コーチングとは、対話によって相手の自発的な行動をうながし、目標達成を支援するコミュニケーションのスキルです。
あなたは、コーチングとは何か、どんなことをするのか、どんな場面で有効なのか、どんな効果があるのかなど、知りたいと思っていることでしょう。
ここでは、実際にプロのコーチとして7年目を迎えたわたしが、なぜコーチングがコミュニケーションのスキルとして効果を発揮するのかをお伝えします。
この記事を読むことで、コーチングとは何なのかを知ることができて、実際にコーチングのスキルを活用できるようになります。そうすることで、職場の仲間や家族が目標に向かって、自発的に動いてくれるようになりますので、楽しみに読み進めてください。
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ビジネス心理学とは?目次 ~コーチングとは? プロが伝えるスキル・手法・本~
- 1-1.コーチングの歴史
- 1-2.コーチングのメリット・デメリット
- 1-3.コーチングがオススメの人/オススメでない人
- 1-4.コーチと、カウンセラー・コンサルタントとの違い
- 1-5.福祉・介護・看護・医療・教育の場でのコーチング
- 3-1.コーチングスキル|信頼関係をつくる
- 3-2.コーチングスキル|テーマを決める
- 3-3.コーチングスキル|現状を整理する
- 3-4.コーチングスキル|目標を設定する
- 3-5.コーチングスキル|リソースを発掘する
- 3-6.コーチングスキル|行動の計画を立てる
- 3-7.コーチングスキル|振り返り
1.コーチングとは何か?
コーチングとは、対話によって相手の潜在能力を引き出しながら自発的な行動をうながし、目標達成を支援する、コミュニケーションのスキルです。そして、コーチングをする人を、コーチと呼びます。
コーチングをおこなうにあたっては、以下のような考え方のもと相手と対話を進めていきます。
- わたしたちは、だれもが、自分で答えを見つけ出す能力をもっている(答えは相手の中にある)
- わたしたちは、だれもが、完璧な存在である
- わたしたちは、だれもが、かぎりない可能性を秘めている
もともと「馬車」をあらわす「coach」から生まれた言葉です。人を望むところに連れて行く馬車のようなものといった感じでしょう。
1-1.コーチングの歴史
そもそもコーチングという学問があったわけではありません。
かつて企業には、自然にうまく相手の力を引き出せる人がいて、技術を次の世代に引き継いだり、職場での人間関係をつくり上げたりすることに役立っていました。
そういった人たちのうまくいっている事例を集めて、その人が何をしているのか、どんなパターンでおこなっているのか、などをまとめたのがコーチングのはじまりだという説があります。
また、スポーツ界において、ゲームに勝つためには、まずはメンタルが大切であるといった考えをビジネスや日常生活に持ち込んだことがはじまりだという説もあります。
現在では、オリンピック選手のメンタル面での強化にコーチングを利用していたり、タイガーウッズなど、目標を達成するためにコーチングを活用しているプロのアスリートもいます。
また、グーグルの前CEOもコーチングの有用性を語っているように、特に欧米では、スポーツ界だけではなく、ビジネスの分野やプライベートにおいても、コーチングが活用される場面が広がっています。
日本では、20世紀後半に紹介されました。
近年は、ポジティブ心理学をコーチングに取り入れて、学問的に取り組もうとする動きもあるようです。
最新のコーチングを実践したいのであれば、ポジティブ心理学の知識は欠かせません。そのため、こちらの記事はぜひ読んでおくことをおすすめします。
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ビジネス心理学とは?1-2.コーチングのメリット・デメリット
さて、コーチングには、どんなメリットがあるのでしょうか。
- 自分だけでは引き出せないアイデア、潜在能力を引き出せる
- 新しい視点や今までとは違った考えを得ることができる
- 目標達成に意識を向けるので、判断をするときに迷いが減り、少ない労力で成果を上げることができる
- 人との関係がうまくいくようになる
- 客観的な視点で自分や自分に関する出来事を見られる
- 自分で話していて自分で気づくことができる
以前「特に生活に不自由しているわけではないが、なんとなく毎日がつまらない」というお客さまがいました。その方は、家庭の都合で仕事を辞めていた方でした。
わたしは、その方に「これまで一番楽しかった出来事はなんですか?」とたずねました。すると「仕事でバリバリ働いて、お客さまや上司にほめられたときかな」と答えていました。
それをきっかけに「前の仕事にこだわりすぎていた」「自分の能力を活かせる仕事はほかにもある」「今の状況でできる仕事を探してみよう」というように、コーチングによるメリットが発揮されました。
ただ、コーチングには、メリットしかないわけではありません。デメリットもあります。
