「やる気が出ない原因って何なのかな?」とか「やる気を出す方法を知りたい」と思っていませんか?
私は経営コンサルタントとして、クライアントに行動させることにフォーカスしてきました。この記事では、私の経験を元に、「やる気が出ない原因」を7つ、よくある順に解説します。
また、それとあわせて、やる気を出す方法についても説明しました。ぜひ、最後までお読みください。
なお、やる気とは、英語でモチベーション(motivation)です。ただ、モチベーションと言うと、一般的には心理学の用語を指す場合が多いです。このブログの中で、私はモチベーションについても記事を書きましたので、あわせてお読みいただくと、より理解が深まるでしょう。
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ビジネス心理学とは?目次 〜やる気が出ない原因7つとやる気を出す方法11〜
1.やる気が出ない原因1|体の疲れ
フランスの哲学者、デカルトは心と体は独立していると考えました。しかし、これはウソであるということが、心理学の研究で分かっています。
あなたも、実体験でお気づきのはずです。体が疲れていたら、やる気なんておきないですよね。会社で残業してヘトヘト。そんな状態だと、何もしたくない。家に早く帰って寝たい。そのとおりです。
やる気が出ない人によくあるパターンは、「体の疲れ」です。この章では、体が疲れたときに「どうやってやる気を出すか?」とか「やる気を回復するか?」について解説します。
1-1.焼肉よりもやる気が出る、「ある栄養素」とは?
私たちの脳で重要な栄養のひとつにブドウ糖(砂糖や炭水化物を、私たちの体が分解したもの)があります。これが十分にあると、やる気を出せます。ブドウ糖なくして、やる気なし、ということです。
ですので、やる気を出すために必要なことは、脳にブドウ糖を補充してあげることなのです。
そして、ブドウ糖は体が疲れたときに、不足しがちになります。ほら、体が疲れたときには、チョコレート(ブドウ糖)が食べたくなりますよね? これは、使ってしまったブドウ糖を、体が欲しているのです。
このように、体が疲れてしまうと、全身のブドウ糖が少なくなってしまいます。すると、脳までブドウ糖がいかなくなり、やる気が出なくなるのです。ブドウ糖がない状態でやる気を出すことはできません。
余談ですが、体の疲れだけでなく、風邪をひいたときや、女性の場合、PMS(月経前症候群)のときにも脳のブドウ糖が不足しがちになります。ですから、こういった場合でも、やる気が出なくなる、というわけです。
1-2.ブドウ糖を補充するために砂糖をとってはいけない!
では、疲れたら、どうすればいいのでしょうか? 私たちの脳は手っ取り早いブドウ糖として、炭水化物よりも砂糖を求めます。砂糖の方が、炭水化物よりも吸収が早いからです。その典型例が、チョコレートですね。
たしかに、砂糖はすぐに吸収されます。すると、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)も一気にアップします。すると、脳にもブドウ糖が補給されて、やる気もアップ……とはなりません。
血液中のブドウ糖の濃度が高くなると、それをおさえるために、すい臓がインスリンという物質を分泌します。このインスリンには、血糖値を下げる機能があるのです。これによって、実は、砂糖を食べる前よりも、血糖値が下がってしまうのです。
血糖値が下がってしまい、血液中のブドウ糖が減ってしまえば、脳にブドウ糖が補給されませんから、やる気も起こらないのです。
1-3.体が疲れたらぐっすりと睡眠をとりましょう
一番重要なことは、疲れているなら寝るに限る、ということです。当たり前の話でごめんなさい(笑)。疲れているときは、体の免疫にブドウ糖を使わせてあげましょう。
寝ているときは、ブドウ糖の必要量を減らせますし、血液中のブドウ糖を利用する力を高めることができます。もし体が疲れているのであれば、ムリしてやる気を出すのはやめましょう。寝るのが一番です。
ですから、会社員が疲れて帰ってきたら、深夜に資格試験の勉強をしようとしてもやる気なんて上がらないのです。それよりも、すぐに寝て早起きして勉強した方がいいでしょう。
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ビジネス心理学とは?2.やる気が出ない原因2|慢性的なストレス
そもそも、やる気というのは「やりたい!」という感情ですよね。そして、感情のコントロールにブドウ糖が使われるのです。やる気という感情を生み出すにもブドウ糖が必要、というわけですね。
ということは、慢性的なストレスを抱えていると、それだけでやる気が出なくなることがわかりますか?
