プロダクトローンチとは詐欺か? 事例や本、教材などを解説

プロダクトローンチとは詐欺か? 事例や本、教材などを解説

プロダクトローンチとは、商品の販売前から見込み客を集め、商品の発売時に爆発的な売上を上げる方法です。私は過去に「オンラインで学べるビジネス講座」のプロダクトローンチのコピーを書いたことがあります。その結果、1ヶ月半という期間で約8,000万円の売上を作ることができました。

この記事では、実際にプロダクトローンチを行ったことのある私が、プロダクトローンチの意味やプロダクトローンチの手法、事例について解説します。また、「プロダクトローンチって詐欺なんじゃないの?」という疑問にもお答えします。

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目次 〜プロダクトローンチの事例や本、教材などを解説〜

1.プロダクトローンチの意味とは? 詐欺なのか?

2.プロダクトローンチのテンプレート|実際の流れを解説

3.プロダクトローンチという手法の例

4.プロダクトローンチの本や教材|実践するには?

5.プロダクトローンチは手法にすぎない

1.プロダクトローンチの意味とは? 詐欺なのか?

プロダクトローンチの意味とは? 詐欺なのか?

プロダクトローンチを直訳すると「プロダクト=製品、商品」「ローンチ=販売、売り出す」ということで、「プロダクトローンチとは製品、商品を販売開始すること」になります。普通ですね(笑)。これから、正しい意味を解説します。

1-1.プロダクトローンチとは手法の1つ

実際プロダクトローンチという言葉が使われるときは、ある手法のことを指しています。手法としてのプロダクトローンチの意味は、「商品販売開始前から見込み客を集め、情報を流し、商品発売時に爆発的な売上を上げる手法」といえます。

通常の商品販売との大きな違いは、「爆発的な売上が見込める」というところです。商品の発売から24時間で数億円の売上があがることがあります。

また、通常の商品販売では商品が販売されてから「こんな商品が出ました!」と宣伝することがほとんど。後述しますが、プロダクトローンチの場合は販売日前がキモです。また、プロダクトローンチは、大きくわけると4つのステップで構成されていますが、これについても詳細は後述します。

なお、これだけ大きな売上が上がるプロダクトローンチですから、実際に取り組むととても目立ちます。その大きな売上を見て「プロダクトローンチといえば、詐欺なんじゃないの?」と思う方も多いようです。しかし、プロダクトローンチはあくまでもマーケティングの手法の1つであり、詐欺ではありません。

問題があるとすれば、手法ではなく「販売する商品」にあります。大きな売上が上げられることから、「詐欺的な商品」が販売されてしまっていることが問題なのです。

1-2.プロダクトローンチのメリット/デメリット

プロダクトローンチのメリットとデメリットを紹介します。

プロダクトローンチのメリット

爆発的な売上が上げられること。爆発的な売上とは、商品の販売者や販売企業にとって「過去最高の売上」が狙えるということです。イメージとしては、「売上金額の桁が変わる」と言えます。◯十万円が◯百万円、◯千万円が◯億円になる可能性があります。

プロダクトローンチのデメリット

「爆発的な売上」は可能性にしか過ぎません。失敗すると、プロダクトローンチの準備に使った経費で赤字になることもあります(どんな準備が必要かは後述)。

また、過去最高の売上を狙うことから、プロダクトローンチを行っている期間中に、大きなストレスを抱えることもあります。ある経営者は、毎日が徹夜になってしまったことから「もう二度とやりたくない」と思ったそうです。

1-3.プロダクトローンチがおすすめの人とは?

プロダクトローンチがおすすめできる人は、商品やサービスの完成度(お客さんの満足度)が高い人です。本来、いくら商品がよくても売れるとは限りません。しかし、プロダクトローンチという手法を使うことで、商品の完成度は全く関係なく売上を上げることが可能です。

なお、プロダクトローンチは、商品の品質とは関係なく売上が上がるため、爆発的な売上が上がった結果、プロダクトローンチ前より不幸になる商品販売者がいます。それは、商品が粗悪過ぎて、購入者からクレームが殺到したり、返金を求められたりするからです。

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2.プロダクトローンチのテンプレート|実際の流れを解説

プロダクトローンチのテンプレート|実際の流れを解説

それでは、続いて実際にプロダクトローンチを行うときの流れ、テンプレートを解説します。

2-1.プレローンチ|見込み客を集める

プロダクトローンチで最初に行うことが「見込み客を集める」ということ。これを「プレローンチ」といいます。このプレローンチからプロダクトローンチがはじまります。なお、「見込み客」というのは、これから販売する商品に興味を持ってもらえそうなお客さんのことです。

このあと、商品販売者側から見込み客に情報を届けるために「見込み客のメールアドレス」を集めるのが主流です。過去、私がプロダクトローンチに関わったときには、約7,000人の見込み客を集めました。

