心理カウンセラーの種類・資格・収入・求人の実態を教えます

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わたしが心理職を目指した頃……それは、もう10年以上も前のことです。民間のカウンセラー資格は今現在のように多くなく、臨床心理士と産業カウンセラーの知名度もほとんどありませんでした。

そんな頃に、わたしは産業カウンセラー資格を取得したのですが、資格取得しても就職先などみつかるわけがなく、しかたなく心理学の勉強だけは、ほそぼそと続けていました。

今はもうそんな時代ではありません。心理カウンセラー資格を取った人があふれている時代です。ここ2年ほど、主に主婦層の就職支援のキャリアコンサルタントをしていましたが、10人にひとりくらいは、なんらかの心理職の資格を持っているような状態でした。また、一人で複数の心理カウンセラー資格を持っているものの、まったく活かせていない方もいらっしゃいました。

もしかして、あなたも、テレビで活躍する心理カウンセラーにあこがれて、心理カウンセラーになってみようかな?などと思っているのかもしれません。しかし、現実の心理カウンセラーの実態について知ったあと、それでもやろう!と強く思えるでしょうか。

まずは、この記事を一読してから、目指しても遅くはありません。本気で心理カウンセラーを目指す人が増えることをわたしは望んでいますから、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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目次 〜心理カウンセラーの種類・資格・収入・求人の実態〜

1.心理カウンセラーをなめるな!

2.それでも、心理カウンセラーになりたい人へ

3.本気の心理カウンセラーが稼げる世の中に!

1.心理カウンセラーをなめるな!

1.心理カウンセラーをなめるな!

しょっぱなから、カウンターパンチを食らわすようですが、この資格を取得すれば、カンタンに心理カウンセラーになれる、とうたうようなサイトが多すぎます! そんな資格商法にだまされて、たくさんの資格を取得したものの、どれも活かせていない人に何人も出会ったわたしは、かなり怒っています。

1-1.テレビの心理カウンセラーはタレントです

最近、テレビで心理カウンセラーが人気のようですね。本屋さんにも、たくさん著書が並んでいます。テレビの心理カウンセラーが行うトークセッションやパフォーマンスを見て興味を持ち、心理カウンセラーを目指そうとする。

その気持ちは決して悪いものではありませんが、はっきりと申し上げておきますね。テレビに出ている心理カウンセラーはタレント・カウンセラーです。実際のカウンセリングの場面では、テレビのようにクライアントが感動して涙を流したりするようなことは、めったにありませんし、まずカウンセラーがベラベラとしゃべったりもしません。

※クライアント:カウンセリング用語で「カウンセリングを受ける人」を指す

実際のカウンセリングの場では、クライアントが黙りこんでしまうこともありますし、カウンセラーもクライアントが口を開いてくれるまで辛抱強く待つこともあります。心理カウンセラーは、その名の通り、人の心を扱う仕事です。テレビのカウンセリングの場面は、テレビ用に見栄えよくしていることを知ってください。

はっきりいって、実際のカウンセリングは非常に地味であり、根気強くないと続けることができません。また援助職ですから、相手のためになりたいという気持ちも必要ですし、勉強を続けていく向上心も必要です。

1-2.資格なし、独学OK! 心理カウンセラーは今すぐなれます

冒頭にも書きましたが、資格取得をすれば、将来安泰!といった感じで、今は資格取得がブームになっている反面、取得しても「持ち腐れ」にしている人はたくさんいます。わたしの知り合いの心理カウンセラーは、一切資格を習得していません。けれども、クライアントの悩みを解決するスキルがあり、集客もできるので、心理カウンセラーとして独立して生計を立てています。

なので、あなたも、心理カウンセラーに今すぐなろうと思えばなれるんですよ。名刺の肩書に「心理カウンセラー」とつければ、すでにカウンセラーです。経験も必要ありません。どうして、そんなことができるのかというと、日本において心理カウンセラーの資格は国家資格ではなく、民間資格だからです。

弁護士や医師は、無資格の場合、逮捕されてしまいますが、これは国家資格だからなのです。海外には、心理カウンセラーの資格が国家資格で、医師と同じくらいのステータスがある国もあります。

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1-3.少ない求人・収入|稼げる心理カウンセラーは一握り

