マインドマップとは、トニー・ブザンが提唱したノート術です。紙の中心に主題を書き、そこから放射状に線と字を書いていきます。普通のノート術よりも絵や色を多用するため、アイデアを出しやすくなったり、記憶力が上がったりするメリットがあります。
さて、私はマインドマップを10年近く書いてきました。また、私のマインドマップ法は、矢島美由希(著)『実践! ふだん使いのマインドマップ』というビジネス書にも取り上げられました。ですので、マインドマップについてはかなり語れると思います。
この記事では、マインドマップの意味から、実践的なマインドマップの書き方までご紹介します。また、私が実際にやってみてよかったマインドマップを書くツールや、私が実践しているマインドマップの使い方もご紹介します。
この記事を読めば、初心者でも必ずマインドマップを書けるようになります。ぜひ、最後までお読みください。
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ビジネス心理学とは?目次 〜マインドマップとは? 意味や書き方、無料ツール〜
3.マインドマップのフリーソフト無料&有料ツールを徹底比較!
- 3-1.Windows/Macのおすすめマインドマップソフト
- 3-2.iPhone/iPadのおすすめマインドマップアプリ
- 3-3.Androidのおすすめマインドマップアプリ
- 3-4.Web上で書けるおすすめマインドマップツール
1.マインドマップとはなにか? 簡単に解説します!
引用:「どもども遠田幹雄BLOG」マインドマップの書き方をマスターしてマインドマップを使いこなそう(マインドマップ作成とサンプル紹介)
マインドマップとは、紙の中央から放射状に書いていくノート術です。マインドマップのくわしい特徴については、この上の画像をご覧ください。マインドマップについて、マインドマップで分かりやすくまとめています(笑)。
私からすると、マインドマップの特徴は3つあります。
(1)全体像を把握しやすい
(2)ノート術なので、色々な範囲に応用できる
(3)色々な書き方ができる
まず、マインドマップの画像を見てもらえれば分かるとおり、一覧性が高く、全体像を把握しやすいのが特徴です。この特徴は、何かをまとめる際にとくに有効です。
また、マインドマップはノート術です。ですので、とても汎用性が高く、アイデアを出したり、記憶をしたりする場面に色々と使えます。マインドマップのくわしい使い方は4章で後述しますので、そちらをご覧ください。
そして、マインドマップは色々な書き方ができます。提唱者のトニー・ブザンや、マインドマップのセミナーをしている講師は、色は3色以上使えだの、イメージ(絵)を描けだの言いますが、そこにこだわらなくてもいいでしょう。
私は経営コンサルタントをしている関係で、多くの成功した経営者にお会いします。その中にはマインドマップを書いている人もたくさんいますが、色を3色以上使ったり、イメージを描いている経営者の方が少数派です。おそらく数%程度。
90%以上の人は、正しいマインドマップのルールに従って書いていません。しかし、それでも大きな結果を出しているのです。私もイメージを描いている時間がもったいないので、ここ数年間で一度も描いたことがありません(笑)。
マインドマップというのはあくまで手段であり、目的ではありません。教科書どおりに書くのではなく、自分が得たい結果を得るのにつながるか、考えましょう。それでは、この章ではマインドマップについてくわしく解説していきます。
1-1.マインドマップのメリット/デメリット
いきなりですが、あなたの手描きの字は綺麗ですか? 誰かにあなたの字を見せたら、「美しい字ですね! どこでペン字を習ったんですか?」と聞かれますか?
