悩める人の相談相手になり、心の悩みを解決へ導くための手助けをする心理カウンセラーという職業。実際、この仕事はどのようなものなのでしょうか。仕事に就くために必要な条件があるのでしょうか。
「資格がいるの?」「どこで学べばいいの?」「働き口はあるの?」「収入は?」などなど、気になることがたくさんありますよね。
そこで、過去に、心理カウンセラーを目指す方の独立起業支援をした経験もある起業コンサルタントであるわたしが、カウンセラーという職業の実態や具体的に職業にするための方法、資格などについて、お届けします。
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ビジネス心理学とは?目次 〜心理カウンセラーになるには? 実態を徹底解説〜
- 5−1.心理カウンセラーの成功法|他の仕事と組み合わせる
- 5−2.心理カウンセラーの成功法|セミナービジネスにする
- 5−3.心理カウンセラーの成功法|専門分野に特化して独立
- 5−4.心理カウンセラーの成功法|集客について学ぶ
1.心理カウンセラーになるメリットとは?
カウンセラーになる。そのことで一体どんなメリットがあるのでしょうか。それは人によってさまざまでしょうが、純粋に仕事としてカウンセラーをやりたいという想いのある方のために、3つのメリットをご紹介します。
1−1.心理カウンセラーの利点|好きなことを仕事にできる
おそらく心理カウンセラーになりたいと一度でも思ったことのあるあなたは、
「人の話を聞くことが苦にならない。もっというと好き」
「心の病で苦しんでいる人や悩んでいる人の力になりたい」
「人間心理に興味がある」
「誰かの悩み相談に乗ることで、人を元気づけたり、癒したりできるって素晴らしいな」
というように、人の話を聞いたり、悩み相談を受けたり、人の心理に関して学んだりすることが好きなのではないでしょうか。
やりたいことを仕事にできるって素晴らしいことですよね。心理カウンセラーになることで、まさにあなたの好きなこと、やりたいことを生業にするということができます。
1−2.心理カウンセラーの利点|喜ばれて、感謝される
心理カウンセラーという職業は、直接人の悩みの相談に乗る仕事なので、クライアント(カウンセラーに対して、カウンセリングを受ける人をこのように呼びます)から本当に感謝をされます。
長年悩んでいたことやモヤモヤとした気持ちが晴れ、会社に行きたくないと「うつ」になっていた人が出勤するようになったり。自分の人生に思い悩んでいた人がいきいきと生きられるようになったり。カウンセラーがクライアントに対して、及ぼす影響は計りしれません。
心理カウンセラーと出会ったことで、
「あなたのおかげで人生が変わりました」
「生きる希望が見出だせました」
という人も数多くいます。このように、感謝の気持ちを直接受け取ることもできる職業が、心理カウンセラーなのです。
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ビジネス心理学とは?2.心理カウンセラーになるデメリットとは?
心理カウンセラーは、専門職で華やかな職業だというイメージを持つ人もいるかもしれません。しかしながら、実際には、人の悩みに真摯に向き合い、話を聞くので、心身ともにエネルギーを使う職業でもあります。心理カウンセラーの実態をもう少しみていきましょう。
2−1.資格を持っていても働き口がない
カウンセラーとしての資格を発行している民間のカウンセリングスクールはたくさんあります。ですが、実際に心理カウンセラーとしての働き口はそう多くはありません。
心理カウンセラーの中で高度な専門知識を有する資格である、臨床心理士でさえ、なかなか働き口がありません。晴れて就職をすることができたとしても、東京都などの供給過多の都道府県では、年度途中で勤務終了ということもあるようです。
2−2.心理カウンセラーの欠点|給料が低く、安定しない
どんな職業であれ、経済的に安定しているというのが理想ですよね。そして、経済的な安定を求めるのであれば、常勤の勤め先を探すことがひとつの道です。しかしながら、心理カウンセラーの場合、非常勤で雇われている場合が多いのです。
スクールカウンセラーとして学校に勤務するというのも非常勤の例です。時給は、約3,000~5,000円と高額の部類に入ると言えます。ただ、非常勤ですので、学校に通うのは週に数回。そのため、年収で考えればあまり大した金額にはなりません。
そのため、一カ所にとどまらず、いくつかの学校を掛け持ちで仕事をしているスクールカウンセラーも数少なくありません。身分が安定していないので、「本当にこの仕事をしていきたい」という想いがなければ、簡単には務まらない仕事なのです。
2−3.心理カウンセラーの欠点|精神的につらい仕事もある
カウンセリングを受ける人の悩みはさまざま。たとえば、「仕事の悩み」「職場の人間関係の悩み」「夫婦関係の悩み」「勉強の悩み」「友人関係の悩み」など人それぞれ異なります。
場合によっては、「生きるとはなにか?」といった、生死について真剣に考えていたり、「生きる価値がない」「生きることがつらい」「死にたい」というように自殺を考えるくらいに悩んでいたりということもあります。
あなたは、そのような深い悩みでも聞く覚悟がありますか? 人の悩み相談を受ける心理カウンセラーの仕事は、自分自身がしっかりしていないと精神的にものすごくつらいものになってしまう可能性もあるのです。
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ビジネス心理学とは?3.心理カウンセラーになる具体的なステップを大公開!
