あなたは「心理カウンセリングに興味があるけど、自分は受けて良いのだろうか」と疑問に思ったりしていませんか? この記事では現役の心理カウンセラーが、心理学で対応できるお悩みや必要な料金の目安、そして効果的なカウンセリングの受け方を解説します。
夫婦や子どもとの関係といったご家庭の悩みや、仕事で接する上司・部下・同僚など職場でのお悩みなど。心理カウンセリングではさまざまなトラブルに対応可能です。この記事は、あなたのお悩み解決にきっと役立つことでしょう。
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ビジネス心理学とは?目次 〜心理カウンセリングの効果と受け方〜
1.心理カウンセリングで対応できるお悩み
心理カウンセリングで解決できるお悩みは、ざっくりと大きく分けると4つのパターンに分けることができます。
(1)漠然とした「生きづらさ」についてのお悩み
(2)職場の悩み
(3)子育ての悩み
(4)夫婦の悩み
それぞれ解説していきましょう。
1-1.漠然とした「生きづらさ」の悩み
自分の人生に対して疲れを感じていませんか? それは生きづらさを抱えているからかもしれません。「生きづらさ」とは、自分の人生に対しての疲れや、心がモヤモヤした状態のこと。将来に対する不安や、過去にうまく消化できなかった理不尽な体験・出来事などがこれに分類されます。
漠然とした悩みなんて、どうやって話をすればいいかわからない……そんな不安もあるかもしれません。しっかりと教育を受けたカウンセラーであれば、漠然とした悩みの中からでも、本質的な原因を探りだすことができ、悩みの解決まで導きます。
1-2.職場の悩み
これは最もよくある相談です。特に多いのが職場の人間関係についての相談です。上司とウマが合わない、部下が思うように動いてくれないなど、コミュニケーションに関する悩みを抱えている方が多くいます。その他にも自分のキャリアや進路についてご相談される方もいます。心理カウンセリングでは、こういった相談にも対応可能です。
1-3.子育ての悩み
子育ての相談で最も多いものは、思春期の子どもへの接し方についてです。代表的な相談は、不登校やひきこもりについて。
普段通りの生活していたはずなのに子どもが急に学校に通えなくなったり、学校に行こうとすると体調を崩すような状態になって、子どもの異変に気づく方が多いです。「子どもにどう接したらいいのか分からない」とか「子どもにもカウンセリングを受けてほしい」といった相談もいただきます。
1-4.夫婦の悩み
夫婦関係のご相談をお受けすることもあります。夫(妻)が自分を愛していないのではないかという不安や、家庭の雰囲気を変えたいが協力してもらえないといったことです。
その他にも、家庭の中に会話がなくなってしまったので困った、家庭内での思わしくない行動を変えてほしいなどの相談がありました。夫婦の問題の場合、一方的な意見を押し付けるのではなく、両者をよりよい関係に調整していく必要があります。
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ビジネス心理学とは?2.心理カウンセリングの方法と種類(技法)について
心理カウンセリングの方法は、大きく2つにわけることができます。
(1)対面カウンセリング
相談者がカウンセリングルームに足を運んで、カウンセラーと面と向き合って相談する方法です。
(2)電話カウンセリング
相談者がカウンセラーに電話をかけてカウンセリングを受ける方法です。
インターネットを使用した無料通話やビデオ通話を使って相談できるカウンセラーもいます。
その他、メールでやりとりするカウンセリングを行っているカウンセラーもいますが、やはり書面だけですと、表情などから受け取れる情報がないので、カウンセリングの効果は非常に低くなるでしょう。
一方で、心理カウンセリングの種類や技法は膨大な数があります。そのため、ここでは心理療法系、心理検査系、心理セラピー系という3つの分類に分けて解説します。
2-1.対面カウンセリングと電話カウンセリング
まずは対面カウンセリングからみていきましょう。