☆プレローンチのポイント

プレローンチで重要なポイントは、あなたの商品に関心を持ちそうな見込みがある人をできるだけ多く集めることです。興味を絶対に持たなそうな人……たとえば、ダイエットサプリを販売するのに、痩せている人を10,000人集めても意味がありません。

「集める」というのは主に「メールアドレス」を集めることを指します。このあとのステップをスムーズに進めるためにも、見込み客のメールアドレスが必要なのです。

2-2.リレーションシップ|情報を小出しにして期待させる

プレローンチで集めた見込み客に情報を届けます。プレローンチで集めたメールアドレスにメールを配信するのがおすすめです。

情報を小出しにしたり、商品の販売につながる情報を少しずつ配信したりすることで、商品に対する興味を高めていきます。また、販売する商品がいかに見込み客にとって必要なのか(必要性)を高めていきます。

リレーションシップを直訳すると「関係」という意味です。ですので、一方的に情報を提供するだけでなく、ブログにコメントをもらったりして、販売者と見込み客でやり取りをすることがあります。見込み客から反応をもらうことで、商品にどれくらい関心を持ってもらえているのかがわかります。

☆リレーションシップのポイント

リレーションシップで重要なポイントは、見込み客にあなたの商品への興味・関心を高めること、必要性を高めることです。ダイエットサプリであれば、「やっぱりダイエットしたほうがいいよね!」と思ってもらったり、「今までのダイエットの方法はやっぱりダメで、今回は期待できる!」と感じてもらったりすることです。

2-3.ローンチ|販売を開始する

さぁ、実際に商品を販売します。

このステップ上にはあらわれていませんが、発売日は事前に予告することが重要です。場合によっては、先行予約を受け付けるのもよいでしょう。

また、ローンチでは見込み客に「今、このタイミングしか買えない」と感じてもらうことが重要です。ですので、「◯日〜◯日までの3日間しか購入することができません」とか「◯日になると値上げします」といった販売期間を設定することをおすすめします。

☆ローンチのポイント

実際に販売を開始してからは、言ってみれば「お祭り」です。「たくさんの人が買っています」という情報を伝えることが重要です。また、「◯日までしか買えません」「◯日になると値上げします」ということを繰り返し繰り返し伝えましょう。

ただし、販売開始後よりも販売開始前が重要です。ローンチ前のプレローンチとリレーションシップでどれくらいの売上が上げられるかが決まります。

2-4.ポストローンチ|メインの販売期間後にやること

メインの販売期間というのは、値上げする前や先行販売特典がついている期間のことです。この期間に上がる売上が、プロダクトローンチの特徴である「爆発的な売上」と言えます。

ただし、メインの販売期間が終わったからといって突然情報を届けるのをやめると、見込み客が販売者に持つ印象が最悪になってしまいます。

「あぁ、結局売り込みたかっただけね」「買わなかった人はどうでもいいのね」「売り込みにはあんなに熱心だったのに」といった印象を残します。ですから、メインの販売期間を過ぎてもフォローする必要があるのです。

☆ポストローンチのポイント

ポストローンチ(メインの販売期間終了後)でも、見込み客に役に立つ情報を発信し続けましょう。メインの販売期間に買わなかった人が、次の機会で買うかもしれません。「購入者の声」を伝えるのもいいですね。また、見込み客の役に立つプレゼントを渡すことも印象アップには効果的です。

以上がプロダクトローンチの流れ、テンプレートの解説です。

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3.プロダクトローンチという手法の例

プロダクトローンチという手法の例

ここでは、身近なところで実際にプロダクトローンチが使われている事例をカンタンに解説します。

3-1.発売と同時に行列を作るiPhone

iPhoneは、発売と同時に爆発的に売れますよね? もう恒例になっていますが、発売前から「今度のiPhoneはどんなモノなんだろう?」という期待を高める情報を小出しに発表します。

Appleはプレローンチでメールアドレスを集めたりすることはありませんが、機能、デザイン、カラーの情報をコントロールするという意識があるからこそ、爆発的な売上につながっていると言えます。

3-2.映画の上映開始時にやる手法

映画もiPhone同様に、上映日前から情報を発信しています。映画館で映画を見るとき、「本当に見たい映画」の前に必ずCMがありますよね?(笑)

そのCMを見たからといって、翌日CMの映画は見ることはできません。ハリウッド映画であれば、俳優が来日してテレビに出演することもあるでしょう。「公開1週間で興行収入が〜〜」というコメントが出るのは、事前のプロモーションに力が入っているからこそですね。

ちょっと思い出してみてください。

iPhoneと映画に関しては、販売開始前(上映前)に少しずつ見込み客に情報を届け、興味を持たせることにチカラを入れていますよね? だからこそ、「ローンチ(販売、上映開始日)」で驚くほど売上が上がるのです。

ただし、iPhoneと映画の上映では見込み客のメールアドレスを集めることは行われていません。先述した「プロダクトローンチのテンプレート」をていねいに取り込んでいるのが「情報商材業界」です。