心理カウンセラーになった場合のメリット・デメリットを読んでも、「やっぱりなりたい!」というあなたのために、実際、どうすれば、心理カウンセラーとして仕事をすることができるのかを見ていきましょう。
3−1.心理カウンセラーとして組織に所属する場合
心理カウンセラーとして活躍していくための場所として、主に、病院や学校、民間企業の相談室などがあります。どんなルートでそのような仕事に就くことができるのかを簡単なステップにして解説をしていきますね。以下の4つのステップです。
ステップ1:心理学や必要な資格の勉強をする
ステップ2:資格を取得する
ステップ3:履歴書を送って採用してもらう
ステップ4:実際に心理カウンセラーになる
それでは、それぞれのステップを具体的に見ていきましょう!
- ステップ1:必要な心理学や資格の勉強をする
まず、組織に属して働く場合は、臨床心理士、産業カウンセラーなど、きちんとした資格が必須となることを憶えておいてくださいね。あなたが、どんな職場でカウンセラーとしての仕事をしたいのか。それによって、必要な資格や学歴は異なります。
ですから、心理カウンセラーとして仕事をしていく上で、どんな人たちの悩みを聞き、役に立ちたいのかをある程度、目星をつけておく必要があります。
どんな資格があり、具体的にどういった場で必要なのかについては、次章で例を挙げてくわしく触れていきますので、そちらを参考にしてください。
心理カウンセラーが希望する就職先によって、必要な資格は異なります。ですが、どこで働くにしてもきちんとした心理学の知識を学んでおくことはもちろん、できる限りの人の話を聞くという経験が大切だということを早いうちから意識しておくことをオススメします。
これは、普段の日常においてもできることです。人の話をしっかり聞く、目の前の相手がどういった気持ちなのかを感じるということを意識してみてください。これをするだけでも、意義ある時間の使い方になり、実際に心理カウンセラーとして仕事をする前に大きな財産となることでしょう。
- ステップ2:資格を取得する
先ほどお伝えしたように、どこかの組織で働く場合には、資格を取得していなければ、門前払いです。心理カウンセラーになりたいのであれば、しっかり勉強をして必要な資格を取りましょう。
- ステップ3:履歴書を送って採用してもらう
採用してもらわなければ、働くことはできません。あなたが就職したい職場には、どんな人が必要とされているのかを知り、履歴書を送りましょう。そして、自分がどんな活躍ができそうなのかをしっかり雇用主に伝えましょう。
- ステップ4:実際に心理カウンセラーになる
晴れて採用された場合、現場での仕事がスタートです。職場によって、カウンセリングをする相手は、子どもであったり、親御さんであったり、先生、会社員であったりとさまざまです。目の前の人の悩みに真摯に向き合い、あなたの持てる心理カウンセラーとしての力量を思う存分発揮していきましょう。
3−2.心理カウンセラーとして独立起業をする場合
組織に属して雇用され、給与をいただきながら仕事をするという方法とはべつに、心理カウンセラーとして独立開業をするという道もあります。その場合は、全く異なるステップを踏むことになるので、ご紹介していきますね。
ステップ1:心理カウンセラーを名乗る
ステップ2:カウンセリング内容と料金を決める
ステップ3:カウンセリングを受けたい人を探す
ステップ4:カウンセリングをする
以上のステップをくわしく見ていきましょう!