たとえば、会社の上司から「おい、そのレポート、明日までにやっておけ!」と言われたとしましょう。心の中では「あー、あの上司、本当に腹が立つ。なんで、いつも、オレにやらせるんだよ。ムカツクなあ」と怒りが出てきたとします。
しかし、いくらムカツクと言っても、その怒りを上司に向けるわけにはいきませんよね。怒りの感情をコントロールして、抑えないとクビになってしまいますから。
そこで、私たちの脳は、ブドウ糖を使って、怒りの感情をコントロールするわけです。
慢性的にストレスがあると、慢性的に怒りなどのマイナス感情をコントロールすることになります。すると、慢性的にブドウ糖不足になり、慢性的にやる気不足になります。
わかりますか? ストレスがあると、脳はブドウ糖不足になり、やる気が出ないのです。怒りに限らず、悲しみ、自己嫌悪、不安など、強いマイナス感情をもたらすストレスがあると、やる気が出るわけがありません。
2-1.やる気を出すためにはストレスから身を守る
慢性的なストレスが、慢性的なやる気不足にする。ではどうすればいいのでしょうか? その答えは、当たり前ですが、ストレスから身を守ることです。
ストレスを作り出している問題を解決するか、どうしても解決できないなら、いさぎよく逃げましょう。
たとえば、あなたのことを支配してくるような人がいたら、自分の言いたいことをハッキリ主張するか、離れるかするのです。
どんな人間にも、ブドウ糖の量に限りがあります。つまり、コントロールできる感情の量に限りがあります。もちろん、ブドウ糖は食べ物から補充できますが、それにも限度があります。
人それぞれ、色々な事情があるとは思いますが、慢性的にストレスを抱えている場合、可能なかぎり、そのストレス発生源から距離を置くようにしてください。
慢性的なストレスがあると、そのストレスの感情を抑制するために、私たちの脳はすぐにブドウ糖を使い果たします。やる気を作るためのブドウ糖なんて、これっぽっちも残らなくなります。
2-2.なぜ、人は衝動的な行動に走るのか?
また、ブドウ糖が不足すると、やる気が出ないどころか、もっと大きな問題が起こります。理性の歯止めが効かなくなることです。
脳がブドウ糖不足になると、ドカ食いしたり、衝動的になってしまう
甘いものをドカ食いする、アルコール中毒になる、買い物で散財する、無気力でテレビをずっと見る……などなど。あなたもストレスまみれになったあと、このような経験をしたことがありませんか?
これらの行動はストレス発散の手段と言われますが、実は違うのです。ストレスのせいでブドウ糖不足になり、理性の歯止めが効かなくなって、衝動的に行動しただけなのです。
ですので、私からのお願いは、「ストレスと真っ向勝負をせずに、ストレスから身を守ってください」ということなのです。
ストレスに対処する方法としてヒーリングを思い浮かべる方もいるかもしれません。ヒーリングとは、心と体の健康を回復すること。以下の記事ではヒーリングにはどんな効果があるのか? どんな人に効果が出るのか? について解説していますので気になった方はぜひ読んでみて下さい。
3.やる気が出ない原因3|血糖値のアップダウンが激しい
ここまで、やる気を出すには脳の中のブドウ糖が大事、と書き続けてきました。
このときのポイントは、脳の中のブドウ糖の量を、できるだけ一定に保つことなのです。そして、脳の中のブドウ糖と大きく関係するのが、血液中のブドウ糖の量、すなわち血糖値です。
ブドウ糖は、血液で、脳に運ばれるからです。血糖値が低くなると、脳に運ばれるブドウ糖も少なくなり、やる気が起きなくなります。
3-1.なぜ空腹だとやる気スイッチが入らないのか?