3-3.情報商材のプロダクトローンチ

情報商材とは、悩みの解決策やノウハウをPDFや動画、音声などでまとめたものです。先述したプロダクトローンチのテンプレートがそのまま使われているのは、主に情報商材の販売時と言えます。

派手な動画で興味関心を引いたり、販売期間が限られていたり……人間の行動心理に沿ったプロダクトローンチが行われています。ただし、詐欺的な商品を見込み客の感情を煽って売る人が続出してしまい、「プロダクトローンチ=詐欺」のようなイメージがついてしまったのも事実でしょう。

決して、「情報商材=詐欺」でもなければ、「プロダクトローンチ=詐欺」というわけでもありません。

なお、情報商材の真実についてはこちらの記事でくわしく解説しています。

情報商材とは、悩みの解決策やノウハウをPDFや動画、音声などにまとめた教材で、主にインターネットで販売されているものを指します。そんな情報商材ですが、「情報商材って買っても大丈夫なのかな?」「情報商材って詐欺なんじゃないの?」という不安があなたにあり...

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4.プロダクトローンチの本や教材|実践するには?

プロダクトローンチの本や教材|実践するには?

プロダクトローンチの開発者のジェフ・ウォーカーの本と教材を紹介しながら、もしあなたがプロダクトローンチをやりたいのであれば、何からはじめればよいのか解説します。

4-1.プロダクトローンチの本『ザ・ローンチ』

ザ・ローンチ

ザ・ローンチ
 ジェフ・ウォーカー (Jeff Walker)(著)

プロダクトローンチを開発したジェフ・ウォーカーが著者。もし、あなたがマーケティングの知識が全くないのであれば、読みこなすのが難しいかもしれません。
しかし、プロダクトローンチが開発された経緯を知りながら、プロダクトローンチの全体像を知るにはよい本です。

4-2.教材『プロダクトローンチフォーミュラ』

プロダクトローンチを開発したジェフ・ウォーカーの教材。日本語に訳されたものも販売されています。そして、随時バージョンアップされているようです。

この教材ですが、私自身は購入しておりません。そこで、最低年に1回はプロダクトローンチを行い、毎回確実に1億を超える売上をあげているコンサルタントの方に話を聞いてみました。

教材『プロダクトローンチフォーミュラ』を持っている方の話

「『プロダクトローンチフォーミュラ』ですか? えぇ、持っていますよ」
「持ってはいますが……」
「正直、同業の人からフィードバックをもらったほうが早く身につきましたね」

ということでしたので、このコンサルタントの方が、初めてプロダクトローンチで1千万円を超える売上をあげたときどうやったのか聞いてみました。すると…「プロダクトローンチを何度も成功させてきた人から細かくアドバイスをもらって進めた」とおっしゃっていました。

このようにプロダクトローンチについて書籍と教材が発売されていますが、こういった「情報だけ」でプロダクトローンチができるようになる人はごくわずか。なぜならプロダクトローンチは、商品を購入するお客さんの心理状態、感情の変化をイメージしたり、イメージとのズレを実践中に微調整したりしながら進めていく必要があるからです。

書籍と教材を読む、見るだけでは、正確な微調整ができず、あてずっぽうで進めてしまうことになるでしょう。

4-3.プロダクトローンチを実践するには?

あなたが本当にプロダクトローンチを実践したいのであれば、次の2つの方法をおすすめします。

方法1 リスクを取らず小さく始める

一般的に広がっているプロダクトローンチのイメージとは離れますが、小規模なプロダクトローンチから始めてみましょう。

書籍と教材では「シードローンチ」が紹介されていますが、リスク(広告費などの経費)を抑えてプロダクトローンチに取り組むことをおすすめします。

方法2 経験者といっしょに取り組む

「いや、私は最初から大きな売上を目指す」という方は、目標とする売上を達成したことのある人といっしょにプロダクトローンチに取り組みましょう。

大きな売上を目指す場合は、広告費などを使うことが必須。経費がかさむため、売上が上がらなかった場合、借金だけ残ってしまったり、すでにあるビジネスをつぶすこともありえます。

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5.プロダクトローンチは手法にすぎない

「プロダクトローンチといえば爆発的売上!」とよい側面ばかりが取りあげられることが多いかもしれません。確かに、綿密な計画と実践のもとで大きな売上も可能です。しかし、記事でも紹介したように、粗悪な商品を販売してしまうとクレームや返金の声が殺到します。

販売後のアフターフォローはもちろん重要ですし、買わなかったお客さんへのフォローもていねいに行うことで、「次回買ってみてもいいかな」というお客さんが増え、長期的に発展するビジネスが見えてきます。

あくまでもプロダクトローンチはマーケティングの手法の1つにしか過ぎないため、商品販売後のことを考えてから実践に移しましょう。

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