カウンセラーが解説!5分で理解できるモチベーション理論

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もしあなたがこれからモチベーション理論についての知識を深めたいのであれば、この記事はきっと役に立つでしょう。ご存知の通り、いまモチベーション理論は様々な企業やスポーツ・教育の現場で活用されています。

この記事では、理解編と実践編に分け、カウンセラーとして臨床をおこなってきた私自身の経験を活かして、実際の事例を取り入れながら紹介いきます。これからモチベーション理論を学びたい方へ向けた、まさに入門編といった内容になっています。

「もっとくわしく知りたい!」という方(中級、上級の知識を目指す方)へは、後の章で推薦図書の紹介や役立つリンク集をご案内いたしますので、ぜひそちらもご覧ください。

モチベーション理論を知ることで、精神論や根性論ではなく、実証された理論のもとに行動できるようになるでしょう。この記事をお読みいただいて、「わかる」から「できる」という第一歩を踏み出していただければ幸いです。

目次 〜モチベーション理論をカウンセラーが解説〜

1.はじめてのモチベーション理論【理解編】

2.今日から使えるモチベーション理論【実践編】

3.重要な5つのモチベーション理論を解説

4.モチベーション理論|おすすめの著書2選

5.こちらの記事もおすすめです。

1.はじめてのモチベーション理論【理解編】

はじめてのモチベーション理論【理解編】

1-1.モチベーション理論とは

モチベーション理論は、1950年代にアメリカで研究がはじまった、動機に関する研究です。約50年という歴史の中で、様々な理論がうまれ、経営や教育、スポーツの現場に活用されてきました。モチベーション理論には、2つの大きな視点が存在します。それが「なに(What)」「どのように(How)」です。

なに(What)  人間は、何によって動機づけがなされるのか
どのように(How) 人間を、どのように動機づけするべきなのか

1-2.モチベーション理論の驚くべき効果

モチベーション理論をあなたの生活に活用していくことで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。表にまとめてみました。

現場 期待できる効果
企業・会社 離職率の低下、コミュニケーションの活性化、社員の営業成績の向上、社内風土の安定、愛社精神の育成、上司と部下の信頼関係を強くする、パワーハラスメント、モラルハラスメントの低減……etc.
学校(教育) 教員の指導力の向上、生徒の自主性・主体性の強化、学力の向上(偏差値UP)、規律を守る心を育てる、運動神経が良くなる、宿題を忘れなくなる、いじめが減る、親子のつながりを強める、親孝行をする…… etc
スポーツ 記録の向上、練習への意欲増加、チームワークの向上(一体感、連帯感を強める)、シーズンを乗り切る長期的な意欲維持、ケガの予防、技術の向上、習慣化の徹底…… etc

2.今日から使えるモチベーション理論【実践編】

今日から使えるモチベーション理論【実践編】

いざモチベーション理論を実践しようとして、何から手をつければいいのだろうとお悩みではありませんか? モチベーション理論には、非常に多くの種類があり、どれが自分に向いているのか・役に立つのかの判断がつけにくいものです。

そこで、ここでは、実際にモチベーション理論を生活の中に取り入れて、これまで以上の成果・効果を実現した事例をご紹介します。

2-1.やる気のない部下に使えるモチベーション理論

やる気のない部下に頭を抱えているリーダーたちは、どの会社にも一定数存在します。もしかしたら、あなたもそうかもしれません。あなたが毎日一生懸命仕事をしていたとしても、何もせずにボーっとしていたり、かと思えば机の下でスマホをコソコソいじっていたりする部下の姿を見ると、イラッとして叱り飛ばしたくなりますよね。

そうなると、ついつい、こうしたくなりませんか?

手段 結果
叱り飛ばす(外発的動機付け) その瞬間は行動が改善しても陰で悪口を言われる、嫌われる、ため息をつかれる

つい、言いすぎてしまった……。そんな経験はありませんか? あるいは、上記のような結果を恐れて、どう扱ったらいいのかわからないという状態かもしれません。いずれにしても、これでは、あまり良い結果とは言えませんね。たとえば以下のように接してみるとどうでしょう。

手段 結果
何が面白くないのかを本人に聞いて、 面白いと感じるポイントを一緒につくる(内発的動機付け) 少しずつ意識が変わっていく。あなたのことを尊敬し、信頼していく

叱り飛ばすという手段に比べると、あなたの求めている理想の結果に近いのではないでしょうか。

外発的動機付けとは、お金(給料)、周りからの評価といった社会的報酬の増減でモチベーションをコントロールすることです。短期的に他人の感情をコントロールすることはできますが、どこまでいっても「なにやってんだ、バカヤロー」とか「給料下げるぞ、コノヤロー」と怒鳴り散らす昭和の体育会系なノリです。

