カーネギー「道は開ける」を人生に活かす|要約・感想・名言

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デール・カーネギーの著書『道は開ける』。その内容は知らなくても、名前は聞いたことがあるという方は多いでしょう。ご存知の通り、自己啓発書の中では同著の『人を動かす』と共に超有名。多くの経営者や著名人もこの本に学んだといわれています。

そこで今回は心理カウンセラーとして日々多くの方の相談を受ける私が、カウンセラーの視点からこの本を解説。人生に行き詰まりを感じているならば、この記事を読んでみてください。あなたの道が開けるヒントが満載です。

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目次 〜カーネギー「道は開ける」を人生に活かす5章〜

1.D.カーネギー「道は開ける」とは?

2.サクッと知りたい人のための「道は開ける」まとめ

3.カウンセラーが選ぶ「道は開ける」名言ベスト5と感想

4.書籍、文庫、CD……「道は開ける」の学び方はいろいろ

5.道は開けると合わせて知りたい! 考え方や本など

6.おわりに

1.D.カーネギー「道は開ける」とは?

1.D.カーネギー「道は開ける」とは?

『道は開ける』は1948年にアメリカで出版されました。以来、世界で売り上げ1500万部を超える大ベストセラー。日本では1986年に出版され、現在までに300万部以上も売れています。この章では、その内容とメリットを紹介します。

1-1.「道は開ける」はどんな本?

『道は開ける』は、ストレスに悩む現代人に「悩みの解決方法」を教える自己啓発本です。というのも、じつは著者のデール・カーネギー自身も相当の苦労人。セールスマンとしてさまざまな職を渡り歩いた後、演劇を学んで役者を志した過去があります。

しかし、演劇の方は結局うまくいかなくてセールスマンに戻ったのち、研修講師として独立…。彼自身も人生のさまざまな苦難を味わってきました。

この本は、そんな彼が実践してきた悩み解決の具体的な方法論を紹介しています。彼の言葉だけでなく、各界の著名人のアドバイスも豊富に盛り込まれています。たとえば心理学者アルフレッド・アドラーは下記のようにいいます。これはアドラーがうつ病の解決方法について聞かれた時の回答です。

「この処方どおりにしたら、二週間できっと全快しますよ。それは、どうすれば他人を喜ばすことができるか、毎日考えてみることです」

引用元:道は開ける P238

心理学者アドラーについて、もっと知りたい方はこちらをお読みください。近年大ベストセラーとなっている『嫌われる勇気』も彼の理論を元にして書かれた本です。『道は開ける』の副読本としてもオススメします。

アドラー心理学とは、心理学者アルフレッド・アドラーの思想からはじまり、後を引き継いだ人たちが、発展させた心理学です。日本では、2013年の『嫌われる勇気』の出版やテレビでの紹介により、多くの人に知られるようになりました。正式な名称は「個人心理学」と言...
もしかしたら、あなたは『嫌われる勇気』(岸見 一郎/古賀 史健:著)という本をご存知かもしれません。アドラー心理学について書かれたこの本は、なんと50万部以上の大ベストセラーになり、アルフレッド・アドラー博士の名を日本に広めました。今まさにアドラーブ...
『嫌われる勇気-自己啓発の源流「アドラー」の教え』(以下、『嫌われる勇気』という)とは、心理学者アルフレッド・アドラーの思想を、物語にしてまとめた自己啓発書です。2013年に出版され、累計発行部数は100万部超え。テレビでも紹介されるほど大ヒットしました...

