったので、仕入れにも対応することができ、店自体はうまく利益を出していたそうです。

ところが、ゴルフをすることについては強い情熱があったものの、ゴルフ用品を販売することには情熱がわかなかったとのこと。新製品のドライバーが入ってくるたびに、店の経営はそこそこに、新製品のドライバーを片手にゴルフに行くようになってしまいました。結果、ビジネスは軌道にのらず、最終的に店は引き払われてしまいました……。

6.新規事業の3つの落とし穴

新規事業の3つの落とし穴

6−1.新規事業の落とし穴 1|資金力不足

新規事業というのは、思った以上に資金が必要なものです。新しい製品を作ろうと思っても、その開発費や製造費を支払えない場合は製品が作れません。当然のことながら、事業として成り立ちません。

あるいは、サービスや商品が良かったとしても、広告費をかけることができなければ、売上がのばせないという場合も多いです。このように、資金が不足すると、新規事業は立ち上がりません。

また、新規事業というのは、黒字化するのに、予想以上に長い時間がかかるものです。利益をもたらしてくれるのは、早くて半年後。ヘタをすると、数年間赤字が続く、なんていう場合も。こうした場合、黒字化まで事業を支えるだけの資金が必要となってきます。

今でこそ黒字になっているヤマト運輸の宅配便事業は、立ち上げから10年間赤字でした。

私も学生の頃にヤマト運輸でアルバイトをしたことがありましたが、そのときに衝撃をうけたことがあります。たった1つの宅配物の、配送先のセンターを間違えると、大変なことが起こります。その間違った宅配物を、正しいセンターに戻すだけで、コストが数万円かかるのです! つまり、ほかの宅配物の利益が、たった1つのミスで飛んでしまうような、薄利なビジネスモデルだったのです。

そんな新規事業を軌道に乗せるのはとても大変だったことでしょう。新規事業の場合、資金については、楽観的に考えないようにしましょう。

6−2.新規事業の落とし穴 2|ノウハウ不足

アイディアが良かったとしても、現場にノウハウがなかった場合、立ち上げに成功することが難しくなります。

私の知り合いの、物流業をしていた企業の経営者は、新規事業としてレストランを始めたそうです。しかし、会社の社員に飲食業のノウハウがあるわけがなく、当然、社内は戸惑ったそうです。また社長も飲食業のノウハウがあったわけではありませんでした。結局、その事業からは手を引いたそうです。

新規事業を立ち上げる際に、ノウハウや経験がないと成功率は下がってしまいます。ユニクロが野菜の事業でうまくいかなかったのも、ノウハウがなかったことが1つの原因でしょう。

6−3.新規事業の落とし穴 3|スピード不足

新規事業の場合、利益が出るまでの間、ものすごいスピードで改善をし続けないといけません。そして、スピードを上げるためには、社長自らが最前線で指示を出し続ける必要があります。

とくに大きな予算がかかる場合は、係長から課長、部長、取締役、社長といった具合に、稟議という名のスタンプラリーを回していたら新規事業はつぶれてしまいます。

最低でも数百万円単位の大きなお金を自由に決済できる権限を持った人が最前線にいて、どんどん仕事を進めていくことが重要です。しかし、中小企業の場合、数百万円単位の大きなお金を自由に決済できる権限を持っている人は、社長の他にいません。つまり、社長自ら最前線に立つ以外に、スピードを上げる方法がないのです。

このことが分かっておらず、社長が部下に丸投げして新規事業を立ち上げようとしていたら、スピードも遅く、新規事業は失敗してしまうでしょう。

7.新規事業のアイデアはあなたの情熱から見つかる

新規事業は、必ずうまくいくとは限りません。そして、運良く軌道に乗ったとしても、並大抵の覚悟ではうまくはいきません。

しかし、新しいことに挑戦することによって、収益が上がったり、社員同士の交流が盛んになったりと、社内に良い変化をもたらしてくれることもあります。さらには、世の中がより豊かに便利になる可能性も大いにあります。

私は先日、コンタクトレンズを日本で初めてネットで販売した、市村よしなりさんという実業家の講演会を開催させていただきました。その講演会の中で、市村よしなりさんは、「なぜ、コンタクトレンズのネット通販事業を始めようと思ったのですか?」という参加者の質問に、興味深い回答をしていたのです。

「目の悪い、私にとって、コンタクトレンズをネットで買えないのはとても不便でした。他にも私と同じ悩みで困っている人がいると思ったので、コンタクトレンズのネット通販を実現させたかったのです。」

このように、自社だけではなく、社会の発展のためにも、新規事業を立ち上げてみてはいかがでしょうか?

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