私たちの体は、血糖値が下がるとお腹がすいて、血糖値が高くなるとお腹がいっぱいだと感じるようにできています。食事前は血糖値が低く、食事中に血糖値が上がっていき、血糖値が十分に上がると満腹に感じて、食べるのをやめるのです。
さて、ちょっと思い出してみてください。私たちはお腹がすくと、やる気が出なくなりますよね? それは、お腹がすいているということは、血糖値が下がっているからです。血糖値が下がれば、脳の中のブドウ糖が不足するからです。
つまり、空腹時は、血糖値が下がっているので、やる気も出ないのです。
とくに1日1回だけドカンと食べるような人の場合、食後は血糖値が高くなりますが、その後何時間も血糖値が低い時間が続きます。つまり、脳の中のブドウ糖が足りない時間が続くので、やる気不足の時間も続くのです。
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ビジネス心理学とは?3-2.砂糖と炭水化物の量を減らしてみよう!
一番大切なのは、砂糖と炭水化物を減らすことです。砂糖と炭水化物は、一気に血糖値を上げてくれるのですが、そのあと、インスリンが分泌されて、一気に血糖値を下げてしまいます。これだと、血糖値のアップダウンが激しくなってしまいます。
ですから、砂糖(お菓子やデザート、清涼飲料水など)や、炭水化物(ご飯、パン、じゃがいも、スパゲッティなど)は減らしましょう。炭水化物はゼロにしなくてもいいですが、できれば半分くらいにおさえるといいでしょう。
とくに、砂糖は危険です。砂糖を口にすると炭水化物以上に、一気に血糖値が上がりますが、そのあとガクンと血糖値が下がります。結果として、砂糖をとると、30分やる気は出ますが、その後3時間は、もっとやる気が落ちることになるのです。
逆に食べたほうがいいのは、野菜や果物、ナッツ、チーズ、肉、魚、オリーブオイルなどです(専門用語で、「GI値」が低い食べ物ですね)。
つまりやる気をキープするには、野菜や果物、ナッツ、チーズ、肉、魚、オリーブオイルを食べて、砂糖と炭水化物は減らすのです。
前者を間食として、ちょこちょこと食べると血糖値を一定にキープできます。すると脳の中のブドウ糖もキープできるので、やる気もキープできるのです。1日1食よりも1日6食の方が、やる気をキープしやすいというわけです。
なお、人間の体は、アミノ酸からブドウ糖を作り出す力をもっています。ですので、炭水化物や砂糖をたくさんとらなくても、ブドウ糖不足になることはありません。
4.やる気が出ない原因4|頭の中のモヤモヤ感
「あの資料を作らないといけないんだけど、どうやって作ろうかな。今の状態だと情報不足で良い資料が作れそうにないな」……なんて、頭の中がモヤモヤしていませんか? こういう状態だとやる気が起こりません。
それは、心の中に葛藤(2つの要素が対立している状態)があるからです。あちらを立てればこちらが立たず、の状態ですね。
このように、心に葛藤(2つの要素が対立している状態)があると、やる気は出ないのです。
「資料を作りたい」という、やる気はある。でも、現状だと作れそうにないので足踏みしている状態。車で言えば、アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態だからです。
頭の中では「〜したいけど、このままではできないな」と気づいています葛藤があると、「なんか面倒だな」とか「モヤモヤしていて、どうしていいか分からない」という気持ちになってしまうのです。
4-1.考えていることを整理するとやる気が出る
では、どうやって、そのモヤモヤ感を取ればいいのでしょうか? 答えは簡単です。コーチングなどで使われる質問術をつかって、頭の中を整理すればいいのです。「資料を作りたいけれど、情報不足で良い資料が作れそうにない」というシチュエーションについて考えてみましょう。
資料を作る前提を確認する質問(アクセル側)
- そもそも本当に資料を作る必要はある?
- 資料を作る目的は? その目的を達成する他の方法はない?
情報を集める前提を確認する質問(ブレーキ側)
- そもそも本当に情報を集める必要はある?
- 情報を集める目的は? その目的を達成する他の方法はない?
細かくケース分けをする質問
- 資料を作る必要があるところと、ないところは?
- 情報を集める必要があるところと、ないところは?
妙案を出す質問
- 情報を集めずに資料を作る方法は本当にない?
- 情報を集めずに資料を作れないと思っている理由は?
ロジカルシンキングで、この4パターンを質問で確認すれば、ほぼ間違いなくモヤモヤ感は解消できます。この質問を、あなたの問題に置き換えて、考えてみてください。
葛藤(2つの要素が対立している状態)を解消するには、4視点で質問をする
- 1つ目の要素の前提を確認する
- 2つ目の要素の前提を確認する
- 時と場合について、ケース分けをする
- 妙案がないか確認する
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ビジネス心理学とは?5.やる気が出ない原因5|運動不足
やる気が出ない原因として、よくあるのが運動不足です。
あなたは、テレビなどで、こんなことを言っている「引きこもりの人」を見たことがありませんか?