1-2.「道は開ける」を知ることで得られるメリット

この本を読むメリットは2つあります。

(1)方法論と事例が豊富なので、腑に落ちやすい。

文中には大量のエピソードや方法論が散りばめられており、そのどれもが現代でも通用するものばかりです。登場人物の例もさまざまで、精神的にどん底だったり、不遇な環境にいたりするなかで、どう考え、動いていくかを具体的に解説しています。彼らの経験に学べば「自分はまだやれる!」という発見がきっと得られるでしょう。

(2)悩まない&悩みを克服しやすい体質を作れる

本の中では悩み解決に関する心構えや方法論がたくさん紹介されています。しかし、それだけではありません。この本の素晴らしいところは、悩まない体質をつくることも意識しているところです。

具体的には、いまの悩みを解決した後に、どのような姿勢で人生に向き合うべきかを説きます。悩みと無縁の生活になるためのエッセンスが詰まっているのです。悩みを抱えるクセのある人には、非常に有益なアドバイスとなるでしょう。

1-3.道は開けると人を動かすの違い|先に読むのは?

どちらから読み始めるべきか悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。たとえば『道は開ける』は人生においての悩み解決の専門書。それに対して『人を動かす』は他人への影響力を上げる専門書です。言葉を変えてわかりやすくいうと、下記のようになります。

『道は開ける』(1948年刊行) = メンタルヘルス(精神的な健康について)の本

『人を動かす』(1936年刊行) = リーダーシップ(他人にどう向き合うか)の本

それでは、どちらから先に読むかですが、これは用途や目的によって異なります。たとえば、いまの自分には精神的なケアが必要だと感じるのであれば『道は開ける』を読みましょう。あるいは、コミュニケーションスキルを学んで他人に影響を与えたいなら『人を動かす』がよいでしょう。

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2.サクッと知りたい人のための「道は開ける」まとめ

2.サクッと知りたい人のための「道は開ける」まとめ

『道は開ける』は、文庫ですと400ページ以上ありますし、字も小さいので読むのが大変です。内容は素晴らしいのですが、本に慣れていない人は途中で挫折してしまう場合も少なくありません。そこで、この章では『道は開ける』をサクッとまとめていきます。全8部、28章までありますので、下記の各項で2部ずつ紹介していきますね。

2-1.悩みの基本事項を知れば道は開ける

第1部では悩みに関する基本事項を紹介しています。エッセンスをかんたんにまとめると、下記のとおりです。

1. 今日一日の区切りで生きる。明日のことで不安になったり過去のことで落ち込まないこと
2. 苦境に陥ったら、「最悪の場合どうなるか?」を考えて、それを受け入れる覚悟をする
3. 悩みに対する戦略を知らない人は早死にする。だから自分なりの解決策を手に入れる

第2部では悩みを分析する基礎技術を紹介しています。

1. 悩みの大半は、判断の根拠となる知識がないのにあえて判断しようとすることから生じる
2.「悩みはなにか?」「原因はなにか?」「選択肢や解決策はなにか?」「最善策はどれか?」と考える

2-2.悩む習慣を断てば道は開ける

第3部では、悩みの習慣を早めに断つ方法を解説しています。

1.悩みの習慣を断ち切るなら、常に忙しく仕事をしていること
2.ささいなことで大騒ぎしないこと
3.過去は墓場に送る(いちいち掘り返してクヨクヨしない)

第4部では、平和と幸福をもたらす精神状態を作る7つの方法が記されています。

1.われわれの人生は、考え方で作られる。だから平和や勇気、健康や希望で心を満たす
2.復讐や仕返しはしない。相手を傷つける以上に自分も傷つく
3.1分でも、嫌いな人のことは考えない

2-3.批判を気にしなければ道は開ける

第5部では、悩みを完全に克服する方法として「祈ること」をおすすめしています。これは特定の宗教への勧誘や信心をもたせるという意図ではありません。神様を信じる、信じないは別として、祈るという行為をすることで心理的欲求を満たせるとデール・カーネギーは言っています。

第6部では批判を気にしない方法を公開しています。

1.批判は、偽装された賛辞である(あなたの魅力に嫉妬されているから批判される)
2.批判が怖いならつねに最善を尽くす
3.自分の愚行を記録して見返そう。そして自分で自分を批判しよう

