ポジティブ心理学超入門|学び方、本、セミナー、コーチング
ポジティブ心理学超入門|学び方、本、セミナー、コーチング
ポジティブ心理学とは、人生をよりよく生きるために、科学的に研究している心理学のことです。とは言っても、これでは、ばく然としていて、よくわかりませんよね。
だから、あなたは、テレビや雑誌、本などで目にした「ポジティブ心理学」という言葉を、調べているのかもしれません。
そして、そんなあなたは、ポジティブ心理学が、自分のためになるのか、なにか得られるものはあるのか、自分の人生が変わるのか、そういったことが気になっているのかもしれませんね。
この記事では、メンタルコーチとして、お客さまの悩みの解消や課題の克服に、ポジティブ心理学を活用しているわたしが、ポジティブ心理学について説明します。
あなたにもポジティブ心理学を活用して、人生を豊かにしていただきたいので、日常生活に生かせる事例も紹介します。ぜひ楽しんで読みすすめてくださいね。
目次 ~ポジティブ心理学で人生を豊かに|学び方、本など~
1.ポジティブ心理学とは?
2.ポジティブシンキングとはどうちがうのか?
3.ポジティブ心理学を生活に生かす方法|事例3つ
4.ポジティブ心理学を学ぶ
5.人生をよりよくしたい人向けの心理学
1.ポジティブ心理学とは?
ポジティブ心理学の研究者たちは、わたしたちが、幸せや生きがいを感じる人生を実現するために、心理学的に研究し、さまざまなこころみをしています。
1-1.ポジティブ心理学の歴史
ポジティブ心理学は、1998年、アメリカ心理学会の会長で、ペンシルベニア大学の教授であった、マーティン・セリグマン博士によって立ち上げられました。
その後、セリグマン博士とともに立ち上げにかかわった、第一線で活躍する心理学者たちによって、研究が進められてきました。
現在では、世界中で研究が進められていて、たとえば、自信、モチベーション、目標達成、幸福、物事に夢中になること(フロー体験)、困難に打ち勝つ力(レジリエンス)などのテーマをあつかっています。
このサイトを読まれているあなたには、興味のある分野かもしれませんね。
そして、個人はもちろん、組織やビジネス、教育など、さまざまな分野で応用されています。
1-2.ポジティブ心理学の主な考え方
「どうすれば、もっとしあわせで、生きがいを感じられる人生を送ることができるのか?」
ポジティブ心理学は、その疑問に答えるべく、研究が進められています。
それまでの心理学は、どちらかというと、ネガティブな側面や、こころに深い悩みを抱えたひとをなおすことに重点を置いていました。
もちろん、ポジティブ心理学でも、そうした研究もしています。
しかし、ポジティブ心理学では、ポジティブで健康的な側面や、日常の生活をより充実したものにすることに重点を置いているのです。
引用元:プレジデント『世界が沸騰!年収が増える「ポジティブ心理学入門」』
2.ポジティブシンキングとはどうちがうのか?
ポジティブシンキングは、ポジティブ心理学と同じ「ポジティブ」という言葉を使っています。そのため、一見すると同じもののように思えますよね。
けれども、2つのものはちがうものと、とらえた方がいいでしょう。
以下の表に、ポジティブ心理学とポジティブシンキングのちがいをカンタンにまとめました。
ポジティブシンキング |
ポジティブ心理学 |
- ポジティブを優先して、ネガティブを否定
- 個人の価値観、経験に基づく
- 多くのひとに効果があるとはかぎらない
|
- ポジティブはもちろん、ネガティブも考える
- 科学的、統計的データに基づく
- より多くのひとに効果がある
|
たとえば、自分を評価する場合、ポジティブシンキングを採用すると、自分を過大評価してしまい、本来の目的を実現することがムズカシクなってしまいます。
自己評価については、以下の記事にくわしくまとめました。人事考課など気になる方は多いでしょう。自然体の自分で自己評価を高めていく方法について、ここまでくわしく書かれている記事はないと思いますので、ぜひ読んでください。
また、明るい未来だけをイメージしてもて、目の前に起こりうるの障害について考えたり、具体的な計画を立てたりしないままだと、望む未来を実現しにくいこともわかってきました。
こちらの記事では、望む未来を実現する新しい手法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