- 答えを持っていない相手には、かえって悪い影響を与える
- お互いの関係が良くないと、状況が悪化する
- コーチの側の力量によって相手に与える影響が変わる
- コーチングがオススメではない状態の人(1-3.でお伝えします)には、かえって悪い影響を与える
以前の同僚からこんな話を聞いたことがあります。企画の仕事をしたくて入社したのに、営業に回された部下に、彼が研修で教わったコーチングの手法を使ったときの話でした。
部下が残業していたので「遅くまで残っているけれど、最近、仕事はどう?」と、彼が質問をしたそうです。すると「ここでは自分の力を発揮できない」「仕事がつまらない」「やる気が出ない」「まわりが帰らないからとりあえず残っている」「企画に異動させてほしい」と、部下のグチばかりを聞かされたそうです。
そして「まずはここでやるべきことをやらないとムリだね」と言ってしまったと話していました。
1-3.コーチングがオススメの人/オススメでない人
それでは、どのような人であればコーチングによって効果があらわれるのでしょうか。
- 目標を達成したいという意欲がある人
- 目標を達成するための能力(知識や経験)がある人
- 頭ではわかってはいるけれど、なかなか行動に移せない人
- コーチとは対等のパートナーであり、ともに創り出す関係であることを理解している人
このような気持ちや考えをもっている人であれば、コーチングによって成果が出ます。逆に、以下のような人は、コーチングを使っても、あまり成果は上がらないでしょう。かえって、状況が悪くなる場合もあります。
- 誰かから言われて仕方なく受ける人
- 特に実現したい目標があるわけではない人
- コーチから答えをもらえると思っている人
- コーチが何とかしてくれると思っている人
- メンタルが弱っている人
1-4.コーチと、カウンセラー・コンサルタントとの違い
コーチングと、カウンセリング、あるいはコンサルティングとは、それぞれどのように違うのでしょうか。
- コーチング……メンタルの状態がゼロの人を、プラスの状態にする。または、メンタルの状態がプラスの人を、さらにプラスの状態に引き上げる
- カウンセリング……メンタルの状態がマイナスの人を、ゼロの状態にする
メンタルの状態がプラスの人にコーチングをすると、行動するきっかけになったり、やる気が出たりします。
けれども、メンタルの状態がマイナスの人にコーチングをしてしまうと「わたしは何もできない」「ダメな人間だ」などと、かえって落ち込んでしまいます。
このような状態になってしまってからではたいへんです。そうならないためにも、自分はどちらが適切なのか迷うのであれば、こちらの記事を読んでみてください。
- コーチング……受ける側の中にある答えを引き出す
- コンサルティング……受ける側に答えそのものを提供する
コンサルティングは、受ける人が知識と経験を与えられて、その与えられたレールの上を乗っていくというイメージです。少しでも早く目標を達成するために、「こっちに向かっていくといいですよ」と知識や経験をもとに、コンサルタントが教えてくれます。
一方、コーチングは、もともと「馬車」という意味からきていることもあり、スタート地点から目標へと進むのですが、レールはありません。「どの道を通っていこうかな」「ゆっくり行こうかな」とすべて乗っている人が決めて目標に向かっていきます。コーチが教えるのではなく、受ける側が決めます。
コンサルティングと似た言葉に、ティーチングという言葉もあります。コーチングではなく、ティーチングが効果を発揮する場面もあります。こちらの記事でくわしく紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
1-5.福祉・介護・看護・医療・教育の場でのコーチング
コーチングは近年、福祉、介護、看護、医療、教育の場において期待されています。
期待されているとはいっても、その人独自の能力があります。その能力をコーチングで引き出して、自発的に行動してもらうことで、回復や成長に役立たせることができます。
もちろん、気が弱っているので、ほかの人に頼りたくなることもあるでしょう。そういったときは、カウンセリングのような関わり方をしていく必要があります。
しかし、ある程度まで気持ちの回復が認められたら、今度は自発的に行動をうながしたり、目標に向かって歩みを進められたりするような、コーチングのような関わり方が重要です。
カウンセリングのような関わり方によって徐々に蓄積されたエネルギーを、次の段階で引き出してあげるコーチング的な関わり方は、その人の人生の質を高めてくれます。
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ビジネス心理学とは?2.コーチングの基礎知識3つ
ここでは、コーチングを実践するうえで、より効果を発揮しやすくなるような基礎的な知識をお伝えします。
2-1.コーチングスキル3つ
コーチングには、3つの主なスキルがあります。
- 聴くこと……相手をよく観察して、注意深く聴く
