“セラピスト”とひとことで言っても、世の中にはたくさんの種類があります。あなたはアロママッサージやエステにいくことはありますか? 彼女たちもアロマセラピストとか、エステセラピストと呼ばれるセラピストです。
しかしながら、この記事で紹介するのは、わたしたちの”心”をあつかう心理セラピストについて。心理セラピストと聞くと、「心理セラピストってなに?」「催眠とかやる怪しい人じゃないの?」という疑問をもつ場合もあるかもしれません。
そこで、心理セラピストとしての活動もしているわたしが、「心理セラピストとはなんなのか?」あなたの素朴な疑問に、わかりやすく、くわしくお答えしてまいりましょう。
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ビジネス心理学とは?目次 〜男性セラピストが心理セラピストについて解説〜
1.心理セラピストとは?
広い意味では、なんらかの治療や療法を行う人のことを指します。また、せまい意味では、ここで紹介する「心理セラピスト」のことを、セラピストと略して呼ぶ場合が多いでしょう。
もともとは精神科医が患者に対しておこなう、心理療法のことをサイコセラピーとよんでいました。ところが、時代が進むにつれ、精神科医にかぎらずサイコセラピーを行う人が増えてきました。一般的には、医者の免許を持たないが、サイコセラピーを行いクライアントの心の問題を改善する技術を持った人のことを、心理セラピストと呼びます。
似たような職業に、心理カウンセラーがあります。心理セラピストは、クライアントの具体的な症状に対して、能動的な改善にとりくみます。一方、心理カウンセラーはクライアントの不安や悩みについて、傾聴などの技術をもちいて相談にのる、という違いがあるのです。
2.あなたは心理セラピストに向いている?
この章では、もし仮にあなたが心理セラピストに興味を持っていたとしたら、果たして向いているのかどうか……? 判断のポイントを示してみましょう。
2-1.心理セラピストに向いている人とは?
まず「探究心を持っている人」ではないでしょうか。一般的には心理セラピストに向いている人は、人が好きだったり、めんどうみがよかったり、人の世話をすることが好きな人、というイメージが強いと思います。しかしながらわたしの経験上、本当に向いている人というのは、あくなき探究心を持っている人です。
探究心の強い人の情熱が”人の心”に向いた時、コンピューターのような精密さで高度な心理分析の技法を確立していった事例を、わたしは知っています。単に、「人が好き」とか、「めんどうみがよい」性格だ、という程度では、大量に人の心の深い部分を見ていく作業はなかなか続けることはできないと思いますよ。
2-2.心理セラピストに向いてない人とは?
大雑把な性格の人。心理セラピストは、人の細かい心をみることが多いです。ですので、大雑把な性格だと、細かい心の動きや思考の変化をみつけることがムズカシイでしょう。
一般的には、男性よりも女性のほうが繊細な細かい心を見ることが得意です。そういうわけで、心理セラピストは圧倒的に女性が多いというわけですね。思い当たるフシはありませんか? 男性と女性を比べると、男性の方が大雑把な人が多いですよね(笑)。
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ビジネス心理学とは?3.プロの心理セラピストが本音を暴露!
心理セラピストに興味を持ったなら、あなたにとってプロとして活動している方は、あこがれの対象に見えるでしょう。しかしながら、ものごとには必ず「ウラ側」があるもの。輝かしい活躍の影には、想像を絶する苦労をともなうこともありますよね。
この章では、実際にプロのセラピストとして活動した経験のあるわたしが、心理セラピストとしてはたらく喜びと、「ウラ側」にあたる苦悩について本音をお伝えいたします。
3-1.心理セラピストの喜びとは?
セラピーを受けるお客さんが自立して、よりその人らしい人生を歩んでくれること。これにつきます。儲けることだけを考えれば、お客さんを依存させて、何回も、何年間もセラピーに通ってくれたほうが良いのです。とはいえ、それでは、長い目で見れば自分のためにもお客さんのためにもなりません。
心理セラピストの中には、「お客さんには長い間リピートしてもらうのが当たり前」という考えを持っている人もいます。しかしながら、セラピストとして充実した活動を長く続けたいと考えるのであれば、しっかりした技術を身につけて、お客さんの本当の幸せに貢献する意識を持ちましょう。
セラピストとして本当に充実する瞬間は、「自分のセラピーが、目の前のお客さんに必要がなくなった時」なのです。
3-2.心理セラピストの苦悩とは?
前述の内容と重なるのですが、依存が強いお客さんへの対応は一苦労です。わたしたちは多かれ少なかれ「何かに依存したい」という気持ちはあるもの。ところが、お客さんの依存心があまりに大きすぎると、そもそもお客さんが「問題を解決したくない」という場合もあります。
セラピーを行っていく中で、改善することはよくあることですが、中には依存することのメリットから抜けだせずに、なかなか良くならない人もいるのです。ポイントは、いかにお客さん自身の自力で未来を良くしようと思ってもらえるか、ですね。
とはいえ、解決が早いとリピートが少なくなるので、ビジネスとして成り立たせるのがより難しくなることがあります(笑)。“痛し痒し”の悩みと言えるかもしれません。
4.セラピストになるには|資格は本当に必要なのか?