「全然、やる気が出ないので、家にずっと引きこもっています」とか「働くモチベーションが起こらないので、ずっとパソコンでインターネットを見ています」とか。
これ、実は因果関係が逆かもしれません。家に引きこもっていて、運動不足なので、やる気が出ないのかもしれません。あるいは、インターネットばかり見ていて、運動不足なので、働くモチベーションが起こらないのかもしれません。
実は、運動をするだけで、人間の脳には劇的な変化がおこります。なんと、ストレスやうつ、不安、依存症を改善してくれるのです。
有酸素運動をするだけで、やる気が出ない状態を改善できる
もしあなたが運動不足だったとしたら、それがやる気が出ない原因になっている可能性は十分にあります。
5-1.抗うつ剤より運動が効果的?ある実験の結果とは
実は、運動には抗うつ剤と同等の効果があることがわかっています。
1999年にデューク大学のジェームズ・ブルメンタール氏は、うつ病の患者156人を集めました。氏は、患者を3つのグループに分けて、実験をおこなったのです。
- 抗うつ剤グループ(抗うつ剤のゾロフトを服用する)
- 運動グループ(週3回、30分の有酸素運動をする)
- 併用グループ(上の2つを併用する)
その結果、16週間後、3グループとも大幅にうつが解消したのです。それぞれのグループで、約半分の患者はうつが完全に解消しました。
運動には、(1)薬と違って副作用がない、(2)お金がかからない、(3)他の病気の予防にもなる、などのメリットがあることを考えると、抗うつ剤よりも運動の方がおすすめできます。
5-2.1週間6日間、有酸素運動を45~60分やろう!
『脳を鍛えるには運動しかない』の著者、ジョン J.レイティとエリック・ヘイガーマンによれば、1週間のうち6日間、有酸素運動を45〜60分した方が良いとのこと。これは少し難しい条件ですが、できるかぎり運動することは良いことだと断言できます。
もし、「最近、運動不足だなー」と感じるのであれば、体を動かしてみては? きっと、やる気が出てくることに気づくでしょう。
※もしもやる気が起きない状態が数日から数週間続いて悩んでいるのなら、うつ状態の可能性もあります。
できるだけ簡単な方法で、少しずつやる気を復活できる方法を紹介しているので、ぜひこちらの記事もお読み下さい。
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ビジネス心理学とは?6.やる気が出ない原因6|理想と現実の差が大きい
私は経営者にコンサルティングをすることが仕事ですが、経営者の中には理想と現実の差が大きい人もいます。まだ、ほとんど売上もないのに、「年収1億円になる!」みたいな理想を持っている人です。
残念ながら、こういう人ほど、理想と現実の差が大きくなって、やる気が出なくなります。また、「俺は何でもできる!」といった根拠のない自信を持っている人も同様です。
このように、「自分はなんでもできる」という根拠のない自信は、落胆を生み、やる気を下げるのです。
6-1.マイケル・ジャクソンはなぜ自殺したのか?