ちなみに、私の字はとても汚いですし、人から褒められたことはありません。でも、別に自分が読めればいいですよね(笑)。何がいいたいかというと、マインドマップもこれと同じなのです。
マインドマップのメリットは上でも説明したとおり、(1)全体像を把握しやすい、(2)ノート術なので、色々な範囲に応用できる、(3)色々な書き方ができる、ということ。それ以上でもそれ以下でもありません。
ですが、マインドマップのデメリットとして、「もっと綺麗に書かないといけない」とか「マインドマップのルールに従わなければいけない」という強迫観念に縛られることがあげられます。特に初心者ほど、この傾向が強い。
マインドマップというのは、手書きの字と同じく、誰かに見せるものでもなければ、完璧であるべきものでもありません。汚くて大丈夫。自分さえ読めればOK。それでいいのです。
マインドマップのセミナーをしている講師は、「正しく書いていないマインドマップでは効果が出ないのでもったいない」と言ってくるでしょうが、それは単なるセールストーク。ただのノート術のひとつだと割り切るのが吉です。
1-2.マインドマップがおすすめの人/おすすめでない人
マインドマップとはノート術ですので、学生であったり、頭脳労働をするビジネスマンにはピッタリです。とくに、何かをまとめるにはいいでしょう。
とはいえ、学生やビジネスマンであってもマインドマップが向かない人がいます。たとえば、どんどん抽象化していくのが得意な、頭のいい人にはマインドマップは向きません。
なぜなら、紙の中央に書いた主題が正しいとは限らないからですね。主題を最初に書いてしまうがゆえに、主題の正しさを検証しにくいノート術と言えるでしょう。頭のいい人は前提を疑うクセがありますが、こういう人にはマインドマップは不向きです。
また、マインドマップはたったひとつの主題から具体化していく思考術ですが、いくつものことを同時に考えるのが得意な人にも向きません。つまり、思考の並列処理が得意な人もマインドマップが向かないと言えるでしょう。こういう人はひとつのことだけを思考すると、キュウクツに感じるはずです。
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ビジネス心理学とは?2.マインドマップの書き方 3ステップで簡単に作れる!
引用:「アフィリエイト初心者が月5000円を稼ぐ壁を突破する秘訣と手法」 マインドマップの書き方をマインドマップで作ってみた!
それでは、この章ではマインドマップの簡単な書き方をご紹介します。マインドマップの提唱者である、トニー・ブザンというジャーナリストによれば、マインドマップには12のルールがあるそうです。
マインドマップの12のルール
無地の紙を使う ブランチは曲線で 用紙は横長で使う 強調する 用紙の中心から描く 関連づける テーマはイメージで描く 独自のスタイルで 1つのブランチには1ワードだけ 創造的に ワードは単語で書く 楽しむ! ※ブランチとは中央の主題からはえている枝を指す。
引用:「Wikipedia」 マインドマップ
しかし、私はこのルールのうち、いつも3〜4つしか守っていません(笑)。それでも十分な効果を体験しています。
なぜなら、80対20の法則にあるように、この12個には重要度に大きなバラツキがあるからです。私がいつも守っているのは、「用紙の中心から描く」、「創造的に」、「楽しむ!」ことくらい。
それでも、マインドマップで得られる効果のうち、8割以上は得られているという強い確信があります。くれぐれも、マインドマップを完璧に書くのが目的にならないようにしましょう。マインドマップを完璧に書く必要があるのは、マインドマップのセミナー講師だけですので(笑)。
それでは、マインドマップを書く3ステップを解説していきます。
2-1.用紙の中心に主題(メインテーマ)を書く
まず、紙の中心に主題を書きましょう(この主題のことを、専門用語でセントラルイメージと言いいます)。紙は横長で使うといいそうですが、私は縦長で使う場合もあります。
また、紙を使う場合は、ここに絵を描いてもいいでしょう。私の場合は、マインドマップのソフトを使うので、ここ何年か、絵を描いた記憶はありません。
さて、ここからが重要です。マインドマップに書く内容は、何となくモヤモヤしていることや、まとめたいことを書くといいでしょう。
例として、英語の勉強法についてまとめたいなら「英語の勉強法」という主題にしたり、マラソンの走り方についての本を読んでいるなら「マラソンの走り方」という主題にするという具合です。
また、何となくモヤモヤしているときは、「悩んでいること」とか「不安」といった主題にするといいでしょう。
2-2.主題から枝(ブランチ)を書いていく
紙の中心に主題を書いたら、そこから枝を書いていきます(この枝を、ブランチといいます)。下記は、私がXMindというパソコン用のマインドマップソフトを使って書いたマインドマップです。
書く内容は思いついた単語を書いてもいいですが、リーディングやリスニング、スピーキング、ライティングといった抽象的な単語を書いておくと、そこから具体化しやすくなります。
基本的には、枝の末端に行けば行くほど具体的、中央の主題の近くは抽象的になるといいでしょう。とはいえ、マインドマップの初心者にとってはこれはハードルが高いもの。まずは思いついたことを書いてみましょう。
書いている最中に何か思いついたら、「この思いついたことは、どの枝の言葉と関連性があるのかな?」と考え、もっとも関連性が高いと思われる枝から、外側に向かって枝を伸ばすといいでしょう。
2-3.枝をさらに細かく書き、場合によってはつなぐ
メインとなる太い枝の数本から、さらに細い枝を書いていきます。枝の数は、3階層、4階層とどんどん書いていって構いません。
また、書いている最中に他の枝と関連があると感じた場合には、矢印をつかって結ぶといいでしょう。下図でいえば、右上の点線の矢印がそれです。
私からのお願いとしては、これを見ているだけでなく、自分の悩んでいることなどを実際にマインドマップに書いてみてください。実際に書いてみると、頭の中がスッキリすると思います。
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ビジネス心理学とは?3.マインドマップのフリーソフト無料&有料ツールを徹底比較!