これをされた人は、相手に対して不満を持つようになりますし、もっとよい条件で働ける場所がみつければ、すぐに転職してしまいます。

内発的動機付けとは、本人の興味性、おもしろさ、楽しみ(だっておもしろいんだもん的発想)といった本人の目的意識でモチベーションをコントロールすることです。この方法は、技術力が求められるため、指導者の精神的な成熟が求められます。

しかし、子育てのようにじっくりとていねいにコミュニケーションを取っていくので、相手はあなたに強い信頼を寄せ、尊敬の念を抱くようになります。自分の場所はここだ、ここでがんばっていきたいという意識や誇りを育てることができます。

ここまで読んで、もしかしたらあなたは「そうはいっても、内発的動機付けなんて、あくまでも理想でしょ。実際の仕事では、こんなことできないよ」と感じるかもしれません。その場合は要注意です。あなたは過去に上司や社長から、外発的動機付けをたくさん受けてきた経験をお持ちではないでしょうか。

人は、自分が受けてきた体験をお手本にして他人と接するというしくみがあります。子育ては、とくにその傾向がつよく表れますね。知識を増やして実践の経験を積んでいくことで、より適切な行動をとることができます。少しずつ、内発的動機付けにシフトチェンジしていきましょう。

2-2.自分を動かすモチベーション理論

あなたがモチベーション理論を学びたい動機は、自分自身へ使いたいからかもしれません。働きながら資格取得を目指しているとか、スキルアップのために他人よりも強い集中力を必要としているなど、特別な事情があるのではないでしょうか。

自分自身のやる気を維持していくためにモチベーション理論を学ぶということは非常に有効です。しかし、やり方を間違えると、その効果は発揮されず、得たい結果を手に入れることができません。

たとえば、私の知りあいは会社員をしながら中小企業診断士の資格を取得しようとして以下のように大失敗しました。

得たい結果 会社員として働きながら、中小企業診断士を取得する
手段 85,000円の通信講座を買って、スキマ時間で独学! (とりあえず出す気合と根性)
結果 膨大なテキストと動画ファイルの山。仕事で疲れて帰宅後は勉強できない。結局1回も勉強せぬまま……

これでは、せっかく目標を立てても意味がありませんね。なにがいけなかったのかというと、「自然体でがんばれる仕組み」がなかったからです。

私も学生時代に、英語をマスターしようとして参考書を何冊も購入したことがあります。しかし、家に帰って何ページか読むと、全然おもしろくなくて投げ出して、次の日には見向きもしないという失敗をしたことがあります。

一時の感情の高ぶりで行動を起こしたとしても、目標を達成するまで続けなければ意味がありません。

つぎに、成功した事例も紹介しましょう。
会社員をしながら社会保険労務士の資格を取得した人がいます。その人は以下のような努力をしました。

得たい結果 会社員として働きながら、社労士の資格を取得する
手段
  • 家族の協力を経て1日最低3時間は勉強できる状態をつくる
  • なぜ、自分は資格が必要なのかを紙に書いて読み上げる
  • 家庭教師を雇って、勉強とメンタルケアのサポートを受ける

【応用したモチベーション理論】

  • 自己肯定感UP
  • フロー理論
  • 学習同期の明確化
結果 努力自体が楽しくなり、気が付いたら合格

自分自身のやる気を高めるには、自分にピッタリ合ったモチベーション理論を導入することがポイントになります。正しいモチベーション理論のしくみを作ってしまえば、まるで上りのエスカレーターに乗ったかのように、自動的に目標地点に到達できるのです。

ただし、間違ったモチベーション理論を取り入れると、下りのエスカレーターとなります。ぜひ、ご注意ください。

3.重要な5つのモチベーション理論を解説

重要な5つのモチベーション理論を解説

モチベーション理論には、どのようなものがあるのでしょうか。この章では最新のモチベーション理論から、古典的な理論まで、有名なものを5つご紹介いたします。

3-1.メンタルコントラスティング(Woopの法則)

特徴の解説
  • ガブリエル・エッティンゲン博士が提唱し、2015年に日本語に翻訳された新しい理論
  • これまでのポジティブシンキングや自己啓発向けのモチベーション理論を否定し、結果を出すための思考法
  • 成功後の自分の姿を思い浮かべると、実際の体験として脳が認識して快楽を感じるため、現実の行動を起こすためのやる気がなくなるという理論
実践・ノウハウ (1)W(Wish:短期的な願い・心配事)→(2)O(Outcome:結果) →(3)O(Obstacle:障害)→(4)P(Plan:計画)の順番で紙に書きだしたり、頭の中で想像したりする。