マイケル・ジャクソンを思い出してください。彼は、若くして成功し、ギネスに「歴史上もっとも成功したエンターテイナー」として認定されました。出す曲、出す曲が大ヒット。CMの出演料でも史上最高額、グラミー賞を年間最多受賞など、10個以上のギネス記録をとったのです。
心理学の用語では「万能感(ばんのうかん)」と言いますが、おそらく、マイケル・ジャクソンには「俺は万能だ! 俺は何でもできる!」という気持ちがあったことでしょう。
しかし、段々とマイケル・ジャクソンの人生には、冬が訪れます。老化していく容姿、売れなくなっていくCD……。マイケル・ジャクソンの、理想と現実の差がパックリと開いていったのです。それはまるで、雪山や氷河で、登山者をのみ込んで殺してしまう、深い割れ目のように。
マイケル・ジャクソンは、老化していく容姿に抵抗し、整形手術をしました。スーパースターにふさわしい容姿を手に入れようとするも、結果は失敗。最後は、薬物に手を出して、薬物中毒で命を落とします。
分かりますか? 理想と現実の差が広がれば広がるほど、やる気がなくなり、うつに近い状況になっていくのです。
6-2.現実を直視して、コツコツ人生を変えよう
「理想と現実の差が広がれば広がるほど、やる気がなくなる」ということが分かっているのであれば、私たちはどういう行動をとればいいのでしょうか? その答えを、心理学はすでに用意しています。
それは、現実を直視すること。以上。
「俺は万能だ! 俺は何でもできる!」という気持ち、すなわち万能感は子どもに多い心理です。子どものころ、男の子であれば「ぼくは特別な存在だ! ぼくはヒーローだ!」と思うもの。あるいは女の子であれば「わたしはお姫様」と思うもの。
子どもが、そういった万能感を持っていることは当たり前のことです。しかし、大人になっても、そういった万能感を持ち続けているのは危険なことです。心理学において成長とは、「自分はなんでもできる」という万能感を手放すことだからです。
大人になっても、「俺は万能だ! 俺は何でもできる!」という気持ちを持っていると、理想と現実の差が大きくなります。そして、その差が大きくなればなるほど、落胆も大きくなります。これが、やる気が出ない原因なのです。
あげくの果てに、「自分はこんなものじゃない。まだ本気になってないだけだ」と現実逃避をしている人もいますよね。これではいけません。
理想と現実の差を広げないためには、「ああ、自分って、このくらいの力しかないんだ」と現実を直視することです。そして、高望みをしなければ、理想と現実の差は広がりません。
等身大の自分、今の自分を、「これでいいんだ」と認めてあげてほしいのです。そして、あまりにも高すぎる理想は持たないこと。この2つを心がけてください。それができれば、落胆して、やる気が出ない状態は避けることができるでしょう。
人生がうまく行っていない人は、こう考えるのは辛いかもしれません。しかし、人生には一発逆転はありません。コツコツと人生を変えていきましょう。
7.やる気が出ない原因7|燃え尽き症候群
前述したとおり、周りの環境からのストレスは、やる気をなくしてしまう原因です。しかし、世の中には、自分で自分に対してストレスをかけて、やる気をなくしてしまう人もいます。その典型例が燃え尽き症候群の人です。
燃え尽き症候群とは、大きな目標達成をして、やる気が出なくなってしまった状態です。報われ感がなく、自分はダメだと感じている状態ですね。これは自分を追い込んでしまうことが原因です。
7-1.燃え尽き症候群になりやすい人のパターン
燃え尽き症候群になりやすい人のパターンはいくつかあります。
(1)頑張らなければいけないと思っている人
(2)自己犠牲をしなければいけないと思っている人
(3)人からの賞賛や感謝、評価で自分を満たそうとする人
こういった特徴がある人は燃え尽き症候群になりやすく、その結果、やる気が出ないということになりがちです。
私は起業前、松坂屋という百貨店で働いていましたが、そのときの上司もまさにこのパターンでした。「自分はとにかく頑張らないといけない」と思い込んで、休日出勤を続けていたのです。
そんなライフスタイルを10年ほど続けていた上司に、ある日突然、それは起こりました。やる気がプッツリと切れてしまったようで、朝、体がまったく動かない。しょうがなく病院に行ったら、「燃え尽き症候群の可能性がありますね」と言われてしまったそうです。その結果、会社を数ヶ月休んでいました。
あなたは、自分を追い込みすぎていませんか?