それでは、ここからはマインドマップのツールをいくつかご紹介します。私が今、マインドマップを書けているのはツールを使っているからであり、もし手書きならもう今頃とっくに三日坊主になっていたでしょう。
こういったツールは慣れるまでがむずかしいですが、慣れてからはとても簡単に書けるので、ぜひ試してみてください。私も今では手書きでマインドマップを書くなんて、面倒なことはしたくありません。
3-1.Windows/Macに最適の無料で使えるソフト
XMind(無料)
引用:「XMind」
使いやすさ:★★★★★
機能性:★★★★☆
綺麗さ:★★★★★(とにかく綺麗なマインドマップが書ける)
価格:★★★★★
前述したとおり、私が使っているマインドマップソフトがXMindです。XMindには、欠点らしい欠点はありません。長所はなんといっても、でき上がるマインドマップが綺麗なこと!
FreeMind(無料)
引用:「FreeMind」
WindowsでもMacでも使えますし、FreeMindなどの他のマインドマップソフトのデータも読み込めます。つまり、他のマインドマップソフトからの移行も簡単です。
有料版もありますが、無料版で必要な機能はほぼ使えるので、まったく問題ありません。事実上の無料ということで、価格も★5つにしました。
使いやすさ:★★★★★(とにかく動作が軽い)
機能性:★★★☆☆
綺麗さ:★★☆☆☆
価格:★★★★★
FreeMindは私が以前使っていた無料のマインドマップツールです。こちらもXMindと同様にWindowsでもMacでも使えるツールとなっています。
なぜ私がFreeMindからXMindに乗り換えたかというと、綺麗さや機能性の面でFreeMindが劣るからです。FreeMindで書いたマインドマップも、XMindで読み込めて編集ができることがXMindに乗り換える後押しになりました。
現実的に考えて、パソコンでマインドマップを書く場合、WindowsでもMacでもXMind一択と言えるでしょう。
ちなみに、トニー・ブザンが推薦しているiMindMapという有料ソフトや、Mindjet社が出しているMindManagerという有料ソフトも使ってみたことがあります。どちらも良い商品だと感じていますが、わざわざ高いお金を払ってまでXMindから移行するまでもないかな、と感じています。
iMindMapは手描き感があるマインドマップを書けるというのがウリですが、枝が増えてくると動きが重くなります。MindManagerについては、マインドマップ以外にも組織図を書けたりしますが、せいぜい優位性はそれくらいですね。
一応ですが、それぞれの評価も書いておきます。
iMindMap(11,800円〜)
引用:「iMindMap」
使いやすさ:★★☆☆☆
機能性:★★★★☆(画像が多いので、多くの文字情報を書けない)
綺麗さ:★★★★★
価格:★☆☆☆☆
MindManager(37,692円〜)
引用:「MindManager」
使いやすさ:★★★★★
機能性:★★★★★(多機能すぎて、使い切れない)
綺麗さ:★★★★★
価格:★☆☆☆☆
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ビジネス心理学とは?3-2.iPhone/iPadのおすすめマインドマップアプリ
まず、iPhone、Android問わず、スマホでマインドマップを書くのはあまりおすすめしません。その理由は、スマホの画面が小さすぎるから。
マインドマップの良さというのは一覧性であり、全体像を把握しやすいことですが、スマホの小さな画面ではそれは容易ではありません。マインドマップを書くのであれば、iPadなどのタブレットか、パソコンを使うことをオススメしたい。
とはいえ、どうしてもiPhoneやiPadでマインドマップを使いたいという人のために2つツールをご紹介しようと思います。それが、iThoughtsとSimpleMind+です。
iThoughts (1,400円)
引用:「iThoughts」
使いやすさ:★★★★☆
機能性:★★★★☆
綺麗さ:★★★☆☆
価格:★★★★☆
私がiPhoneで使っているマインドマップアプリがこれです。使っている一番の理由はXMindで書いたマインドマップを読み込めるからです。
パソコンを使ってXMindでマインドマップを書いて、Dropboxに入れておきます。そうするとiThoughtsではDropbox経由で同期できるので、そこからダウンロードして使うというわけです。
Dropbox:オンラインストレージサービス。データやファイル共有もできる。この後の章、「3-4.Web上で書けるおすすめマインドマップツール」でも使い方を紹介しています。