ビジネスの視点で考えると、初期費用もかからず、ある程度の技術さえ身につければはじめることができるので、「心理セラピストになりたい!」と考える方も少なくありません。
心理セラピストの国家資格はなく、すべての資格は民間の団体が発行しているものになります。多くの場合、民間資格は指定の講座を受講すればとることができます。さらに、真実をお伝えするなら、資格をまったくもっていなくても、技術だけ身につけて心理セラピストを名乗って活動している方もいるのが事実です。
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ビジネス心理学とは?5.森林・絵本・育児セラピストの真実|業界の裏を暴く!
セラピーとは、手術や薬を使わずに治療する心理療法。つまり、手術や薬を使わなければ、無限にセラピーの手段があるということです。そういうわけで、巷には「●●セラピー」と冠をつけた独自のセラピーを提唱する人が増えました。
この章ではこういったセラピスト業界の真実に迫ってみましょう。
5-1.言ったもん勝ちなセラピスト業界
たとえば、森林セラピスト。森林浴によるリラックス効果で、わたしたちの心を癒やしてくれる森林セラピーを効果的に指導するセラピストが、森林セラピストです。
その他にも、絵本をつかって感情と表現を一致させるお手伝いをする絵本セラピスト、子育てのサポートを専門とする育児セラピストなどがあります。
要は、誰かの心のサポートをするサービスであれば「●●セラピスト」と冠をつけて名乗ることで、誰でもセラピストとして活動できてしまうということですね。
どのセラピーについても、効果があるかどうかについてはなんの確証もありません。雰囲気の良さに惑わされて、資格を取ったりしないようにくれぐれもご注意ください。
5-2.イメージが良くても稼げるセラピストはごくわずか
心理セラピストは、ほとんど初期費用がかからずにはじめられて、困っている人を助けられるということで、特に女性に人気がある職業です。しかしながら、実際に心理セラピストとして生計を立てられているのは一握りの人だけ。
いざビジネスとなると、セラピーの質以外にも集客の問題が出てきます。お客さまを集められないセラピストは、セラピーの経験も積めず、収入も低く安定しないので長く続けられない人が多いというのが業界の実情なのです。
5-3.イメージに惑わされない、真のセラピストを目指そう
心理セラピストに限りませんが、モノゴトをうまくいかせるコツは、「ウラ側をみる」ということ。モノゴトにはすべて表と裏があります。建前と本音、光と影、陰と陽があるのです。
おすすめは、すでに心理セラピストとして活動している人にインタビューをすること。そして、なるべく仕事をする中で苦労することや、困った経験などを聞き出しましょう。その上でなお、「やりたい!」と思うのであれば、しっかりと対策を立てて夢にむかってください。
稼げるセラピストを目指すなら、こちらの記事を読んでおくといいでしょう。心理カウンセラーを目指す人に向けた記事ではありますが、セラピストであっても、実践することはほぼ同じです。特に4章は必読です。
こちらの記事は5章が必読です。
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ビジネス心理学とは?6.希少な男性セラピストだから言えること
心理セラピストは、圧倒的に女性の割合が多い職業です。男性セラピストは少数派。この章では男性目線から見た、心理セラピストについて語ってみたいと思います。
6-1.男性だからこそのセラピーとは? その特徴
女性に比べて論理的な解決策を提案できる、ということは男性の強みかもしれません。女性のお客さんは共感や同情など感覚的な対応を求める人が多いですが、男性のお客さんは論理的に納得できる解決を求める人が多いです。ですので、男性のお客さんには男性セラピストとの相性がよい場合もあります。
もちろん、男性でも共感が得意だったり、女性でも論理的な解決ができるセラピストもいます。お客さんのタイプもさまざまですので、上記はあくまでもわたしの見解です。
6-2.女性でしかできないセラピーもある
性的な問題をあつかう場合、お客さんの中には女性セラピストを希望する方も多いです。もちろん、お客さんが気にならないのであれば、性的な内容であっても男性セラピストがあつかう場合もあります。
あとは、お客さんが男性への激しい嫌悪感をかかえている場合は、女性セラピストが担当することが多いです。男性への嫌悪感をかかえている女性は多くの場合、父親との関係を、ほかの男性との関係にすりかえていることが多いと感じています。
7.セラピストとして活躍するために学ぶべきこと
ここまで読んできて、「心理セラピストとして仕事をしてみたい!」と感じているあなたにアドバイス。前述のとおり、心理セラピストとして仕事を続けるためには、セラピーの他に、人を集めたり、サービスを作ったり、ビジネスとして成り立たせる技術も学ばなければいけません。
とはいえ、「いきなりビジネスを学べといわれても、なにをどうすればいいのかわからない」と思うかもしれませんね。ですので、まずは以下のような記事を参考にビジネスの基本についておさえましょう。
基本をマスターしておくことが、長い期間活躍するセラピストになるための第一歩ですよ。
まずは手始めに、週末を利用して活動することを考えているあなたには、次の記事がオススメ。週末起業で失敗しがちなポイントから、心理セラピスト以外の週末起業の事例まで、くわしく書かれています。
次に、以下の記事がオススメです。実際に心理セラピストとして仕事をはじめる前に読んでおくと良いでしょう。起業するための心得から準備、手続きまで、起業までの流れの中でおちいりがちな失敗を、未然に防ぐためのコツを伝授してくれています。