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ビジネス心理学とは?7-2.燃え尽きる人ほど自分を追い込んでしまう
燃え尽きる原因は、前述したとおり、自分を必要以上に追い込んでしまうからです。
では、なぜ自分を追い込んでしまうのでしょうか? その理由は、セルフイメージの低さが原因である場合が多いです。言い換えると、自分のことを無条件に価値があると思っていないのです。
(1)頑張らなければいけないと思っている人 → 「頑張らない自分には価値がない」と思っている
(2)自己犠牲をしなければいけないと思っている人 → 「自己犠牲をしなければ、自分には価値がない」と思っている
(3)人からの賞賛や感謝、評価で自分を満たそうとする人 → 「人よりも優れていなければ、人から感謝されなければ、人から評価されなければ、自分には価値がない」と思っている
わかりますか? 強烈に自分を追い込んでしまうのは、こういった心理があるのです。他には「苦しいことを乗り越えるのが人生だ」とか、「私は間違いをしてはいけない」というような思い込みが、行動に駆り立てている場合があります。
7-3.極端な行動に駆り立ててしまう理由を探る
ですから、私からのお願いです。もし、あなたが自分を極端な行動に駆り立ててしまうようなパターンだとしたら、どういった思い込みが、その原因になっているのか、探ってみて欲しいのです。
「とりかかった問題は最後までやらないといけない」と思っているから? 「誰かに助けをもとめてはいけない」と思っているから? 「いつでも積極的なことがいいことだ」と思っているから? 「気乗りしなくても、根性でやるべきだ」と思っているから? 色々な思い込みが、私たちを行動に駆り立てます。
いずれにせよ、自分を極端な行動に駆り立ててしまうようだとしたら、その裏には思い込みがあるはずです。それに気づいて欲しいのです。
その方法は、自分を極端に追い込んでいることに気づいたら、「なぜ?」と5回、自問してみることです。
「私は頑張らないといけない」→「なぜ?」→「頑張って、成功しないといけない」→「なぜ?」→「成功しないと私は価値がある存在だと認めてもらえないから」……というように、自分の心を探っていくと、「●●という条件がなければ、自分には価値がない」と強烈に信じこんでしまっている場合も少なくありません。
もしあなたが、ひんぱんに燃え尽きてしまう場合、カウンセラーに相談してみてください。カウンセラーの選び方については、「カウンセリングの効果と自分に合うカウンセラーの見分け方」の記事を読んでみてください。
8.英語や受験勉強にも効く|やる気を出す方法11
ここでは、7章までに、この記事で紹介した、やる気が出る方法についてまとめておきます。これらのことを意識するだけで、英語の検定や受験、毎日の仕事にも効果が出てくるでしょう。詳細は各章に譲るとして、本章はチェックリストがわりに活用してください。
1.ブドウ糖をなるべく一定に保つ
2.「GI値」が低い食べ物を摂る
3.砂糖(お菓子やデザート、清涼飲料水など)を減らす
4.炭水化物(ご飯、パン、じゃがいも、スパゲッティなど)を減らす
5.疲れたら十分な睡眠をとる
6.ストレスを作り出している問題を解決する
7.ストレスの原因が解決できないものなら逃げる
8. ロジカルシンキングで考えていることを整理する
9. 1週間のうち6日間、有酸素運動を45~60分やる
10. 理想と現実の差を広げないために、現実を直視する
11.自分を追い込んでしまう原因を探る
9.やる気の出る言葉・名言なんて対症療法!
いかがでしたでしょうか? やる気が出ない原因には、色々な理由が裏にあることにお気づきいただけたと思います。
こう考えると、分かりますよね。多くの人はやる気が出ないと言って「やる気の出る名言」が書いてある本を読んだりします。あるいは、インターネットで「やる気が出る言葉」を読んだりします。
しかし、やる気の出る言葉を読むのは対症療法です。今やる気が出たとしても、明日になったら、そのやる気は下がっていることでしょう。もし本当にやる気を出したいのであれば、しっかりと根本の原因を解決して欲しいのです。それをしなければ、安定したやる気は得られないでしょう。
そのためにも、この記事をチェックリストがわりに見なおして、「本当のやる気」を持続させてくださいね。8章に、この記事で紹介した、やる気をやる気を出す方法をまとめていますので活用してください。
もっと手軽にやる気を出したい場合は、こちらの記事をお読みください。やる気のある体質になるための、具体的な方法も解説しています。
こちらの記事はあなたのやる気スイッチを見つけて、押し方まで教えています。この記事を読めば、夢や目標に向かって、やる気スイッチを「オン」にできます。
こちらの記事は、やる気が出ないことで不安になっている方、うつ状態かも?と心配している方のために、まずやってほしいことをメンタルコーチがまとめています。ここで紹介する方法を実際に試してみると、とりあえず何かしてみようかなと気分が変わります。うつ等を疑う前にぜひクリックして読んでみてください。
あなたは自分のことをダメ人間だと思ったことはありませんか? この記事ではダメ人間の診断方法を紹介していますのでぜひチェックしてみてください。またこの記事の3章ではダメ人間から脱出する5つの方法も紹介しています。