対面カウンセリングのメリット
- お互いの表情を見ながら話ができるので、カウンセラーに理解されているという強い安心感を受けられる
- 電話で話す1時間よりも、非常に濃い時間を過ごせるため、カウンセリングの効果が高い
対面カウンセリングのデメリット
- カウンセリングルームに足を運ぶ必要がある(移動が必要)
- 電話カウンセリングに比べると料金が高くなりがち
次に、電話カウンセリングです。
- 自宅にいたまま気軽にカウンセリングを受けられる
- 料金設定が安いため経済的な負担が少ない
電話カウンセリングのデメリット
- 顔が見えないので声だけのやりとりになる。
- そのため、通話環境によってはカウンセリングの質が低下する
- 音声でのやりとりになるので、お互いに誤解が生まれないように慎重に進めなければならない
2-2.心理療法系の心理カウンセリングについて
心理療法系のカウンセリングとは、おそらく多くの人がカウンセリングに抱くイメージに最も近いものでしょう。ここでは有名な2つの方法論を紹介します。
- 来談者中心療法
創始者は、アメリカの心理学者カール・ロジャース。相談者に対して肯定的な態度で、共感を与え不安や心配を解消していく手法です。 - 認知療法
アメリカの精神科医、アーロン・べックが創始した心理療法。考え方や、出来事の受け取り方に働きかけて、ストレスを楽にしていく方法です。
2-3.心理検査系の心理カウンセリングについて
心理検査系のカウンセリングとは、主に心理検査(テスト)を用いて、お悩みやストレスレベルを数値化する方法です。非常に多くの心理検査(テスト)が存在し、目的に応じて使い分けていきます。下記は例です。
- エゴグラム
「交流分析」という概念に基づく心理検査。簡単な質問に答えると、自分の性格を数値化し、わかりやすく分析することができる。信頼性が高いことで知られる。 - FDT(親子関係診断検査)
親から見た子ども、子どもからみた親といった、親子で異なる相手への評価を数字に表すもの。親が子供を受け入れているか。子どもが親に安心しているかが検査によって明らかになる。
2-4.心理セラピー系の心理カウンセリングについて
心理セラピー系のカウンセリングとは、心の傷やストレスの治療・治癒を目指し、カウンセラーによる積極的なアプローチが受けられる方法論です。たとえば、下記のようなものです。
- 遊戯療法
思春期の子どもに多く用いられる方法論。相談者の好きな事(たとえばゲームなど)や、興味がある話を中心にコミュニケーションをしながら、相手の自己治癒能力を高めていく。 - 催眠療法(ヒプノセラピー)
暗示や言葉かけによって、リラックス状態を作り、神経を休めていく方法論。
以下の記事ではヒプノセラピーとは何なのか? という解説から始まり、ヒプノセラピーの効果や向き、不向き、ヒプノセラピーを実際に受けてみた3人の体験談など、ヒプノセラピーについてより詳しく解説しています。この記事を読めばヒプノセラピーがどんなものなのか一通りわかるはずです。
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ビジネス心理学とは?3.心理カウンセリングの効果的な受け方
ここまでのところで、心理カウンセリングのさまざまな面に触れることができたことでしょう。しかし、いざ実際に受けようとしても、まだ不安が残っているかもしれません。この章では、心理カウンセリングの効果的な受け方についてご紹介していきます。
3-1.どのぐらいの期間で良くなりたいかを相談する
あなたが抱えている不安のひとつに「カウンセリングは、どのぐらいの期間受けるべきなのか」というものがあるかもしれません。しかし、その答えを知るためには、2つのことを理解する必要があります。
(1)自分はどうしたいのか?
あなたはどのぐらいの期間で、いま抱えている悩みを解消したいですか? なるべく早く解決したい!と考えているかもしれませんし、じっくりと時間をかけて根本治療に励みたいと考えているかもしれません。大切なのは「自分はどうしたいのか」というイメージを持つことです。
(2)カウンセラーにもらいたいアドバイスはなにか?