「もし○○(障害)に遭遇したら、××(計画)しよう 」という定型文を完成させる

3-2.フロー理論

特徴の解説
  • ミハイ・チクセントミハイ博士(20世紀を代表する心理学者の1人)が1990年代頃から提唱した内発的動機付けに基づく方法論
  • テレビゲームに熱中する子どものように、「時間を忘れて没頭する」状態にする
実践・ノウハウ (1) 明確な目標を立てる
(2) 集中できる環境を作る
(3) 取り組む課題は適切な難易度にする(簡単すぎず、難しすぎず)
(4) プロからフィードバックをもらう

  • このような状態を作ることで、時間の感覚が薄れていき、没頭できる

3-3.XY理論

特徴の解説
  • ダグラス・マクレガー博士(アメリカの心理学者)が提唱した理論。「人間は生まれながらに怠惰なので、強制し、命令しないと動かない」というアメとムチのX理論と、「人間は本来怠惰ではなく、条件次第で自分から進んで責任を受け入れる」というY理論の2つから構築される。
  • 「その時の状況次第でXとYのどちらを採用すれば有効かということが変わる」ということ
実践・ノウハウ
  • アメとムチは、高度成長期よりも前の、工場中心の環境では有効だった。しかし、快適な生活が送れる現代ではあまり効果的ではない
  • 社会水準が高い環境では、Y理論を有効活用していく方が、長期的なモチベーションを維持しやすい

3-4.目標設定理論

特徴の解説
  • アメリカの心理学者ロックが1968年ごろに提唱した理論。人によってモチベーションが異なるのは、各個人が掲げる目標の質が異なるからだという説
  • 困難な目標を好むタイプの人ほど、そうでない人と比べると高いパフォーマンスを発揮すると主張している
  • 簡単に言うと、ストイックな人ほど、他人よりも圧倒的な結果を出す可能性が高いことを示唆した
実践・ノウハウ
  • 明確な目標設定をする(5W1H)
  • その人の人間性・性格によって、魅力的な目標が異なるため、相手に合わせて適切な目標設定をしなければならない
  • ミスや失敗があった場合は、なるべく早く指摘したほうが、最終的なパフォーマンスが上がる
  • いかに難しい目標であっても、本人が受け入れればその人の仕事への意欲やアウトプットの質は高まる

3-5.学習性無力感

特徴の解説
  • マーティン・セリグマン(アメリカの心理学者)が1970年代頃から提唱。
  • 「なぜ叱られるのかわからない」とか「なにをやっても認めてもらえない」という環境だと、その状況から逃れようとして努力をしなくなる
実践・ノウハウ
  • 他人に対してフィードバックをする際は、その意図や理由をていねいに説明しなければならない
  • 意図や理由を説明しないフィードバックは、相手のやる気をそぎ、精神的なダメージを与えることにつながるので厳禁

4.モチベーション理論|おすすめの著書2選

モチベーション理論おすすめの著書2選

さまざまな情報に触れたなかで、あなたはさらにくわしくモチベーション理論を学び、ノウハウをマスターしたいと感じているかもしれません。

そこで役立つ考え方としては「すべての人に100%当てはまる理論はどれか?」という視点で探すよりも、自分自身の性格に合う方法論を探して、あなた自身の生活にマッチした仕組みを作っていくことが最も望ましいでしょう。

さらに深く知識を吸収し、いますぐ現場に生かしたい! というニーズをお持ちであれば、次に紹介する2名の方の本を読まれることをおすすめします。

成功するには ポジティブ思考を捨てなさい

成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則
ガブリエル・エッティンゲン (著), 大田 直子 (翻訳)

上記で紹介したWOOPの法則をさらに学びたい方は非常におすすめ。前半から中盤にかけては、どうやって理論が作られたのかという研究の内容の説明。手っ取り早くノウハウが知りたい方は、177ページ以降がおすすめ。前半も中盤も読み物としても面白いので、全体的に買って損はない1冊です。個人的に実践して効果がでたので強くプッシュします(笑)。

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
ダニエル・ピンク (著), 大前 研一 (翻訳)

こちらもモチベーション理論を学ぶのに非常に役立つ良書です。これまでのモチベーション理論の歴史・流れもカバーしているので入門編としてもピッタリです。特に初心者の方はこの本を参考にするとよいでしょう。

5.こちらの記事もおすすめです。

私たち社会人にとって、モチベ―ション理論を学ぶことに、どのような意味があるのでしょうか。広い意味でいえば、人生の質を高めて、よりよい明日を作るためだと私は思います。

その意味では、こちらの記事も非常にお役に立ちますので、ご参照ください。

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