わたしは職業柄、ハローワークの求人をよく閲覧するのですが、心理カウンセラーの求人は昔と比べて数は増えているものの、その報酬額は驚くほど低く、愕然としてしまいます。まずフルタイムの求人はほとんどなく、単発でパートタイム、だいたいが半年未満の期間採用です。なので、時給制となりますし、ボーナスなども期待できず収入が安定しません。

わたしが聞いた話では、こういったパートタイムの心理カウンセラー職を2つ3つ掛け持ちして稼いでいる方もいるとか。涙ぐましい話ですよね。

パートでしか働けないとなると、社会的な地位も低いままとなってしまいます。嘆かわしいのですが、これが日本の心理カウンセラーの実態で、わたしの知り合いのように、稼げている心理カウンセラーは、ほんの一握りです。

1-4.適職かどうかよりも、本気度が試されます

ここまで、読んでみていかがでしたか? あなたの持っていた心理カウンセラーのイメージをガラガラと崩してしまったかもしれませんね。しかし、これがまぎれもない事実なのです。「今は心の時代」などと言われはじめて、だいぶ経ちましたが、あいかわらず、日本のメンタルヘルス業界の実態はあまり変わっていないのです。

わたしには、心理カウンセラーになれるのかしら?と疑問に思っているとか、資格を取得すれば心理カウンセラーになるのはカンタン、などと思っているとしたら、甘いです。どんな職業もそうだと思いますが、この仕事で食っていく!と決めることが大切で、心理カウンセラーが自分の適職かどうか自分自身でわからないようであれば、進む道ではないと思います。また、何度も書きますが、資格取得は心理カウンセラーになるのに必要な条件ではありません。

本気で心理カウンセラーをやりたい!と思えるなら、次章に進んでください。具体的にどうすればいいのかをご紹介していきます。

2.それでも、心理カウンセラーになりたい人へ

2.それでも、心理カウンセラーになりたい人へ

ここからは、心理カウンセラーになることを本気で考えている方向けに書いていきます。実のところ、わたしも産業カウンセラーの資格を取得した後に、なにか他の資格も取得したほうがいいのではないかと考えて、スクールに通ったり、セミナーに出たりしていた頃がありました。

そんな遠回りをしてわかったことは、そういった資格取得のスクールなどでは、絶対に教えてくれない、大切なスキルがあるということ。それを知らないままでは結局、心理カウンセラーとして、生計を立てていくことは非常に困難になってしまうのです。それを、最後に紹介したいと思います。

2-1.臨床心理士を目指す|資格取得より大学院入学が得策

今、ネットで検索すれば、取得までかかる期間は、ほんの3日間程度、料金も数千円から数万円というお手軽な感じの心理職の資格がたくさんヒットします。ですが、はっきりいわせていただくと、ほとんどが使えない資格といっても過言ではありません。

残念ながら、こういったインスタントな資格は、資格を発行している会社や団体がもうかるしくみになっているだけで、資格自体の知名度がない場合は、就職の際にも、まったく評価されません。また、カウンセリングの実習なども不十分だったり、心理学の基礎知識なども、ほとんど身につきません。

後述しますが、わたしが取得した産業カウンセラー資格の場合、約1年かけて心理学の基礎を学びつつ、みっちりと実践を兼ね備えたカウンセリング実習も行いました。そして資格取得後も、研鑽のための研修が頻繁に行われ、わたしも数多くの心理学を学びました。

現在、日本国内における心理職の資格でいちばん難易度が高く、権威も知名度もあり、就職にも有利な資格といえるのが、臨床心理士資格です。ざっくりとした説明になりますが、指定の心理学系大学院修士課程を卒業後、資格審査に合格後に取得できる資格で、資格取得後も5年ごとに、資格更新審査が行われるので、資格取得後なにもしていない(実務経験を積んでいない)と、資格は取り消されてしまう場合もあります。

どうですか? かなり厳しいなと思いませんでしたか。しかし、これが日本の心理職の最高峰資格なのですから、当たり前と言えば、当たり前です。ですから、本格的に心理カウンセラーを目指すのであれば、安易な資格取得を考えるのではなく、まず大学院に入るための勉強をはじめてください。

参考サイト:
公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会
一般社団法人 日本臨床心理士会

参考図書:

新・臨床心理士になるために[平成27年版]

新・臨床心理士になるために[平成27年版]
日本臨床心理士資格認定協会 (監修)

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2-2.産業カウンセラー、学校心理士、精神保健福祉士 など