自分はこうしたい。そのようなイメージを持つことができたら、それをカウンセラーに相談しましょう。たとえば、
「私はいま○○で悩んでいて、その問題を××ぐらいの期間で解決したいと思っています。専門家から見て、それは可能ですか? 私が知っておくべきポイントはありますか?」
というような質問をすると、カウンセラーは親身になって考えてくれるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
3-2.心理カウンセリングの料金の相場について
心理カウンセリングの料金の相場は、下記をイメージすると良いでしょう。といっても、カウンセラーによって料金はさまざまで、まさにピンからキリまであります。自分の経済状況に合わせて、無理なく計画的に受けられるところを選びましょう。
- 対面カウンセリング:5,000円~数万円まで
- 電話カウンセリング:3,000~5,000円程度
※どちらも「初回のみ無料」のカウンセラーが多くいます。
3-3.無料カウンセリングで、相性を確認する
効果的なカウンセリングの受け方として最も大切なポイントは、無料カウンセリングを有効に使うということです。カウンセラーの多くは、初回のみ無料でカウンセリングを行っています。
心理カウンセリングで相談をする場合は、この制度をうまく活用しましょう。初対面のカウンセラーをみて、相性や人柄が自分に合うかどうかをチェックしていくと良いでしょう。
わたしが書いた記事「カウンセリングの効果と自分に合うカウンセラーの見分け方」では、この部分をよりくわしく解説しています。こちらもあわせてお読みいただくことで、カウンセリングを受けるメリットがさらに理解できますし、安心してカウンセリングを受けていただけると思います。
3-4.深刻な悩みは有料カウンセリングを受ける
「無料カウンセリングだけで自分の悩みを解決したいのですが…」というご相談を受けることがあります。確かに無料でカウンセリングを提供している児童相談所や、行政の施設は各地域ごとにありますよね。しかし、深刻な悩みであればあるほど、有料カウンセリングがおすすめです。
その最も大きな理由は、プロのカウンセラーからカウンセリングを受けた方が解決が早いからです。問題の解決が早いので、経済的にも精神的にも負担が抑えられます。
有料でカウンセリングをしているカウンセラーは、自分が選ばれなければ仕事を続けていくことができません。そのため、大変厳しい競争の中でお金以上の価値(満足)を提供するために努力を続けています。
同じ1時間のカウンセリングを受けるなら、確かな技術のあるカウンセラーから受けたいもの。そのため、深刻な悩みは、有料カウンセリングを受けた方が良いとおすすめしています。
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ビジネス心理学とは?4.あなたにぴったりの心理カウンセラーの見つけ方
それでは、あなたのぴったりの心理カウンセラーは、どこを探せば見つかるのでしょうか。とりあえずネットで検索をする前に、確認すべき大切なポイントがいくつかあります。
4-1.どんな人に相談したいかイメージを持ちましょう
はじめに、どんな人に相談したいのかイメージを持ちましょう。
(1)あなたが受けたいのはどんなカウンセリングですか? また、それは何のためですか?
(2)あなたが相談したいのは、男性ですか。それとも女性ですか?
(3)あなたが相談したいのは、何歳ぐらいの人でしょうか?
(4)どのような接し方をされたいですか? 話をじっくり聞いてほしい、アドバイスがほしい等
このようなイメージをまとめておくとよいでしょう。
4-2.通いやすい場所か、受けやすいシステムかを確認
あなたが心理カウンセリングを受けようと思ったとき、対面か、それとも電話かを選ぶことができます。
「放っておいたらどんどん悪くなってしまう。このままでは絶対まずい!」そんな深刻な悩みである場合は対面カウンセリングを選ぶと良いでしょう。カウンセリングルームまでのアクセスを確認してください。
(1)車でいく
(2)タクシーやバスでいく
(3)電車でいく
(4)自宅に来てもらう
いろいろな選択肢があります。都合に合わせてより良いものを選びましょう。
4-3.実際に相談して、相性が合うかどうかを確認
この人にぜひ相談してみたい! そう思えるカウンセラーが見つかったら、実際に相談して自分と相性が合うかどうかを確認しましょう。接してみた時の雰囲気や人柄、声の柔らかさや伝わり方で、自分が安心できるかを感じてみましょう。