iThoughtsは、パソコンのXMindでマインドマップ書いて、スマホで見るという人にはピッタリでしょう。逆にスマホでマインドマップを書いて、パソコンでも見たいという人におすすめなのはこれからご紹介するSimpleMind+です。
SimpleMind+(無料)
引用:「SimpleMind+」
使いやすさ:★★★★☆
機能性:★★★☆☆
綺麗さ:★★★★☆
価格:★★★★☆
iPhoneでもっとも人気なマインドマップアプリがこのSimpleMind+です。無料版と有料版(720円)のちがいは、カラーの選択やDropbox経由の同期と共有などです。
私は無料版を使ってみましたが、結局有料版にはアップグレードしませんでした。その理由は、やはりパソコンでマインドマップを書くことが多いからです。
しかし、スマホでマインドマップを書くだけの人や、スマホで書いてパソコンで見る人には最適のアプリであることは間違いありません。
※なお、SimpleMind+はパソコン版のソフトも出ています。有料でも23.99ユーロ(3000円弱)と安いので、興味があればチェックしてみてください。
SimpleMind(パソコン版)のウェブサイト
「simplemind」
3-3.Androidのおすすめマインドマップアプリ
前述したiThoughtsもSimpleMind+もiPhone/iPad用のアプリですが、Android版もあります。ぜひチェックしてみてください。この章では、Android版がiPhone/iPad版と大きく異なるアプリをご紹介します。
Mindjet(無料)
引用:「Mindjet for Android」
使いやすさ:★★★★☆
機能性:★★☆☆☆
綺麗さ:★★★★☆
価格:★★★★★
Mindjetの長所は無料ということです。FreeMindと連携するのであればiThoughtsが良いのですが、有料ということで嫌がる人も多いでしょう。もし無料がいいのであれば、このMindjetがおすすめです。
SimpleMind+やiThoughtsに比べてMindjetの機能は劣りますが、無料ですので初心者が試してみるのにはピッタリだと思います。
3-4.Web上で書けるおすすめマインドマップツール
基本的に、パソコンを使ってマインドマップを書くのであればXMind一択です。では、チームでそのマインドマップを共有したい場合はどうすればいいのでしょうか? Web上で書けるマインドマップツールを使えばいいのでしょうか? 実は私はそれはあまりおすすめしません。
私のおすすめは、DropboxにXMindのファイルを入れておき、それを他人と共有することです。両者が同時に保存などをしない限りは、それで問題がありません。
※Dropboxで他人に編集権限を付与する場合はこちらをご覧ください。
「Dropbox ヘルプセンター」 共有フォルダ:他のユーザーにファイルの編集権限を付与する
また、誰か遠方の人にマインドマップの操作を公開する場合、私はSkypeやGoogleハングアウトの画面共有の機能を使って見せることが多いです。これであれば、自分が操作しながら、それを人に公開することができます。
※この方法についてくわしく知りたい場合は、Googleで「Skype 画面共有」または「Googleハングアウト 画面共有」で検索してみてください。
とはいえ、どうしてもインストール不要な、Webベースで動くマインドマップツールが欲しいという人には、こちらをおすすめしています。
MindMeister(月額6ドル〜)
引用:「MindMeister」
使いやすさ:★★★★★
機能性:★★★★★
綺麗さ:★★★★★
価格:★★★★☆
チームで動いている場合、おそらくGoogle AppsやGoogle Driveを使っていると思いますが、それらと連携できるのがMindMeisterです。連携するためのコストとしては、「プロ」という価格プランが月に10ドルと格安。
個人の場合は選択肢に入らないと思いますが、法人の場合は選択肢の1つにしてもいいでしょう。AndroidやiPhone版のMindMeisterもあり、とても便利です。
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ビジネス心理学とは?4.日常でのマインドマップの作り方を3つのケースを解説
この章では、マインドマップを使う色々な事例を見ていきます。この章を読めば、マインドマップをどう日常で使うのか、分かっていただけると思います。
4-1.マインドマップを勉強で使うには?