下のリンクは、Wikipediaにまとめられた日本国内の心理学に関する資格一覧です。クリックしてざっと目を通してみてから、戻ってきてください。

リンク:日本の心理学に関する資格一覧 

どうでしたか。資格の数のあまりの多さにめまいがしたのは、わたしだけではないでしょう(笑)。これをベースに話をすすめると、就職などの際に、履歴書の資格欄に書いて認識してもらえる資格は、さきほどの臨床心理士を筆頭に、産業カウンセラー、学校心理士、認定心理士くらいです。

精神保健福祉士はWikipediaの表には入っていませんでしたね。実はこの資格は福祉系の国家資格であり、心理カウンセラーとしての資格ではなく、精神科ソーシャルワーカーとして、福祉関連のお仕事をするための資格となります。

これだけ資格があると、どれを選べばいいのか混乱しますよね。わたしの場合は、大学時代の心理学科の恩師に相談しました。実は臨床心理士か、産業カウンセラーかの選択で迷ったのです。

臨床心理士になるには、大学院入学が必須で、資格取得までかなりの年数を必要としますが、産業カウンセラーは、1年間の研鑽で資格取得の試験を受けることができます。このあたりは、ひとりひとりの人生に対する考え方などで選択は変わってきますから、よく調べてから選択しましょう。わたしのように、身近に心理職の先生や先輩がいれば、相談してみるのもいいと思います。

以下の記事は、そういった心理職を目指す方に対して、わかりやすく解説をしています。特に、年収については、他のサイトにはない、現実的な数字がしっかり出してありますから、本気で心理カウンセラーを目指すのなら、全部読んでくださいね。

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何度も書いたので、耳が痛いかもしれませんが、繰り返します。資格取得でお金を儲けたいと考えているサイトでは、「心理カウンセラーは稼げる」とうたっていますが、それは資格取得しただけでは無理なのです。では、稼げる心理カウンセラーになるには、なにが必要なのでしょうか?

2-3.カウンセリングの技術を上げるより大切なスキルがある

ふつうに考えると、それは「カウンセリングの技術力を上げればいいのでは?」と思ってしまいますよね? 確かに心理学や心理療法の知識はもちろん、カウンセリング技法も高い技術力があったほうがいいでしょう。

しかし、どんなに実務経験を積んでも、高度なカウンセリング技法も身につけても、雇われの身でパートタイムのカウセリング業務を2、3掛け持ちしている状態からぬけ出すのは大変です。心理カウンセラーとしてまっとうに稼ぎたいと考えているのなら、実は以下のスキルが絶対に必要なのです。

  • 集客
  • セールス
  • マーケティング

えっ? なぜ? と思ったかもしれません。1章で、稼げる心理カウンセラーの話をしましたが、独立して稼いでいる別の心理カウンセラーの実態をお話すると、とにかく、クライアントを集めるのに苦労しているのです。

クライアントが集められなければ、稼げないのは当たり前ですよね。そして、クライアントを集めるためには、セールスやマーケティングの知識がないと、あなたのカウンセリングの技術を必要としている人に、あなたの存在を見つけてもらうことができないのです。

この記事に巡り会えたあなたは、ラッキーです! こんなことを教えてくれるサイトは他にはありませんよ。
本気で心理カウンセラーへの道を歩み始めたあなたは、カウンセリングの勉強をしながら、このブログ内の記事を読み、集客や、セールス・マーケティングの知識をしっかりと身につけてください。

心理カウンセラーとして、独立も視野に入れている方には以下の記事をオススメします。

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3.本気の心理カウンセラーが稼げる世の中に!

日本の心理療法家で文化庁長官も努められた故・河合隼雄先生は、1988年に日本臨床心理士資格認定協会を設立し、臨床心理士の資格整備にも貢献されました。河合先生は、日本における心理療法家の地位が欧米にくらべて低いことや、年収なども安定していないこと、資格の整備が不十分なことを嘆いて、臨床心理士資格を国家資格にしたいとの意志をお持ちだったと聞いたことがあります。残念ながら、日本ではいまだ、心理職の国家資格はありません。

だからといって、心理カウンセラーの地位がこのままでいいとはわたしも思っていません。しっかりと稼げる心理カウンセラーが日本に増えてくれることを願っています。

ここまで読んでくださったあなたは、きっと本気なのだと思います。ぜひ、記事を何度も読み返し、関連する記事も読んで、心理カウンセラーとしての一歩を踏み出してください。

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