実際に相談した後、今後も引き続きカウンセリングを受けたい場合は、次回予約を入れると良いです。しかし、万が一、相性が合わなかった場合は、予約を入れずに買えるようにしましょう。
その場で次回予約をいれるように促された場合は、無理にその場で予約を入れる必要はありません。どうしても断りづらい時は、「家に帰って予定を確認してから折り返します」というといいでしょう。
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ビジネス心理学とは?5.カウンセリングで悩みが解決した事例を紹介
「本当にカウンセリングで悩みが解決するの?」と疑問に思ってはいないでしょうか。まだカウンセリングを受けたことがないのであれば、なかなかイメージがしづらいもの。この章では、私自身が過去にカウンセリングをして問題を解決した事例をご紹介いたします。
5-1.事例1|夫婦の不仲を解消したケース
これは夫婦で心理カウンセリングを受けた事例です。ご主人(34歳)の浮気に悩んでいた奥さん(30歳)がいました。家庭の雰囲気は最悪で、カウンセリングに来るまでに何度もケンカを繰り返していました。
きっかけは奥さんの方から「これ以上私を大切にしないなら離婚をするか、改善するか選んで」という2択をせまったことでした。
こうしてカウンセリングを受けるようになったのですが、いざカウンセリングがはじまると、ご主人は、奥さんに対して浮気に走っていた理由を話してくれました。そして自分の罪悪感や謝りたい気持ちを少しずつ打ち明けていきました。
気持ちのすれ違いや誤解によって、氷のように冷たくなったお互いの心でしたが、2か月間のカウンセリングで夫婦関係の調整をし、2人の間にあった緊張感やこわばりを取ることができました。そしていまでは週1度、ふたりで外食し、夜景を見にドライブに出かけるようになりました。夫婦関係は改善したのです。
5-2.事例2|職場の悩みを解消したケース
これは派遣社員で働く43歳の女性の事例です。彼女は以前の職場でパワハラを受けて「うつ」になりました。3年間リハビリをして、ようやく職場に復帰した彼女ですが、一緒に働く人たちの周りの目が気になって、ストレスで眠れないと悩んでいました。
最初は極度の緊張や不安があり、周りからどう思われているか心配で落ち付かない状況でしたが、6か月のカウンセリングでそれらの問題は解決。
一生懸命な働きぶりが評価されて「正社員で働きませんか?」という提案をされたそうです。悩んでいた頃に比べると収入も安定し、充実した日々を送れるようになりました。
仕事上のストレスについては「究極の職場ストレス解消法|ストレスチェック義務化とは?」でストレスの解消法を紹介していますのでぜひクリックして読んでみてください。
5-3.事例3|自信がない・不安を解消したケース
これは子育てに悩む50歳の男性の事例です。その男性は過去に息子と大きなケンカをして、それ以来2年近くまともに会話ができないことを悩んでいました。
「勇気を出して息子に話しかけようとすると、にらみつけられてなにも言えなくなってしまう。親としてそんな自分が情けない。生きていても仕方がないのではないか。」と強く自分を責めていました。
そこで、息子さんを交えてカウンセリングをしました。6カ月間のカウンセリングによって、父と子の関係は和解し、重度のひきこもりだった息子は高校に再入学しました。
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ビジネス心理学とは?6.1人で悩まず、専門家に相談しましょう
今のつらい状況をひとりで思い悩んでいませんか? ひとりであれこれと考えてもなかなか良い解決には結びつきません。ぜひ心理カウンセリングを受けてみましょう。
まずは対面でカウンセリングを受けるのか。それとも電話でカウンセリングを受けるのかを決めて、自分にぴったりのカウンセラーを探すところからはじまります。
あなたが自分にピッタリのカウンセラーと出会えることを祈りながら、この記事を書きました。何度もこの記事を読み、あなたの悩みが早期に解決することを願っています。
もしあなたが「マイナス思考」でお悩みなら、以下の記事も合わせて読むことをオススメします。この記事では現役の心理カウンセラーがマイナス思考の克服方法について徹底解説しています。いま感じているツラい気持ちを薄めるヒントがきっと見つかるはずです。
この記事を読んでカウンセラーという職業に興味が湧いた方はこちら。心理カウンセラーとして活動しているプロがカウンセラーについて具体的にくわしくお伝えしています。