「マインドマップをどうやって勉強に使えばいいのだろう?」あなたはそんなことを考えたりしていませんか? ちょっと待ってください。マインドマップは手段ですが、目的になっていますよね。
普通のノート術に比べて、マインドマップが優れているのは一覧性であったり、絵を使うことでイメージを膨らませやすいことです。逆にデメリットは、普通のノート術に比べて書くのが面倒であったり、時間がかかったりすることです。
たとえば、資格試験の場合、最初にマインドマップを書くといいでしょう。学習というのは、最初に全体像を理解して、それから各論を勉強していくとスピードが上がります。マインドマップは一覧性が高いので、まさにピッタリですね。
また英語の勉強で、単語のイメージをとらえるのに向いています。たとえば、「on」という単語を辞書で引くと、「〜の上に」「接触して」「〜の状態で」といった意味が出てきます。これらの和訳をすべて覚えるのって大変ですよね。
books on the desk(机の上の本)
bulbs on the ceiling(天井についている電球)
clock on the wall(壁にかけてある時計)
しかし、これらをマインドマップにイメージで書くことで「onというのは、何かにピッタリくっついている状態なら、すべてonを使うんだ」と理解できるのです。すると、「on time」という単語が出てきても、「時間にピッタリくっついているということは、”時間ちょうど”と訳すのでは?」と推測できるようになります。
こういった単語のイメージで覚えるような場合はマインドマップを使った方がいいでしょう。逆に言えば、それ以外にマインドマップを使うと時間のロスになります。
4-2.マインドマップを仕事で使うには?
以前私は、こちらの記事で、「不安が強いとモチベーション(やる気)が出ない」ということを解説しました。
そこで私は、週に1回くらいの頻度で自分が不安に感じていることをマインドマップに書き出すようにしています。この理由は仕事の先延ばしを防いだり、やる気を上げるためです。
以下が実際のマインドマップです。
それぞれの枝に書いてある項目ごとに、不安なことをすべて書き出すようにしています。すると、それだけで頭の中がかなりスッキリするのです。
また、書きだした後にその不安なことを10点満点で評価するようにしています。10が最高に不安が強い状態で、0が不安がまったくなしの状態で、合計11段階ですね。
そして、仕事を先延ばししていたり、やる気が上がらなかったりするときは、多くの場合において不安度が5点以上のタスクが2つ以上あることが多いのです。こうした不安を感じているタスクについては、別の選択肢がないかを検討したり、委任をしたりするようにしています。また支援をしてくれる人を探すのもいいでしょう。
こうして不安度が低いタスクだけになれば、先伸ばしをしなくなり、やる気も出ていることでしょう。
4-3.マインドマップを就活や自己分析で使うには?