- 承認すること……相手の存在を認め、変化や成長を認める
- 質問すること……相手が自発的に行動するための質問をする
1つめは聴くことです。
自分の考えや常識はわきに置いておいて、相手の話をそのまま興味をもって聴くことです。そして、大切なのは、言葉だけではなく、相手の言葉にならない言葉、つまり、表情や声の大きさや調子、ジェスチャーや姿勢など、相手が表現するありとあらゆることを観察しながら聴くということです。
本当に聴くことができなければ、コーチングをはじめることすらできません。こちらの記事にわたしがくわしく紹介しました。専門用語ではこの聴くスキルを「傾聴」といいます。ぜひ、この記事を読んで、聴くスキルを上げてください。
2つめは、承認することです。
承認とは、カンタンに言えば、「ほめること」と「認めること」です。コーチングでは、特に「認めること」を大切にします。相手を認めているということを言葉にして伝えることで、相手に安心感を与えたり、ちゃんとわかってくれているという気持ちにさせたりしてくれます。
認めることにはいくつかありますが、ここではカンタンにできるものを2つ紹介します。
まずは、その1。
- 見ていることをそのまま伝える……「あなたがそこにいることに気づいています」ということを伝える
(例)「今日は赤いネクタイをしてきたんだね」「髪切ったの?」「いつもお茶をありがとう」「出張から戻って、遅くまでがんばっているね」「おはよう」「いってらっしゃい」
「あなたがそこいることに気づいていますよ」ということを、言葉にして伝えてあげるだけで、相手は「自分の存在を認めてくれているんだ」というような気持ちをもつことができます。
そして、その2。
相手の変化や成長を伝えることです。
- 変化や成長を伝える……積み重ねてきた努力を認めてあげる
(例)「前に比べて、資料が見やすくなったね」「文章がうまくなったね」「お客さまとの会話がスムーズになったね」「あなたのプレゼンを聞いて、わかりやすくなったと上司がほめていたよ」
相手の変化を伝えるためには、ふだんから相手に興味をもって、相手の様子をよく見て、そして、その変化に気づくことが大切になります。
3つめは、質問することです。
コーチングは、コーチが、相手に質問を中心としたコミュニケーションを通して、相手の考えや気持ちを引き出して、目標を達成したり課題を解決したりするためのサポートをしていきます。
コーチングを進めていくときによく使うのは、相手がある程度、自由に考えて答えられる質問です。たとえば、「あなたはどう思いますか?」「まずは何からはじめたらいいと思いますか?」「これを解決するためには、どんな方法が考えられますか?」などです。
また、相手がなんとなく考えていたり、行動に移しやすくするためには、5W1H(when、where、who、what、why、How)のような質問を使って、より具体的にしていくと効果的です。
そして、特に視点を変えたり、視野を広げたりする質問は、相手に気づきをもたらすために欠かせません。こちらの記事では、その1つであるリフレーミングについてわたしが紹介していますので、かならず読んでおいてくださいね。
2-2.コーチング手法が効果を発揮する場面
コーチングの手法は、実際にどのような場面で使うと、効果的なのでしょうか? 以下に例を挙げました。
コーチング手法を使う場面とその効果の例 |
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◆場面
仕事の目標や課題を設定するとき ◆効果
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◆場面
相手の行動に対するフィードバックをおこなうとき ◆効果
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◆場面
相手から相談をもちかけられたときや、相手の様子が気になり声をかけるとき ◆効果
|
そのほかにも、いろいろな場面をあなたも思いつくことでしょう。対話を通して、自分で話して自分で気づいたり、客観的な視点を得られたりする場面においては、コーチングの手法は効果的です。
2-3.コーチングにおけるコーチの役割
コーチの役割は、相手がもっている力を信頼して、その力を引き出せるように、対話を通してサポートしていくことです。ただし、スキルやノウハウを教えたり、アドバイスや指導をしたりすることではありません。それは、相手が自ら行動できるように、ベストをつくせるようにサポートしていくことです。
そのために、コーチは相手をよく観察します。
相手は自分の考えを話すことによって、自分の中にある答えに気づいていきます。そのため、コーチは積極的に相手の話を聴き、答えをまとめやすくするのに役立つような質問をしていきます。
相手が語る実際の出来事を、コーチは別の角度から見ていきます。たとえば、あなたはスマホを思い浮かべるとしたら、どのようにイメージをしますか? おそらく、正面から見たスマホを思い浮かべることが多いのではないでしょうか?