3.ポジティブ心理学を生活に生かす方法|事例3つ
学んだことは、実践するからこそ、人生が変わるのであり、意味があるものです。
具体的に実践した例があれば、やってみたいなと思う気持ちが高まりそうですよね。
そこで、ここでは、わたしのお客さまが、ポジティブ心理学をどのように活用して、人生を豊かにしていったのかを紹介していきます。
3-1.事例1|感謝のことばを伝えて、夫婦仲が改善
結婚をしているAさんは、夫に対して、つらいときに話を聞いてくれない、手伝ってくれない、だらしない、カッコよくない…など、イライラや不満でいっぱいでした。
そこで、「感謝の気持ちを表すと、しあわせと感じる度合いが増える」という考え方を、ためしてみることにしました。
具体的には、日常の生活で、どんな小さなことでも、夫になにかしてもらったら「ありがとう」と伝えるようにしました。
はじめは、「感謝することなんてありません」と、気が進まない様子でした。そして、夫になにかしてもらっても、当たり前のことと思っていたり、ハズカシかったりして、感謝の気持ちを伝えられなかったと言っていました。
それでも、「ありがとう」と伝えることをためし続けた結果、少しずつ会話の量が増えていきました。
「ありがとう」以外にも、毎日なにかしら言葉を交わすようになったことに、Aさんはおどろいていました。
そして、夫婦の仲が、少しずつ改善していきました。
3-2.事例2|目標を追い求める時こそいきがいを感じた
Bさんは、将来の夢を持っていて、それに関わる仕事をしていました。
けれども、「将来に役立つことは、頭ではわかっているんですが、なかなか成果が出ないんです」と悩んでいました。
そのことがつらくて、ときには、「本当にこれでいいんだろうか」と、自分のしていることに迷いが出ることもあったそうです。
そこで、「実現した未来の自分から、現在を振り返ってみること」をこころみました。
- いま目の前の経験は、夢を実現するために必要なものか? 必要でないものはやめる。
- いま取り組んでいることが必要とわかっていても、つらいと感じるならば、目的をもう一度見直し、「この経験からどんなことが学べるかな?」と考えるクセをつける
- 実現するまでのあいだ、どんな制限があって、どんな大変なことがあって、そして、それをどう乗り越えてきたかをハッキリさせる
同じような悩みがあらわれたときは、そのようなことをくり返しおこない、現在も夢の実現に向けて行動しています。
本来の目的はまだまだですが、小さな目標をクリアした時に、こんなことをおっしゃっていました。
「目標は自分で選ぶことが大切ですね。目標を達成したときはもちろんうれしいですけれど、目標を追い求めているときこそ、生きがいや充実感を感じていたように思います」
3-3.事例3|簡単なことから変えて日常生活が変わった
Cさんは、専門学校を卒業したあと、なかなか仕事が見つからず、家に引きこもっていました。
そして、家にいると、「親から、わざと聞こえるようにブツブツ言われるので、イライラします」と言っていました。
自分でもなんとかしたいけど、なにをしていいかわからないと、悩んでいました。
そこで、「不安やイライラすることを考えすぎず、小さな1歩を踏み出すことに意識を向ける」ようにしました。
「ときどきだった、イヌの散歩を、毎日しようかな」
「絵を描くのが好きだから、少しの時間でも絵を描く!」
「お菓子を買わない。お菓子売り場に行かない」
「つい夜ふかしをしてしまうから、その日のうちに寝ることにする」
「週に1回、求人広告を見る」
そんな小さな目標を、自分でかかげて、実行しました。
昔のクセが出てきて、ときおりイヤな考えが浮かんでくることもありました。そのときは、「ストップ!」と言って、そのことについて考えることを、意識してやめるようにしました。
数週間後、Cさんは、求人広告を見てみつけた会社の面接を受けていました。はじめの何社かには、採用はされませんでしたが、結果的に仕事につくことができました。
「来週から、はたらくことになりました!」
なんどもザセツしかけながらも、がんばってきた結果だったこともあり、わたしもうれしく感じました。
そして、仕事をはじめたことで、適度なキョリが置けるようになったこともあり、少しずつ親との仲も改善していきました。
4.ポジティブ心理学を学ぶ
あなたは、どうしてポジティブ心理学を学びたいと思ったのでしょうか?