- ステップ1:心理カウンセラーを名乗る
個人で心理カウンセリングを行うのに、必須の認定資格というのはありません。また、最終学歴が大学卒業でも、高校卒業でも関係ありません。「わたしは心理カウンセラーです」と名乗ってしまえば、誰でもなることができるというのが実態です。
実際に、独立起業の支援をしているコンサルタントであるわたしは、職業柄、多くの心理カウンセラーに会うことがあるのですが、学歴は本当にさまざまです。
大学院まで出た人もいますし、高卒の人もいます。心理カウンセラーとして独立起業し活動していくのであれば、学歴以上に、あなたにお願いしたいと思ってもらえる要素が必要となってきます。
心理学に関する知識はもちろんのこと、人の役に立ちたいという想い、クライアントに寄り添える優しさや粘り強さ、心理カウンセラー自身の人生経験が求められるのではないでしょうか。
- ステップ2:カウンセリング内容と料金を決める
雇用される場合、就職先によって、職場の悩みや学校の悩みなど、カウンセリングの内容(テーマ)がある程度決まっています。しかし、自分自身で起業する場合、テーマは決まっていません。恋愛の悩み、家族関係、職場の悩み、将来についてなど、多岐にわたります。
カウンセリングのテーマを絞ることは必須ではありませんが、カウンセラーとして独立起業した最初の頃は、自分の得意なジャンルに絞ったほうが、カウンセリングの依頼を受けやすい傾向にあります。
また、カウンセリングを行なう際の料金も決まっていません。どれくらいの時間でいくらにするのか。どういった場所や形態で行なうのかなどを自分で決め、提示することが必要です。
- ステップ3:カウンセリングを受けたい人を探す
カウンセリング料金を決めて、「心理カウンセラーです」と名乗ったところで、お客さんは来ません。そうです。カウンセリングを受けたいという人を自分自身で探さなければいけないのです。
そのため、「あなた自身が何者であるのか」「どんな想いでカウンセリングをやっているのか」「一体どういったカウンセラーなのか」「どんな経験をしてきたのか」「どんな人の悩みを解決できるのか」といったことを発信し、伝えていくことが求められます。
あなたは、どんな人のために心理カウンセラーとして役に立つことができそうですか?
- ステップ4:カウンセリングをする
あなたにカウンセリングをお願いしたい! そう考える人が現れたなら、実際にカウンセリングをすることになります。「あなただから」と依頼をしてきてくれたクライアントなのですから、プロとしてしっかり悩みに向き合いましょう。
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ビジネス心理学とは?4.心理カウンセラーの主な資格とは?
カウンセラーとして活動していくために必要な資格とは、どんなものがあるのでしょうか。ここでは、心理カウンセラーの資格のうち、代表的な3つの資格である「臨床心理士」「産業カウンセラー」「精神保健福祉士」の3つを簡単にご紹介しますね。
4−1.心理カウンセラーの資格|臨床心理士
臨床心理士とは、文部科学省が認定している財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定している資格を取得した人のことを言います。
臨床心理士の資格は、心理カウンセラーの中でも難易度は高いですが、資格を取得しておくと、医療機関や行政機関などで、活躍できる可能性があります。
具体的な就職先としては、児童相談所・女性相談センター・身体障害者センター、家庭裁判所の調査官、少年鑑別所、少年院、警察の相談室などが挙げられます。
ちなみに、もし公立高校などでスクールカウンセラーを目指すのであれば、臨床心理士の資格取得が必要です。
4−2.心理カウンセラーの資格|産業カウンセラー
産業カウンセラーとは、社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格を取得した人のことです。
この資格は、民間企業の相談室で働く人を対象にしたもので、具体的には企業の社員向けのカウンセリングや、キャリア相談について学び、職場で起きた問題の解決に取り組みます。職場復帰の手伝いなども行います。
産業カウンセラーの実態を知りたいなら、こちらの記事を読めば資格取得や取得後の年収などあなたの知りたいことが簡単にわかります。産業カウンセラーに興味があるならこの記事は必ず読んでください。
4−3.心理カウンセラーの資格|精神保健福祉士
精神保健福祉士は、福祉施設で精神障害を持つ人の自立や社会参加をサポートするための国家資格です。