そのときコーチは「横から見たらどうですか?」「ななめから見ると、どんなふうに見えますか?」「ほかにどのような使い方がありますか?」「どのような経緯で、今あなたのお手元にあるのでしょうか?」など、さまざまな角度から質問をしていくわけです。
そして、相手がふだんは気づかない見方やとらえ方があることに気づかせたり、相手のこれまでの知識や経験を整理して、それを知恵として活かす方法を引き出したり、相手の努力を認めたりしながら、モチベーションを高めたりすることも、コーチの役割です。
このように成果のほぼ100%は、相手の努力の結果です。コーチの役割は、相手がベストをつくせるよう、相手の潜在能力を引き出してあげることなのです。
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ビジネス心理学とは?3.職場で使えるコーチングスキル・7ステップ法
コーチングは、実際にどのように進めていけばいいのでしょうか。ステップ順にお伝えします。
3-1.コーチングスキル|信頼関係をつくる
ふだんからお互いに話しやすい関係を築いておきましょう。
信頼関係がなければ、こちらがいくらコーチングのスキルを活かしたコミュニケーションを取ろうとしても、相手にとっては、苦痛の時間のはじまりにすぎません。
コーチングをうまくやるコツは、はじめるにあたって、まず相手にリラックスしてもらうことです。日常会話の中にコーチングを取り入れてもいいですし、時間や場所を特別に取って、コーチングをするのもいいでしょう。大切なのは、「場づくり」です
「今日は時間を取ってくれてありがとう」「いつもよくがんばっているね」「この前、同僚の○○さんが君にお世話になって助かったと言っていたよ」などと、相手の共感を得られるような言葉かけから入ってもいいでしょう。
同じ時間や場所、体験や気持ちを共有することが、信頼関係には大切です。
信頼関係がなければ、せっかくのスキルも台無しです。こちらの記事を読むことで、ムリなく信頼関係を築くことができるでしょう。
3-2.コーチングスキル|テーマを決める
リラックスできて、コーチングをはじめたら、テーマを決めましょう。なぜなら、決めておかないと、話が横道にそれてしまったり、雑談で終わってしまったりするからです。
せっかくお互いに貴重な時間を使うのですから、1つにしぼってコーチングをしていきましょう。
3-3.コーチングスキル|現状を整理する
テーマが決まったら、相手の現在の状態をよく聴きましょう。
相手のあいまいな言葉を明確にしたり、物事を掘り下げる質問を投げかけたりして、相手にしっかり現状を把握してもらいます。
3-4.コーチングスキル|目標を設定する
次は目標設定です。未来のイメージを実感できるくらい、明確に設定しましょう。
そして、お互いがその目標を共有しましょう。
目標設定を間違えると、そのあとの行動がムダになってしまいます。こちらの記事を読んで、たしかな目標を設定しましょう。
3-5.コーチングスキル|リソースを発掘する
目標が決まったら、過去の成功体験など相手が活用できるリソース(資源)を発掘していきましょう。
リソースとは、目標を達成するために活用できるモノのことです。
たとえば、以下のような質問をすることで、相手のリソースを探していきます。
「これまでで、うまくいった経験はどんなことですか?」
「これまで、どんな困難や逆境を乗り越えてきましたか?」
「あなたを応援したり協力したりしてくれる人はだれですか?」
「あなたの長所はなんですか?」
「あなたが一番大切にしているものはなんですか?」
これらは、これから何かをムリに取り入れようとするのではなく、相手が「今あるモノ」に気づき、スタートできるので、モチベーションが高まり、行動の原動力になります。
3-6.コーチングスキル|行動の計画を立てる
実際に何から取り組むのかを考えてもらいます。
いつまでに、なにを、どのように、どうするのかを、具体的に計画を立てます。
実行に移しやすくなるような工夫をするといいでしょう。たとえば、計画を紙に書き起こして、目につくところにはり付けたり、行動を開始するスイッチとなるようなシンボルや言葉を置いておいたりすることです。
このときのコーチの役割は、確実に相手が理想の状態に近づくよう、いつでもそばにいることを知ってもらったり、話を聴いたり、提案をしたりして、行動を促進させることです。
3-7.コーチングスキル|振り返り