2-4.疲労と悩みを予防すれば道は開ける

第7部では、疲労と悩みを解決する方法を紹介しています。

1.疲れる前に休む
2.不眠症で悩まないようにするためには、眠くなるまで起きて仕事をする。または読書する
3.起きていられないほど肉体を疲れさせて、ぐっすりと眠る

第8部は、「私はいかにして悩みを解決したか」というテーマの事例集になっています。多くの偉人たちが登場し、たくさんの興味深いエピソードを紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

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3.カウンセラーが選ぶ「道は開ける」名言ベスト5と感想

3.カウンセラーが選ぶ「道は開ける」名言ベスト5と感想

『道は開ける』には、たくさんの名言が登場します。それらをカウンセラーの視点から厳選して5つピックアップしてみました。あなたのいまの気持ちに合わせて、胸に響くものがあるかと思います。ぜひ読んでみてください。

3-1.道は開ける名言1|過去の出来事に囚われている方へ

「われわれにとって大切なことは、遠くにぼんやりと存在するものに目をやることではなく、身近にハッキリと存在することを実行することだ」

引用元:道は開ける P28

これはデール・カーネギーが文中で紹介しているイギリスの歴史評論家、トーマス・カーライルの言葉。カーネギーはこれを「今日一日の区切りで生きよ」と簡潔に表しています。私たちはつい、後先のことでクヨクヨと考えがちですが、そんな時はぜひこの言葉を受け入れましょう。過去は過去であり、人生には今この瞬間しかないからです。

3-2.道は開ける名言2|不安と戦っている方へ

「やっかいごとを数え上げるな。恵まれているものを数えてみよう」

引用元:道は開ける P211

精神的に負担が大きい状態にいると、悩みにばかりフォーカスしてしまいますよね。気が付くと、自分の至らない部分やうまくいっていないことを数え上げて、ため息をついてしまいます。

これは脳の脳幹網様体賦活(もうようたいふかつけい)という部分の働きによるもの。かんたんにいうと、人は自分が意識したいものしか認識できないという脳の働きです。悲しい時は、自分を悲しませた出来事に意識を集中しがちですが、そんな時こそ脳の働きを理解して考えることが大切です。

3-3.道は開ける名言3|批判されるのが恐い人へ

「死んだ犬を蹴飛ばす人はいない」

引用元:道は開ける P290

デール・カーネギーいわく、

死んだ犬=目立たず、主張せず、静かにしている人
生きている犬=目立ち、自己主張をし、活発な人

つまり、この言葉をわかりやすくいうと、「生き生きと活躍している人ほど叩かれる」ということです。目立ち、自己主張をし、活発な人ほど心無い批判やクレームを受け取るのです。

しかし、社会人として良い仕事をしようと思ったら、多少目立ったり、意見を主張したりしなければならないことがありますよね。デール・カーネギーいわく、批判やクレームは嫉妬からくるといいます。別の言い方をすると、あなたが批判される理由は、あなたが彼らには手が届かないほど、魅力的だからです。

心無い人は、あなたが目立てば目立つほどアラを探すものです。その声は、あなたが魅力的だということを証明しています。ぜひ賛辞として受け取り、謙虚に受け入れましょう。

3-4.道は開ける名言4|怒りっぽい人へ

「避けられない運命には調子を合わせよう」

引用元:道は開ける P139

人間関係で怒りっぽい人の特徴は、コントロールできないことを無理してコントロールしようとするところです。無意識のうちに、些細なことにこだわったり、神経質になったりしてしまう。そういった出来事に対して、デール・カーネギーは「忘れてしまえ」といいます。

ようするに、コントロールできないのであれば、それに調子を合わせるか、忘れてしまうかだと。どうにもならないことを気にもむよりも、そのほうがずっと自分にやさしいですね。コントロールできないことに抵抗しようとせず自然体で向き合うのが大切です。