就活生の間では、マインドマップを自己分析に使っている人もいるようです。自分の人生を振り返るためです。
方法は簡単で、今までの人生で長い時間をかけてきたものや、高いお金を払ってきたものを主題から枝として書いていくのです。たとえば、「サークル」、「バイト」、「部活」……というように。
引用:「『Rebe』就活情報まとめサイト」自己分析に役立つ!! 外資系企業でも使われている「マインドマップ」とは??①
たしかに、自分の過去を洗い出して一覧することができるという点において、マインドマップは便利です。しかし、マインドマップが自己分析に役に立つとは私には思えません。マインドマップは、就活でうまくいくための魔法の薬ではないのです。
マインドマップを書いても自己分析がむずかしいのには理由があります。
まず1つ目の理由は、自分の本当の実力と、自己評価の間にはかなり大きな認識のズレがあるからです。心理学ではこの認識のズレを「自信過剰バイアス」といい、私たち人間は自分の実力を過剰に評価しやすいのです。
つまり、自分の本当の実力を正しく評価したいのであれば、第三者に自分の評価を聞かないといけない。マインドマップを自分1人で書いているだけでは、そのズレは埋められないのです。
2つ目の理由は、仮に自己分析をしたところで、どこが重要なのかわからないからです。多くの就活生や就職希望者は何が会社で求められているのか分かっていないため、ピント外れな自己PRをしている人も多い。
私も1人の経営者として、多くの就活生や就職希望者の面接をしてきました。その上で言えるのは、就職で最も役に立つのは、自分のことをよく知る経営者や、人事などの面接担当者から、あなたの評価をしてもらうことです。
「自分は何が弱みなのか?」とか「企業で求められる強みはなんなのか?」とかです。聞いてみると、自分では見えてなかった意外な気づきが必ずあります。
評価を聞く相手は、たとえばバイト先の店長などでもいいでしょう。実際に面接を担当している人からの評価は、下手な自己分析の何倍も役に立ちますよ。
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ビジネス心理学とは?4-4.マインドマップでおすすめの本は?
この章では、マインドマップについてオススメの本を2つリストアップしました。
まず、マインドマップについて1冊だけオススメを教えて欲しいと言われたら、この本です。
『新版 ザ・マインドマップ(R)』
トニー・ブザン (著), バリー・ブザン (著), 近田 美季子 (翻訳)
マインドマップの開発者であるトニー・ブザンが書いた渾身の1冊です。マインドマップのバイブル本とも言える一冊ですね。マインドマップの書き方はもちろん、多くの実例を紹介していますので、とても参考になります。
ただし、私からすると少し蛇足に感じるのは、トニー・ブザン公認のマインドマップソフト「iMindMap」の実例です。前述したとおり、iMindMapより使いやすいマインドマップソフトがあるため、自分のソフトを売るための宣伝文に感じられなくもありません。
とはいえ、それを差し引いてもマインドマップの類書の中では比類なきNo.1であり、この本の価値が損なわれることはありません。
続いて、2冊目が『ふだん使いのマインドマップ 描くだけで毎日がハッピーになる』です。
『ふだん使いのマインドマップ 描くだけで毎日がハッピーになる』
矢嶋美由希 (著)
1冊目の本を読むと、「結局のところ、マインドマップって、日常でどう使えばいいの?」とか「トニー・ブザンの本の実例って、海外のものばかりで、日本で使えるの?」とか、そういった疑問をお持ちになるかもしれません。
この本はそんな疑問に答える1冊です。マインドマップのインストラクターではない一般人が、どのようにマインドマップを書いているかという実例がたくさんあるからです。「あっ、マインドマップを書くときはこんな程度でいいのね」と安心させてくれます(笑)。
「マインドマップには、イメージをしっかりと描かないといけないのでハードルが高い」とか「マインドマップをどのように活用すればいいかわからない」とか、そういった悩みがなくなるでしょう。
5.マインドマップはあくまで手段! 目的化するな!
この記事で何度も繰り返し書きましたが、マインドマップはあくまで手段です。目的にしないようにしましょう。
このマインドマップというノート術を初めて知ったときの気持ちは、iPhoneなどのスマートフォンを初めて買ったときの気持ちに近いかもしれませんね。「なんかむずかしい」とか「結局、これで何ができるの?」とか。
でも、スマートフォンを完璧に使うことが重要ではありません。スマートフォンは自分の目的のために、必要な機能だけを使えればいいのです。
マインドマップもそれと同じで、ただ単にメモできればいいのです。たったそれだけ。この記事が、マインドマップのハードルを下げる一助になれば幸いです。
※マインドマップは、経営コンサルタントの神田昌典(かんだ・まさのり)さんが、日本で最初に広めたノート術です。そして、マインドマップと同様に神田昌典さんが広めた知的生産術にはフォトリーディングもあります。
このビジネス心理学には、フォトリーディングの方法や、「フォトリーディングって、本当に効果があるの?」といった疑問を解決する記事がありますので、興味がある場合はぜひ一緒に読んでみてください。