行動した結果どうであったか、どのように感じたかなど、一緒に振り返りましょう。そして、うまくいった点や行動を制限した要因や改善点を明確にして、次の行動へつなげていきましょう。成長や変化をしたことも、承認していきましょう。このように振り返りながら、フィードバックとフォローアップをしていくことが大切です。
プロのコーチは日々、鍛錬をくりかえしています。生半可な気持ちでコーチングスキルを使おうとすると、自分が痛い目にあいます。それだけならばまだしも、相手を傷つけてしまうことがあります。だからといって、あきらめることはありません。
日常でも練習することはできます。コーチングをする仲間同士や、練習することを許可してくれる人を相手として、少しずつくり返し練習しましょう。
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ビジネス心理学とは?4.コーチングの資格・研修|難易度や費用・通信について
コーチングの資格を取った方がいいのかなと思っているかもしれませんね。その場合、どのスクールがいいのか、費用や時間はどれくらいかかるのか、とても気になるところですよね。
そのときは、この記事を必ず読んでください。ほかにはない視点で、コーチングについて紹介していますので、先ほどのあなたの疑問を解消してくれます。
コーチングのスクールには、自己啓発系のスクールもあって、なんだか怪しいなと思っているかもしれませんね。以下の記事を読むことで、あなたの貴重な時間と財産が守れます。スクール選びの際は必ず読んでから検討に入ってください。
コーチングについては、通信教育でも学べるようですが、以下のような場合であれば、効果は期待できるでしょう。
- なにがなんでも学ばなければならない、学びたいという動機がある
- 一人でもコツコツ進められる
- 実践できる機会をたくさん持てる。フィードバックをもらえる環境にあることが望ましい
コーチングの資格は受講すれば、ほぼ取得することができます。ムズカシイことがあるとするならば、すべてのカリキュラムを受講する時間とお金の都合がつくかどうかということかもしれませんね。
いずれにせよ、資格取得については、ご自身の将来を見据えたうえで決めていきましょう。この記事では、資格取得を考えはじめたときに読んでおくと、判断に迷うことがなくなります。
5.コーチングを受けてみたい人へ|料金や比較
コーチングを受けてみたい、でも「どんなことをするの?」「だれから受ければいいの?」「いくらくらいかかるの?」など気になるところですよね。ここでは、その疑問を解消していきます。
5-1.コーチングを受けたいと思ったら
まずはコーチングを受ける目的を決めましょう。そして、本当にその目的を実現したいのかどうか、自分に問いただしてみましょう。意欲がなければ、効果はありません。
受ける準備ができたら、次はどのコーチを選ぶかで迷いますよね。
コーチを選ぶポイントを以下に挙げましたので、参考にしてみてくだい。
- サービスを利用したお客様の声をよくチェックする
- 自分のニーズにあっているか
- 信頼して心を開いて話せるか(問い合わせたり、体験してみることで確認できる)
- コーチとしての経験(キャリア)は十分か
- コーチとしての専門領域は何か
回数は1ヶ月に1回から3回。週1回の電話や対面(30分から1時間)などの場合もあるようです。期間は3ヶ月から。長期だと1年から2年の人もいるようです。
料金については、わたしの経験値では、1回2万円から3万円が多いようです。けれども、コーチによっては、5万円以上いただいている場合もあります。
そして、1回限りというよりは、期間を設けて料金を設定している場合が多いので、実際にはさらにまとまったお金が必要となります。ですから、興味をもったら、まず問い合わせてみることをオススメします。
5-2.コーチングの事例
ここでは、コーチングをする側を「コーチ」、コーチングを受ける側を「クライアント」と表示して、実際のやり取りを紹介します。
2章でご紹介したコーチングの三大スキルや、3章のコーチングの流れを意識しながら読むと、より理解度が深まると思います。
- クライアント「仕事にやりがいは感じているのですが、人間関係がうまくいっていません。」
- コーチ「もしよろしければ、それをテーマに話していくというのはいかがですか。」
- クライアント「はい、わかりました。」
- コーチ「仕事にはやりがいを感じているのですね。それでは、人間関係がうまくいっていないとは、具体的にどういうことですか。」
- クライアント「部下に指示することがあるのですが、なかなか素直にしたがわないことが多くて、仕事が進まないことがあります。」
- コーチ「そのときあなたはどうするのですか?」