3-5.道は開ける名言5|人生に絶望している方へ

「他人に興味を持つことによって、自分自身を忘れよう。毎日誰かの顔に、喜びの微笑が浮かぶような善行を心がけよう」

引用元:道は開ける P252

自分の力でどうにもならないような出来事が起きると、場合によっては心に傷を負うことがあります。そして人生に絶望してしまうこともあるかもしれません。そんなときこそ、この名言を思い出してみてください。

傷ついた自分に対してではなく、大切な人や好きな人に対して意識を向けるようにしましょう。それが生きる意味になることがあるからです。

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4.書籍、文庫、CD……「道は開ける」の学び方はいろいろ

4.書籍、文庫、CD……「道は開ける」の学び方はいろいろ

『道は開ける』は、さまざまな媒体で販売されています。下記に簡単にまとめてみました。

道は開ける 文庫版

道は開ける 文庫版
D・カーネギー (著), 香山 晶 (翻訳)

1.文庫 500円~
古本屋さんだとかなり安く手に入ることもあります。
読書に慣れていて、本から知識を吸収するのが好きな人のはオススメです。
古いものになると文字が小さく、文章がやや堅いので読みづらいと感じる人もいます。

マンガで読み解く 道は開ける

マンガで読み解く 道は開ける
D・カーネギー (著), 歩川 友紀 (著), 青野 渚 (イラスト), たかうま 創 (イラスト), 永井 博華 (イラスト)

2.書籍 500円~
手軽にじっくりと学びたい、詳しく掘り下げて学びたい方はオススメです。
マンガ、電子書籍、図解版などがありますので、あなたの馴染みやすい形に合わせて学ぶことができます。

耳で聞くD・カーネギー道は開ける オーディオCD版

耳で聞くD・カーネギー道は開ける オーディオCD版
デール カーネギー (著)

3.CD 5000円~
耳から学びたい方には最適です。
通勤時間に音声テープで学ぶことができます。本を読むのが苦手な方にもオススメです。

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5.道は開けると合わせて知りたい! 考え方や本など

5.道は開けると合わせて知りたい! 考え方や本など

デール・カーネギーの著書でオススメなのは、やはり『人を動かす』です。その理由は『道は開ける』と共に学ぶことで、およそ世間一般に売られている自己啓発本のほとんどをカバーできるから。

『道は開ける』を読むと、性格も前向きになりますし、『人を動かす』を読めば、前向きになった性格で多くの人と深い信頼関係を築くことができます。人間関係に関する自己啓発は、だいたいこれでOKという状態になれるでしょう。

もう一冊をしいて挙げるとすれば、こちらです。

話し方入門 新装版

話し方入門 新装版
D. カーネギー (著), Dale Carnegie (著), 市野 安雄 (著)

こちらは、デール・カーネギーが話し方について論じた一冊。というのもデール・カーネギーはもともと話し方教室の先生で、こちらがキャリアのスタートでした。1912年に初講義が行われ、以来日本でも彼のトレーニングを教えるカリキュラムがあります。この本を読めば、人の心をつかむ話し方のポイントが学べます。オススメの一冊です。

6.おわりに

デール・カーネギーの本は50年以上経った今でも売れ続けるモンスター級の自己啓発本。現代、書店で売られている自己啓発本を読むと、デール・カーネギーが言っていることとほとんど同じで、言葉を変えただけのものが多くあります。

後世に影響を与え続ける不朽の名著ですので、ぜひ手にとって読んでみてください。あなたにもきっと道が開けることでしょう。

下記記事は今読んでいるこの記事の実質的な「続き」です。デール・カーネギーの正しい人物像とその魅力までをくわしく解説。デール・カーネギーのもう一つの著書である『人を動かす』についても簡単に紹介していますのでぜひ合わせてお読み下さい。

「デール・カーネギーって、名前はよく聞くけどいったいどんな人なの?」という声をときどき耳にします。自己啓発業界の歴史的権威だったり、鉄鋼業で大富豪になった偉人であったり、いろいろな認識がされていますよね。この記事では、カウンセラーの視点から『人を...
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