なにかを学ぶときには、はじめに目的をはっきりさせておきましょう。
すると、そのときほしかった情報を、より効率よく、手に入れることができます。
わたしたちは、行動することによって、人生を変えることができます。ポジティブ心理学を学ぶときも、実践することを先に用意しておいて、学んでみるといいですね。
4-1.ポジティブ心理学の入門書籍を紹介
わたしのお客さまが、ポジティブ心理学について知りたいというときは、本格的な理論というより、日常の生活でどう生かせるのかに興味がある方がほとんどでした。
そのため、ここでは、ポジティブ心理学を実践しながら学べるような本を紹介します。
『ハーバードの人生を変える授業』
タル・ベン・シャハー (著), 成瀬 まゆみ (翻訳)
ポジティブ心理学のエッセンスが、ひとつひとつ短い章立てで、つづられています。そして、日常の生活にすぐに生かすことができる内容となっています。
そのため、ポジティブ心理学を、カンタンに実践することができます。
『幸せがずっと続く12の行動習慣』
ソニア・リュボミアスキー (著), 渡辺誠 (監修), 金井真弓 (翻訳)
こちらの本にも、ポジティブ心理学のエッセンスがちりばめられています。そして、具体的に行動できるような形で紹介されています。
そのため、実践しながらその効果を知ることができます。
4-2.ポジティブ心理学を協会やセミナーで学ぶ
ポジティブ心理学をメインにした協会や、社会人向けのスクールで、講座やセミナーをとおして学ぶ方法もあります。
講座やセミナーは、専門の講師から教わったり、似たような職業や考え方を持った人たちが集まって話ができたりします。海外から、講師を招いて開催されるセミナーもありますので、いいシゲキになりそうですよね。
しかし、大切なのは、そこで学ぶ目的です。
資格をとってカウンセラーやコーチとして開業したいから…新しい心理学だから…現地の講師から直接、学びたいから…。そのような理由で参加されるのであれば、わたし自身もイタイ目にあっていますので、あまりオススメしません。
わたしの知り合いのカウンセラーさんが、当時を振り返ってこんなことを話してくれました。
「カウンセラーになりたいって思ったとき、まっ先にカウンセラーの資格をとりに行きました。資格をとればカウンセラーになれると思っていたんです。でも、すぐにカウンセラーにはなれませんでした。どうしてかというと…誰もわたしのところに相談しに来てくれなかったので…。」
そのカウンセラーさんは、間違いに気づいてから、自分のカウンセリングを売るために、なにをすればいいのかを学んで、コツコツと実践した甲斐もあり、その後は順調にカウンセラーとして活動を続けることができ、いまでもカウンセラーとして活躍しています。
本気でカウンセラーやコーチで起業を目指したい方は、資格を取ることに専念してしまってイタイ目にあわないように、こちらの記事を読んでおくことを強くおすすめします。起業してからでは遅いですから、すぐに読んでくださいね。
また、ポジティブ心理学は、ほかの心理学に比べてまだまだ新しい分野です。日本の大学では、看板をかかげて本格的に取り扱っているところはないようです。
研究を目的として学びたいのであれば、基本的には海外の大学で学ぶのがいいかもしれません。
それでも、あなたが、日本で本格的に学びたいと思われるのであれば、その熱意のアカシとして、まずは日本の大学に問い合わせてみるのもいいかもしれませんね。
いずれにせよ、何のために学ぶのか目的を持ち、それに照らし合わせて、参加されることをオススメします。
5.人生をよりよくしたい人向けの心理学
ポジティブ心理学は、コンサルやコーチ、カウンセラー、士業、学校の先生などが活用すると、効果が出やすい心理学と言えます。
近年では、学術的な理論がないまま発展してきたコーチングの研究にも、チカラを入れはじめています。
そして、事例でも紹介しましたが、ポジティブ心理学の考え方を、個人が日常の生活の中で生かすことで、よりよい人生をあゆむ手助けとなってくれます。
あなたの人生を豊かにするために、まずは、紹介した本を読んでみて、実際に行動してみてくださいね。
コーチングについて詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。コーチングとは何なのか、コーチングの効果やテクニックなどをプロコーチがわかりやすくお伝えしています。10分で手っ取り早く知りたい人はオススメです。
執筆者情報
一之瀬翠
【『人生脚本』の創造をサポートし、自分らしく輝きたいあなたを応援するメンタルコーチ】 早稲田大学で臨床系の心理学を学び、公的機関にて7年間、700名以上、20,160時間にわたり、心に傷を持った子どもの悩みに向き合う。その後、根本的な解決策は、子どもたち以上にストレスを抱えながら誰にも相談できないでいる親にあることが分かる。
現在は大人も含めたより多くの人に関わりたいという想いから、心理学と大脳生理学の原理に基づくコーチング手法等を活用し、クライアントの心に深く根差したセッションを提供している。
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