精神科病院やその他の医療施設において、精神障害の治療を受けていたり、精神障害者であったりする方たちが社会復帰をし、スムーズに生活を営めるようにする仕事です。相談に応じてのアドバイス、社会参加支援の手助けや周囲との調整などを行います。
地域の精神障害者向け作業所において、相談に乗ったり、作業の指導を行なったり、訓練や支援をしたりする仕事もあります。
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ビジネス心理学とは?5.心理カウンセラーの成功例
心理カウンセラーを生業にしていくには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。以下にその一例をご紹介します。
5−1.心理カウンセラーの成功法|他の仕事と組み合わせる
先ほどのデメリットの項目でも触れたように、カウンセラーは、収入が不安定です。実は、現状ではカウンセラー単独で生計を立てている人はごくわずか。多くの場合、他の職業と兼任しています。
たとえば、もともと教師や保健師、精神科医として仕事をしていたという人が、心理カウンセラーの資格を取得して現状の仕事に加え、心理学の知識を活用しているという具合です。
5−2.心理カウンセラーの成功法|セミナービジネスにする
カウンセラーとして悩み相談に乗るのではなく、学んだ心理学や専門的な知識を活かして、悩んでいる人たちへのセミナーを開催するというのも、ひとつの方法です。
これまでに相談に乗ってきた中で共通している悩みを取り上げて、プロの視点から見た解決法を伝えたり、一対一ではなく、公開カウンセリングを行ったりするセミナーを開催することもできます。
5−3.心理カウンセラーの成功法|専門分野に特化して独立
カウンセリングを受ける人の悩みは、「仕事の悩み」「職場の人間関係の悩み」「夫婦関係の悩み」「勉強の悩み」「友人関係の悩み」など多岐にわたっています。それだけ多くの人が悩んでいるということは、悩みの数だけカウンセラーとして活躍できる場があると捉えることもできます。
働き口も少なく、たとえ就職できたとしても、非常勤であれば給与が安定しないこともあるという話は先ほど挙げたとおりです。しかし、過去の職業や自分自身の経験を活かして、「専門分野に特化して、カウンセラーとして独立起業する」という道もあるのです。
わたしの友人でも、このような専門分野に特化した心理カウンセラーがいます。彼は、元ひきこもりで不登校だった経験があり、親との関係でも悩んでいたそうです。その過程で心理カウンセリングを受けて、あらゆることが解決していったという過去をもっています。
彼は、過去の自分自身の経験を活かして、引きこもりや不登校で悩むお子さんや親御さん専門のカウンセラーとして独立起業をして、現在は月収100万円を超えています。過去に何千人もの相談に乗ってきて、本当に多くの人から感謝されています。
5−4.心理カウンセラーの成功法|集客について学ぶ
カウンセラーとして独立起業をする場合には、自分でクライアントを見つける必要があります。
待っているだけでは誰もあなたのもとへ悩みを相談しにくることはありません。「自分はどんなことの相談に乗ることができるのか」「どんな悩みを抱える人に対して、力になれるのか」など、カウンセラーとしての自分を世の中の人に知ってもらわなければなりません。
そのために、集客について学ぶことが必要でしょう。
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ビジネス心理学とは?6.心理カウンセラーになるには行動あるのみ!
いかがでしたか? 心理カウンセラーという職業に関して、以前よりも具体的なイメージが湧いてきましたか? 一口に心理カウンセラーといっても、どのような形態でその仕事をしていくのかによって、収入や環境、必要な知識や資格、ルートなど、まったく異なります。
心理カウンセラーになりたいのであれば、心理学に関する知識を深めることはもちろんですが、自分はどんな形態でのカウンセラーを目指すのかを決めて、具体的な行動を起こしていくことが必要ですね。
あなたが目指す方向へ進んでいかれることを応援しています!
以下の記事は現実の心理カウンセラーの実態について詳しく書いています。心理カウンセラーを目指そうかな…と考えている方は必読の記事なのでぜひお読み下さい。
また、心理カウンセラー以外にも様々な種類のカウンセラーが存在します。カウンセラー職に向く人、向かない人や、カウンセラーになるために必要なこと、年収などを知りたい場合は以下の記事をお読み下さい。
成功する起業家と失敗する起業家の違いについて、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。