- クライアント「なんとか動いてもらおうと、指示を出している理由を説明しています。」
- コーチ「なんとか動いてもらおうと、説明しているのですね。表情とか声の調子からつらそうなのがうかがえますね。そのとき、部下はどんな反応をしていますか?」
- クライアント「そうですね、下を向いて、しぶしぶ私の言うことを聞いているような様子です。あぁ、わたしもイヤイヤ説明しているかもしれませんね。」
- コーチ「なるほど、そういったことに気づかれたのですね。それでは、もしあなたと部下の関係が10点満点中10点になっているとしたら、それはどのような状態でしょうか?」
- クライアント「えっ、10点ですか!? そうですねぇ、部下がわたしの指示に素直にしたがっていることですかね。ということは、部下との関係も良くなっているということですね。」
- コーチ「少し表情がゆるみましたね。ほかにはありますか?」
- クライアント「そうですねぇ、これまで部下との関係に悩んでいた労力が、自分の仕事に向けられそうです。チームの状態も良くなりそうです!」
- コーチ「そうなると、どうなりますか?」
- クライアント「自分だけではなく、チームからもいいアイデアが出て、お客さまにも良いサービスが提供できそうです!」
- コーチ「それはいいですね。さらに仕事にやりがいが出てきそうですね。それでは、その10点に向かうために、すぐにはじめられることはなんですか?」
- クライアント「そうですね、いつも部下にはあいさつしているのですが、単調になっていたり、またコイツに悩まされるのかと思って、仕方なしにあいさつしていたかもしれません。だから、あすの朝からは、心を込めておはようとあいさつをしてみます。」
- コーチ「それは素晴らしいですね。それでは、その結果と、あいさつをしてみてどうだったかを後で教えていただいてもいいですか?」
- クライアント「はい、わかりました。」
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ビジネス心理学とは?6.コーチングスキルを使いたいときのオススメの本2選
コーチングのスキルをさらにくわしく学んで実践したい人にオススメの本を紹介します。
6-1.『図解コーチングスキル』
『図解コーチングスキル』
鈴木 義幸 (著)
コーチングを日本に紹介したうちの一人であり、著者自身もコーチを経験しています。コーチングのスキルについて、図を使いながらわかりやすく紹介しています。こんな状況のときは、このスキルを使うというように日常生活ですぐに使えるでしょう。
6-2.『パワー・クエスチョン』
『パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術』
アンドリュー・ソーベル (著), ジェロルド・パナス (著), 矢沢聖子 (翻訳)
有名企業はもちろん、数多くの企業をコンサルティングしている著者らが書いた本です。相手がつい答えてしまうような質問や、やる気がわいてきてしまうような質問などが、たくさん紹介されています。
どのような質問をするかによって、コーチングの効果が変わってきます。ひらめきがわくようなエピソードとともに紹介されています。
7.コーチングよりも大切なこと
もともとコーチングは、うまくいっている人の行動をマネしたものの集大成です。
その人の考え方や気持ちが行動に現れます。
うまくいっている人というのは、スキルではなく、たとえば、相手の考えや気持ちを尊重する、こころを込めて伝えるなど、おそらくうまくいくための考え方や気持ちを持っていたのでしょう。そのため、自然にそのような言動をしていたのだと思います。
スキルは大切ですが、それだけでは十分ではないということです。
うまくいっている人の考え方や行動パターンをまとめ上げたものは、コーチングだけではありません。NLPもそうです。
こちらの記事では、NLPについて、くわしく紹介していますので、コーチングと合わせて、うまくいっている人のスキルと考え方をマネてみてください。そうすることで、あなたの人生がさらに豊かになることでしょう。
何かを身につけるときに、はじめにマネをすることが大切です。たとえば、お稽古事は師匠のマネから入りますよね。しかし、マネするところを間違ってしまったり、目標を達成するために必要でないものをマネてしまったりしては、せっかくの努力も水のアワになってしまいます。
だから、確かなマネのしかたを理解しておく必要があります。それについては、わたしがこちらの記事で紹介しましたので、ぜひ読んでみてくださいね。